土地を有効活用するには?成功や失敗した具体例と失敗しないコツも解説
所有する土地を有効活用するには、さまざまな方法があります。しかし、土地活用で収益を出すためには、立地や土地の特徴にあった活用方法を選ぶ必要があります。
そこで今回は、目的にあった土地活用の種類を紹介します。また人気の土地活用方法7選に加えて、ちょっと変わった土地の有効活用方法や失敗事例も紹介します。
土地活用を検討中のかたは、ぜひ参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.土地を有効活用するために知っておきたい3つのポイント
- 2.土地を有効活用できる人気の活用方法7選
- 3.土地活用にはこんな成功例も!?面白いアイデア7選
- 4.土地活用は失敗することもある?失敗例と原因を5つ紹介
- 4.1.①土地活用=賃貸経営という思い込みだけでアパートを建ててしまった
- 4.2.②建築費の安さにこだわり過ぎ安普請のアパートになってしまった
- 4.3.③付帯工事費が見積りに含まれておらず建築費を追加した
- 4.4.④「30年家賃保証」のサブリース契約で賃料を下げられた
- 4.5.⑤競合が多く供給過多状態だった
- 5.土地活用で失敗しないために押さえておきたい3つのポイント
- 5.1.土地活用方法それぞれのリスクを把握する
- 5.2.長期的な視点で運用をおこなう
- 5.3.事業計画を立てる
- 6.土地活用で失敗しないために今すぐできる3つの方法
- 7.自分に合った土地を有効活用する方法を見つけよう
- 8.この記事を読んだ方に人気のお役立ち資料一覧
土地を有効活用するために知っておきたい3つのポイント
土地活用を計画するにあたって、いくつか確認しておくべきポイントがあります。ここで確認を怠ってしまうと計画が実行できなかったり、失敗してしまったりする可能性があるため注意が必要です。
土地を有効活用するために用途地域を調べておこう
「所有している土地を有効活用しよう!」
そう思ったら、まずは所有する土地の「用途地域」を確認しましょう。
用途地域とは「計画的な市街地を形成するために、用途に応じて13地域に分けられたエリア」を指します。各用途地域によって、建てられる建物の種類や大きさなどが制限されています。
そのため「ホテルを建てよう!」と考えても、用途地域の種類によってはホテル建築が許可されない場合もあるのです。
13地域ある用途地域ですが、以下のように大きく3種類に分けることができます。
1.住居系
13地域あるうち8地域が「住居系」となり、住環境が優先されます。この8地域に指定された地域の種類によっては制限付きで学校や病院、店舗などを建てることも可能ですが、基本的に工場や大規模な商業施設は建てられません。
2.商業系
2地域が「商業系」になり、おもに商業施設の建築ができます。商業施設や事務所のほか、住宅・店舗・ホテル・パチンコ屋・カラオケボックス等のほか、映画館、車庫・倉庫、小規模の工場も建てられます。
3.工業系
3地域が「工業系」になり、おもに工場の利便性を高める地域になります。用途地域の種類によって建てられる工場の規模が異なります。
参考:国土交通省 都市局 都市計画課『土地の使い方と建物の建て方のルールの話』
立地や周辺環境に適した土地を選択する
土地を有効活用する際は、まず所有する土地の立地や周辺環境を考慮したうえで、活用方法を選ぶ必要があります。また前述したように土地にはそれぞれ用途地域が定められており、用途地域で決めたられた建物以外は建てることはできません。
また、活用方法によっては立地が成功の可否を左右することも少なくありません。土地活用を成功させるためにも、まずは所有する土地の立地を確認してみましょう。
土地の立地を大きくわけると以下のようになります。。
1.住宅街にある土地
2.駅前や駅に近い土地
3.幹線道路沿いにある土地
4.郊外にある土地
5.駅から遠い、または田舎にある土地
土地を有効活用するには目的を明確にしておく
所有する土地を有効活用する方法はたくさんありますが、その場合は「土地活用する目的」を明確にし、その目的に沿った計画を立て実行する必要があります。
