大家さん必見 集合住宅にインターネット回線を引くべき?メリットや導入方法について
「集合住宅にインターネット回線は必要?」と考えている大家さんは、一刻も早くインターネット回線を導入しましょう。
特に入居者が無料でインターネットを使用できる「インターネット無料」設備がおすすめです。競合物件との差別化や退去防止などにつながり、空室対策の強い味方になってくるでしょう。
今回は、インターネット回線を賃貸アパートや賃貸マンションなどの集合住宅に導入するメリットやインターネット回線の種類、導入方法、業者の選びかたについて詳しく解説します。
ぜひ、インターネット回線を導入する際の参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.そもそも集合住宅に導入するインターネット回線とは
- 2.集合住宅にインターネット回線を引くメリット
- 2.1.今や入居者にとって必須のインターネット回線
- 2.2.空室対策にもってこい
- 2.3.退去防止にも
- 2.4.近隣エリアとの差別化も
- 2.5.賃料アップも
- 3.導入までの基礎知識 そもそもインターネット回線の種類
- 4.集合住宅にインターネットを導入するためにかかる費用
- 5.インターネット業者を選ぶためのポイント
- 5.1.回線の種類
- 5.2.回線の速度
- 5.3.対応している建物構造
- 5.4.費用
- 5.5.サポートの有無
- 6.インターネット回線に加えてWi-Fi完備で入居率アップ
- 6.1.Wi-Fiを設置するメリット
- 6.2.Wi-Fi導入の方法:共用部設置型
- 6.3.Wi-Fi導入の方法:埋込み型
- 6.4.Wi-Fi導入の方法:置型
- 7.集合住宅におすすめのインターネット業者
- 8.まとめ
- 9.この記事を読んだ方に人気のお役立ち資料一覧
そもそも集合住宅に導入するインターネット回線とは
インターネット回線とは、パソコンなどの通信機器をインターネットに接続するための回線を指します。
近年のスマートフォンの普及によって、一般家庭だけでなく、賃貸マンションや賃貸アパートなどの集合住宅にインターネット回線を導入する例もめずらしくなくなりました。
集合住宅にインターネット回線を導入する大きな目的としてあげられるのが「入居者」の確保です。
少子高齢や人口減少にともない、空き家が増加する現代において賃貸物件の空室対策はかかせません。
しかし、すでに通常のインターネット回線は「あって当然」の設備になりつつあり、逆にインターネット回線のない集合住宅を選ぶ人はきわめて少数です。
今後の空室対策につながるとして多くの大家さんに注目されているのが、入居者が無料でインターネットを利用できる「インターネット無料」設備です。
詳しくは後述しますが、所有する集合住宅にインターネット回線を導入していない場合は、ぜひインターネット無料設備の導入を検討してください。
集合住宅にインターネット回線を引くメリット
賃貸アパートや賃貸マンションなどの集合住宅にインターネット回線を導入することで次のようなメリットが得られます。
・大家さんだけでなく、入居者にもメリットがある
・空室対策や退去防止につながる
・近隣エリアとの差別化が図れる
・賃料アップが期待できる
今や入居者にとって必須のインターネット回線
スマートフォンの普及によって急激に高まったインターネット需要から、現在では一般家庭にもインターネット回線が広く導入されるようになりました。
2019年にはスマホの世帯保有率が83.4%となり、自宅にインターネット設備があるのはいまや当然となっています。
参考:総務省『令和2年度版情報通信機器の所有状況』
またアパートやマンションなどの賃貸集合住宅も例外ではありません。すでにインターネット設備の有無が入居条件のひとつとして定着しつつあるのです。
自宅でスマホを使用する場合、インターネット回線(Wi-Fi)が使用できない賃貸住宅では、パケット通信を使うことになります。
しかし、パケット通信は利用できる容量によって料金が異なるため、少ない容量のパケット契約をしている人も多いですし、何より容量を超えると通信制限がかかってしまいます。
そのためスマホを利用する多くの入居者は、引っ越し先の賃貸物件を選ぶ際に「インターネット回線」が使用できることを条件にするケースがほとんどなのです。
空室対策にもってこい
