記事

【アパート経営のすべて】基礎から収益性、利回りなどやさしく解説


アパート経営に興味があっても、「なにから手を付けたらよいかわからない」「むずかしそう」と最初の1歩が踏み出せない人は少なくないでしょう。


そこで今回はアパート経営の基礎知識について解説します。

アパート経営を始めるきっかけとして、ぜひ参考にしてください。


目次[非表示]

  1. 1.「アパート経営」の特徴
    1. 1.1.アパート経営とマンション経営の違い
    2. 1.2.アパート経営と株式投資の違いは?
      1. 1.2.1.不動産投資の特徴
      2. 1.2.2.株式投資の特徴
    3. 1.3.アパート経営に向いている人
      1. 1.3.1.アパート経営で失敗しない人の条件
  2. 2.アパート経営の3つのメリット
    1. 2.1.1.長期にわたって安定した収入を得られる
    2. 2.2.2.相続税や固定資産税の節税対策になる
    3. 2.3.3.定年後の生活資金になる
  3. 3.アパート経営と3つの不動産投資の比較
    1. 3.1.区分マンション経営の特徴
    2. 3.2.戸建て賃貸経営
    3. 3.3.REIT(リート)の特徴
  4. 4.アパート経営で後悔しないための事前準備
    1. 4.1.目的・目標を明確にする
    2. 4.2.入居ターゲットの設定
    3. 4.3.資金計画を立てる
    4. 4.4.アパート経営に必要な知識を身に付ける
  5. 5.アパートの建築会社の選び方
    1. 5.1.ベストな建築会社の探し方
    2. 5.2.建築会社とのやりとりと選び方のコツ
  6. 6.アパートの建築期間の目安
  7. 7.アパート経営3つのリスクと対応策
  8. 8.アパート経営の始め方
  9. 9.アパート経営に必要な税金の基礎知識
  10. 10.アパートの平均家賃収入
  11. 11.儲かるアパートにする方法
    1. 11.1.建築費(購入費用)をおさえる
    2. 11.2.ワンルームタイプのアパートを選ぶ
    3. 11.3.自己資金を増やす
  12. 12.まとめ
  13. 13.この記事を読んだ方に人気のお役立ち資料一覧


「アパート経営」の特徴

ここではアパート経営とマンション経営の違い、アパート経営に向いてるいる人の特徴などを紹介します。


アパート経営とマンション経営の違い

アパート経営とマンション経営、どちらも所有する不動産を第三者に賃貸して賃料を得る不動産投資ですが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。


◇アパート経営

・基本的に木造(または鉄骨造)の3階以下の建物

・アパート一棟全体を所有し、第三者に賃貸し家賃収入を得る

・マンションに比べて建築費や価格は低い

・マンションに比べて家賃設定が安いが、利回りは高い

・ランニングコストはマンションよりも少なくてすむ

・場所を選ばずに建築できる


◇マンション経営

・鉄筋コンクリート構造(RC構造)で3階以上の建物

・マンション一棟を所有、または区分所有し、第三者に賃貸して家賃収入を得る

・アパートに比べて建築費や価格は高い

・アパートに比べて家賃設定が高いが、利回りは低い

・ランニングコストはアパートよりも多い

・駅の近くなどに建てる必要性があるため、建築場所がかぎられる


アパート経営と株式投資の違いは?

不動産投資のひとつであるアパート経営と株式投資、どちらも一般的に人気のある投資方法ですが、利益が出る仕組みや投資のやり方、流動性などはまったく異なります。

ここでは不動産投資と株式投資の違いをまとめました。


不動産投資の特徴

不動産投資のおもな利益は、所有した不動産を第三者に賃貸して得る家賃収入になります。

家賃収入は短期間で大きな利益を得ることはできませんが、そのかわり毎月安定した収入を長期間に渡って得ることが可能です。


また、売却することで得た売却益も利益になりますが、その後は当然ですが家賃収入を得ることはできなくなります。

なお、不動産投資は株式投資に比べると資産の流動性が低く、売買には時間がかかります。物件にもよりますが売買完了まで3ヵ月程度かかるのが一般的です。


不動産投資は入居者管理や物件管理、建物管理など手間がかかりそうなイメージがありますが、管理全般を管理会社に委託することが可能なため、本業で忙しいサラリーマンでも負担が少なく、人気の投資方法となっています。


