空室のお悩みはありませんか？

どの大家さんもコストをかけずに空室対策をしたいと思うものです。簡単に取り組めるのに、意外に気付かないのが「清掃」です。

オーナー自らが、できるところから掃除をしてみると、建物や入居者のことがいろいろと見えてきます。また大切な所有物なので、小さな汚れやキズまでも目に入るものです。

正しい掃除の仕方を「あぱたい」がご紹介します。入居率がアップして、空室に悩まされることのないアパート経営をしましょう。

掃除のもうひとつ上の段階。リフォームについてはこちらの記事をご覧ください

空室対策に有効な掃除の方法と8つのポイント

好立地物件や高利回り物件だとしても、清掃が行き届かずに不衛生な物件では入居者が去って行ってしまいます。

いつもキレイに清掃されていて、設備点検も怠らないでいると、入居者は心地良く生活することができます。

正しい掃除の方法を覚えることで、空室回避にもなり、アパート経営も成功することでしょう。

1．エアコン

エアコンの掃除を怠ると、カビが繁殖して臭いが発生したり、菌が部屋中に散乱したりします。

エアコンから出る臭いの原因の8割は、内部に発生したカビです。カビを無くすためには、内部の掃除が必要です。自分でもできるエアコンのお掃除方法をご紹介します。

【エアコン掃除に必要な道具】

柔らかいブラシか歯ブラシ、シート、新聞紙、タオル、掃除機など

【エアコンの掃除方法】

• エアコン周辺が汚れないように、シートや新聞紙を敷く。
• フィルターを外す
• 両面に掃除機をかける
• ブラシで両面を水洗いする
• 汚れがひどい場合は浸け置きする
• 汚れをすすいだら水分を拭き取る
• 干して乾燥させる

使用頻度が多い夏場や冬場は、2週間に一度、頻度が少ない時期は、1～2ヵ月に一度を目安にして、フィルターの掃除をしましょう。

本体の内部や室外機の掃除は、1年に一度、業者に依頼しましょう。

カビや臭いが消えないときはプロに依頼

フィルターが目詰まりすると、冷暖房の効率が悪くなり、電気代もアップします。フィルターは頻繁に掃除しましょう。

臭いを根本から除去するためには、内部クリーニングが必要です。ご自身で可能な範囲を掃除して、臭いが消えない場合はプロの業者に頼むことをおすすめします。

2．床

床を掃除するときのポイントは、ホコリをたてずにホコリを取ることがもっとも大切です。床の木目に沿って汚れを拭き取ると、汚れが床面や板の継ぎ目に残らずに拭き取れます。

2週間に一度の割合で汚れを落としましょう。

フローリング

・普段のフローリング掃除

フロアモップを使って、部屋の隅から中心部へと、ゴミを軽く掃き集めます。集められたゴミを飛ばさないようにして、掃除機で吸い取りましょう。

・汚れがひどいとき

汚れている部分に洗剤を吹きかけ、キッチン用スポンジで軽くこすります。洗剤をかけた部分をクロスで拭き取りましょう。

カーペット

・掃除機のかけ方

カーペットの毛の流れに対して反対方向から掃除機をかけるのがポイントです。

毛を起こしてから吸い取るため、中に入り込んでいるほこりやゴミが吸い取れます。次に、毛の流れに沿って吸引すると、取り切れなかったゴミやほこりが取れるでしょう。

・カーペットの拭き方

市販のドライマーク衣料専用洗剤で5%程度の洗剤を作り、汚れた部分にかけてタオルで拭き取ります。

最後に、固く絞ったタオルで水拭きしますが、十字の4方向から拭き取りましょう。

畳

畳掃除の基本は、ほうきや掃除機で目に沿って掃除をすることです。目に逆らうと、ヘリや畳の間にほこりやゴミが入って、畳を傷めます。

汚れが気になるところは固く絞った雑巾で水拭きをして、最後に乾拭きをして水分を拭き取りましょう。

3．壁紙・クロス

壁紙には手垢や埃がついて、思ったよりも汚れています。月に一度程度は掃除をするように心掛けるとキレイな状態が保てるでしょう。

ビニールクロスの場合は、ハンディモップで埃やゴミを落としてから、固く絞った雑巾で水拭きしたり、洗剤を使って掃除をしたりまします。

紙や布製などのビニールクロス以外が素材の場合は、取扱説明書に従った掃除の仕方がおすすめです。

天井

天井の埃は、ほっておくと埃やけで黄ばみますし、カビや油で汚れていることもあり得るでしょう。

脚立とワイパー、マイクロファイバー素材の雑巾を用意して、マスクを忘れずに付けましょう。

油汚れには重曹やアルカリ電解水、たばこのヤニには中性洗剤、カビには次亜塩素酸ナトリウム入り洗剤などを用意します。

天井掃除の後は、飛び散った埃などを掃除機で吸い取りましょう。

壁

壁の汚れは見落としがちです。ほっておくと、油汚れで黒ずんだり、カビが発生していることもあります。

・手垢や皮脂、たばこのヤニなど

中性洗剤で落ちない頑固な油汚れの場合は、重曹水（水100mlに重曹小さじ1杯）で落とします。表面を拭き、汚れた部分に重曹水を振りかけて、水拭きで拭き取ってから乾拭きしましょう。

