マンション経営の収入はいくら?|平均年収や経営の現実まで徹底調査
目次[非表示]
- 1.マンション経営とアパート経営はどう違う?
- 2.マンション経営の平均年収は約1000万円
- 2.1.家賃収入の算出方法
- 2.2.手元に残る年収と月収の計算方法
- 3.マンション経営の収入を具体的な例で見てみよう
- 4.マンション経営で必要な経費と内訳
- 5.マンション経営をした際に支払う税金を知ろう
- 6.マンション経営をする際の3つの注意点
- 6.1.空室や家賃滞納で収入が激減するリスク
- 6.2.金利上昇の可能性がある
- 6.3.災害が起こるリスク
- 7.マンション経営はどうやって儲ける?|失敗例から学ぶ経営対策
- 8.マンション経営で収入を上げるポイント
- 9.マンション経営に成功する人と成功しない人の違い
- 9.1.1.物件や管理会社の選び方が上手い
- 9.2.2.資金計画を長期目線で立てている
- 9.3.3.リスク対策ができている
- 10.マンション経営で地獄にしない5つの対策
- 10.1.立地の評価を見直し悪ければ買い替える
- 10.2.資産規模は徐々に資産の買い替えで大きくしていく
- 10.3.なるべく自己資金を3割以上用意する
- 10.4.施工の質の高いマンションを適切なコストで建てる
- 10.5.サブリースを選択する際は慎重な判断を
- 11.マンション経営で得られる5つのメリット
- 11.1. 1.毎月安定した収入が期待できる
- 11.2. 2.戸数が多いため空室リスクを分散できる
- 11.3. 3.管理の外部に委託できる
- 11.4. 4.ローン完済後は大きな資産になる
- 11.5. 5.節税効果が期待できる
- 12. マンション経営の5大リスク・デメリット
- 12.1.1. 初期費用が高くなりやすい
- 12.2. 2.空室リスク・家賃滞納リスクがある
- 12.3. 3.家賃下落リスクがある
- 12.4.4.修繕費リスクがある
- 12.5. 5.災害リスクがある
- 13.マンション経営を行う際は入念に計画を立てよう
- 14.この記事を読んだ方に人気のお役立ち資料一覧
マンション経営とアパート経営はどう違う?
アパート経営とマンション経営は、同じ集合住宅の経営のため同じ経営方法かと思われやすいですが、違います。
アパート経営は基本的に1棟まるごと経営しますが、マンション経営は一室から始めることができます。アパート経営とマンション経営では取り扱う物件が異なるため、経営方法も異なります。
アパート経営のほうが、マンションより規模が大きくないため、少ない資金で始めることも可能です。
アパートのターゲット層は1人暮らしの若者など、マンションのターゲット層はファミリーや長い期間入居することを決めている人が多いでしょう。
マンション経営
マンション経営は一室から始めることができます。
マンション1棟まるごと経営する場合は、資金もそれなりにかかります。
オートロック設備のマンションが多いため、セキュリティ面ではアパートよりマンションのほうが強いです。オートロック設備があると、入居希望者様も増えます。
マンション一室のみの経営である場合は、売却もしやすく流動性も高いと言えます。
築年数が経ち、修繕しなければならなくなった場合は、管理組合で積み立てている修繕費用から賄うことができます。修繕費用などについて10年~15年に一度入居者全員で話し合い、費用の使い道を決定します。
アパート経営
アパート経営は、マンション経営よりも少ない資金で経営することができます。そのため、不動産投資を始めようとしている人には、アパート経営がおすすめです。
アパート経営であれば、万が一、どこかの部屋に空室ができたとしても、他の部屋の入居者様からの家賃収入があるため、収入が一切なくなるという不安はありません。
マンション経営と違い、修繕しなければならなくなった場合は、大家さんが費用を負担するケースが一般的です。
マンション経営の平均年収は約1000万円
「モゲチェック不動産投資(借り換えサービス、バウチャーサービス)」を利用するユーザーの平均年収は1,064万円、最多年収層は700万円台でした。不動産投資を行う際には銀行借り入れを行うのが一般的であり、その審査基準に合致する高所得者が中心ユーザーになっているものと推測されます。また平均年齢は43歳となりましたが、20代のユーザーも少なからず存在し、全体の4%を占めています。