前述のように、いまでは賃貸物件にインターネット回線があるのは当然となっています。大手賃貸ポータルサイトでも、物件検索の条件として「インターネット設備」や「インターネット無料」を選択できるようになっています。
なかでも空室対策に効果的かつ入居者にも人気なのが「インターネット無料(無料Wi-Fi)」設備です。インターネット無料設備は、その名前の通り、入居者が無料で使用できるインターネット回線やWi-Fiを指します。
通常のインターネット回線が導入された賃貸住宅で入居者がインターネットを使用するには、月額5,000~7,000円程度のインターネット料金を支払う必要があります。しかし、インターネット無料の場合、そういった費用のすべてを物件オーナーが負担するため、入居者は自己負担金なしでインターネットを好きなだけ使用できます。
インターネット無料設備の人気は、「全国賃貸住宅新聞」が毎年おこなっている「人気設備ランキング」からも明らかです。
参考:全国賃貸住宅新聞『2020人気設備ランキング』
単身者向け・ファミリー向け賃貸物件ともに第1位は「インターネット無料」となり、インターネット無料設備が入居者にもっとも求められている設備であることがうかがえる結果になっています。
このように賃貸物件の空室対策として、インターネット回線はあって当然、それがインターネット無料設備であれば、さらに強力な空室対策として効果が期待できるのです。
退去防止にも
入居者がインターネット回線のある賃貸物件を選ぶ理由は前述の通りですが、インターネット無料設備がある物件は、退去防止にもつながります。
入居者に人気のインターネット無料設備ですが、導入している集合住宅の数は、インターネット回線導入済み物件のうち約4割程度とそれほど多くありません。
【賃貸物件のインターネット無料設備導入割合の調査結果】
*基本検索条件:東京23区内・アパート・マンマンション・ワンルーム・1K
・全物件数:696,358件
・「インターネット設備」物件数:455,204件
・「インターネット無料」物件数:190,701件
*賃貸ポータルサイト『SUUMO』の物件検索結果より
入居者が引っ越しを検討しても、インターネット無料設備のある賃貸物件自体の数が少なく、気に入った物件が見つからない可能性が高くなります。かといって、インターネット無料設備がない賃貸物件に引っ越した場合、入居者自身でインターネット使用料を支払う必要があります。
このように入居者は、あらためてインターネット使用料の支払いを考えると、引っ越しを躊躇するため、結果的に退去防止効果へとつながるのです。
近隣エリアとの差別化も
インターネット無料設備を導入することで、近隣エリアの競合物件との差別化につながります。
前述のように、入居者に人気のインターネット無料設備を導入している物件数は、インターネット回線導入済み物件のおよそ4割程度です。
実際にインターネット無料設備を導入事例によると、平均70~80%程度だった入居率が、90%以上の高い入居率を保てるようになり、ピークシーズンである2、3月には前年度以上の紹介が来るようになったという賃貸物件オーナーの声も聞こえています。
参考:アイコネクト『アイネット導入事例』
ただし今後は、インターネット無料設備を導入する賃貸物件は増加していくことが予想できます。そのため、導入するならできるだけ早い段階で決断する必要がありそうです
賃料アップも
インターネット無料設備のある集合住宅は、賃貸需要が高まるため空室対策につながりますが、同時に家賃額を上げられる可能性もあります。
インターネット無料は、入居者に金銭的メリットがあるのは前述の通りです。そこで入居者がインターネット回線契約を結んだ際の一般的な月額費用5,000〜7,000円程度よりも少ない額であれば、賃料アップは入居付けには響かないと考えられます。
ただし、アップする額は周辺の家賃相場を確認したうえでおこなう必要があります。いくら人気の設備だからといって、周辺の家賃相場から大幅に値上げしてしまっては逆効果です。賃料アップは2,000円程度を目安とするとよいでしょう。
また家賃額を上げても、必ずしも利回りが上がるとはかぎらないため注意が必要です。インターネット無料設備の導入・維持コストによっては、利回りが上がるどころか下がってしまうことも考えられます。
インターネット無料設備は、あくまで空室対策のひとつとしてとらえ、賃料アップ目的で導入する場合は費用対効果を十分吟味する必要があるでしょう。
導入までの基礎知識 そもそもインターネット回線の種類