株式投資の特徴

株式投資で得るおもな利益は、株式の売買による売却益です。また、株式を保有しつづけることで得られる配当金や株主優待も利益に含まれます。


株式は価格変動の幅が大きいため、短期間で購入価格の2倍~3倍やそれ以上の大きな利益を得られるケースもありますが、値動き次第では元本割れするリスクもあります。


株式投資は流動性が高く現金化が容易です。

しかし、株式の売買で収益を出すためには、常に値動きをチェックする必要があります。

そのため、本業を持つサラリーマンは仕事に支障をきたしたり、仕事中に価格が乱高下したり、損失が出ることも考えられます。


アパート経営に向いている人

アパート経営は、だれにでもおこなうことができますが、下記のようにアパート経営をおこなう目的をしっかりと持っている人は「アパート経営に向いている人」と考えられます。


・相続税の節税対策をしたい人

・固定資産税を節税すると同時に収益も得たい人

・定年後に年金以外の収入を確保したい人

・収益性のある現物資産を持っておきたい人


なお、使用目的のない更地を所有している人は、アパート経営をおこなうことで節税しながら収益を得られるチャンスです。ぜひアパート経営を検討してみましょう。


アパート経営で失敗しない人の条件

アパート経営において「絶対に失敗しない」と言い切ることはむずかしいですが、アパート経営を含めた不動産投資で成功する人には、以下のような傾向が見られます。


・地道にコツコツと努力できる人

・物事を長期的に考えられる人

・行動力と決断力のある人


アパート経営をはじめする不動産投資は、短期間で大きな利益を得る投資方法ではありません。毎月得られる家賃を長期に渡ってコツコツと貯め、地道に資産を育てる必要があります。また、不動産投資を成功させるには最新情報と知識を学びつづけることも重要です。


そして、それらの情報と知識を活用して、チャンスを逃すことなく決断して行動できる人こそが「アパート経営で失敗しない人」といえるでしょう。


アパート経営の3つのメリット


ここでは、アパート経営をおこなうことで得られるメリットを3つ紹介します。


1.長期にわたって安定した収入を得られる

アパート経営の魅力は、入居者がいるかぎり毎月安定した家賃収入を得られることです。

同じ不動産投資でも区分マンション投資や戸建て賃貸などは、入居者がいなければ空室率は100%、家賃収入は0円となってしまいます。


しかし、アパート経営は複数の部屋を賃貸するため、1室が空室になってもほかの部屋の家賃収入を得られます。このようにアパート経営は、収入が途絶えてしまう心配がないのもメリットになります。


2.相続税や固定資産税の節税対策になる

アパート経営をおこなうことで相続税や固定資産税の負担を軽減できます。

たとえば相続税の場合、相続財産の評価額によって相続税額が決まりますが、不動産を相続すると現金で相続した場合に比べて2~3割程度低く評価されるため、支払う相続税が少なくてすみます。


また相続する不動産に賃貸用の建物がある場合は、「貸家建付地」や「小規模宅地」など特例の要件を満たすことで、さらに評価額が下がる可能性もあるのです。


固定資産税についても、賃貸アパートの戸数分が小規模住宅用地の特例措置に適用されます。さらに新築物件であれば固定資産評価額を1/2まで軽減できるなど、大幅な節税効果が期待できます。


3.定年後の生活資金になる

「人生100年」といわれる中、公的年金の額の削減や受給時期の見直しなど、定年後の生活を不安に感じている人は多いでしょう。


そんな中、安定した老後資金を目的として、長期にわたって安定した収入が期待できるアパート経営を始める人も増えています。


なお、アパート経営は不動産投資ローンを利用するのが一般的ですが、ローンを完済することで家賃の大部分が手元に残るようになります。

そのお金を老後資金として貯蓄するのもよいですが、新しいアパートの購入費用にして、さらに資産を増やすことも可能なのです。


アパート経営と3つの不動産投資の比較

不動産投資にはアパート経営のほかにも、いくつか種類があります。同じ不動産投資ですが、それぞれ収益性や費用、リスクなどが異なります。

ここではアパート経営のほか、区分マンション経営、戸建て賃貸経営、そして少額不動産投資のひとつである「RIET(不動産投資信託)」について、それぞれの違いをまとめました。