引用:モゲチェック 【MFS公式調査レポート】約7割の不動産投資家は高い金利で借り入れを行なっている!不動産投資家に関する調査結果公開
家賃収入の算出方法
大家さんの主な収入は家賃収入ですが、以下の計算式で算出できます。
家賃収入=マンションの戸数×稼働率×1戸あたりの賃料
例えば、15部屋あるマンションで4/5が満室で、一室の賃料が10万円だとすると、1か月の家賃収入は120万円になります。年間では、1200万円となります。
しかし、この家賃収入が全て手元に入ってくるわけではありません。
手元に残る年収と月収の計算方法
上記で算出した家賃収入から、共用部の光熱費や設備導入費、月々のローン返済費、火災保険代など、諸々の支出を引いた額が大家さんの手取りになります。
以下、大家さんの年収算出の計算式となります。
マンションオーナーの年収=年間収入-年間支出
家賃収入以外にも駐車場や駐輪場、自販機などを所有している場合は、そこからも収入があります。また、退去時に入居者様から支払われる礼金も収入として数えられます。
支出が想定よりも多いため、マンション経営を始める際には、事前にどのくらいが手元に入るのかを計算しておくことが重要です。
マンション経営の収入を具体的な例で見てみよう
一棟マンション
一棟マンションは、鉄筋または鉄骨鉄筋コンクリートでできているため頑丈な建物です。階数や部屋数が多く、セキュリティ面も安心で、購入価格が比較的高めです。
中古マンションであれば、1億~3億円ほどで購入できます。
購入価格は高額ですが、得られる収益も大きく、価値も高いです。
東京23区のマンションの家賃相場は下記です。
ワンルーム |
約7万円 |
1K・1DK |
約8万円 |
部屋数によっても家賃収入は変わりますが、ワンルーム7万円の部屋が全て満室で20部屋ある場合のマンションの収入を計算します。
家賃収入=20×1×7=140万円となります。
一棟アパート
アパートは、一般的に鉄骨や木造でできているため、マンションよりも耐久性は劣ります。
低層の2階建て~3階建てのものをアパートと呼びます。
一棟アパートの購入価格は、2,000万円~1億円です。
マンションよりは安価に購入することができます。
物件によりますが、一棟アパートでコストパーフォーマンスの良い収益が期待できる可能性もあります。
東京23区のアパートの家賃相場は下記です。
ワンルーム |
約6.1万円 |
1K・1DK |
約7.1万円 |
マンションよりも賃料は低めの設定となっています。
ワンルーム約6.1万円の部屋が20部屋あって、全て満室の場合は以下の収入になります。
家賃収入=20×1×6.1=122万円です。
区分マンション
一棟マンションの一室のことを区分マンションと呼びます。マンション経営をしている方の中で、区分マンション経営をしている方も多いです。なぜなら、一棟まるごとマンションを購入するよりも少ない資金でマンション経営を始めることができるからです。
利回りが低かったり、空室になると収益が0になるなどデメリットもありますが、少ない資金で始めることができ、不動産投資を始めようとしている方にはおすすめです。
区分マンションは、500万円~2,000万円で購入することができます。
東京23区のマンションの家賃相場は上記で説明した通りです。
区分マンションの家賃収入ですが、ワンルーム6.1万円の部屋の場合は、その金額がそのまま家賃収入となります。
マンション経営で必要な経費と内訳
マンション経営する際に必要となる経費があります。経費や支出を引いたものが実際の手取りになるため、きちんと把握しておくことが重要です。
また、経費は全て計算し計上することで、節税効果を高めることができます。
ローン返済費
金融機関から融資を受けてローンを組んで賃貸物件を購入した場合、家賃収入から毎月元金と利息を払わなければなりません。
また、賃貸物件を購入する費用とは別に設計費用や底地権買取費用、旧建物解体費用などもローンに組み込まれている場合もあります。
ローン返済費は、経費の中で最も重要な費用となります。家賃収入から毎月支払う必要があるため、いくら支払うのか、きちんと確認しておきましょう。
管理委託料
管理会社に物件の清掃や入居者様の対応などを管理会社へ委託する場合は、管理委託料を支払う必要があります。
アパート一棟やマンション一棟など、一棟まるごと所有している場合は、自分で物件周りのことを全ておこなうことは難しいため、管理会社へ委託する場合が多いです。
