土地活用でアパート経営する理由は?流れ・支出例と成功するためのアイデアを紹介
アパート経営が土地活用方法として人気の理由は、建築できる土地の制限の少ないことや安定した家賃収入が得られること、節税効果などがあげられます。
その反面、初期費用やランニングコストなど、お金の面が心配という人も多いでしょう。
そこで今回は、アパート経営に向いている土地や必要な費用について解説します。
また、アパート経営以外の土地活用方法も紹介します。
土地活用を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.アパート経営の特徴は?向いている土地とマンション経営の違いを詳しく解説
- 2.土地活用でアパート経営が最も人気を得ている3つの理由
- 2.1.建設できる地域が多く土地を活用しやすい
- 2.2.毎月決まった収入が得られる
- 2.3.税の負担を軽減できる
- 3.知っておきたいアパート経営の3つのデメリット
- 3.1.初期費用がかかる
- 3.2.空室があると収入が減る
- 3.3.修繕費やリフォーム代がかかる
- 4.アパート経営をするまでの流れは?初期費用や支出例を分かりやすく解説
- 4.1.アパート経営を始めるまでの大まかな手順は4つ
- 4.2.アパート経営の初期費用物件価格の15~40%必要
- 4.3.アパート経営で得られる収入と必要な支出例
- 4.3.1.アパート経営で得られる収入
- 4.3.2.アパート経営で必要な支出
- 4.3.3.アパート系経営の収支シミュレーション例
- 5.アパート経営以外の土地活用におすすめの方法3選
- 6.アパート経営を成功させるコツは?今すぐできる土地活用に役立つ方法
- 7.プランや専門家の意見を参考にアパート経営を成功させよう
- 8.この記事を読んだ方に人気のお役立ち資料一覧
アパート経営の特徴は?向いている土地とマンション経営の違いを詳しく解説
アパート経営は、土地活用の代表的な方法のひとつです。
ここではアパート経営について、向いている土地や特徴を解説します。
アパート経営は最も代表的な土地活用法の一つ
アパート経営は、もっともポピュラーな土地活用方法のひとつです。
オーナーが所有している土地にアパートを建て、部屋を貸した第三者(入居者)から受け取った家賃が収入になります。
なおアパート経営をはじめるためにはアパートを建てる必要があります。アパートの建築費用は高額ですが、通常は金融機関からの借入金で費用を賄うため、建築費用よりも少ない自己資金ではじめられます。
ただし、借入をおこなう際は、無理なくローン返済ができるよう、長期的な視点で収益のバランスを考える必要があります。
駅徒歩10分ほどで生活利便性が高いエリアがアパート経営に向いている
所有する土地でアパート経営を検討する際に注意したいのが「立地」です。
アパート経営のおもな収入源は入居者が支払う家賃です。そのためアパート経営で利益を出すためには「空室を出さないアパート経営」が必須になります。
一般的に入居者に選ばれやすい「アパート経営に向く土地」の条件は以下のようになります。
・駅から徒歩10分以内
・複数路線が利用できる
・ターミナル駅に出やすい
・買い物施設や銀行・病院などが近隣にある
・周辺の住環境がよい(近隣に嫌悪施設がないなど)
・周辺に競合物件が少ない
上記のポイントの該当数が多ければ多いほど、アパート経営に向く土地です。
なお、入居者ニーズは単身者かファミリーか、都心部か地方・郊外かによって異なります。入居ターゲットにあわせた立地選びも重要なことを覚えておきましょう。
また長期的なアパート経営を見据えて、将来的にも賃貸需要が落ちないエリアを選ぶ必要があります。
アパート経営とマンション経営に大きな差はない
土地活用として、アパート経営としばしば比較されるのが「マンション経営」です。
じつはアパート経営とマンション経営を区別する明確な決まりはありません。
ただし、異なる点はいくつかあります。
まず、アパートは2~3階建て程度の木造や軽量鉄骨造で建てられた建物を指すことが多いです。一方、マンションは3階建て以上で重量鉄骨(S)や鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)、鉄筋コンクリート(RC)で造られているものを指します。
建築資材や規模が異なるため建築費用に差が出ます。建築費の差は家賃に反映されるため、建築費が高額なマンションは坪単価が高くなり、家賃設定も高くなりやすいです。
