アパート経営の成功率は7割以上!成功のコツや年収・初期費用まで詳しく解説
「アパート経営をはじめたいが失敗したらどうしよう」
そう考えて最初の1歩が踏み出せないという人は少なくないでしょう。
しかし、アパート経営を成功させるコツをつかんでおけば、失敗するリスクをおさえることも十分可能です。
今回はアパート経営を成功させるコツを中心にデメリットごとのリスク対策方法、アパート経営の成功率や初期費用の目安額を解説します。
目次[非表示]
- 1.アパート経営を成功させるために必要な3つのポイント
- 1.1.立地や周辺環境を重視する
- 1.2.信頼できる建設会社や管理会社を選ぶ
- 1.3.余裕を持って長期的に計画を立てる
- 2.アパート経営を成功させると得られる3つのメリット
- 2.1.長期的に安定した収入源になる
- 2.2.節税効果が期待できる
- 2.3.生命保険として代用できる
- 3.アパート経営の成功率は?アパートを経営している人の成功・失敗例を紹介
- 4.アパート経営が成功すると年収はいくら?初期費用と合わせて詳しく解説
- 5.アパート経営を成功させる上で知っておきたい3つのデメリット
- 5.1.空室が出て収入が不安定になる
- 5.2.建物や設備が老朽化して修繕費がかかる
- 5.3.年数が経つと賃料が下がる
- 6.アパート経営を成功させるために押さえておきたい3つの方法
- 6.1.初心者向けの不動産投資セミナーを受ける
- 6.2.土地活用一括比較サイトを利用する
- 6.3.企業や専門家のアドバイスを受ける
- 7.アパート経営が成功するかはポイントの把握とプロへの相談が重要
- 8.この記事を読んだ方に人気のお役立ち資料一覧
アパート経営を成功させるために必要な3つのポイント
アパート経営では、毎月の収支をプラスに保ちつづけることが成功の秘訣です。ここでは、しっかりと利益を出せるアパート経営のはじめ方について解説します。
立地や周辺環境を重視する
アパート経営のおもな収入源は入居者が支払う家賃です。そのためアパート経営で利益を出すためには「空室を出さないアパート経営」が必須になります。
空室を出さないためには、入居者にとって利便性のよい「好立地」であることは必要不可欠です。また長期的なアパート経営を見据えて、将来的にも賃貸需要が落ちないエリアを選ぶ必要があります。
そのためには物件購入前の綿密な現地調査が欠かせません。現地調査をおこなう際は、以下のポイントに注意しましょう。
・賃貸需要の高い人気エリア
・人口の減少率が少ないエリア
・駅から徒歩10分以内
・複数路線が利用できる
・ターミナル駅に出やすい
・買い物施設や銀行・病院などが近隣にある
・周辺の住環境がよい(近隣に嫌悪施設がないなど)
・周辺に競合物件が少ない
・子供の通う学校などの近隣である
上記のポイントが多い立地の物件であればアパート経営が成功する確率が高くなります。
なお、入居者ニーズは単身者かファミリーか、都心部か地方・郊外かによって異なります。入居ターゲットにあわせた立地選びも重要なことを覚えておきましょう。
信頼できる建設会社や管理会社を選ぶ
アパート経営の成功は立地が重要ですが、アパート物件そのものと管理状況にも大きく左右されます。
アパート経営では競争力の高い建物を建てる必要があります。そのためには、入居者のターゲット層にあわせた間取りや設備、デザイン性などを考慮した綿密な市場調査をおこないましょう。
なお、アパートの建設会社を決める際は、かならず複数社に相談したうえで比較・検討することをおすすめします。会社によって建築費や初期費用、ランニングコストは異なります。
こういった部分を検討し、信頼できる会社に建築を依頼しましょう。
またアパートは建てて終わりではありません。アパートの管理を委託する管理会社によって入居者の満足度やメンテナンスの質は大きく異なります。そのため、日々きちんとした対応のできる管理会社を選ぶこともアパート経営の成功には欠かせません。
管理会社についても、管理委託料や管理内容は会社によって異なるため、やはり複数社を比較検討したうえでベストの会社を選ぶことをおすすめします。
余裕を持って長期的に計画を立てる
アパート経営は長期にわたっておこなう資産運用方法です。そのため、長期的に想定される賃貸需要の変化はもちろん、経年による家賃下落や修繕費用の増加などを見込んだ収支シミュレーションをおこなう必要があります。
