【大家さん向け】インターネット回線をアパートに導入するメリットや導入コストを解説
所有するアパートの空室対策に悩む大家さんは少なくありません。そんな大家さんにおすすめしたいのが「インターネット回線」の導入です。
スマホの普及率が上がったことで、今では自宅にインターネット設備があるのは当然のようになっていますが、それは賃貸アパートでも同様です。
しかしインターネット設備を導入する際に気になるのが、導入・維持費用やアパート経営への実際の効果ではないでしょうか。
そこで今回は、インターネット回線を賃貸アパートに導入するメリットと導入にかかる費用について解説します。
アパートの入居付けのためにも、ぜひ当記事を参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.経営するアパートにはインターネット回線は必要
- 2.アパートにインターネット回線を導入するメリット・デメリット
- 2.1.入居者の確保が期待
- 2.2.物件の露出が増え高い訴求効果が生まれる
- 2.3.近隣物件との差別化
- 2.4.退去防止
- 2.5.回線開通工事は入居者にとって割安感がある
- 2.6.賃料アップにより利回りが期待できる
- 3.インターネット回線の種類1:有線方式
- 3.1.有線方式とは
- 3.2.有線方式のメリット
- 3.3.有線方式のデメリット
- 4.インターネット回線の種類2:無線方式
- 4.1.無線方式とは
- 4.2.無線方式のメリット
- 4.3.無線方式のデメリット
- 5.インターネット回線の導入コスト
- 6.おすすめのインターネット回線
- 7.インターネット回線もしっかり選ぶ必要がある
- 8.まとめ
- 9.この記事を読んだ方に人気のお役立ち資料一覧
経営するアパートにはインターネット回線は必要
「アパート経営にインターネット回線は必要」と言われていますが、ここではその理由について解説します。
インターネット設備は入居者視点で必須
上記は「全国賃貸住宅新聞」が毎年おこなっている「人気設備ランキング」の結果です。
単身者向け・ファミリー向け賃貸物件ともに1位は「インターネット無料」となり、インターネット回線が入居者に人気の設備であることがうかがえる結果になりました。
また、ほとんどの大手賃貸ポータルサイトの物件検索条件の項目には「インターネット設備」が選択できるようになっていることから、いまや賃貸アパートにインターネットは必要不可欠な設備であると推測できます。
スマホ普及による自宅のネット環境の充実
かつてインターネットが必要なのはパソコン使用時のみという認識でした。
しかし、スマートフォンが普及するにつれて、インターネット設備は一般家庭のみならず、賃貸物件にも広く導入されるようになりました。
2019年にはスマホの世帯保有率が83.4%となり、自宅にインターネット設備があるのはいまや当然となっています。
また近年では、スマートフォンだけでなく、ゲーム機やIoT機器の普及も著しくすすんでいます。賃貸アパートであっても、複数のモバイル機器を自宅で楽しむためには、通信コスト面から考えてもインターネット環境が充実した物件が選ばれるのは必然であると言えるでしょう。
アパートにインターネット回線を導入するメリット・デメリット
インターネット設備や無料設備をアパートに導入することで次のようなメリットが得られます。
・入居者の確保
・物件の訴求効果
・近隣物件との差別化
・退去防止
・入居者の手間が省ける
・賃料アップ
それぞれについて以下で詳しく解説します。
入居者の確保が期待
賃貸アパート物件にインターネット設備を導入するメリットは、入居者を確保しやすくなることです。
前述のように、「人気設備ランキング」やスマホの普及率からみても、いまや賃貸アパートにインターネット設備があるのはきわめて一般的なことであり、入居者の確保には必要不可欠な設備のひとつです。
学生などの若者層はスマホでテレビ番組や動画配信サイトを楽しむ傾向があるため、賃貸物件を選ぶ際の条件としてインターネット設備は必須となるでしょう。
よって、インターネット設備の有無が入居の決め手となることは十分に考えられるのです。
物件の露出が増え高い訴求効果が生まれる
最近の賃貸物件の探し方は、まずインターネットを使って希望する賃貸物件を検索したのち、検索結果として表示された物件から気に入った物件の内見をおこなう、という流れが一般的です。
前述のように、ほとんどの大手賃貸物件ポータルサイトでは物件検索の条件として「インターネット設備」や「インターネット無料」が選択できるようになっており、入居希望者の選択肢のひとつとして定着しつつあります。そのためインターネット設備が未導入の物件は、そもそもの検索結果に表示されないため、物件が入居希望者の目に触れることさえありません。