区分マンション経営の特徴

1部屋単位で物件を購入でき、賃貸需要の高い都心部の好立地物件も比較的安価なため、少額の自己資金で購入することができ、リスクも低いです。

自己資金が少ない人や不動産投資初心者におすすめの物件といえるでしょう。


なお、区分マンションは価格の安いため、大きな節税効果は期待できません。また物件を1室しか所有していない場合は収益が少ないことがデメリットです。


戸建て賃貸経営

戸建て住宅のほとんどがファミリー向け物件であるため単身者向け物件より家賃を高めに設定でき、また長く住んでもらえる可能性が高く、安定した収入が期待できます。

また戸建て賃貸のターゲットはファミリー層であるため、駅から遠くても一定の需要が見込めます。


中古戸建てであれば、それほど高くない価格で購入できるため初期費用は少なめで、リスクもそれほど高くありません。ただし、所有件数が1件のみの場合は空室リスクが高くなるため注意が必要です。


REIT(リート)の特徴

金融商品であるREITは、一口あたりの投資額は数万円から数十万円程度と少額で投資できるのが大きな特徴です。収益に関しては、REITの平均利回りは3~4%と、現物不動産投資よりは低めです。


また数万円単位で始められるREITは、不動産投資のなかでもローリスク・ローリターンであるといえます。なお、REIT(リート)は不動産ではないため節税にはつながりません。


アパート経営で後悔しないための事前準備


アパート経営を成功させるには、綿密な準備が欠かせません。ここではアパート経営を始める際の準備内容について紹介します。


目的・目標を明確にする

アパート経営を成功させるためにも、明確な目的と目標を定めておきましょう。

「老後資金として〇年後までに□万円貯めたい」

「子供の学費として、毎月△万円の収入がほしい」


目的と目標によって選ぶべき物件が決まります。また、アパート経営を開始してからも定期的に目標に向かっているかチェックすることで軌道修正でき、失敗の回避につながります。


入居ターゲットの設定

アパート経営をおこなう目的と目標が決まったら、入居ターゲットを設定しましょう。

アパート経営で成功するためには、いかに空室リスクを軽減できるかにかかっています。

ターゲットの属性にあわせて立地や間取り・設備などを決定することで、ターゲット層をピンポイントで取り込めるため、空室リスクをおさえることにつながるのです。


立地が決まったら周辺環境や競合物件、家賃相場を調査しましょう。

アパート経営の成否は物件の立地でほぼ決定します。そのため、競合物件が多すぎないか、賃貸需要はあるか、周辺に嫌悪施設などがないか、しっかりと確認しましょう。


資金計画を立てる

ターゲット層が決まり、アパートの輪郭が定まったら、アパート建築費用(購入費用)がどのくらいかかるかを見積もりましょう。

同時に、物件購入時に必要な初期費用(頭金+諸費用)や税金、ランニングコストもシミュレーションしてみると、必要な資金額や毎月必要な収入額などが見えてきます。


シミュレーションをおこなう際のポイントは、さまざまな状況を想定した数字を反映させることです。空室率やローン金利、ローン返済期間など、数字を変えてさまざまな角度から計算してみましょう。そのうえで目標に向けた資金計画を立てましょう。


アパート経営に必要な知識を身に付ける

アパート経営をおこなううえで不動産の知識は欠かせません。物件の選び方はもちろん、不動産に関わる法律や会計、税金など、覚えたい知識はたくさんあります。

とはいえ、一度に覚える必要はないので、時間をかけて段階ごとに必要な知識を覚えていくとよいでしょう。


勉強方法として、まずは不動産関係の書籍を読み、基本的なことを覚えたら不動産投資セミナーなどに参加して知識の幅を広げていきましょう。


アパートの建築会社の選び方

ここではアパートを建築する会社の選び方を紹介します。


ベストな建築会社の探し方

建築会社にかぎらず、業者を選ぶ際は複数社から見積もりを取ったうえで比較検討しましょう。

同じアパートを建築する場合でも、会社によって料金はもちろん、工法や建築期間などが異なります。すべて理想通りの建築会社はないかもしれませんが、複数社を比較検討することで、もっとも理想に近い業者を見つけることができます。