とくに借入金の割合が多いと毎月のローン返済額が増え、空室や突発的な支出があった場合にはキャッシュフローを圧迫してしまうため余裕を持った資金計画を立てましょう。
安全なアパート経営をおこなうためには、できるだけ返済比率を50%以下にできるよう、頭金を多めに入れるなど、借入額を少なくすることが重要です。
アパート経営を成功させると得られる3つのメリット
アパート経営にはさまざまなメリットがあります。ここでは、アパート経営で得られる代表的なメリットを3つ紹介します。
長期的に安定した収入源になる
アパート経営は入居者さえいれば、安定した収入を長期にわたって毎月得ることが期待できます。
アパート経営は金融機関から融資を受けてはじめるのが一般的です。その場合、ローンの返済は毎月の家賃収入からおこないますが、ローンを完済したあとは家賃収入の大部分が収益になるのも大きなメリットです。
節税効果が期待できる
アパート経営をおこなうことで節税につながります。節税できる税金の種類は以下のようになります。
・固定資産税、都市計画税
固定資産税の課税の対象となる土地が住宅用地だった場合、「住宅用地の特例」が適用されるため、土地の固定資産税を大幅に軽減することが可能です。
・相続税
現金などを相続する場合、額面通りの相続税評価額になりますが、不動産の場合は時価よりも低い評価額になるため相続税が安くなります。また「小規模宅地等の特例」の要件を満たしていればさらに評価額が下がります。
・所得税、住民税
アパートの建物の所得費などを減価償却費として計上することで大幅な費用を発生させられるので、収益の圧縮につながります。
また減価償却費を使って帳簿上の赤字をつくり、本業の所得(給与所得など)と損益通算をおこなえば、本業の所得で納税した所得税が還付されます。
生命保険として代用できる
金融機関から融資を受ける場合、「団体信用生命保険(団信)」に加入します。これにより、購入した物件のローンの支払い中に契約者が亡くなった(または高度障害状態になった)場合、ローンの残高が保険会社により支払われ完済されます。
残された家族(または本人)は、完済された不動産を引き継ぎ、そのまま賃貸経営を継続して家賃収入を得られます。また売却してまとまった現金を受け取ることもでき、生命保険代わりになるのです。
アパート経営の成功率は?アパートを経営している人の成功・失敗例を紹介
アパート経営をおこなっている投資家はたくさんいますが、その成功率はどのくらいなのでしょうか。ここでは、アパート経営の成功率とともに、成功した例と失敗した例を紹介します。
アパート経営は約7割の人が成功を実感している
下記は、不動産売却・不動産査定をおこなうイエウールが、アパート大家さんを対象にしたアンケートの結果です。
出典:イエウール『【アパート経営の成功率は76.3%】アパート大家さん101人に聞いた成功の秘訣を紹介!』より
この調査によると「満足している」を選んだ大家さんが13.9%、「まあまあ満足している」は62.4%、あわせると7割以上の大家さんが「自身のアパート経営について満足している」との回答していることから、アパート経営の成功率は高いと考えられます。
成功例の第1位は「土地活用できたこと」
上記のアンケート調査の「成功していると思うのはなぜか」という問いに対しては以下のような結果になっています。(回答回数の多い順)
① 使っていない土地を活用できた
② 資金的な余裕ができた
③ 老後資金を確保できた
④ 税金対策になった
参考:イエウール『【アパート経営の成功率は76.3%】アパート大家さん101人に聞いた成功の秘訣を紹介!』より
「土地活用ができた」と回答した大家さんがもっとも多く、次いで「資金的な余裕ができた」と回答した大家さんが多くいました。
相続などで取得したものの放置していた土地でアパート経営をおこない、それで得た家賃収入が生活資金や老後資金になったことで、「満足」した大家さんが多かったことがうかがえます。
空室が埋まらず「失敗した」と悩む人も多い
上記アンケートでは、「やや不満」「不満」を選んだ大家さんもいました。その理由を尋ねる設問では、以下のような結果になっています。(回答回数の多い順)
① 空室が埋まらない
② 修繕費が高額
③ 管理の手間がかかりすぎる
④ 管理会社の対応が不満