そのため、アパートとマンションでは、マンションのほうが収益は高くなりやすいと言えるでしょう。
土地活用でアパート経営が最も人気を得ている3つの理由
土地活用方法としてアパート経営が選ばれているのには理由があります。ここではアパート経営が人気の理由を解説します。
建設できる地域が多く土地を活用しやすい
アパートは、法律上建築可能な土地が多く、以下の用途地域(建築できる建物に制限がある地域)を除き、ほぼどこにでも建築することが可能です。
【アパートを建築できない用途地域】
・工業専用地域
・市街化調整区域
・農地転用できない農地
マンションの場合は高さや容積率によっては上記の用途地域に加えて、さらに建築できない用途地域が増えます。法律上建築可能な土地が多く土地活用しやすいのも、アパート経営を選ぶ人が多い理由のひとつです。
毎月決まった収入が得られる
アパート経営は、入居者がいるかぎり、毎月安定した収入を長期間にわたって得ることができます。ただし、そのためにはいかに空室の期間を短くするかを考えながら運用することが大切です。
一般的に経年とともに空室率が高くなるため、物件の価値を維持するように修繕工事をおこなったり、入居者ニーズの高い設備を追加したり、場合によっては賃料引き下げなどの空室対策を適宜おこなう必要があります。
また空室期間を短くするだけでなく、いまいる入居者を退去させないよう満足度を上げる工夫も必要です。
税の負担を軽減できる
アパート経営をおこなうことで、以下の税金の節税効果が期待できます。
・固定資産税、都市計画税
アパート経営をおこなうことで「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税が大幅に軽減されます。
・相続税
現金などは額面通りの相続税評価額になりますが、不動産の場合は時価よりも低い評価額になるため相続税が安くなります。また「小規模宅地等の特例」の要件を満たしていれば、さらに評価額が下がります。
・所得税、住民税
アパートの建物の所得費などを減価償却費として経費計上することで大幅な費用を発生させられるので収益の圧縮につながります。
また減価償却費を使って帳簿上の赤字をつくり、確定申告で本業の所得(給与所得など)と損益通算をおこなえば、本業の所得で納税した所得税が還付されます。
知っておきたいアパート経営の3つのデメリット
アパート経営を成功させるためには、デメリットを理解しておくのも大事です。どのようなデメリットがあるのか把握しておくことで対策を立てやすくなります。
ここではアパート経営のおもなデメリットを解説します。
初期費用がかかる
土地活用としてアパート経営をはじめるにあたって注意したいのが、アパートの建築費用です。アパートの規模にもよりますが、建築費用は高額なため、初期費用も高くなるため、ある程度の自己資金を用意しておく必要があります。
一般的に、初期費用(頭金+諸費用)として必要な額は物件価格の15~40%になります。
詳しくは後述の『アパート経営の初期費用物件価格の15~40%必要』の項をご覧ください。
空室があると収入が減る
アパート経営は、入居者が支払う家賃がおもな収入源です。そのため空室の増加や、空室期間が長期化すると収入が減り、ローンの返済や物件のランニングコストなどの経費がかさみ赤字になる可能性もあります。
空室を防ぐには、入居者のニーズにあったアパートをつくることが重要です。
アパート建設前に近隣の競合物件をリサーチし、人気の間取りやニーズの高い設備などを確認しておきましょう。
また運用開始後は、共用部の定期的な清掃や修繕をおこない、入居者が快適に暮らせる環境を整えることも空室リスク防止につながります。
修繕費やリフォーム代がかかる
アパートの建物は経年によって老朽化がすすみ、同時に修繕費が高額になるものです。古くなった設備が突然故障してしまい、修繕や交換が必要になることもめずらしくありません。
とくに10年ごとにおこなう大規模修繕には高額な費用がかかります。また修繕以外にも古くなった設備のリフォームも必要になります。
このように経年による修繕費の上昇やリフォーム費用を想定せずに収支計画を立ててしまうと、想定外の出費に対応できず、収支にダメージを受けてしまうため注意が必要です。
対策としては、経年による修繕費の上昇を想定した収支シミュレーションをおこない、無理のない資金計画を立てることです。また、大規模修繕費用の積立てをおこなうとともに、万一に備えて手元資金を用意しておくとよいでしょう。
アパート経営をするまでの流れは?初期費用や支出例を分かりやすく解説
