ご近所さん同士で貸し借り/譲渡が可能なプラットフォーム「Rentast(レンタスティック)」とは?
今回インタビューさせていただいたのは、「みんなで使わないもの、みんなで使おう」をコンセプトに掲げるサービス、「Rentastic!(レンタスティック)」を提供する株式会社カローゼットです。
同サービスは、同じマンションの住人同士など、クローズドなコミュニティ内で、普段あまり使わないものを貸したり/借りたり、不要になったものをあげたり/もらったり楽しめるサービスです。
社名の由来から、本サービスの誕生秘話、利用するメリット、これからどのように拡大していくのかという話も聞きましたので、実際に株式会社カローゼットの代表取締役社長 内藤丈裕 様に直接聞いてきました。
このような方にオススメのインタビューです!
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「マンションに住んでいる人と仲良くなりたい!」
「少ししか使わないものに家の中の場所を取られたくない!」
「いらなくなったけどフリマアプリは面倒臭い!」
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それでは早速、「株式会社カローゼット様」へのインタビュースタート!!
株式会社カローゼット 内藤 丈裕様
Q1まず、Rentastic!の概要について教えていただけますか?
Rentastic!は、『特定の街やマンションの住民同士』『特定の企業の従業員同士』など、個々の閉ざされた『コミュニティ内』で会員個人が所有する様々な資産(アイテム)を『会員間で無償で貸し借りし合ったり、譲渡し合ったり』を楽しんでいただくために開発された、WEBプラットフォームサービスです。
①同じマンション、会社の人たち同士で貸し借りが可能
例えば同じマンションに住んでいる住民さん同士や、同じ会社に勤めている従業員さん同士、同じ大学に通っている大学の学生さん同士といった、お互いが友達とはいわないけれども、同じコミュニティに所属しているという安心感をもった人たち同士の間で、自分達の持っている物をお互い貸し借りしあったり、不要になった物を譲り合ったりできるWEBプラットフォームです。
PCでも、スマホでも、ブラウザベースで使っていただける、利用ハードルの低いサービスを提供しています。
②流通する物は「あまり使わない物」「すぐ使わなくなってしまうもの」
貸し借りされるアイテムの想定は、あったら便利だけど、買うほどのものではなく、買っても使用頻度が低く家の中で邪魔になってしまうようなもの。
例えば、高圧洗浄機など買っても一年に1回とか2回とかしか使わなかったりするが、まれにどうしても必要なものだったり、それ以外にも購入前に「本当に口コミ通りなのか」試してみたいと考えるようなアイテムも良く動いています。
一方で、あげたり/もらったりされるアイテムの代表格は「サイズアウトする子供服」や「おもちゃ」などといった子ども関連のもの、書籍、引越しや模様替えで不要になった家具や家電などになっています。
③フリマアプリで売るのと違う点は「パッと使える手軽さ」
よくある声として
「メルカリで売ればいいのに。わざわざマンション内で人にあげたりしなくても売れる」「フリマアプリでいいじゃん」
という声を伺います。
ただ、たかだか数百円の儲けのために、購入相手から値下げ交渉を受けたり、売るための努力をしたりとか、梱包して発送する作業は面倒です。
そのような面倒な作業をするくらいだったら、同じマンションに住んでる必要な人にパッとあげちゃえる。
そのような手軽さが一番の特徴で、ユーザーの方々からご評価いただいています。
Q2.どういうきっかけでサービスにたどり着いたのですか?
①もともとは別サービス「カローゼット」を提供していた
社名にもある「カローゼット」というサービスが前身です。
「カローゼット」は車を持っている人たち同士が、自分の持っている車とタイプの違う車を一時的に、貸し借りし合うサービス。スポーツカーに乗っている人は雪道走行には向かないし、燃費を重視して小さな車に乗っている人はたまの大人数の移動には向かない、こんな車オーナーのニーズを拾うサービスを目指しました。
いわば、車を持っている人たち同士で、ニーズの異なる車を一時的に貸し借りし合うことで、車を持つことの価値を高め合うサービスです。
毎日クローゼットに入れている洋服を着替えるようなイメージで、気軽に車を貸し借りできたら、という想いを込めて、「カー」と「クローゼット」で、「カローゼット」という社名にしました。
ただサービス立上げから本当に数か月というタイミングでコロナがやってきて、なかなかこの環境下ではこの事業の運営は難しいと感じ、コンセプトを起点に事業転換したのが今のRentastic!(レンタスティック)です。
②「カローゼット」のはじまりのきっかけはご自身の原体験から
「カローゼット」をやろうと思ったきっかけは、元々自分の体験からでした。嫁さんが急に「スキー旅行に行きたい」っていい始めて、車を持っていたので自分の車で行こうとしたのですけど、よく考えたら、スタッドレス履いてないとなりまして。
買おうと思うとスタッドレスタイヤはスキー、雪山に行かない限り、東京に住んでたらいらない訳じゃないですか。
一回のスキー旅行のためにスタッドレスタイヤを買って夏の間の保管のこと考えると、お金もかかるし、面倒だなと思いました。
一方で、スタッドレスを履いてるレンタカーを借りようと思ったのですが、わざわざコストかけて車所有してるのに3泊4日で10万くらいかかるのがもったいないなと。
ふと、僕が思ったのが、近所に住んでいる弟のこと。
彼は結構雪山に行くのでスタッドレスを履いているのを知ってたので、車を貸してくれと頼んでみました。
その時に彼に言われたのが、「貸すのはいいけど、貸してる間に自分の車がないのは困るから、兄貴の車うちに置いてって」って言われて、それを聞いたときに「あっ」っと思ったのがこのサービスの原点だったのです。
③なぜRentastic!では、コミュニティ内と利用者の幅を絞ったのか
貸し借りは基本的に自分の大切な物を人に貸してその後、また返ってきてまた自分のものになるため、相手に対する信用がある程度担保されないと、売買のようにはトランザクションが起きづらいもの。
そこでRentastic! では、クローズドコミュニティに舵を切りました。
同じマンションの住民同士、同じ企業の従業員同士、同じ大学の学生同士であれば、まぁ、悪いことはしないだろうな、そう感じられますよね? シンプルな発想です。
Q3.サービス利用のメリットは何ですか?