アパートやマンションの規模により、金額も異なりますが、管理料の相場は家賃の2~5%で、毎月支払う必要があります。
仲介手数料
仲介手数料は、不動産会社に入居者様を紹介してもらった場合などに発生します。
賃貸契約に関する仲介手数料の上限は家賃の1カ月+消費税と定められていますが、不動産ポータルサイトを見ると家賃の0.5カ月~1カ月分+消費税となっている場合が多いです。
仲介会社を通して入居が決まった際に、仲介会社へ必ず支払う必要がありますが、大家さんが自分で入居者様を探し、契約が決まった場合は支払う必要はありません。
建物修繕費
建物はいずれ古くなり、損傷したり劣化したりするため、修繕をおこなわなければならなくなります。その際に発生するのが、建物修繕費です。
例えば、エアコンを取り換えたり、階段や屋根に損傷が見られたりしたときにかかる費用です。
また、入居者様が退去時におこなう原状回復の際に使う費用も、建物修繕費となります。
保険料
所有物件で保険に加入している場合は、保険料を支払わなければなりません。
保険には、火災保険や地震保険などがあります。保険の種類や会社により、補償内容や費用がことなります。支払い方法は、毎月支払うか年単位で支払うかの2パターンにわかれます。
災害はいつ、どのようなタイミングで起こるかわからないため、火災保険や地震保険などには加入しておくことをおすすめします。
税金
アパートやマンション経営をするにあたって、所得税や住民税、個人事業税、固定資産税などが課せられます。
所得税、住民税、個人事業税については、下記にまとめました。
所得税 |
アパートやマンション経営をおこなうことによって生じた利益には所得税がかかります。 |
住民税 |
所得に応じて住民税がかかります。
住んでいる都道府県や市区町村に支払う税金です。
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個人事業税 |
家賃収入が一定以上の規模である場合は、個人事業税を支払う必要があります。
所有している物件が増え、家賃収入も増えれば、事業をおこなっていると見なされるため、個人事業税が課せられます。
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また、不動産を購入した際や登記登録する際に税金が発生します。そのため、税金対策をおこなうことも大変重要になってきます。
諸経費
上記で紹介した費用以外にも諸経費がかかります。
例えば、不動産会社の人と打ち合わせする際の交通費、入居者様募集のための広告・宣伝費、共有部分の光熱費などがあります。共有部分の光熱費は毎月かかります。
細かい金額が多いですが、これら諸経費をすべて合わせると、毎年数十万以上はかかる想定でいましょう。
マンション経営をした際に支払う税金を知ろう
税金について、上記で紹介した部分もありますが、マンション経営をするにあたって、支払わなければならない税金がいくつかあります。
税金の種類 |
内容 |
不動産取得税 (都道府県税) |
不動産を取得した際に課せられます。
税率は3%ですが、居住用ではない住宅に関しては税率が4%です。
|
登録免許税 (国税) |
登記する際に課せられます。
税率は、売買・交換・贈与時は20%、相続時には0.4%です。
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印紙税 (国税) |
不動産の売買契約書や賃貸借契約書、領収書を作成した際に課せられます。
税率は、取引した不動産の価格により異なります。
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固定資産税 (市町村税) |
毎年1月1日時点で固定資産台帳に所有権者として記載されてある人が納税する税金です。
税率は1.4%です。
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都市計画税 (市町村税) |
市街化区域内に土地や住宅を持っている人に毎年課される税金です。 |
所得税 (国税) |
家賃収入を得た際に課せられます。
収入に応じて税率が決まります。
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参考:イエカレ+ アパート経営の収入・年収ってどれくらい!?