まずインターネットを利用して、建築会社の一括検索サイトなどを通じて、問い合わせをおこないましょう。


建築会社とのやりとりと選び方のコツ

問い合わせた建築会社の中で気に入った会社と面談をおこないます。どんなアパートにしたいのか、予算や想定した間取り、希望内容など、できるだけ具体的に伝えましょう。


面談の内容からさまざまなプランが提案されるので、それらの中から自分の希望にあったもの選ぶことで、最終的に建築を依頼する会社が決定します。


プラン選びの際は費用だけでなく、資材のクオリティにも注目しましょう。建築費用を安くおさえることも大事ですが、必要以上に費用を削ってしまうと安普請のアパートになってしまい、修繕費がかさんだり、音が響きやすかったり、アパート経営に悪影響をおよぼしかねません。


これから何十年も付き合うことになる大事なアパートであることを念頭に、信頼できる建築会社を選びましょう


アパートの建築期間の目安


木造アパートの建築期間の目安は、3~4ヶ月程度といわれていますが、建築するアパートの規模によって多少前後する場合があります。なお、軽量鉄骨造は1ヶ月程度工期が長くなります。


また、大手のハウスメーカーなどでは、規格化された工法をもちいることで、平均よりも短い工期で済む場合もあります。


アパート経営3つのリスクと対応策

アパート経営をおこなうにあたって、注意すべきリスクもあります。

ここではアパート経営で代表的な3つのリスクと対応策について解説します。


1.       空室リスク

アパート経営で安定した収入を得るためにも空室対策は欠かせません。

空室のあいだは家賃収入が得られないため、収益が減少してしまいます。空室期間をいかに短くし、安定したキャッシュフローを維持することがアパート経営の成功ポイントです。


最大の空室対策方法は、物件選びの段階でおこないます。

賃貸需要のある好立地であることや、設定したターゲットのニーズにあったアパートを選ぶことで、空室リスクを最小にすることが可能です。


ただし、どんなに好立地物件であっても、経年とともに賃貸需要は少しずつ下がっていくのが一般的です。様子を見ながらメンテナンスやリフォーム、最新設備の導入など、必要に応じて空室対策をおこないましょう。


2.老朽化による大規模修繕費の負担

アパート経営では、アパートの資産価値を維持するために、10~20年ごとに大規模修繕をおこないます。

大規模修繕は、屋根の葺き替えや外壁塗装、排水管交換など、高額の費用がかかります。

いきなり高額の修繕費を捻出するのはむずかしいため、アパート経営開始と同時に毎月の家賃収入から「大規模修繕費の積立て」を始めることをおすすめします。


3.災害リスクと対応策

地震大国日本では、国内のどこにいても地震被害にあう可能性があります。また近年では、台風などの風水害の被害も多数報告されています。

自然災害による建物の損傷の程度によっては、高額の修繕費が必要になったり、入居者が退去して家賃収入が減少してしまったり、想定外の事態になりかねません。


万一に備え、火災保険や地震保険にはかならず加入しておきましょう。また、物件を選ぶ段階でハザードマップを確認し、水害が少ないエリアや地面がしっかりしている地域に物件を建築するのも災害対策につながります。


アパート経営の始め方


アパートの建築工事が完了したら、いよいよアパート経営のスタートです。しかし、その前に、入居者の募集方法など、検討や確認すべき事項があります。


1.入居者の募集内容を決める

アパートの竣工前に、入居者募集の内容を決めておくと、その後の入居者募集がスムーズにおこなえます。

あらかじめ想定していた賃料設定で問題はないか確認し、同時に敷金・礼金の額や管理料・共益費の額も決めましょう。


また賃貸借契約書に盛り込む内容の確認も必要です。基本的には仲介業者や管理会社の意見を聞きながら決めていくとよいでしょう。


2.管理会社を決める

アパート経営では建物管理のほか、入退去管理や入居者管理など、さまざまな管理をおこなう必要があります。そういった管理を大家さん自身で自主管理するのか、管理会社に委託するのか決めておきましょう。