・カビ

カビ菌が深く入り込んでいる場合は表面を掃除しても落ちません。市販のカビ取り漂白剤を使って、油汚れと同じ手順で掃除しましょう。

4．キッチン（台所）

毎日必ず使うので、日々の汚れが蓄積されてしまうのがキッチンです。換気扇、ガスコンロ、シンク、排水溝によって、汚れ方が違うので掃除の仕方も違ってきます。

汚れが溜まると落とすのが困難になり、料理を作る気もしません。普段から小まめに掃除をして、キッチンを清潔に保ちましょう。

換気扇

換気扇の掃除には、重曹やセスキ炭酸ソーダなどが適しています。セスキ炭酸ソーダそのままではアルカリ度が低いため、沸騰させてアルカリ度を上げましょう。

ファンを取り外し、1～2時間浸け置きして汚れが浮いてきたら、歯ブラシなどでこすり落とします。また、換気扇内部の汚れもよく拭き取りましょう。

【重曹水・セスキ炭酸ソーダ沸騰水の作り方】

1. 水1ℓを沸かす
2. 重曹またはセスキ炭酸ソーダの粉大さじ3を少しずつ入れる
3. よく溶かして冷ます

ガスコンロ

ガスコンロの汚れは、こびりつくと落とせなくなります。クリーニング方法を覚えて、衛生的に料理を作れるようにしましょう。

五徳、グリルの網、受け皿などのパーツを取り外して、60℃位のお湯に洗剤を入れて浸け置きして、油汚れを浮かせます。一つずつ、しっかりと洗って汚れを落としましょう。

ガスコンロの表面の汚れに重曹をそのままか、重曹水（水100mlに重曹小さじ1杯）を吹きかけて、5～10分位放置します。汚れは中和されると柔らかくなるので、スポンジで軽くこすって拭き取りましょう。

シンク

シンクの主な汚れは、水垢と油汚れです。汚れが付くのは仕方がありませんが、できるだけ清潔に保ちましょう。

水垢は、スポンジ、プラスチックのヘラなどで削って落とせます。硬いものを使うと、シンク本体を傷付けてしまうでしょう。

また、水垢には酸性洗剤が効きますが、強力なため最終手段として使うことをおすすめします。

油汚れには、弱アルカリ性の洗剤を用いましょう。その後、クレンザーでシンクの研磨を行いますが、水垢や茶渋のような汚れもクレンザーで落とせます。

排水溝

排水溝のぬめりの原因は、カビや雑菌です。カビ取り用洗浄剤を全体に噴射して、5～10分ほど放置します。排水溝隙間の部分は、ブラシなので汚れを落としましょう、

洗浄剤を噴射するときに、目に入らないように、低い位置で噴射するように気を付けてください。また、臭いがキツイので換気が必要です。

5．浴室

高い温度と湿度は、カビの繁殖の好条件です。使用後はよく換気をして、鏡や床の四隅、ドアパッキンなどの乾きにくい所の水気を拭き取りましょう。

・酸性の汚れを落とす

皮脂汚れ、赤カビ、ぬめり、石鹸カスなどは酸性の汚れで、洗い場や排水溝に溜まります。アルカリ性のセスキ炭酸ソーダがおすすめで、市販されている粉末や液体スプレーを使用しましょう。

・アルカリ性の汚れを落とす

浴槽や鏡などに付いた水垢はアルカリ性の汚れです。酸性のクエン酸がおすすめで、市販されています。

6．洗面所

掃除しても、すぐに汚れてしまうのが洗面台です。毎日、簡単な掃除でキレイな洗面台にしておきましょう。

洗面台の汚れは、水垢と皮脂汚れがほとんどです。水を含ませたスポンジに重曹をつけて、洗面台を軽く磨きます。排水口や細かい部分は重曹をつけた歯ブラシで磨きましょう。

最後は、水で洗い流し、水分を拭き取ります。

定期的な掃除の場合は、重曹に水を加えて練り重曹を作ります。こすっても落ちない部分に練り重曹をつけてパック状態にすると、汚れが浮きやすくなるでしょう。

7．トイレ

・便器のカビ

重曹を便器内にふりかけて、クエン酸水を便器内に吹き付けます。約10分放置してから、便器内のカビをこすり落とします。

・壁のカビ

乳酸系のカビ取り剤か、消毒用エタノールが適しています。また、重曹水とクエン酸水もおすすめです。

重曹水を壁にスプレーして、固く絞った水雑巾で拭き取ります。その後、クエン酸水を壁にスプレーして、水雑巾で拭き取り、乾拭きをしてから乾かしましょう。

重曹もクエン酸水も、除菌と消臭の効果があります。

8．ベランダ

ほうきとちりとりを使って、落ち葉やゴミを集め、排水口のところに溜まっている泥やゴミを取り除きます。

フローリング用のワイパーに水拭きシートをセットして、ベランダの床を拭いていくと便利です。汚れている部分は、セスキ炭酸ソーダのスプレーや、塩素系のカビ取り剤を使用します。