土地活用の目的は大きくわけると以下のようなものがあります。
◇高収益を目的とした土地活用
活用例:グレードの高いマンション経営、商業施設経営など
◇安定した収益を目的とした土地活用
活用例:一棟アパート経営、月極駐車場経営など
◇相続対策を目的とした土地活用
活用例:アパートやマンションなど住居系賃貸経営など
◇固定資産税の節税を目的とした土地活用
活用例:住宅建築やアパート経営など
◇一時的な利用を目的とした土地活用
活用例:駐車場経営、定期借地など
土地を有効活用できる人気の活用方法7選
土地活用方法には多くの種類がありますが、ここでは一般的に人気があり、だれにでもはじめやすい土地の有効活用方法を7つ紹介します。
①一棟アパート経営
アパートを建築し、第三者に賃貸することで家賃収入を得る、土地活用方法としては非常にポピュラーな方法のひとつです。
アパート経営の魅力は、安定した家賃収入を得られることです。一棟に複数の部屋を有して賃貸するため、空室ができても家賃収入が0円になる心配はありません。
また相続税や所得税、固定資産税などの節税対策にも効果的です。
特に相続税対策としては、土地を相続することで現金や証券などよりも評価額が低くなるため、納税する相続税が安くすみ、加えて第三者に賃貸している場合はさらに相続税が安くなります。
なお、マンション建築ほどではありませんが、アパートの建築費用も高額なため、ある程度の初期費用が必要です。またアパートの品質や価値を守るために十年単位で大規模修繕が必要になるため、費用の積立てが必要になります。
②マンション経営
マンションを建築し、第三者に賃貸することで家賃収入を得る、アパート経営と並ぶポピュラーな土地活用方法です。
集客の見込める都心部などに広めの土地を所有している場合は、非常におすすめの土地活用方法になります。マンション経営は規模が大きく部屋数も多くなるため、一棟アパート経営よりも高収益が見込めるのがメリットです。
またアパート経営と同じく、相続税や固定資産税など税金の節税にもつながります。
ただ、マンションの建設費用は高額なため、初期費用が高く、金融機関からの融資も数億単位と高額になることが予想できます。
③戸建て賃貸経営
一戸建ての住宅を建て、その住宅を賃貸して家賃収入を得ます。土地の大きさによっては複数の戸建て住宅を建築して貸し出すことも可能です。
戸建て賃貸の入居ターゲット層はファミリーがほとんどなため、駅から遠い立地でも、一定の需要が見込めます。
また、一度入居が決まれば比較的長期の居住が期待でき、安定した家賃収入が見込めます。
また、入居者がその住宅を購入するケースもあるので将来的に売却益を得る可能性もあります。
デメリットは、アパートやマンションの一室に比べて居住面積が広いため、修繕費が多くなりやすい点です。
④商業施設経営
所有する土地の広さや立地によって、どのような商業施設を経営するかが決まりますが、住居系賃貸経営よりも高収益が見込めます。
比較的小さな土地でおこなえるコンビニエンスストアやドラッグストアなどから、100坪以上のある程度広い土地を持っている場合はショッピングセンターなど大規模商業施設も視野に入るでしょう。
一方、商業施設の規模によっては建築費用が高額になるため、金融機関からの借入金が大きくなり、毎月のローン返済額も高額であるため注意が必要です。
また、用途地域によっては商業施設が建築できない場合があります。商業施設経営を計画する場合は、かならず土地の用途地域を確認しておきましょう。
⑤月極駐車場経営
土地を駐車場にして月極で貸し出し、月々の賃料を収入として得る土地活用方法です。
月極駐車場経営のメリットは、機器や設備を導入する必要がなく、整地と区分けだけで貸し出せるため、コストが比較的少なくてすむ点です。
また、住宅を建てにくい変形地や狭小地でも活用が可能です。
ただし、駐車場経営は更地と同じ扱いになるため税制上の優遇措置は受けられません。また、エリアや駐車台数によりますが、賃貸経営をする場合に比べて収益が少ない場合がほとんどです。