賃貸集合住宅に導入するインターネット回線には、「有線回線」と「無線回線」の2種類があります。ここでは、それぞれのメリットとデメリットを紹介します。
有線回線
外部から建物に引き込んだインターネット回線を各部屋まで光ケーブルやLANケーブルなどで接続します。
有線回線のメリットは、名前のとおり「有線」でパソコンなどの通信機器と接続するため、無線回線に比べてインターネット接続が安定することです。オンラインゲームや動画の生配信、リモート会議など、できるだけ回線切断したくない場合に向いています。
ただし、スマホなどWi-Fiで接続する通信機器を使用する場合は、別途Wi-Fiルーターなどを設置する必要があります。(埋込み型Wi-Fiルーターが室内に設置されている場合は不要)
また有線回線を賃貸物件に導入する場合は、工事のために各室内への立ち入り工事が必要です。入居者がいる場合は、工事を在宅日程にあわせてもらわなくてはならず、導入まで時間がかかる場合があります。
なお、有線回線には以下の種類があります。
・光回線
光ファイバーと呼ばれる「光」を使った伝送路を使用しています。光ファイバーは一度に大量のデータを素早く伝送できることから、安定した高速インターネット接続が可能です。
多くの光回線の最大通信速度は1Gbpsですが、なかには5 Gbpsや10 Gbpsの超高速光回線を提供する業者もあります。
・ケーブルテレビ回線
テレビ放送や電話を提供するための同軸ケーブルを利用しています。光ファイバーに比べて送受信可能なデータ量が少ないため、通信速度は遅くなります。
・ADSL回線
アナログ電話回線を使用し、インターネット接続を可能にします。利用者の減少から2023年1月にて提供の終了(フレッツ光提供エリア)が決定しています。
無線回線
外部から建物内に引き込んだインターネット回線を建物の共有部などに設置したWi-Fiルーターで電波を飛ばし、各部屋でインターネット接続を可能にします。持ち運びができる「モバイルルーター」であれば、外出先でもWi-Fi接続にてパソコンなどを使用できます。
無線回線のメリットは、工事が必要なのは共有部だけなので、各部屋の工事が不要な点です。そのため、インターネット導入まで時間がかかりません。(各室にWi-Fiコンセントなどを設置する場合は立ち入り工事をおこなう場合あり)
ただし、建物の規模や構造によっては導入方法が限定される可能性があります。その場合は、有線方式同様、各戸までLANケーブルなどを使用して各戸に配線をおこないます。
またWi-Fiルーターの設置状況によってはWi-Fi電波が届きにくく、接続が安定しない場合があります。
集合住宅にインターネットを導入するためにかかる費用
賃貸集合住宅にインターネット回線を導入するには、工事費など「初期費用」と回線を使用するための「月額費用」がかかるのが一般的です。
インターネット無料設備の場合、これら費用は物件オーナーが負担します。
集合住宅に導入するインターネット回線の費用は、アパートの規模やインターネット回線業者、インターネット回線の種類、サービス内容によって大きな幅があります。
そのため実際に所有するアパートにインターネット回線を導入する際は、かならずインターネット回線業者から見積もりを取り、費用に含まれる内訳を含めて費用の検討をおすすめします。
ここでは、インターネット無料設備を導入するために必要な初期費用と月額費用について、おおまかな目安額と内訳を紹介します。
初期費用
初期費用の目安額は、有線回線か無線回線かによって異なります。
・有線回線の初期費用目安:0円~20万円前後
・無線回線の初期費用目安:0円~40万円前後
*10戸の集合住宅の場合
初期費用に幅があるのは、建物へのインターネット回線引き込み工事の有無、各戸までの配線方式、建物の構造、使用する機器(ケーブル、アクセスポイント、Wi-Fiルーター等)の数量などによるものです。
できるだけ初期費用をおさえたい場合は、初期費用0円の業者を選ぶとよいでしょう。
初期費用には、おもに以下のようなものが含まれます。
・基本工事費
・交換機等工事費
・屋内配線工事費
・回線終端装置工事費
・機器、備品代
初期費用の内訳はインターネット回線業者によって異なります。見積もり段階で、内訳内容や別途請求される費用の有無をしっかりと確認しましょう。
なお、初期費用は分割払いが可能な場合があります。高額な費用を分割払いにすることで手元に現金を残せるメリットがあります。また、初期費用を分割し月額費用から割引することで、「工事費実質無料」とするケースもあります。