ベランダの素材によっては変色してしまうので、洗剤には気を付けましょう。手すりの部分や室外機などは、フローリング用水拭きシートを使うと、汚れが落ちやすいです。

共用部分の清掃も抜かりなく！設備点検も大事

アパート経営の場合、建物管理は重要な要素の一つです。日頃から、設備点検や清掃が行き届いていると、物件の価値や入居率が上がり、長期的な維持が可能になります。

特に清掃が必要な共用部分を下記にあげました。

清掃業者には、規模を基準に料金プランが用意されています。また、相談に応じてプランを立ててくれます。

エントランス

エントランスは、建物へのイメージが決まってしまう重要な部分です。いつもキレイに保たれていると、空室リスク回避の大きな要因となります。

エントランス部分の清掃となると、扉や窓は高さがあり大道具が必要です。素人では行き届いた清掃もできず危険も伴います。業者を選定して、定期清掃の依頼をすることをおすすめします。

共用廊下

共用部分は、オーナーに管理義務があり、清掃や設備の点検をしなくてはなりません。共用部分の清掃や点検をまめに行っていると、無駄な修繕を避けられるでしょう。

エレベーターを使用するため、共用廊下をあまり使わない物件も多いです。使わないからと言って、清掃を怠ると汚れが目立ちますし、入居者がゴミを捨てるケースもあります。

共用部分は、すべて清掃業者に依頼することをおすすめします。

駐輪場・駐車場

賃貸物件は、特に日頃のメンテナンスが大切で、キレイで衛生的に保つことで、入居率アップにつながります。

駐輪場や駐車場も埃やゴミが溜まりやすいのですが、自転車や車で隠れがちです。また、ゴミ置き場化しているケースもあります。

自転車や車がいない日中に定期清掃をしたり、見回りをしたりするがよいでしょう。

照明設備

照明器具は、埃や汚れを拭き取るだけで、見違えるほど明るくなります。月に1度の定期清掃で拭き掃除をすることによって、明るさと美観を取り戻せるでしょう。また、LED電球に交換すると、節電効果や明るさが期待でき、長持ちするのが特徴です。

照明が切れていて、深夜に帰宅した入居者が怪我をすることのないように、定期清掃をおすすめします。

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クリーニングをプロに依頼する場合の注意点

クリーニングをプロに任せることで、衛生管理、快適性、さらには資産価値をアップさせることにもなります。料金設定とサービス内容の質にこだわる必要があるでしょう。

業者を比較して、後悔しないように、よりよい業者を選定してください。

業者選びは慎重に

HPの料金表示が「〇〇円～」、「〇〇円から」となっている場合は、最低料金の表示です。現場を見て見積もりすると、かなり加算されるケースもあります。

相場よりも安い料金表示をする業者は、どんぶり勘定で加算する恐れがありますので、気をつけましょう。

また、クリーニングをセット商品として提供している場合、基本料金が相場よりも安いときはオプション料金を加算して高くするというケースは珍しくありません。

相場を目安にして、トラブルもなく、長く付き合えるよい業者を選んでください。

料金相場を把握

ハウスクリーニングの料金は、間取りによって異なります。また、家具や荷物があるかによって作業量が違ってくるため、「居住中」か「空室」かでも料金が違うことに注意しましょう。

同じ間取りでも、延べ床面積、汚れ具合、依頼するサービス内容によっても違いがあります。

ハウスクリーニング業者は、料金だけで決めるのは危険です。エアコンクリーニングが得意な業者、洗濯機の除菌ができる業者など、特徴があることも把握しておきましょう。

求めるニーズに合った業者か、よく相談をして、信頼できる業者に依頼してください。

ワンルーム/1K/1DK/1LDK

出典：ダスキン、おそうじ本舗、アートお掃除センター

2DK/2LDK

出典：ダスキン、おそうじ本舗、アートお掃除センター

3DK/3LDK

出典：ダスキン、おそうじ本舗、アートお掃除センター

なお、ハウスクリーニングの費用は、間取りや面積によって異なります。上記の金額は参考程度に活用してください。

まとめ

まずは、オーナー自らが清掃を始めてみましょう。空室対策に限らず、多くの改善策が見えてきます。

長期安定した家賃収入を得るために、よりよいアパート経営のコツを自身で見出せば、失敗することはないでしょう。

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