なお、駐車場経営には月極のほか、コインパーキング経営という手段もあります。ただし、コインパーキング経営の場合、ロック版や精算機といった設備の設置のために100万円ほどの初期費用が必要です。できるだけコストをかけたくない場合は月極駐車経営が向いています。
⑥太陽光発電
保有する土地に太陽光発電設備を導入し、発電した電気を売却して利益を得ます。
太陽光発電は、賃貸物件の入居者やテナントへの集客が見込めない立地や田舎の土地でも、日当たりがよく、地盤に問題さえなければ、立地条件が悪くても収益化できる可能性がある点がメリットになります。
また、政府や地方自治体から補助金で太陽光発電を用意することで、初期費用をおさえた土地活用も可能です。助成金や電気の買取期間・価格について、詳しくは経済産業省資源エネルギー庁『なっとく!再生可能エネルギー』を参照してください。
一方デメリットとしては、日が当たらない曇りや雨の日には発電できないため、天候によって収益が増減するリスクがある点があげられます。
⑦定期借地
保有する土地を一定期間貸し出すことで地代収入を得る土地活用です。期間を決めて貸し出すため、将来的に土地利用が決まっている(数年後には子供の家を建てるなど)場合などの一時的な土地活用に向いています。
定期借地による土地活用は安定した地代収入が得られる点がメリットです、建築費用や賃貸経営・テナント経営におけるリスクは借り主が負担するため、オーナー様へデメリットはありません。
なお、立地や土地の広さにもよりますが定期借地の地代収入額はそれほど高額ではありません。収益面で考えるとアパート経営などのほうが大きな収益が得られるでしょう。
土地活用にはこんな成功例も!?面白いアイデア7選
ここでは、ちょっと変わった土地活用方法を7つ紹介します。
①貸し農園
住居系賃貸物件や駐車場などの需要が少なく、商業施設の集客にもつながらない、立地が悪い田舎や郊外の土地や建物を建てにくい変形地・狭小地などに向いている土地活用方法です。
土地に手を加える必要がほとんどなく、水道や柵などの設置をするだけなので初期費用はほとんどかかりません。また作付けや収穫などは借主がおこなうため、管理コストも少なくてすむのがメリットです。
短期間で高収益は望めませんが、コンスタントに収益を得ることで長期的に利益を生むことができます。
②ロードサイド店舗
車の交通量が多い幹線道路などの道路に接している土地で運営される、さまざまな商業施設を「ロードサイド店舗」と呼びます。
ロードサイド店舗の種類は多く、ショッピングモールなどの大規模なものからコンビニなど小規模な店舗まで、所有する土地にあった店舗を選ぶことができます。
ロードサイド店舗用の土地は需要が高く、店舗用の土地を探している事業者が見つかりやすいです。またロードサイド店舗の契約方法は「リースバック方式」と「事業用定期借地方式」の2種類があり、いずれも初期費用がほとんどかからないのもメリットです。
ただ、利用客のほとんどが車で来店するため、店舗のためのスペースだけではなく駐車スペースも必要になるため、ある程度の広さの土地が求められます。
なお、ロードサイド店舗には出店企業撤退・解約のリスクがあります。事業者が撤退した際のリスク回避方法についても契約時にしっかり確認しておきましょう。
③キャンプ場
田舎や山に土地を持っている場合は、キャンプ場として貸し出すのも土地活用方法のひとつです。キャンプに必要な機器や設備を設置し、利用者からその都度、利用料金を得ます。
ただし、キャンプ場の設備によっては、必要に応じて申請・許可が必要になります。
・宿泊できる設備を設置した場合は「旅館業営業」の許可が必要(利用者が自分でテントを張って宿泊する場合は不要)
・食材や料理の提供をする場合は「飲食店業」の許可と消防署への届出(防火対象物使用開始届)が必要。また許可申請には各施設に専任の「食品衛生責任者」と「水質検査の実施」が必要
・ビンや缶のアルコール類を販売する場合は「酒類販売業免許」または「期限付酒類小売業免許」が必要
