アパート経営に英語は必要?外国人入居者に関するメリットと5つの注意点
アパート経営の成功のカギは、入居者集め、満室稼働が一番の条件です。 外国人を受け入れられれば選択肢が広がり、より安定した経営ができそうですよね。
でも、英語が苦手でも運営可能でしょうか? トラブルが多くて大変という話もあるから心配… 大切なことは、契約に基づいて迅速に行動することと同時に、相手に敬意を払い思いやりをもって対応することです。
今回の「あぱ貸」は、皆様が一つの手段として、外国人の受け入れについてジャッジできるような情報を集めました。
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アパート経営者って英語で何?
賃貸アパートの経営を指す英語はいくつかあります。
- 不動産を業として行っている場合:realty business
- 不動産業者:estate agent
- 大家さん:the owner of a rented houseまたは、a landlord
a landlordは貸主という意味もあるので、契約書や大切な書類にも使われることがあります。
日本と海外で異なるアパートとマンションの認識
日本ではアパートとマンションは別々のジャンルとされています。
アパート…木造または軽量鉄骨、2階建てて戸数が少ない
マンション…鉄筋(鉄骨)コンクリート、階数が多く、戸数も多い
当たり前のように使い分けているアパートとマンションですが、海外では居住のジャンルが全く違います。 集合住宅は、全てアパートメントになり、分譲タイプはコンドミニアムなどと呼ばれます。マンションはというと、大邸宅の呼び方です。
日本でのアパートとマンションの違い
アパートとマンションの違いについて、簡単にご紹介しました。 ここでは2つの違いについてより詳しく見てみましょう。
実は、アパートとマンションは、明確に定義づけされ分けられてはいません。 不動産広告においても基準がないので、慣習的に不動産屋さんが分別して、使用している状態です。 そのため、一般的な使い分け、特徴についてピックアップしました。
構造
アパート…木造・軽量鉄骨・プレハブ マンション…鉄筋鉄骨コンクリート・鉄筋コンクリート・鉄骨造 耐震性や防音性に優れているのがマンション、カジュアルに住めるのがアパートという印象です。 構造がしっかりしているので、マンションの方がやや家賃が高いことが多いです。
階層
アパート…2階建て以下 マンション…3階建て以上 構造上、コンクリートの方が高い建物を建てることができます。 建物が高層になると、エレベーターや共有部の防火扉の設置など住人みんなで使用する設備が増えますね。 そのため管理費がアパートに比べ高額に設定されていることが多くあります。
それぞれの特徴
マンションとアパートは構造以外にもそれぞれ特徴があります。
アパート
- マンションより家賃、管理費が安い
- マンションが建てられない土地に建てることができる可能性があるので、土地の有効活用の選択肢が広がる
- 区分所有はないので、一棟管理になる
マンション
- アパートに比べ家賃が高い傾向があるが、その分収入の安定した入居者が多い
- 一棟所有以外にも区分所有によってライフスタイルに合わせ徐々に資産を増やすことができる
- 耐震性、耐火性に優れ、建物の構造がしっかりしているので資産価値が下がりづらい
このような点があります。
建物を指すその他の言葉
アパートとマンションの違いや、メリットデメリットをマスターしたところで、ちょっと豆知識です。 建物にはそれぞれ名前がついています。
「コーポいとう」だったら、「いとうさんの物件なんだな」と想像がつきますよね。 しかし、「コーポ」って何?と思われた方も多いと思います。 コーポ、メゾン、ハイツ…これらは明確には使い分けられていません。
要は大家さんの「好み」で使用します。 では、物件名によく使われるカタカナ表記を詳しく見てみましょう。
コーポ
コーポは和製英語になります。 「共同住宅」という意味のcorporate houseからとった言葉です。 アパートなど規模の小さな賃貸物件に多く使われています。
ハイツ
ハイツは英語で「高台の家」という意味のheightsからきています。 プレハブなどの小さなアパートに使うことが多いです。
メゾン
メゾンはフランス語で「家・建物」を指すmaisonです。 こちらも、規模の小さな賃貸住宅に多く使われます。
ハイム
ハイムはドイツ語で「家」を指すheimです。 メゾンやハイツと同様、カジュアルな賃貸住宅に使われることが多い名称です。
カーサ
カーサはイタリア語で「家や住宅」を指すcasaです。 小規模賃貸住宅だけでなく、中規模のマンションなどでも使われています。
レジデンス
レジデンスは英語で「大きな邸宅や官邸」を指します。 集合住宅で「レジデンス」とつけるのは日本独特の風習で、海外で「レジデンスに住んでいる」と話すと驚かれてしまったというエピソードもあります。 分譲マンションなどに多く使われる名称です。
アパート経営に英会話力は必要?
アパート経営で一番大切なことは満室にすることです。 入居者の選択肢を広げれば満室にできる可能性が高くなると思われる方は多いと思います。
近年では、外国から日本に働きに来る方も多くなり、家探しをしている方も多くなりました。 そんな時、英語は必要になってくるのでしょうか?