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マンション経営をする際の3つの注意点
空室や家賃滞納で収入が激減するリスク
必ず満室経営できるとは限りません。入居者様がなかなか見つからず、長い間空室が続く場合もあります。そうなると家賃収入が減り、ローン返済も厳しくなります。
マンション経営において、空室が最大のリスクとなります。
空室が長期化してしまうと、その間家賃収入が減り、当初想定していた利回りを実現できなくなる可能性も出てきます。また、家賃を下げて入居者様を獲得する必要が出てくるかもしれません。家賃を下げずに入居者様を見つける場合は、新しい設備導入やリフォームなどを考える必要があります。
家賃滞納する入居者様に関しては、管理会社に委託している場合は管理会社に対応を任せましょう。大家さんが自ら解決するために行動する必要はありません。
金利上昇の可能性がある
現在の日本では、日本政府のゼロ金利政策が続いており、低金利の流れとなっています。
しかし、いつどうなるかわからないため、もし物件購入後に金利が上昇した場合、家賃収入よりもローン返済費のほうが上回る可能性も出てきます。
そうなった場合のときのために、対策をとっておくことが重要です。
対策の1つとして、自己資金の割合を増やすことを考えましょう。
物件を購入する際の自己資金を増やします。そうすることで、少ない金額でローンを組むことができ、返済費用も少なくなります。
現金を多めに持っておくことで、金利上昇した場合も安心です。
災害が起こるリスク
マンションを経営していると、災害保険や地震保険には加入する方が多いですが、いつどのタイミングで災害が起きるかは予想できません。
ローンを組んでいる方は災害保険加入が必須ですが、地震保険は必須ではないため加入している方は少ないのではないでしょうか。
日本は地震大国であるため、今後大きな地震が来る可能性は十分あります。地震保険は、火災保険よりも高額ですが、加入することをおすすめします。
地震保険の補償範囲は「居住用建物」と「家財」の2種類で、補償額は、居住用建物が5,000万円、家財が1,000万円を限度として、火災保険の補償額の30%~50%となるのが一般的です。
引用:生和コーポレーション アパート経営・マンション経営の災害リスク(地震・火事)と保険
災害が起きても保険に入っていれば安心ですが、災害で建物損傷などが起きる可能性もあるため、現金を多めに持っておくなど準備をしておくことも重要です。
また、事前にマンションのエリアのハザードマップやサイトで地震の耐久性などを調べておくといいでしょう。
マンション経営はどうやって儲ける?|失敗例から学ぶ経営対策
失敗例①自己資金0でマンション経営を始めた
頭金なしでフルローンを組めるローン会社もあるため、自己資金0でマンション経営を始めることは可能ですが、後々大変になります。そのため、おすすめはしません。
少ない自己資金でマンション経営を始めると、借入金の金額が大きくなり、家賃収入のほとんどがローン返済費でなくなってしまう可能性もあります。
借入金の返済額が少なければ、毎月の負担も減り、突然の空室や出費にも対応することができるため、マンション経営を始める際はある程度の自己資金を準備しておくことをおすすめします。
失敗例②投資物件を追加購入し、借金地獄
購入したマンションが、築年数が経過し、老朽化も進み、空室が目立つようになると、追加で物件を購入する大家さんがいます。
所有マンションが空室で家賃収入が減ったため、もう1つ物件を購入し家賃収入を得ようとしますが、すでに所有している物件が赤字経営の場合、追加で一棟や二棟程度購入しても、あまり意味がありません。
追加で物件を購入する自己資金が足らず、多額の借入金が必要となり、借金地獄に陥る可能性があります。
資産を増やすためには、追加購入ではなく買い替えをすることをおすすめします。所有しているマンションを一度売却し、自己資金を手元に置いてから、新しいマンションを購入して、ローンの割合を減らしながら資産規模を拡大させていきましょう。
マンション経営で収入を上げるポイント
マンション経営で収入を上げるためには、空室を発生させないように対策を取りましょう。