・飲食店営業をする場合は「飲食店業許可」が、深夜0時以降もアルコールを提供する場合は「深夜酒類提供飲食店営業届」が必要
④ガレージハウス
車やバイクなどの趣味を持つ人を入居ターゲットにした賃貸物件です。上階の住居部分から一階部分にガレージ部分に外に出ずに直接行ける構造が特徴の住宅です。
一般的な賃貸物件と比べて、ガレージハウスは賃料を高めに設定できるため、高収益が期待できるでしょう。
また、建築基準法の規定により、車庫面積が建物の延床面積の1/5以下であれば車庫部分は建築面積から除外されます。結果として固定資産税の税額算定からも除外されるため、節税につながるのもメリットです。
ただし、ガレージハウス自体の運用例が少なく、建物プランや入居者募集についての指標も少ないのが実情です。需要を知るためには事前調査を綿密におこなう必要があります。
⑤レンタルスペース
賃貸物件やオフィスビルの一部を1部屋単位で時間貸しする「レンタルスペース」は、部屋の広さによって、テレワークや会議室、パーティーやワークショップなどさまざまな目的で利用できるのが特徴です。
立地や部屋の広さ、設備によっては高い収益を得られる可能性もあります。また需要と供給次第で価格の設定や変更を容易におこなえるのもメリットです。
一方、レンタルスペースは一時利用が基本となるため収益が安定しない点がデメリットです。また清掃などの手間がかかる、利用者が使用する設備に費用がかかるなどのデメリットもあります。
⑥資材置き場
近隣の建築会社や施工会社・工場などに「資材置き場」として貸し出して賃料を得ます。更地のままで貸し出せるためコストがかからず、管理も借主がおこなうので手間がほとんどかからないのがメリットです。
ただし、賃料は借主と相談したうえで決定することになるため、あまり高額な収益は期待できません。使い道の決まっていない遊休地や、一時的に土地を貸したい場合に向く活用方法です。
⑦自販機や照明写真機などの機器の設置
駐車スペースにも満たない狭小地の有効活用方法のひとつに、自動販売機や証明写真機、カプセルトイ販売機などの機器を設置し、収益を得る方法があります。
なお、設置する際は道路にはみ出さないよう注意が必要です。また風致地区・景観地区などには通常の自動販売機を設置できません。その場合は、指定された自動販売機を設置することになります。
ただ、収益を得るためには、ある程度の利用者が見込まれる立地である必要があります。周辺環境や近隣住民の属性から、どんな機器を設置すれば利用されるのか判断しましょう。
土地活用は失敗することもある?失敗例と原因を5つ紹介
土地活用を成功させるためには失敗事例を把握しておくことも必要です。失敗するパターンに気をつけて計画を立てて実行することで、土地活用の成功確率が高まります。
ここでは土地活用の失敗事例を5つ紹介します。
①土地活用=賃貸経営という思い込みだけでアパートを建ててしまった
先に紹介したように土地の活用方法にはさまざまな種類がありますが、「土地活用と言えば賃貸経営」という思い込みだけでアパートを建てて失敗するケースがあります。
アパート経営が成功するかしないかは、賃貸需要のある立地かどうかが最重要ポイントになります。それを無視してアパート経営をはじめても、賃貸需要がないエリアでは入居者が見つからず、家賃を得られないため経営破たんしてしまいます。
土地活用を成功させるためには立地はもちろん面積や形状など、その土地に合う最適な活用方法を選ぶ必要があります。
②建築費の安さにこだわり過ぎ安普請のアパートになってしまった
アパートの建築費用をできるだけ削減しようと建築費の安さにこだわり過ぎたため、「安かろう、悪かろう」の建物で失敗するケースがあります。
建築費用を安くできればそれだけ物件が高利回りになりますが、建築費用をおさえたことで漏水の発生や下階や隣戸への音が大きく響くなど、アパート自体になんらかの悪影響を及ぼす危険性が高まります。
このように質の悪いアパートを建ててしまうと、入居者の退去が早まったり、入居が決まりにくくなったりします。
対策としては、信頼できる建築会社を選んだうえで建築費用のローコストにはこだわり過ぎず、適正な価格で優良アパートを建てることが効果的です。