自主管理のメリットは、アパート物件の様子を確認しやすくため、問題の早期発見がしやすい点です。また管理費用の支払いも不要です。

しかし、大家さんの住まいがアパートから遠い場合や本業で忙しい、体力的に無理など、物理的に自主管理がむずかしいのであれば管理委託を検討するとよいでしょう。


管理会社に委託する際は、管理委託料として家賃の5~8%程度の支払いが必要です。費用はかかりますが、管理のプロに任せることで円滑な管理が期待できます。


3.資金計画の確認と再検討

本格的にアパート経営をスタートする前に、資金計画を見直してみましょう。当初立てた資金計画と現在の状況を確認し、ズレが生じている場合は計画の変更や対処が必要か判断します。


アパート経営に必要な税金の基礎知識

アパート経営をおこなうことで、さまざまな納税義務が発生します。ここではアパート経営に関連する税金について解説します。


1.家賃収入の課税方法

アパート経営によって家賃収入を得ると所得税がかかります。家賃収入がある場合の所得税の計算方法は以下のようになります。


1:不動産所得を求める


不動産所得=総収入金額-必要経費


総収入金額は、家賃収入だけでなくアパート経営で得たすべての収入(礼金や駐車料金など)を指します。総収入金額からアパート経営にかかった必要経費を差し引いたものが「不動産所得」となります。


2:課税所得を求める


課税所得=不動産所得+その他の所得-各種控除


不動産所得とその他の所得(サラリーマンの給与所得など)を合算したものが「課税所得」となります。


3:所得税額を求める


所得税額=課税所得×税率-課税控除額


上記で算出した課税所得をもとに、税率表の税率と控除額を用いて所得税額を計算します。

【所得税の税率表】

参考:国税庁『所得税の税率


2.確定申告の基礎知識

確定申告は、原則としての1月1日から12月31日までの所得について、その翌年の2月15日から3月15日までに必要書類を整えて税務署に提出し、申告します。


アパート経営で不動産所得が20万円を超える場合は確定申告が必要です。ただし、不動産所得が20万円以下の場合であっても「給与所得以外の所得」が20万円を超えている場合は確定申告が必要になります。


不動産所得が20万円以下の場合、確定申告の義務はありません。

ただ、不動産所得が赤字でその他の所得がある場合は「損益通算」することで、納税額が少なくなる可能性があります。


損益通算とは、不動産投資の赤字分を本業の所得から差し引くことです。赤字(マイナス)分をその他の所得から差し引くことで課税対象額が減るため、結果的に節税につながります。

よって、不動産所得がマイナスの場合は確定申告をおこないましょう。


なお、確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。


◇白色申告

青色申告の承認を受けていない場合は、自動的に白色申告になります。

青色申告のようなメリットはありませんが、青色申告より手間がかかりません。


◇青色申告

青色申告をおこなう際には以下の条件があります。

・「開業届」と「青色申告承認申請書」を事前に届け出ておく必要がある

・事業規模(室数10室以上または5棟)の不動産貸付がおこなわれている

・複式簿記で帳簿をつける必要がある


青色申告には下記のようなメリットがあります。

・青色申告特別控除(最高65万円)が受けられる

・赤字の繰越が可能(3年間)

・青色事業専従者給与を経費計上できる

・減価償却資産(30万円未満)は一括で経費計上できる


3.不動産にかかる税金

ここでは不動産にかかる税金の種類を紹介します。

不動産は保有しているだけで税金がかかりますが、購入時と売却時にも税金が発生します。

そのため、納税額を考慮しながらアパート経営をおこなう必要があります。


個人でアパート経営をおこなう際、不動産にかかる税金には以下のようなものがあります。


◇不動産購入時にかかる税金の種類

・不動産取得税

・登録免許税

・印紙税


◇不動産保有時にかかる税金の種類

・固定資産税・都市計画税

・所得税・住民税(家賃収入がある場合)