所有する物件にインターネット設備を導入していれば、検索結果として物件が表示される回数が増えます。物件情報が入居希望者の目に留まる機会が多くなれば、物件を内見してもらえる件数も増えるため、結果として入居してもらえる確率も高まるのです。
近隣物件との差別化
アパート経営において、近隣の競合物件との差別化は空室対策に欠かせません。
特にインターネットネット回線のような人気の設備は、いち早く取り入れることで、近隣物件との差別化につながります。
「もうインターネット設備はめずらしくないのでは?」と考える大家さんも多いかもしれませんが、インターネット設備の導入状況を賃貸ポータルサイト「SUUMO」で検索したところ以下の結果になりました。
・高田馬場駅から徒歩10分以内のワンルームアパートを条件として検索結果:410件
・同条件+「インターネット設備」を指定した場合の検索結果:331件
・同条件+「インターネット無料」を指定した場合の検索結果:211件
東京都の高田馬場駅は学生が多く住む街のひとつで、学生向け賃貸物件も多いエリアです。
上記の結果から条件に合致した件数は410件、そのうちインターネット設備を導入しているアパートは約8割、インターネット無料設備を導入している物件は約半数となりました。
以上の結果から、これからインターネット設備を導入しても近隣物件との差別化につながり、インターネット無料は入居付けの際の大きな武器になると考えられます。
退去防止
所有するアパートにインターネット無料設備を導入すれば、空室対策につながるだけでなく「退去防止」にも効果が期待できます。
その理由は、入居者が個人でインターネット契約をした場合、毎月約5,000千円~7,000千円程度のネット料金が発生します。しかしインターネット無料であれば、入居者はその分のお金を節約でき、またインターネット契約や回線工事などの手間が省けます。
このように入居者に人気のインターネット無料設備ですが、前述のように現時点で賃貸アパートに導入している件数は、まだまだ少ないのが現状です。そのため入居中の賃貸アパートにインターネット無料設備があれば、同等の物件が見つかりにくいこともあり、退去せずに居住しつづけてもらえる可能性が高まるのです。
回線開通工事は入居者にとって割安感がある
インターネット回線が一切ないアパートで入居者がインターネットを利用するには、非常に手間と時間がかかります。
まず大家さんの許可をもらってインターネットの固定回線工事をおこなうか、またはモバイルルーターで対応することになります。
モバイルルーターは、自宅でコンセントに差し込むだけでインターネット接続できるタイプや持ち運びできてどこでもインターネット接続できるタイプなど、手軽に利用できるのが魅力です。ただしモバイルルーターは、一定の期間内に使える通信量が決まっている場合がほとんどなため、使用する際には注意が必要です。
固定回線を引く場合は工事が必要ですし、工事料金もかかります。また、業者への工事の申し込み後は現況確認などがおこなわれる場合もあり、工事日まで時間がかかるためインターネットがすぐ使えないというデメリットがあります。
あらかじめアパートにインターネット回線が引かれていれば、入居者は手間や費用をかけずにインターネットを利用できるため、ネット環境が整ったアパートは賃貸需要が高くなるのです。
賃料アップにより利回りが期待できる
インターネット無料設備を導入することでアパートの需要が高まるため、家賃額を上げて利回りを高くすることも期待できます。
ただし、賃料アップは周辺の家賃相場を確認したうえでおこなう必要があります。また値上げする場合は、入居者個人がネット回線を引いた場合の費用よりも低くすることがポイントです。
個人でインターネット回線契約を結んだ際の一般的な月額費用は5,000〜7,000円程度です。それを踏まえて、賃料の上乗せは3,000円程度までにおさえることで、入居者に「お得感」を与えることにつながります。
なお家賃額を上げても、必ずしも利回りが上がるとは限りません。インターネット無料設備の導入・維持コストによっては利回りが上がるどころか下がってしまう可能性も考えられます。
インターネット無料設備は空室対策方法として有効ですが、賃料アップ目的で導入する場合は費用対効果を十分考慮する必要があります。
インターネット回線の種類1:有線方式
インターネット回線は、「有線方式」と「無線方式」の2種類があり、それぞれ導入方法や特徴、メリット・デメリットが異なります。
ここではまず、有線方式について詳しく解説します。
有線方式とは
インターネット回線の有線方式とは、インターネット回線ケーブルを近隣の電柱から建物内に引き込み、各部屋にLANケーブルを通じて分配することでインターネット接続を可能にします。
有線方式でWi-Fiを使用するには、部屋ごとに別途Wi-Fiルーターを設置する必要がありますが、埋め込み型Wi-Fiコンセントを設置する場合はルーター等の設置は不要です。