③付帯工事費が見積りに含まれておらず建築費を追加した
「付帯工事費」を見積りに入れずに坪単価を安く見せる業者の手口に引っ掛かってしまい、別途費用を支払わされたケースです。
本来、付帯工事費(整地、外構、ベランダ、ガス・水道・電話の引き込みなど)の費用は建築費全体の20%程度を占めます。建築費の総額が5,000万円(坪単価50万円×100坪)の場合、付帯工事は1,000万円(5,000万円×20%)です。
しかし、坪単価を安く見せるために付帯工事費を含めない坪単価を提示する建築会社が存在するため注意が必要です。
そのため「坪単価○○万円で建築します」と営業を受けた際は、付帯工事費が含まれているかかならず確認しましょう。
④「30年家賃保証」のサブリース契約で賃料を下げられた
サブリースとは、不動産管理会社がアパートのオーナー様からアパートをまるごと借り上げ、それを不動産管理会社から入居者に転貸(又貸し)をするアパート管理形態です。
契約期間中は不動産管理会社が空き部屋の有無にかかわらずオーナーに毎月の賃料を保証しますが、ここで注意したいのが「30年家賃保証」と言っても、30年間ずっと同じ賃料が保証されるわけではないことです。
サブリース契約では、数年ごとに家賃額が見直されるのが一般的で、その旨も契約書に記載されています。ただ、悪質な不動産会社はその契約内容の説明を省き、「30年間ずっと同じ賃料が保証される」とオーナー様の勘違いを正そうとしない場合があるため注意が必要です。
サブリース契約を結ぶ際は、契約内容をしっかり説明してくれる不動産会社を選ぶとよいでしょう。
サブリース契約自体は上手に活用すれば空室対策として有効な手段のひとつなので、サブリースの仕組みを理解したうえで上手に活用しましょう。
⑤競合が多く供給過多状態だった
賃貸経営を成功させるためには、できるだけ競合物件の少ないエリアを選ぶ必要があります。エリア内に同じような賃貸物件が多く存在すると供給過多となり、入居者が集まらずに失敗してしまう可能性もあるのです。
そうならないためには、土地活用の前に周辺のどのくらい競合物件があるのか把握したうえで、入居者ニーズの高い設備を導入するなどして差別化を図りましょう。
入居者ニーズの高い設備例としては、オートロックや宅配ボックス、24時間ゴミ出し可能、インターネット無料設備などです。女性を入居ターゲットにする場合は、セキュリティ面が充実した物件が選ばれやすくなるなど、入居ターゲットを絞った設備を導入するのも入居付けに効果的な手段です。
土地ありきでおこなう土地活用を成功させるには、周辺のリサーチが欠かせないことを覚えておきましょう。
土地活用で失敗しないために押さえておきたい3つのポイント
ここでは、土地活用で成功するためのポイントについて解説します。
土地活用方法それぞれのリスクを把握する
土地活用で失敗しないためには、事前に土地周辺のリサーチをおこなうことが重要です。立地や土地の状態(面積や形状など)、周辺でのニーズなどを確認し、どのような活用方法が適しているか、またどのようなリスクが想定できるのか把握しておきましょう。
たとえばアパート経営やマンション経営をおこなう場合は、空室リスク対策をおこなう必要があります。対策例としては、事前の市場調査からその土地における賃貸需要や競合物件の状況を把握し、必要に応じて差別化につながる建物の建築や設備の導入が効果的です。
このように、ほかの土地活用方法に関しても、どのようなリスクがあるのか把握し、立地の特性を考慮したうえで適切なリスク対策をおこなうとよいでしょう。安全な土地活用のために、あらゆるリスクを想定しておくことをおすすめします。
長期的な視点で運用をおこなう
基本的に土地活用は短期間で大きな利益を得るビジネスではなく、長期的に継続しておこなうことで安定した利益が得られるビジネスです。
たとえば土地活用でアパート経営をおこなう場合を例に挙げてみましょう。
アパートを建設するにあたって安い建築素材を使用すれば初期費用が少なくてすみますが、安い素材を使用したことで後々の修繕費用がかさむこともあるでしょう。
