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賃料(家賃)の値上げ交渉/伝達の適切な通知時期はいつ?コツやテクニックを解説



目次[非表示]

  1. 1.値上げ/値下げはなぜ起こる?
    1. 1.1.賃料(家賃)が相場を下回っていた場合
    2. 1.2.都市開発等により賃料相場があがった場合
    3. 1.3.税金面での問題が起きた場合
  2. 2.値上げ/値下げは法律的に可能なの?
    1. 2.1.賃料増減額請求権とは?
    2. 2.2.賃料不増額特約とは?
    3. 2.3.借地借家法とは?
  3. 3.値上げを入居者への通知する際の注意点
    1. 3.1.値上げを入居者へ通知する時期は?
    2. 3.2.書面での事前伝達
    3. 3.3.感情的にならないように注意を
  4. 4.値上げ交渉のコツやテクニックは?
    1. 4.1.リノベーションや共有部分の設備改善の伝達
    2. 4.2.入居者にもメリットがある条件の伝達
    3. 4.3.家賃の値上げが妥当と思える根拠の伝達
    4. 4.4.常に入居者の不満が無いように気を配ること
    5. 4.5.適正な値上げ範囲で行うすること
  5. 5.まとめ

値上げ/値下げはなぜ起こる?


家賃の値上げ、値下げはなぜ起こるのでしょうか。

その原因を詳しく解説します。

賃料(家賃)が相場を下回っていた場合


賃貸物件の家賃相場は、エリアや駅からの距離などによって異なります。


所有物件の土地の相場をチェックし、周辺物件よりも家賃を低く設定している場合は、家賃を値上げすることが可能です。


急に数万円値上げすることは不可能ですが、適正な家賃に設定することが必要です。


例えば、売買契約でオーナーチェンジ物件を手に入れた場合や、相続税対策用の物件を相続した場合などは、家賃が相場よりも低めに設定している場合があります。


周辺エリアの相場の調査を行い、正しい家賃設定を行いましょう。


都市開発等により賃料相場があがった場合


所有物件の周辺で都市開発が行われ、商業施設が建築されたり、新しい駅が作られたり、人が多く集まる場所が増えることで家賃の相場が上がることもあります。


そのような場合も、家賃を値上げすることが可能です。


税金面での問題が起きた場合


所有物件周辺の土地で都市開発などが行われ、地価が上がると、固定資産税評価額も上がります。


それに基づく固定資産税や都市計画税の課税額が上がることによって、納税額も大きくなります。


このような場合、オーナーの負担額が増えるので、家賃の値上げをすることが可能です。


固定資産税は毎年1月1日時点の土地の評価額に応じて課税されます。

評価額は3年に1回見直しが行われるため、この時期には固定資産税課税通知書をしっかりとチェックしておく必要があります。



値上げ/値下げは法律的に可能なの?


家賃の値上げ、値下げは法的には可能なのか気になりますよね。

家賃の値上げ、値下げは正当な理由がある場合に限って、可能になります。

なんの理由もなく、値上げや値下げを行ってはいけません。


賃料増減額請求権とは?


賃料増減請求権とは、借地借家法第32条に定める「借賃増減請求権」のこと。現在支払っている、あるいは受領している賃料が近隣相場と比べて不相当と思えば、賃貸借契約上の当事者は相手方に対して賃料の増額・減額を請求できるという権利です。

引用:CBRE PROPERTY SEARCH 不動産用語集 


賃料不増額特約とは?


当事者の間で一定期間賃料を増額しない合意がある場合には,その合意に従うというものです。

引用:弁護士法人 朝日中央綜合法律事務所 賃料増減額に関する当事者の合意の拘束力


借地借家法とは?


借地借家法とは、借地・借家関係に関する当事者の権利関係を包括的に規定した法律です。

引用:CBRE PROPERTY SEARCH 不動産用語集


家賃の値上げや値下げを行うことは、借地借家法という法律できちんと定められているオーナーの権利です。


値上げを入居者への通知する際の注意点


家賃値上げをする際に、入居者とトラブルにならないためにも、以下の点に注意しましょう。


値上げを入居者へ通知する時期は?


値上げを決めたら、入居者へはすぐに家賃の値上げの通知をしましょう。


通知が遅くなってしまうとトラブルが起きる可能性があるため、なるべく早めに通知することが重要です。


退去通知のように「1か月前に通知する」といった法律上の告知時期の決まりはありませんが、入居者は、家賃値上がり後、住み続けるか検討する時間が必要なため、早めに通知することをおすすめします。


しかし、住み続けるか検討したのち、退去する可能性もあります。


退去の意思も早めに伝えてもらえると、次の入居者をすぐに探すことができ、空室の期間を短くすることができるため、大家さんにとっても助かります。


書面での事前伝達


家賃の値上げについては、書面で事前に告知しましょう。


口頭で伝えると、言った言わない問題に発展する可能性がありますので、書面でのやり取りをしておくことが重要です。


郵便を出した内容や発送日、受け取った日付など書留郵便物を配達した事実を証明することができる配達証明付きの内容証明郵便を使うと、「読んでいない」としらを切られるリスクを抑えることができるため、内容証明郵便を使うことをおすすめします。

判例では、通知が届いた日から、家賃値上げの効果が生じることになっています。


感情的にならないように注意を


誠意を表すために、まずは口頭で家賃の値上げを伝えようと思う人もいるかもしれません。


しかし、口頭で伝えた場合、相手が納得いかない態度を示してきて、感情的になってしまい、トラブルになる可能性もあります。


家賃の値上げは入居者にとってプラスの話ではないため、口頭で話すとお互いに感情的になってしまう可能性が高くなります。


口頭で話すときは、感情的にならないように注意をしながら、入居者に家賃値上げを伝えましょう。


値上げ交渉のコツやテクニックは?