⑤ 入居者のマナーが悪い
参考:イエウール『【アパート経営の成功率は76.3%】アパート大家さん101人に聞いた成功の秘訣を紹介!』より
1番回答数が多かった「空室が埋まらない」は、アパート経営ではもっとも大きなリスクのひとつです。空室によって家賃収入が減少してローン返済や管理費などの支出が上回った場合、不足分を手元資金から捻出しなければなりません。
また2番目の「修繕費が高額」についても収支につながる重要な費用です。
このように、十分な収益を得られない場合は不満=アパート経営の失敗につながる大きな要因になりうるため、注意が必要です。
アパート経営が成功すると年収はいくら?初期費用と合わせて詳しく解説
これからアパート経営をはじめようと考えている人にとって、アパート経営で得られる収入額や費用額は非常に気になるところでしょう。
ここでは、アパート経営の平均年収と初期費用の目安を紹介します。
アパート経営で得られる年収は約540万円
国税庁の『令和2年分 申告所得税標本調査結果』によると、不動産所得者の平均所得金額はは540万円でした。
参考:国税庁『令和2年分 申告所得税標本調査結果 5平均所得金額及び平均税額』
また所得階級別の所得金額の構成割合をみると、不動産所得者全体のうち「500万円超1千万円以下」が29.5%と最も割合が多く、次いで「1千万円超2千万円以下」が21.4%となっています。
参考:国税庁『令和2年分 申告所得税標本調査結果 3所得額』
なお、上記の調査結果は不動産所得者全体を対象としています。そのため、アパート経営以外にもマンション経営やオフィスビル経営などの収入も含まれていることをご留意ください。
アパート経営に必要な初期費用の目安は?
アパート経営に必要な初期費用は、大きくわけると「頭金」と「諸費用」で構成されます。頭金は物件価格の先払い額で、諸費用は物件を購入する際に必要な手数料や税金です。
それぞれの金額の目安は、頭金は物件価格(建設費用)の10~30%程度、諸費用は5~10%程度です。合計すると、初期費用として必要な額は物件価格の15~40%になります。
【物件購入時に必要なおもな初期費用】
・頭金
・ローン事務手数料(融資を受ける場合)
・ローン保証料(融資を受ける場合)
・登録免許税・登記の実費
・司法書士報酬
・仲介手数料(不動産会社を仲介して売買した場合)
・印紙税
・不動産取得税
・固定資産税・都市計画税の清算費
・火災保険料・地震保険料
たとえば、3,000万円のアパート物件を購入する際に必要な初期費用は、450万円~1,200万円になります。
借入金額は、そのあとのアパート経営の収支に大きく関わります。アパート物件を購入する、または建設する場合は、毎月のローン返済を無理なくおこなうためにも、収支シミュレーションをしっかりおこないましょう。
アパート経営を黒字化するには最低10年必要
投資額が高額なアパート経営は、開始から数年間は赤字になる確率が非常に高く、一般的にアパート経営で黒字化するには10年前後かかると言われています。
ただし、黒字化に10年前後というのはアパート経営がきわめて順調におこなわれた場合です。
アパート経営は長期にわたって利益を積み上げる必要がありますが、さまざまなリスクによって収入が減少する場合も考えられます。そのため黒字化までの時間がかかることも想定し、手元資金を残しておくなど、予想外の出費に備えておくとよいでしょう。
アパート経営を成功させる上で知っておきたい3つのデメリット
アパート経営には多くのメリットもありますが、デメリットもあるため、それらの対策も考慮しておく必要があります。ここでは、アパート経営でとくに気を付けておきたいデメリットとその対策方法を解説します。
空室が出て収入が不安定になる
アパート経営で空室が長引いてしまうとその分収入が減り、キャッシュフローが赤字になってしまう恐れがあります。赤字の場合でもローン返済や管理費などは必要になるため、通常は手元資金から補填します。
しかし、手元資金がないとローンが滞り、最悪の場合はアパートを差し押さえられてアパート経営が失敗してしまう恐れもあるのです。
そうならないためにも、アパートの建築やアパート物件を購入する際は、その立地がアパート経営に向いているかどうかしっかり検討する必要があります。
また空室期間を長引かせないよう、その都度、空室の原因に見合った空室対策をおこなうことも大事です。