空室が出てしまうと、家賃収入が減り、ローン返済費や諸経費などが支払えなくなる可能性があり、赤字経営になってしまいます。黒字経営するためには、やはり空室を出さないことが重要です。
常に満室であれば、収入が減ることもなく、ローン返済費に困ることもありません。
空室対策として、新しい設備の導入、セキュリティ面の強化、リフォーム・リノベーションをする、などが挙げられます。
費用がかかってしまいますが、ずっと空室が続くよりも、負担は少ないです。
空室対策として、一番おすすめなのが「インターネット無料」を導入することです。
インターネットが普及している現代では、幅広い年代で日常的にインターネットを利用しています。入居希望者様が物件探しの際に「インターネット無料」と条件に入力し、検索するケースも増えています。
マンションやアパート一棟にまるごと導入することで費用も安く済みます。入居希望者様が個人でインターネットを導入する場合、契約の手続きなどの手間が発生しますが、入居した賃貸に入居当日からインターネットが無料で利用できるため、とても喜ばれる設備です。
弊社が提供している無料インターネット設備「アイネット」は、導入後、入居率90%UPという事例があります。
また、Wi-Fiサービス以外にもさまざまなオプションをつけることが可能です。防犯カメラや漫画読み放題など、入居者様の生活を豊かにするサービスを用意しています。
アイネットは工事からアフターサポートまで一貫して弊社でおこなっています。24時間365日稼働している窓口もあるため、トラブルにもすぐに対応することができます。
リフォームやリノベーションほどの膨大な費用はかからず、空室対策の中でも安価に導入することができます。一度インターネット無料物件に住むと、無料でインターネットが利用できる快適な環境を離れたいと思わなくなり、退去防止にもなります。
マンション経営に成功する人と成功しない人の違い
マンション経営で成功する人と失敗する人には、どのような違いがあるのでしょうか?
じつは、マンション経営で成功している人は、以下の点に留意し、マンション経営をおこなっています。
1.物件や管理会社の選び方が上手い
マンション経営の成否は、物件選びにかかっていると言っても過言ではありませんが、同じくらい重要なのが「管理会社」の選び方です。
管理会社は、オーナー様の大事なマンションを任せる大切なパートナーです。任せるに足る信頼できる管理会社を選ぶことで、マンション経営を成功へと導きます。
管理会社が入居者募集や入居者管理、建物管理をしっかりとおこなってくれれば空室率が低くなり、入居者の満足度も上がるので退去率も下がり、収益が増えます。
逆に入居付けや管理がずさんな管理会社を選んでしまうと、空室率が増えてしまいキャッシュフローは減少してしまいます。
よい管理会社を選ぶためには、管理会社を直接訪ね、ヒアリングをおこないましょう。
管理している物件数やそれらの空室率、会社の雰囲気、担当者の人柄など、直接確認することで信頼できる会社であるか判断するとよいでしょう。
2.資金計画を長期目線で立てている
マンション経営をおこなう際は長期目線で、さまざまなリスクを想定したうえで、余裕のある資金計画を立てておくことが欠かせません。
長期間わたっておこなうマンション経営は、運用するうえでさまざまな費用が発生します。
とくに物件の資産価値を維持するためにおこなう大規模修繕などは大きな費用がかかるため、しっかり資金計画に組み込んでおく必要があります。
また、災害被害などの突発的な出費や、空室の増加や家賃滞納などで収益が減少した場合に対応できるよう、あらかじめある程度の資金を手元に残しておくことも重要です。
3.リスク対策ができている
マンション経営で成功している人は、あらかじめマンション経営で想定できる各種リスクを最小限におさえる対策や必要な資金の計画を立てています。
これらリスク対策が不十分な場合、実際にトラブルが起こってから行動しようとしてもすでに手の施しようがなかったり、資金が足りなかったり、最終的にマンション経営の失敗につながってしまうのです。
マンション経営で地獄にしない5つの対策
マンション経営を失敗してしまう最大の原因は資金繰りができなくなりローン返済が滞ってしまう、いわゆる「借金地獄」に陥ってしまうためです。
では、資金繰りを悪化させないためには、どのような対策が考えられるのでしょうか?