ただし、分割支払い期間中に解約すると違約金が発生する場合もあるため注意しましょう。
月額費用
インターネット無料の月額費用の目安は7,000円~30,000円前後(10戸)と、こちらも幅があることがわかりますが、これは保守費用が含まれているかいないかによるところが大きいです。
インターネット無料の月額費用に含まれるものは、おもに以下になります。
・インターネット回線使用料
・プロバイダー料金
・保守点検料金
・サポート料金
月額料金で特に注意したいのが、保守点検料金とサポート料金です。業者によっては定期的に保守点検をおこなう費用が含まれている場合もありますし、スポット対応として別途料金となる場合もあります。
契約する際には、月額料金に含まれる保守点検やサポート料金の内訳や条件をしっかり確認しておきましょう。
またオプションを契約している場合は機器レンタル料金やオプション料金が、月額費用に加算されます。
インターネット業者を選ぶためのポイント
インターネット回線をアパートやマンションなど賃貸集合住宅に導入するには、業者に依頼しなければなりません。
業者によって費用はもちろん、取り扱っているインターネット回線の種類や対応できる建物の種類などが異なります。
ここでは、インターネット業者を選ぶポイントについて解説します。
回線の種類
前述のようにインターネット回線には、有線回線と無線回線があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
接続の速さと安定性なら有線回線の光回線が最適です。できるだけ早くインターネット回線を導入したいのであれば、工事に時間がかからない無線回線がよいでしょう。
詳しくは「導入までの基礎知識 そもそもインターネット回線の種類」の項をご覧ください。
回線の速度
集合住宅であっても、インターネット接続を快適に楽しむためには、回線速度や安定性が非常に重要です。
せっかく所有する賃貸物件にインターネット回線を導入しても、接続が安定しない場合は入居者にがっかりされてしまいます。特にインターネット無料であればなおさら注意する必要があります。
回線速度には、インターネット上にデータをアップロードする「上り」とインターネットからデータをダウンロードする「下り」の2種類があります。それぞれ用途別のインターネット回線速度の目安は以下のようになります。
【上り(アップロード)の回線速度目安】
・メールやSNSなどのメッセージ(テキスト)送信:1Mbps
・SNSなどの写真投稿:3Mbps
・SNS、YouTubeなどの動画投稿:10Mbps
メールやSNSでメッセージや画像を送信する程度であれば1 Mbps~3Mbpsで十分です。動画をアップロードする場合は、最低でも10Mbps程度の速度が求められます。
【下り(ダウンロード)の回線速度目安】
・メールやSNSなどのメッセージ(テキスト)受信:128Kbps〜1Mbps
・ウェブサイトやSNSの閲覧:1Mbps〜10Mbps
・YouTubeなどで動画視聴:3Mbps〜25Mbps
・オンラインゲーム:30Mbps〜100Mbps
ウェブサイトやSNSの閲覧は、文字主体のページは1Mbps程度で問題ありませんが、画像が多いページを快適に楽しむなら10Mbps程度必要です。
動画視聴に必要な回線速度は画質によって異なりますが、25Mbpsあれば4Kの動画視聴も快適です。
なお、速度と安定性で選ぶなら光回線がおすすめです。その際、従来の通信方式よりもスピードが速い、最新の通信方式「IPv6」に対応している回線を選ぶとよいでしょう。
IPv6対応の有無や回線の最大速度(下り/上り)などは、各インターネット業者のHPで確認できますし、問い合わせ時に尋ねてもよいでしょう。
対応している建物構造
建物の構造によっては、選択できるインターネット回線の種類が限定される場合があります。
後述しますが、「共用部設置型」の無線回線を導入したくても鉄筋コンクリート造だった場合、Wi-Fiの電波が各部屋に届かないため導入はできません。この場合は無線回線の「埋込型」や「置型」か、または有線回線を選ぶことになります。
また建物構造以外にも無線回線の導入には制限があるため注意しましょう。
費用
前述のように、インターネット回線を導入するには初期費用と月額費用がかかり、業者によって大きく異なります。
インターネット接続の速度と安定性で考えれば、有線回線で各戸まで光回線で配線するのが一番ですが費用はほかの配線方式と比較して高くなる傾向があります。