有線方式のメリット
有線方式最大のメリットは、インターネットの通信速度が速く、通信が安定をする点にあります。途中でネットが切断される危険性が少ないので、重要なリモート会議をはじめ、オンラインゲームや動画の生配信をおこなう場合は安心です。
またWi-Fi接続についても、ルーターを自室内に設置するため、無線方式に比べて電波が届きやすく安定した通信をおこなえます。
有線方式のデメリット
有線方式のデメリットは、インターネット回線の開通工事や各部屋での工事が必要になるため、費用や時間がかかることです。特に入退去が集中する3~4月の繁忙期は、インターネット工事も集中するため、できるだけ早く申し込むことをおすすめします。
また、室内工事の際は部屋に立ち入るため、入居者がいる場合は在宅時に工事をおこなわせてもらわなくてはならず、あらかじめ工事の目的などを連絡しておく必要があります。
インターネット回線の種類2:無線方式
ここでは「無線方式」について、その特徴やメリット・デメリットを解説します。
無線方式とは
インターネット回線の「無線方式」とは、近隣の電柱から建物内に引き込んだインターネット回線ケーブルを敷地内(共有部など)に設置した無線ルーターとつなぎ電波を飛ばすことで、各部屋でインターネット接続を可能にする方法を指します。
無線方式のメリット
無線方式のメリットは、工事箇所が少なく、インターネット導入までの時間や費用が少なくて済むことです。
有線方式とは異なり、工事は共有部のみで完結します。そのため、各部屋の工事が不要なので入居者に負担をかけることがなく、また導入まで時間もかかりません。
無線方式のデメリット
無線方式のデメリットは、敷地内に設置したWi-Fiルーターから距離があったり、間に障害物があったりするとWi-Fi電波が届きにくくなることです。Wi-Fiが届きにくい場合、接続が安定せず、回線切れや通信速度が遅くなってしまうこともあります。
またWi-Fi電波は、木造以外の構造体では各部屋に電波が届かない可能性がありますし、建物の規模によっては、複数のWi-Fiルーターを設置しなくてはならない場合もあります。
無線方式でインターネット設備の導入を検討する際は、アパート内に電波が届くかどうか、あらかじめ業者にテストしてもらいましょう。
インターネット回線の導入コスト
所有するアパート物件にインターネット設備を導入する場合は、導入時にかかる「工事費用」と毎月支払う「保守費用」が必要です。
ここでは、1棟10戸、木造ワンルームアパート物件にインターネット回線を導入する場合のシミュレーションとして、複数のインターネット業者の導入コストを紹介します。
ただし、ここで紹介する数字は、あくまでもシミュレーションとなります。
賃貸アパートにインターネット設備を導入する場合、アパートの構造体の種類(木造かRC造かなど)、戸数、部屋の面積、インターネット回線の種類(有線・無線)によって料金が変動します。
そのため正確な料金が知りたい場合は、業者に料金を見積もってもらう必要があることを覚えておいてください。
工事費用
インターネット回線の導入には、工事費用が発生します。工事費用は、業者によって大きく異なりますし、またインターネット回線がどこまで引き込まれているかによっても金額が変わってきます。ここでは、アパート建物にインターネット回線ケーブルを引き込み、各部屋まで分配する場合の工事を想定しています。
*屋内工事を含む場合(無線は除く)
上記の表から、業者によって工事費用に大きな差があることがわかります。
なお、できるだけ工事費用をおさえたい場合は、工事費用が無料のインターネット業者を選ぶことをおすすめします。
毎月の保守費用
毎月支払う保守費用には、プロバイダー料金や回線使用料、メンテナンス費用などが含まれています。
こちらも業者によって金額に大きな幅があります。
なお業者によっては、トラブル発生のサポート費用は別途請求の場合もあるため、契約する前には毎月の保守費用に含まれる項目をしっかり確認しておきましょう。
おすすめのインターネット回線
所有するアパートにインターネット設備の導入を検討する場合、一番に考えたいのが「導入するインターネット速度や安定性、利便性が入居者を満足させられるかどうか」です。
ここでは、インターネット速度が速いことで定評のある光回線インターネット業者を4社、そして入居直後から無料でインターネットが利用できるWi-Fi業者1社を紹介します。
NURO 光
画像引用:NURO光
独自の光回線を使用し「下り最大通信速度2Gbps」と他社よりも速い通信速度をセールスポイントにしているのが「NURO光」です。NURO光ユーザーの口コミでは、速さだけでなく回線も安定している、料金が安くて満足との声も多く聞こえています。
ほかにもNURO光の魅力として、月額料金の割引やキャッシュバックなどの特典が充実している点もあげられます。