ここではマンション経営を健全におこなうためにできることを5つ紹介します。
立地の評価を見直し悪ければ買い替える
前述のように、マンション経営成否は物件を選ぶ段階で決まってしまいます。
そのため、賃貸需要が低いエリアの物件を選んでしまうと入居者が見つからず、空室ばかりが目立つ収益性の低い物件になってしまうおそれがあります。
そうならないためにも物件を選ぶ際は慎重な判断が必要ですが、購入してしまった場合は1日でも早く物件を処分し、しっかりと収益の出る物件に買い替えましょう。
収益を上げるために、リフォームや設備の追加をおこなったり、家賃額を下げたりして入居者が決まればよいですが、それでも決まらない場合は赤字ばかりが増えてしまいます。
売却しようにも、空室だらけのマンションではローン残債が売却価格を上回ってしまい、結局借金だけが残ってしまう結果になりかねません。
マンション物件の買い替えは非常に大変ですが、ダメージに少ないうちであれば可能性はあるので、できるだけ早く決断することが重要です。
資産規模は徐々に資産の買い替えで大きくしていく
安全に資産規模を大きくしたい場合は、物件の追加購入ではなく、物件を買い替えていくことをおすすめします。
買い替えであれば一旦現金を確保し、その現金の額を踏まえて次の物件の投資額を決定することができます。
たとえば、1棟目の物件を売却したところ購入時と金額で売却できた場合、借入金の返済をおこなった額の分だけ、売却によって得られる自己資金は1棟目の物件の購入時よりも増えます。
増えた自己資金を使って、1件目よりやや大きめの物件に買い替えれば2棟目以降も健全な財務状態のまま資産規模を拡大することができるのです。
なるべく自己資金を3割以上用意する
余裕を持った返済をおこなうためには、マンションを購入する際は自己資金(頭金)を十分用意し、借入金を適正な範囲におさめることが重要です。
借入金が過剰な場合、毎月のローン返済額が高額になります。返済額が大きいと突発的な修繕費用の発生や想定以上に空室期間が長引いた場合、想定したキャッシュフローが減ってしまい、ローン返済に対応できなくなる可能性があります。
頭金の目安は物件価格の1割~3割が一般的です。3割の頭金を用意できれば、低い金利で融資を受けられる可能性のあるため、毎月のローン返済額に余裕が生まれるでしょう。
施工の質の高いマンションを適切なコストで建てる
新築マンションを建てる際は、建築費用(コスト)だけでなく施工の質の高さも重視しましょう。
利回りばかりを重視してしまい低コストの建物を建ててしまうと常にどこかしら、修繕が必要な「難あり物件」になってしまい、修繕費用がかかるだけでなく空室も増えてしまう可能性があります。
優良な資産を得るには、施工実績の豊富な信頼できる建築会社に施工してもらうことが重要です。
ただし、品質ばかりにこだわると今度は投資額が大きくなり過ぎてしまい、周辺の家賃相場にあわない物件になりかねません。
マンションを建てる際は、品質を維持しつつ、それに見合った建築費で建てることが大切です。
サブリースを選択する際は慎重な判断を
マンションの管理を委託する際、「サブリース方式」を選択する場合は注意が必要です。
サブリースとは、マンション一棟丸ごとをサブリース会社(不動産会社)に転貸する管理方式で、その大きな特徴は空室の有無にかかわらず家賃が保証されている点です。
満室想定時の家賃収入から手数料(15~20%程度)を差し引かれた残りの賃料を空室の有無にかかわらずオーナーが受け取れることです。
空室があっても常に一定額の賃料を受け取れるサブリースは一見してお得に見えますが、手数料が高いため、一般的な管理委託方式に比べて収益性は低くなります。