結論から言うと、必要ありません。
賃貸契約は、日本の民法などに沿って契約をしていきます。 契約の法律用語や約束事にかかわる言葉を間違えると、契約のトラブルにつながる重大な事故になります。 また、入居の管理をご自身でやっている場合、緊急トラブルなどの電話がかかってくるので、速やかに対応しなければいけません。
相手は焦っているので、聞き取れない、聞き間違える、うまく伝わらないなどトラブルが起こることが多々あります。 では、外国人の受け入れをあきらめるべきかというと、そうではありません。
外国人に強い不動産管理会社と管理委託契約を行えば、安心して受け入れが可能です。 英語圏だけではなく、近隣のアジア諸国にも強い不動産屋さんは多くあります。 まずは、そういったところに相談してみましょう。
外国人入居者の受け入れについて
外国人の入居受け入れについて、もう少し詳しく見てみましょう。 まずは、一般的な賃貸物件でのケースを考えてみます。
メリット
外国人の受け入れにあたり、一番のメリットは将来的な需要の増加が望めることです。 ニーズは増え続けているので、空室対策の一環としては有効と考えられます。
併せて、外国人の増加に伴い国土交通省は「外国人の民間賃貸住宅入居円滑化ガイドライン」の作成をしています。 6か国語に対応しており、入居申し込みから契約までをサポートする内容になっているので外国人対応をしている大家さんには心強いアイテムです。
こういった公的な情報サポートもあるので比較的参入ハードルは下がっているといえるでしょう。
デメリット
業界や国が積極的でも、やはりデメリットはあります。 ・連帯保証人がいないため、保証会社の使用をお願いしても保証料などに同意が得られない ・単身入居の契約だが、いつのまにか複数の住人が住んでいる ・言葉の違いから、生活においてまたは近隣にてトラブルが起こる。
しかしこれらは、必ず起こるものではありません。 日本の風習に慣れている、言葉が理解できる、入居者によって変わってくるでしょう。 会社や学校などで多くの日本人と接している環境であれば、最初は不慣れでも徐々に慣れていただける場合もあります。
注意すべき5つのトラブル
外国人の受け入れに当たって、よく起こるトラブルと対処法をピックアップしました。 大家さんにとってはトラブルですが、実は外国の方が知らない、困っていて起こしていることも多くあります。
どのような状況、事情なのかを迅速に把握し、対処できるようにしておくことが大切です。
ゴミの捨て方
多くあるのがごみの捨て方です。 曜日や分別が守られずに捨てられることが多くあります。 入居の際は、各自治体が配布している外国語記載の分別ガイドを必ず渡すようにしましょう。 不安な場合は、ごみ捨てに関する覚書などを作成し、入居者と取り交わすこともできます。
騒音・生活音
海外と住宅の構造が違う、近隣との距離感が違うことがあります。 外国の人は悪気なく騒音を起こしていることもあるのでまずは丁寧に話し合いましょう。
国によっては宗教上お祈りなどで、思わぬ時間に音が発生することがあります。 そういった場合は理解をしあうことがとても大切になってきます。
賃料遅延
賃料の遅延に関しては、契約上の約束なので必ず守ってもらわなければなりません。 不安な場合は、外国籍でも使用できる家賃の保証会社があるので、契約時の必須条件にしておくと安心です。
転賃借(又貸し)
一番ややこしいトラブルが転貸借です。 断りなく次々と入居者が変わって居座られてしまう状態です。 火災や震災、トラブルの際に非常にややこしい事態になります。
対策としては、契約書や覚書で明確にするほか、定期借家や一年契約にし、対面での書類更新を行うことも有効です。 あるマンションでは、そういった事態を防ぐため花見やクリスマスパーティーなどを企画し、常に入居者と交流を持つようにしている大家さんもいます。
業務上の工夫だけではなく、サービス上の工夫の検討もプラスに働くかもしれません。
改造や塗装
外国の賃貸物件では、部屋を自分好みにカスタマイズしてよいことが多くあります。 日本では、それを認めていない旨を入居時によく説明しなければなりません。
一方、改築などができる点をセールスポイントにする物件も出ています。 入居時より設計事務所や大家さんと、好きなように部屋をカスタマイズできるサービスなどは非常に好評です。 一般賃貸では、無断改築などの際は原状回復義務があります。
この点も詳細に入居時に話し合うことが大切です。
Airbnbで物件を運用するなら英語力必須!
不動産投資の新しい選択肢として、民泊が非常に注目されています。 民泊は日本人だけではなく、外国人から多く支持されています。 民泊の仲介サイトAirbnbがCMを始めた影響も非常に大きく、市場規模はどんどん大きくなっていくでしょう。
民泊の経営に当たっては、外国人受け入れのために英語は必要でしょうか?
翻訳ツールなどの性能が向上したこともあり、ペラペラである必要は無いが、ある程度の英語力は必要です。 まずは、民泊について把握してみましょう。
ゲストの半数以上は外国人旅行客
民泊の宿泊者、ゲストの半数以上は外国人です。旅行者なので、日本語を話せることは非常にまれです。 Airbnbなどのサイトには、物件のロケーションや情報が記載されています。
それに沿って利用者は予約しますが、直接質問が来ることも多くあるので、速やかな対応が必要です。 また、サイトによってはサービスや運営が英語対応になるので、広告宣伝の時点から英語が必要なことがあります。 民泊の経営に当たっては、最低限の英語力は必須といえるでしょう。
トラブルにも備えておこう
Airbnbなどに民泊情報を登録したら、実際に運用が始まります。 準備することは簡単に8個ほどあります。
1:宿泊、部屋利用のルール作り
2:予約や問い合わせのメール対応
3:民泊のロケーション、交通案内や道順の案内
4:チェックインやお迎えなどの確認
5:お迎えのあいさつ
6:宿泊、部屋利用のルールの対面説明
7:質問や相談への対応
8:チェックアウト、見送り
このような内容にすべて英語で対応する必要があります。 あらかじめ書面やメールフォーマットを作り対応、翻訳アプリで対応することも可能です。
まとめ
賃貸物件の運用において、どのように運営していくかによって英語が必要かどうかは変わってきます。 賃貸契約は法律行為になるので、難しいようであれば外国人専門の不動産業者などの力を借りましょう。
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