◇不動産売却時にかかる税金の種類

・譲渡所得税・譲渡住民税


アパートの平均家賃収入


アパート経営で得られる家賃額は地域や間取りによって異なります。

ここでは参考として、『全国賃貸管理ビジネス協会』で定期的におこなっている全国の家賃動向調査結果から、1部屋物件の平均家賃額を都道府県別にまとめたものを紹介します。

なお、下記の平均家賃額はアパート以外の賃貸物件も含めた結果となります。

【1部屋物件の都道府県別平均家賃額】

参考:全国賃貸ビジネス管理『全国平均家賃による間取り別賃料の推移2022年6月調査


東京都の平均賃料が月額6万9,624円ともっとも高く、全国で唯一、6万円台となっています。

たとえば、東京都で室数8戸のアパートで家賃額6万9,000円に設定した場合、月額家賃収入は55万2,000円に、年間では662万4,000円になります。(いずれも満室時)


儲かるアパートにする方法

アパート経営をおこなうからには、できるだけ多くの利益を出したいものです。ここではアパート経営で「儲ける」ためにできる方法を紹介します。


建築費(購入費用)をおさえる

儲かるアパートにするためには、利回りの最大化を図りましょう。

そのためには、「最小限の建築費で建てた(購入した)アパートで、可能な限り高い収益をあげること」が重要です。


しかし、建築費をおさえようとするあまり、「安かろう、悪かろう」なアパートになってしまっては、今後のアパート経営に支障をきたしてしまいます。


建築費をおさえながら長期的な競争力を維持できるアパートを建てるには、建築会社の協力が必要です。まずは信頼できる建築会社を選び、最良のプランを提案してもらいましょう。


前述した『アパートの建築会社の選び方』の項を参考に、複数社から見積もりを取り、提案されたプランを検討し、「これぞ」と思う建築会社を選ぶことです。


建築会社と面談する際、できるだけ建築費用を安くおさえたい旨を伝えることで、予算に近づけた減額プランを提案してくれます。

複数社からの減額プランを比較検討し、価格と質のバランスの取れたプランを採用することで、可能な限り高い収益を出すアパートの実現に近づくことができるでしょう。


ワンルームタイプのアパートを選ぶ

アパート経営で利益を出すためには、高利回り物件を選ぶ必要があります。そのためには、ワンルームタイプを選ぶとよいでしょう。


アパートの間取りにはさまざまなタイプがありますが、1部屋あたりの家賃総額が小さいワンルームは、賃料単価を高くすることができます。賃料単価が高くなれば、利回りも高くなり、結果としてほかの間取りよりも多くの利益を得ることにつながります。


自己資金を増やす

物件購入時に投入する自己資金(頭金)が多ければ、利息を含めた月々のローン返済額が減るため、キャッシュフローに余裕が出ます。

用意する自己資金額は、アパートの建築費(購入額)の2~3割程度を目安にしましょう。


頭金が不要のフルローンでアパート経営を始めるケースもありますが、借入額が大きいため、月々のローン返済額も高額になりがちです。予期せぬ出費や想定外に空室が長くなるとキャッシュフローが悪化し、ローン返済が滞るおそれもあります。

儲かるアパート経営の実現には向かないため注意しましょう。


まとめ

アパート経営の基礎知識について解説しました。

アパート経営を成功させるには目的と目標を定め、それを実現できるアパートを取得する必要があります。


アパート経営は長期にわたっておこなう投資方法です。途中で経営破たんしないためにも、準備段階で万全の体制を整えてアパート経営を始めましょう。


この記事を読んだ方に人気のお役立ち資料一覧

>>アパート経営シミュレーション無料エクセルソフト5選

>>カテゴリー別おすすめアパート建築会社一覧

>>大家さん必見の空室対策アイデア10選

>>アパートWiFi導入のメリット&デメリット

>>入居者募集テクニック8選




岩崎
岩崎
不動産ジャンルのライター歴は2年半以上。その間、100本以上のコラム構成・執筆を担当。満室経営を目指す大家さんに役立つ記事をお届けします。

人気No.1の無料インターネット
「アイネット」

空室対策・家賃の底上げにお悩みなら
私たちにご相談ください

お電話でのお問い合わせはこちら
(24時間365日対応可能)
最適なプランや費用をご紹介致します
無料で導入費用をお見積もり致します

サービス資料をダウンロードいただけます