また数年ごとに家賃保証額が見直されるため、場合によってはさらに収益が減り、ローン返済がむずかしくなってしまうおそれも考えられます。
そのため、空室はあっても家賃保証されるサブリースよりも、空室リスクがあっても一般的な管理委託方式を選択した方が、安定したマンション経営をおこなえる場合もあります。
所有する物件の立地や入居率などから、どちらの管理方式が向いているのか慎重に判断するとよいでしょう。
マンション経営で得られる5つのメリット
1.毎月安定した収入が期待できる
マンション経営のおもな収入源は、入居者が支払う家賃です。短期間で大きな収入は見込めませんが、入居者がいるかぎり長期にわたって安定した収入を得られるのがマンション投資の大きな魅力のひとつです。
さらにマンションを含めた不動産の値動きは比較的緩やかです。そのため株式投資やFX投資のように一晩で無価値になるリスクが少ないのもメリットです。
2.戸数が多いため空室リスクを分散できる
区分マンションのように1室しか所有していない場合と比べて、空室リスクを分散させられるのが一棟マンション経営のメリットです。
マンションは複数の部屋を同時に賃貸するため、一度に全部の部屋が空室になるリスクはきわめて低いです。もちろん退去者が出て空室になるのは避けられませんが、たとえば一棟30室のマンションで数室の空きがあったとしても家賃収入が0円にはなりません。
3.管理の外部に委託できる
賃貸マンションの管理業務は多岐にわたり、オーナー様自身で管理するのは困難です。しかし、賃貸物件の管理全般は、不動産管理会社などに委託できます。
管理会社に任せることで、オーナー様はマンションの管理に手間や時間をかけることなく、マンション経営をおこなえます。
ただし、不動産管理会社に管理委託する場合は費用がかかります。一般的な目安は家賃額の5%~8%/戸程度です。なお、管理委託費用は経費として計上が可能です。
4.ローン完済後は大きな資産になる
マンション投資をはじめとした不動産投資では、融資を受けて収益用マンションを購入するのが一般的です。借入れ金は毎月家賃収入から返済する必要がありますが、ローンを完済してしまえば不動産は自分の資産となります。
そのままマンション経営を継続すれば、ローンを支払う必要がなくなるので、家賃収入のほとんどを手元に残すことが可能になります。またマンションを売却して売却益を狙うことのできるのです。
5.節税効果が期待できる
マンション経営をおこなうことで節税につながる場合があります。
たとえば、更地に賃貸マンションを建てると、更地のときと比べて評価額が下がり、結果的に固定資産税・都市計画税が安くなるのです。
所得税についても、減価償却費で帳簿上の赤字をつくり、給与所得などと損益通算することで、所得税の還付を受けられる可能性があります。
相続税に関しても、相続財産のうち現金や株券などの相続税評価額が額面通りなのに対し、不動産の相続税評価額は公示価格(時価)よりも低い「路線価」や「固定資産税評価額」で決まります。
そのため、現金などで相続する場合に比べて相続税が少なくなるのです。不動産で相続すれば大幅に相続税を減らすことが可能です。
土地にマンションのような賃貸物件を建てれば、さらに評価額が減少します。
またマンションの取得費用を借入れた場合の残債はマイナス資産となり、相続財産から差し引かれるため節税につながります。
マンション経営の5大リスク・デメリット
1. 初期費用が高くなりやすい
投資用マンションは建築費用が高額なため、初期費用が高くなる点がデメリットです。