空室対策としてインターネット回線やインターネット無料設備を導入するのであれば、設備投資にあまりにも高額な費用をかけてしまうと回収までに長期間かかる可能性もあります。そのため、複数の業者から見積もりを取った上で比較検討し、できるだけコスパのよい業者を選ぶとよいでしょう。
サポートの有無
業者によってサポートの内容や料金形態は異なります。
月額費用に含まれるサポートの範囲や、別料金になるサポートはどのような場合なのか、障害復旧や故障した部品交換の対応スピード(即日なのか翌日なのか)など、詳しく確認しておきましょう。
インターネット回線に加えてWi-Fi完備で入居率アップ
入居者にとって、入居先でスマホをWi-Fi接続できる環境は非常に重要です。ここでは賃貸物件にWi-Fiを設置するメリットと、Wi-Fiの導入方法を紹介します。
Wi-Fiを設置するメリット
スマホやタブレットなどの通信機器は、Wi-Fi電波を使用してインターネット接続をおこないます。そのため入居する賃貸物件にインターネット回線だけでなくWi-Fi環境もあれば、入居付け時のアピールポイントが増えるので入居者獲得のチャンスが広がります。
ただし、光回線など有線回線でインターネット回線を導入した場合、そのままではスマホなどをWi-Fi接続ができないため注意が必要です。
集合住宅でWi-Fiを利用するには以下の方法があります。
・有線回線の場合は各戸でWi-Fiルーターを設置する
・最初からWi-Fi電波を飛ばす無線回線を導入する
無線回線の場合は、Wi-Fiルーターなしでスマホやパソコンなど、複数の通信機器を同時にインターネット接続することが可能です。
なお、有線でインターネット無料を導入した場合は、あらかじめ大家さんがWi-Fiルーターを用意・設置する必要があります。
Wi-Fi導入の方法:共用部設置型
最寄りの電線から建物に引き込んだ光回線を建物の共有部(エントランスや外壁など)に設置したWi-Fiルーターにつなぎ、各戸にWi-Fi電波を飛ばします。
◇メリット
・工事箇所が共有部だけなので短時間で施工が完了する
各戸工事が不要なので、最短1日で工事が完了します。また入居者の立ち合いも不要です。
・埋込み型Wi-Fiに比べて工事費用が安い
設置するWi-Fiルーターは1台を数戸で共有するので、費用が少なくて済みます。
◇デメリット
・設置できるアパートの構造体や規模などに制限がある
Wi-Fi電波の飛距離の関係で、共用部設置型では対応できない場合があります。その場合は埋込み型Wi-Fi設置で対応します。
・電波状況によっては接続が安定しない場合がある
Wi-Fiルーターまでの距離や電波状況によって、通信速度や安定性が低下することがあります。
◇工事費用目安(10戸)
・初期費用:約3〜40万円
・月額費用:約1〜3万円
Wi-Fi導入の方法:埋込み型
最寄りの電線から建物に引き込んだ光回線を各部屋までLANケーブルで配線したのち、各部屋の壁面にWi-Fiルーター一体型のコンセントなどを埋め込んで設置します。
◇メリット
・比較的安定したWi-Fi接続ができきる
Wi-Fiルーターが室内にあるため、共有部設置型に比べて安定したWi-Fi接続がおこなえます。
・パソコンなどのLAN接続も可能
Wi-Fiルーター一体型のコンセントの種類にもよりますが、LANポートがあればパソコンやゲーム機を有線接続できます。
・配線が不要なので部屋がすっきりする
コンセント型Wi-Fiルーターは壁に埋め込まれるため、配線の必要がなく邪魔になりません。また退去時に持ち去られる心配もありません。
◇デメリット
・室内工事が必要
Wi-Fiルーターを埋め込むため、入居者がいる場合は入居者の在宅にあわせて工事をおこなう必要があります。そのため、導入完了するまで時間がかかる場合があります。
・費用が高くなる傾向にある
埋込み型Wi-Fiコンセントは、従来のLANコンセントに比べて単価が高い場合が多いため、初期費用がかさむ可能性があります。
◇工事費用目安(10戸)
・初期費用:約3〜40万円
・月額費用:約1〜3万円
Wi-Fi導入の方法:置型
自宅のコンセントにつなぐだけでWi-Fiを利用できる据え置き型のWi-Fiルーターです。「ホームルーター」と呼ばれることもあります。
◇メリット
・工事不要でWi-Fi接続が可能
コンセントさえあれば室内のどこにでも設置でき、配線の必要もないので工事は不要です。