①利用ユーザー様
一番の特徴はお金を介さない貸し借り、譲渡を楽しんでいただけるという点です。
世の中のシェアリングは、対価としてお金が発生するモデルが大半です。
シェアという言葉から僕が感じるイメージはお金を介さないもの、つまり困った人同士による助け合い、みたいなイメージなんですよ。これがRentastic!の仕組みに繋がりました。
「Renta!」というコミュニティの中で通用する通貨があって、これは自分のものを1日貸してあげると1Renta!がもらえる、そして手に入れたこの1Renta!を使うと今度は他の人が持ってるものを1日無料で借りることができる。
つまりは、自分のものを貸してあげた日数分だけ、人のものを借りる権利が手に入る。
そんな、ギブアンドテイクが実現するような仕組みを導入しています。
ユーザーの方々は、自分のものを人に貸してあげる、つまりは、義務を果たす代わりに、人のものを無料で借りられる権利を手にできる、というような考え方で成り立っているようなプラットフォームがRentastic!なんです。
個人同士の貸し借りだけではなくて、「プロオーナー」と呼ばれる法人(基本はメーカー)が登録した新製品など多数のアイテムを、先にご説明したRenta!を使えば、これらも全てレンタル料無料で借りられる、これも大きな特徴です。調理家電、お掃除家電に美容家電、スポーツ関連の趣味用品まで、約200種類を無料で借りることができちゃうんです。
このようなことを通じて、住民の方々同士が貸したり借りたり、あげたりもらったりしながら、不必要にものを買いすぎる必要もない、使わなくなったものを廃棄物として捨てるのではなく必要なご近所さんに活用してもらう、そんなイマドキのサステナブルで便利な生活を送ることができる。
さらには、自分の所属するコミュニティが活性化するというようなことも楽しんでいただける、それがユーザーさんのメリットだと考えています。
②家主
物件への付加価値の一つとして活用していただいていてオーナー様にはプラットフォーム利用料をご負担いただいています。
ディベロッパーさんが新築で物件を売る際、このようなサービスがついてるマンションなんですよ、って言っていただいて他の物件との差別化を図ることが可能です。
コミュニティがしっかりしているマンションって、雰囲気も明るくなるし、不要なトラブルも起きづらくなる。そういうことにも中長期的には貢献していかれるんだろうなと思っていますし、導入していただいている皆様にはご評価をいただいています。
購入、入居検討中の方々に対して、事業者としてアピールできる。これがオーナーさんサイドにとっての最大のメリットです。
トラブルは起きないの?
クローズドコミュニティで住民同士のコミュニティプラットフォームという建付けなので、基本的にトラブルは発生し辛いんです。ご近所さんから借りたものは普通、大切に使いますよね?
とはいえ、安心感は少しでも高い方が良いので、三井住友海上さんと共にRentastic! 専用の保険を用意しています。これは誰かのものを借りている最中に「壊した」「無くした」「盗まれた」という時に必要な弁償にかかった費用を保険金として取り戻すためのもので、全ユーザーに自動付帯をしています。
ただ、先述の通り、クローズドコミュニティであることが功を奏して、結果的には保険はまだ一度も使われていないのが自慢です(笑)
Q4.お客様の利用実績を教えてください。
①実証検証
去年1年間は実証期間だったため5つほどのコミュニティで運営をスタートしました。
そこでの結果、当初の予想通り大きなトラブルも全く発生せず、ユーザーからもご好評の声をいただき、本格的にサービスをスタートしたのが今年の年初です。
②2022年本格的にスタート!
実証実験の結果を踏まえて、本格的にコミュニティを増やしていこうと様々な企業様にアプローチを始めたのが2021年の冬頃からでしょうか。
全国に約500棟の学生会館を運営される共立メンテナンス様、近畿大学様、横浜青年会議所様など、ご活用の幅が拡がっていることを実感しています。
Q5.利用して頂いた方々からの反応はいかがでしたか。
住民さん同士にコミュニケーションのきっかけに
貸す側、借りる側の2者間では、クローズドのチャットもできるような仕組みになっています。
貸し借りしたことで2者が仲良くなり、「先日お貸しした漫画の続きもあるので、もしよかったらいかがですか」みたいなコミュニケーションが住民さん同士の間で発生しているのも目にします。
地域コミュニティみたいなことが強さを取り戻すきっかけにRentastic!がなれば嬉しいなという想いで事業展開をしています。
株式会社カローゼットの会社概要
会社名 |
株式会社カローゼット |
本社所在地 |
東京都港区東麻布1-10-12 カメダビル3階 |
代表取締役 |
内藤 丈裕 |
会社HP |
最後に
今回は、使わなくなったもの、今は使っていないものを、みんなで貸したり、借りたり、あげたり、もらったりするサービス「Rentastic!(レンタスティック)」を提供する株式会社カローゼットの代表取締役社長である内藤様にインタビューを行いました。
個人的にも非常に共感できるサービスだったため、今後の広がりが楽しみです!!
サービスに関するお問い合わせはこちらから
株式会社カローゼットの内藤様、この度はお忙しい中、誠にありがとうございました!