それならば、建築費が高くてもグレードの高い建築資材を使用したほうが将来的に修繕費の削減につながるかもしれません。
初期投資をおさえることも重要ですが、長持ちする素材やメンテナンス費用の安い素材を選んだほうが長期的に見て得になる可能性があるのです。
土地活用をはじめる際は、長期的な収支計画や修繕計画を作成し、長期的な視点で運用しましょう。
事業計画を立てる
土地活用をおこなう際は、きちんと目的と目標を決めたうえで現実的な事業計画を立てましょう。土地活用を「なんとなく」はじめてしまうと、立地に合わない活用方法を選んだり、想定した収益が得られなかったり、土地活用がうまくいかなくなってしまいます。
まず、所有する土地周辺ではどのような活用方法に対してニーズがあるのか調査し、事業として収益を得られるかどうか見きわめましょう。自分ひとりで判断ができない場合は、経験豊富な不動産会社の担当者などからアドバイスなどを受けるとよいでしょう。
土地活用で失敗しないために今すぐできる3つの方法
土地活用で悩んだら専門家に相談するのが一番です。自分だけでは解決できない問題であっても、専門家であれば正しい土地活用方法を教えてくれるでしょう。
ここでは、土地活用についての相談先やセカンドオピニオンの選び方を紹介します。
一括でプランを比較できる無料サービスを利用する
土地活用方法に迷ったら、無料で土地活用プランを比較できる一括サイトを利用するのもよいでしょう。
ウェブサイトで不動産会社ごとに1件ずつ資料請求などするとかなり時間と手間がかかります。しかし、土地活用専門の一括比較サイトを利用すれば、1度の登録で複数社の不動産会社に資料請求ができます。
できるだけ時間や手間をかけずに土地活用をはじめたい場合におすすめです。
【おすすめの土地活用比較一括サイト】
画像引用:タウンライフ土地活用
・運営会社:タウンライフ株式会社
・提携会社数:100社以上
・同時に依頼可能な数:6社
・対応エリア:全国
・対応しているプラン:賃貸経営、駐車場経営、商業施設、介護施設、その他
・特徴:相見積もりによって大幅な利用料値引き可能、専門アドバイザーによる電話サポート、未公開の土地あり
企業や専門家に相談する
土地活用に関して不明点や疑問点があればそのままにせず、それぞれの土地活用方法の専門家に相談しましょう。不明点などを明確にしないまま土地活用をはじめてしまうと思わぬ失敗につながりかねません。
土地活用の種類ごとの相談先は以下のようになります。
・賃貸アパート、戸建て賃貸に関する相談先:ハウスメーカー、工務店、建築士
・大規模な施設・高層アパートに関する相談先:デベロッパー
・駐車場経営に関する相談先:駐車場管理会社
・トランクルーム経営やコインランドリー経営などの相談先:各専門会社
・土地の売却についての相談先:不動産会社
・土地活用の融資や資金面の相談先:銀行、ファイナンシャルプランナー
法律の課題をクリアするために弁護士・司法書士に相談する
法律に関する問題は弁護士や司法書士に相談しましょう。土地活用では、建築法規などの法律の問題をクリアしなければならないこともありますし、建築時や登記、賃貸・売買時など法律が関わるさまざまな場面で頼ることも多いです。
また、相続時に権利関係で問題を抱えているようなケースも、弁護士や司法書士に相談するとよいでしょう。
なお、弁護士に相談するケースでは、相談に料金が発生することがあります。あらかじめ相談料を確認しておきましょう。
自分に合った土地を有効活用する方法を見つけよう
土地の有効活用方法には、多くの種類があります。しっかりと収益を出すためには、所有する土地にあった活用方法を選ぶ必要があります。そのためには、立地や土地の特徴を把握し、周辺の利用者ニーズの調査が欠かせません。
また土地活用の疑問点や不明点はそのままにせず、かならず専門家に相談しましょう。疑問などをクリアにすることで土地活用の失敗を防ぐことにつながります。
土地活用は長期にわたっておこなう事業です。そのため初期投資だけでなく、長期的な収支も考慮し、自分に合った土地活用方法を選ぶことも大切です。