・比較的安定したWi-Fi接続ができきる
Wi-Fiルーターが室内にあるため、共有部設置型に比べて安定したWi-Fi接続がおこなえます。
・パソコンなどのLAN接続も可能
置型ルーターの種類にもよりますが、LANポートのあるタイプならパソコンやゲーム機を有線接続できます。
・本体代金が実質無料になる場合が多い
ホームルーター本体の価格は、分割した本体代金を月額費用から割り引かれるため、結果的には実質無料になります。
◇デメリット
・持ち去られる可能性がある
インターネット無料として置型ルーターを入居者に提供している場合は、退去時に持ち去られないよう注意が必要です。
・設置する場所によってはWi-Fi電波の受信状況が悪い
テレビや電子レンジなど家電品の近くや、Bluetooth機器の側は電波障害が起きやすいため、Wi-Fi接続が安定しないため注意が必要です。また水槽や鏡の近くも避けましょう。
◇工事費用目安(1戸あたり)
・初期費用:約3〜10万円(本体代金)
・月額費用:3,000~6,000円前後
集合住宅におすすめのインターネット業者
ここでは、集合住宅におすすめのインターネット業者を紹介します。
NTT
画像出引用:NTT東日本 マンション全戸加入プラン
NTT東日本・西日本では、賃貸アパートや賃貸マンションなどの集合住宅向けの光回線インターネット「フレッツ光ネクストマンション全戸加入プラン」を提供しています。
◇特徴
・各戸光回線での配線なので安定したネット接続が可能
フレッツ光ネクストマンション全戸加入プランは、有線方式で各部屋まで光回線を引き込むため、安定した速度で快適なインターネット接続がおこなえます。
・Wi-Fi接続もOK
ホームゲートウェイ(Wi-Fiルーター)と無線LANカードがレンタルできるので、スマホやタブレットも問題なく使用できます。
・対応エリアが広い
NTTが提供するインターネット回線なので、一部エリアを除き、日本全国どこでも契約しやすいです。
・東日本と西日本の違いは加入最低戸数だけ
東日本と西日本の違いは加入最低戸数だけで、それ以外の違いはありません。東日本は4戸以上、西日本は6戸以上です。
◇フレッツ光ネクストマンション全戸加入プラン 料金例(10戸)
初期費用:150,000円
月額費用:35,500円
BUFFALO
画像引用:バッファロー
Wi-Fi機器トップシェアメーカーの「BUFFALO(バッファロー)」が提供する、集合住宅向けWi-Fi無料設備が「アパートWi-Fi」です。
◇特徴
・設置タイプは2種類
バッファローのアパートWi-Fiは「共用部設置タイプ」と「各戸設置タイプ」があります。
共用部設置タイプでは対応できない規模のアパート・マンションは、各戸設置タイプになります。
共用部設置タイプは、以下の条件におおよそ合致する集合住宅に導入できます。
*木造または鉄骨造3階建以下
*1部屋40㎡以下
◇アパートWi-Fi 料金例(木造アパート2階建て・ワンルーム10戸)
初期費用:378,000円
月額費用:12,960円
参考:バッファロー
アイコネクト
画像引用:アイコネクト
アイコネクトが展開する「アイネット」では、賃貸物件向けのインターネット無料設備「マンション全戸一括インターネット」を提供しています。
◇特徴
・業界最安クラスの費用
工事からサポートまで、すべてを自社対応でコストカットした結果、競合他社よりも10~20%ほど安い業界最安クラスの月額費用を実現しました。
・埋込み型Wi-FiルーターでWi-Fi接続も可能
スマホ使用に必須なWi-Fi接続を可能にする埋込み型Wi-Fiルーターをオプションで用意しています。
・ユーザーサポート完備
24時間365日の監視体制とフリーダイヤル窓口を用意しているので入居者も安心です。
◇アイネットマンション全戸一括インターネット費用 目安(10戸)
初期費用:0円
月額費用:7,000〜10,000円
参考:アイコネクト
まとめ
賃貸マンションや賃貸アパートなどの集合住宅にも、インターネット回線の導入は必須になりつつあります。
今後の空室対策には「インターネット無料」がおすすめです。賃貸需要の高いインターネット無料を導入することで、近隣の競合物件との差別化や賃料アップも狙えます。
また、インターネット回線を導入する際は、スマホやタブレットなどをWi-Fi接続できるようWi-Fi環境についても導入を検討しましょう。
空室対策の強い味方としてインターネット無料を導入し、今後の賃貸経営にぜひ役立ててください。