家賃の値上げ交渉はうまくいかないことのほうが多いです。

以下の点を参考に、家賃値上げ交渉を行いましょう。


リノベーションや共有部分の設備改善の伝達


外壁の色を塗り直して、おしゃれな雰囲気の外観にしたり、新しく屋根付きの駐輪場や便利な宅配ボックスを設置したり、共有部分の設備を改善することで、家賃値上げが交渉しやすくなる場合もあります。


とくに、最新の設備を導入すると入居者に喜ばれます。


物件の資産価値を上げておくと、家賃値上げをした後に空室が出た場合も、すぐに入居者が決まる可能性が高くなります。


入居者にもメリットがある条件の伝達


家賃を値上げをしたことで入居者にもメリットがあるということを、入居者に伝えましょう。


家賃の値上げに、すぐに応じる入居者はなかなかいません。


「値上げに応じたくない」という交渉を受けたら、次回の更新料を無料にするなどの具体的なメリットを提案しましょう。

更新料を払う月は、家賃にプラスして払わなければならないため、一気に多額のお金を支払うことになります。そのため、更新料を無料にするという提案は、入居者にも喜ばれる可能性が高いです。


家賃を値上げされると、退去を検討する入居者もいます。

しかし、引っ越しをする場合は、敷金・礼金など多額の資金がかかります。家賃値上げに応じるよりも、結果的に高い費用がかかってしまうため、入居者の負担が大きくなります。


大家さんが入居者に歩み寄る姿勢を見せると、入居者も家賃値上げに同意してくれる可能性が高くなります。


家賃の値上げが妥当と思える根拠の伝達


家賃の値上げが妥当であるという根拠を、入居者に証明することはとても重要です。


きちんと根拠を示さないと、入居者に不信感を持たれてしまいます。


まずは、不動産会社に聞いたり、自分でインターネットで調べたりして、所有物件の土地の相場を調べてみましょう。


エリアや駅からの距離、間取り、築年数などが似ている物件を絞り出して、家賃相場を調査してみてください。


これまでの家賃が相場よりも安いということがきちんと伝わるように、たくさんのデータを集めて資料にしてまとめましょう。


家賃の値上げが妥当であるという根拠を証明できると、入居者も納得してくれる可能性が高くなります。


常に入居者の不満が無いように気を配ること


普段から、入居者が管理会社や大家さんに良い印象を持っていると、家賃の値上げが交渉しやすくなります。


物件周りの清掃や植木などの管理を行い、入居者が困っているときには素早い対応を心掛けましょう。


物件周りは、常に綺麗に清掃しておきましょう。これだけでも、入居者の印象は大きく変わります。


入居者同士のトラブル対応などで、実際に顔を合わせたときも誠意を持って、円滑なコミュニケーションを取ることが大切です。


入居者と簡単にコミュニケーションなどが取れるアプリを利用して、日頃から入居者と小まめに連絡を取ることをおすすめします。そうすれば、入居者ともコミュニケーションを取りやすくなり、大きなトラブルの予防に繋がります。


普段から、入居者に良い印象を持たれていると、家賃値上げの通知をしたときの反応も違ってきます。


適正な値上げ範囲で行うすること


周辺物件の家賃相場を調査したら、所有物件と周辺物件を照らし合わせて、適正な範囲内で家賃の値上げを行いましょう。


例えば、現状の家賃設定が周辺物件よりも3万円程安い場合、急に3万円値上げしてしまうと、入居者が退去してしまう可能性が高くなります。判例でも、そのような大きな値上げが認められたケースはほとんどありません。


周辺の家賃相場を参考に適正な家賃設定を行い、入居者にも家賃の値上げを受け入れてもらう準備をしましょう。


まとめ


家賃の値上げを入居者に納得してもらうためには、様々な手段が必要になります。


ただ、家賃を値上げしますと一方的に伝えるだけでは納得してもらうことはできません。


家賃の値上げをすることで、入居者にもメリットがあることを必ず伝えましょう。


また、入居者に納得してもらうためには、家賃の値上げは妥当だという証拠をきちんと提出する必要があります。


普段から入居者への丁寧な対応を心掛けることも大切です。

そうすると、家賃値上げの通知をしても、納得してもらえるケースが多いです。

西塚
西塚
猫好きの会社員兼WEBライター。とにかく文章書くことが好きで、まいにち記事執筆中。大家さんに向けて、有益な情報を届けられるように頑張ります!

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