リスクの対策としては、複数社に相談してプランを比較することです。複数社に相談しておくことで適正額が把握でき、ほかの会社に価格交渉をすることも可能になります。
またマンション建築後もマンション経営について相談できる建設会社などを見つけ、きちんとした収支シミュレーションをおこない、無理のない運用計画を立てましょう。
2.空室リスク・家賃滞納リスクがある
マンション経営のおもな収入源は入居者が支払う家賃です。空室が出てしまうとその分の家賃収入が減ってしまうため、速やかに空室を埋める必要があります。
空室リスクを抑えるには、人口の流出が少ない賃貸需要の高いエリアで好立地物件を選ぶことです。
また家賃滞納リスクも、空室リスク以上にやっかいなリスクです。
空室であれば入居者さえ決まれば家賃を得られますが、家賃滞納は滞納問題を解決しないかぎり家賃を得ることができません。
できるだけ早く退去してほしいところですが、入居者は借地借家法で保護されているため、強制的に退去させることもできません。
家賃滞納リスク対策としておすすめなのが、「家賃保証会社への加入」を入居条件にすることです。
万一、加入者(入居者)の滞納があった場合は、滞納者に代わって家賃保証会社が家賃をオーナー様に支払います。家賃の督促もおこなってくれるので、オーナー様の負担はほぼありません。
3.家賃下落リスクがある
建物は築年数がすすむにつれて価値が下がり、家賃も下落していくのが一般的です。また近隣に新しい賃貸アパートや賃貸マンションなどが増えると、築古物件はどうしても競争力で劣ります。その場合、家賃を下げて入居者を募集することになります。
家賃下落リスクの対策方法としては、家賃を維持できる物件をつくることが大事です。たとえば入居者ニーズの高い最新設備の導入や、時代にあった間取りへのリノベーションなどを検討しましょう。
4.修繕費リスクがある
マンションは築年数が経過すると老朽化がすすみ、修繕費が増えるのが一般的です。特にマンション物件はエレベーターなどの設備があるため、修繕費やメンテナスが高額になりがちです。
対策方法としては、マンション経営開始から将来の修繕費の増加を収支計画に組み込んでおくことです。
また日頃からこまめなメンテナンスをおこない、大きな修繕が必要になる前に対処しておくことも修繕費用の削減につながります。
さらに規模修繕費用の積立てとは別に、突発的な修繕費に対応できる資金をプールしてしておくと安心です。
5.災害リスクがある
地震や風水害のリスクは日本全国どこでも起こりうることです。
地震で建物が倒壊したり、火災で消失したり、不動産投資の継続がむずかしくなることを想定しておく必要があります。
災害リスクの対策方法としては、まず火災保険や地震保険などへの加入が必須です。
また、物件を購入する前に地域のハザードマップなどを確認し、できるだけリスクの低いエリアの物件を選ぶのもリスク対策につながります。
マンション経営を行う際は入念に計画を立てよう
少ない自己資金で経営できるからと言って、安易にマンション経営を始めてしまうと、失敗する可能性が高くなります。きちんと計画を立ててからマンション経営を始めることをおすすめします。
マンション経営を始める際には、ある程度自己資金を貯めておく必要があります。さまざまな場面で急な出費が増える可能性もあります。共有部分の光熱費や管理委託量など毎月発生する支出もあります。きちんと計算して、手取りはどのくらいになるのかを把握しておきましょう。
マンション経営をおこなう上で1番のリスクは空室による家賃収入が減ることです。家賃収入がなくなると、ローン返済も滞り、借金地獄になります。そうならないために、日頃から空室が発生しないよう対策を取っておく必要があります。