建物や設備が老朽化して修繕費がかかる
アパートの建物は経年によって老朽化がすすみ、同時に修繕費が高額になるものです。古くなった設備が突然故障してしまい、修繕や交換が必要になることもめずらしくありません。
このように経年により修繕費の上昇を想定せずに収支計画を立てていると、想定外の出費に対応できず、収支にダメージを与えることになってしまうため注意が必要です。
対策としては、経年による修繕費の上昇を想定した収支シミュレーションをおこない、万一に備えて手元資金を用意しておくとよいでしょう。
年数が経つと賃料が下がる
アパートの家賃は経年とともに下落するのが一般的です。賃貸物件の家賃は、新築時から10年で1割の下落、20年で2割下落すると言われています。
経年による家賃下落を想定せずに収支シミュレーションをしてしまうと、いずれは赤字になってしまい、アパート経営の失敗につながります。
対策方法は、経年による家賃下落を想定して収支シミュレーションをおこない、無理なくキャッシュフローを得られるアパート物件を選ぶとよいでしょう。
アパート経営を成功させるために押さえておきたい3つの方法
アパート経営を成功させるには、アパート経営に関する知識が必要不可欠です。ここでは、アパート経営の知識を得る方法や情報収集の仕方について紹介します。
初心者向けの不動産投資セミナーを受ける
アパート経営の知識を身につけるためには書籍などを活用し独学する方法もありますが、セミナーに参加するのもおすすめです。
アパート経営(不動産投資)セミナーでは、アパート経営の基礎や失敗しないためのノウハウなど、これからアパート経営をはじめる初心者にとって役立つ情報が得られます。
また、アパート経営セミナーは、実際に収益化している大家さんや不動産投資の専門家が講師として招かれます。セミナーでは講師に質問する機会が設けられるので、アパート経営のプロにさまざまな疑問を質問することができます。
なおセミナーには、初心者向けのほか、不動産投資経験者向けなど、さまざまなコースがあります。参加する際は、自分のアパート経営の知識に見合ったセミナーを選びましょう。
土地活用一括比較サイトを利用する
アパート経営を成功させるためには、アパートの取得費を安くして利回りを高くすることも重要です。そのためには、複数の建設会社の建築費を比較し、ベストなプランを選ぶ必要があります。
しかし、建設会社はたくさんありますし、建物のプランによって建築費に違いがあり、また別途工事費や諸費用にも差が出ます。そのため「どれを選んでいいのかわからない! 」という人も多いでしょう。
アパートの建設会社やプランに迷ったら「土地活用一括比較サイト」を利用するのもおすすめです。建設会社やハウスメーカー1社ずつに資料請求をするのは手間と時間がかかりますが、土地活用一括比較サイトを利用すれば、1度の登録で複数社に資料請求ができます。
アパート経営についての相談もできるので、ぜひ活用しましょう。
企業や専門家のアドバイスを受ける
アパート経営に関してわからないことがあるときや、情報の真偽を確かめたいなど、第三者に意見を聞いてみたいと思ったときは、それぞれの専門家に相談しましょう。
不明点などを明確にしないままアパート経営をはじめてしまうと思わぬ失敗につながりかねません。
アパート経営に関する相談先は以下のようになります。
・アパート建築に関する相談先:建設会社、工務店、建築士
・アパート物件の購入についての相談先:不動産会社、不動産信託会社
・融資や資金面の相談先:銀行、ファイナンシャルプランナー
・会計上の相談先:税理士
・法律関連の相談先:弁護士、司法書士
アパート経営が成功するかはポイントの把握とプロへの相談が重要
アパート経営を成功させるポイントは、「立地」「建築会社」「管理会社」の選び方にかかっています。最良のものを選ぶためには、綿密な現地調査やリサーチ、複数の建築会社や管理会社を比較・検討することが欠かせません。
またアパート経営にはデメリットもあります。しかし、あらかじめデメリットの内容を理解しておくことでリスクを最小におさえたアパート経営をおこなえます。
なお、アパート経営の成功には自身の知識を高める必要がありますが、自分で判断できない点や疑問点があれば、各分野の専門家に相談することも大切です。効果的なアドバイスを参考にしてアパート経営を成功させましょう。