速度面やサービス面で多くのメリットのあるNURO光ですが、対応エリアが狭いのがデメリットです。現在(2022年1月)NURO光の提供エリアは、北海道・関東・東海・関西・中国・九州(各エリアよって対応する県も限定されます)のみとなっています。また、対応エリアでも建物や住所によっては利用できない場合があるため、申し込む際にはNURO光対応エリアかどうかかならず確認しましょう。
出典:NURO光
ドコモ光
画像引用:GMOとくとくBB
「ドコモ光」は、NTTグループが提供する光回線「フレッツ光」の光コラボ事業者のひとつです。
ドコモ光のメリットは、インターネット対応エリアがフレッツ光の対応エリアと同様となるため、47都道府県に対応できることです。ただし山間部や離島など一部利用できないエリアがあるため、ドコモ光が導入されているかかならず確認しましょう。
なおドコモ光はプロバイダーを自身で選ぶことが可能です。対応プロバイダーは24社ありますが、なかでも人気なのが「GMOとくとくBB」です。
GMOとくとくBBの魅力は、ドコモ光の全プロバイダーのなかでも料金が安く、ネット回線の速度が速く安定性があることがあげられます。また、各種キャンペーンが豊富なのも人気の理由のひとつです。
出典:GMOとくとくBB
auひかり
画像引用:So-net
「auひかり」の光回線は、ほかのインターネット回線とは異なり、KDDIの光ファイバー網とNTT東西から借りているダークファイバー網をエリアによって使い分けるという独自の光回線を使用しています。そのため、NTTのフレッツ光と比べると工事費用が少し割高になっているのがデメリットと言えます。
auひかりも、ドコモ光同様プロバイダーを自分で選ぶことが可能です。選択できるプロバイダーは7社あり、なかでも人気なのが「So-net(ソネット)」です。So-netの魅力は、まず回線の平均速度の速さにあります。またオプションサービスが豊富なのも特徴のひとつです。
出典:So-net
ビッグローブ光
画像引用:ビッグローブ光
「ビッグローブ光」は、NTTが提供するフレッツ光の光コラボ事業者のひとつです。ビッグローブ光はプロバイダーもBIGLOBEになるため回線業者とプロバイダーが一本化されており、プロバイダーと個別契約を結ぶ必要がないので手間がかかりません。
ビッグローブ光の対応エリアはフレッツ光と同じく、47都道府県に対応しています。ただし、山間部や離島など一部利用できないエリアがあります。詳しくはビッグローブ光のHPで確認してください。
ビッグローブ光では、セキュリティ対策やパソコンやスマホのサポート用電話サービスにも力を入れています。さまざまなオプションが無料で利用できたり割引になったりするのも魅力のひとつです。
出典:ビッグローブ光
バッファロー
画像引用:バッファロー
Wi-Fi機器大手メーカーの「バッファロー」が提供する「アパートWi-Fi」は、その名前の通り、アパート経営者のためのWi-Fiインターネット回線です。
アパートWi-Fi の特徴は、1本の光回線をアパートに設置したWi-Fi設備を通じて全戸無料でインターネットを利用できる点です。入居した直後から特別な手続などをおこなわずに無料でインターネット接続ができるため、空室対策のひとつとして導入する大家さんも多いようです。
アパートWi-Fiのタイプは、大きく分けて2種類あり、ひとつ目は木造または鉄骨造・3階建以下・1部屋40㎡以下のアパートに対応した「共用部設置タイプ」です。もうひとつは、それ以上の規模のアパートに対応した「各戸設置タイプ」になります。
所有するアパート物件の規模に合わせて選択できるため、Wi-Fiにありがちな回線切断や通信速度の遅れなどの心配が少なくて済むでしょう。
出典:バッファロー
インターネット回線もしっかり選ぶ必要がある
インターネット設備の導入は、入居者と大家さんそれぞれにメリットがあります。特に「インターネット無料」を導入しているアパートはまだ少なく、入居付けのうえで有効な設備のひとつです。
しかし、せっかくインターネット無料設備を導入しても、入居者が期待したようなインターネット速度が出ない場合はクレームが発生する可能性があるため注意が必要です。
大家さんは、インターネット無料の設備を単なる空室対策のひとつとして導入するだけでなく、このアパートを選んでくれた入居者の期待に応えられるインターネット無料設備の提供を意識する必要があることを忘れないようにしましょう。
まとめ
インターネットの利用者が増えつづけるなか、賃貸アパートにインターネット設備やインターネット無料設備を導入することで空室対策や退去防止につながります。
ただしインターネット設備を導入する際は、費用対効果を考慮したうえで、工事費用や毎月の保守費用をおさえることが重要です。
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