アパート経営をおこなうにあたって、自己資金はいくら必要なのでしょうか。
ここではアパート経営をはじめる際の手順や初期費用について解説します。
アパート経営を始めるまでの大まかな手順は4つ
1.情報収集
所有する土地周辺の家賃相場や競合物件の件数などを調査し、アパート経営に必要な情報を収集しましょう。
2.建設会社に相談・見積もり
収集した情報をもとに、どのようなアパートを建てるか建設会社に相談し、プランと見積もりを検討しましょう。
3.ローン審査
具体的な資金計画や経営プランが決まったら、金融機関のローン審査を受けます。審査基準は金融機関によって異なるため、複数の銀行に融資申し込みをおこないましょう。
4.アパート建設・入居者募集
金融機関の融資が正式に決まったら、アパートの建築工事がはじまります。同時に入居者の募集も開始すれば、空室期間の短縮につながります。
アパート経営の初期費用物件価格の15~40%必要
アパート建築に必要な初期費用は、大きくわけると「頭金」と「諸費用」のふたつです。頭金は物件価格の先払い額で、諸費用は物件を購入する際に必要な手数料や税金を指します。
それぞれの金額の目安は、頭金は物件価格(建設費用)の10~30%程度、諸費用は5~10%程度です。合計すると、初期費用として必要な額は物件価格の15~40%になります。
たとえば、建築費用が8,000万円であれば、初期費用は1,200万円~3,200万円です。1億円であれば、1,500万円~4,000万円が必要になります。
建築費用の大部分を金融機関からの借入金で賄うといっても、やはり大きな額には違いありません。
アパート経営をはじめる際は、どの程度の初期費用が必要なのか、しっかり確認しておきましょう。
アパート経営で得られる収入と必要な支出例
アパート経営で成功するためには、毎月の収入から支出を差し引きしたキャッシュフローをプラスに保つ必要があります。
ここではアパート経営における収入と支出の項目、具体的なシミュレーション例を紹介します。
アパート経営で得られる収入
アパート経営のおもな収入は家賃収入ですが、共益費や更新料なども収入に含まれます。
【アパート経営で得られる収入】
・家賃
・共益費(管理費)
・礼金、更新料
・駐車場賃料など
・その他(敷地内に設置した自販機の売上、アパート屋上に設置した太陽光発電装置の売電代金など)
アパート経営で必要な支出
アパート経営をおこなうためには、さまざまな費用(ランニングコスト)がかかります。ランニングコストは月額家賃収入の20~30%程度が目安です。
【おもなランニングコスト】
・ローン返済費用
・管理委託費や修繕費
・共用部の水道光熱費
・損害保険料
・その他費用(消耗品費や交通費など)
・税金(固定資産税・都市計画税、所得税・住民税)
アパート系経営の収支シミュレーション例
以下のようなアパートを例に、年間所得額を求めるシミュレーション例を紹介します。
【全6戸のアパート】
・月額家賃:6万円(満室時家賃収入36万円/月)
・ローン返済額:18万円/月(返済比率50%で計算)
・管理委託費や保険料、税金など:7.2万円/月(経費率20%で計算)
【年間所得額】
( 36万円(収入/月)-25.2万円(支出/月) )×12か月=129.6万円/年
上記の例では、年間の所得は129.6万円でした。ただ、これは満室時の所得です。収支シミュレーションをおこなう際は、空室率も考慮する必要があります。
アパート経営以外の土地活用におすすめの方法3選
ここではアパート経営以外の土地活用方法を紹介します。
初期費用をかけたくない人は等価交換がおすすめ
「土地活用ははじめたいが初期費用はかけたくない」
そんなときにおすすめなのが「等価交換」です。等価交換とは、オーナー様が提供した土地に業者がアパートなどを建築し、それぞれの出資した割合に応じて所有権を得る、土地活用方法です。
土地の所有者は土地を提供するだけなので、初期費用などを支払うことなく、建物の一部を所有できるのがメリットです。
ただ、等価交換は収益が見込める好立地の土地が対象となるため、立地によっては出資してくれる業者が見つからないことも考えられます。
また等価交換は、建物だけでなく土地も出資比率に応じて配分されるため、土地の権利が失われる(業者と共有持分を持つ)ため、将来的に違う土地の使い道を想定してる場合には向きません。
土地を持ち続けたいときは土地信託も検討しよう
信託銀行に土地を信託し、信託銀行がマンションやビルなどを建築・運用して得られた運用益からオーナー様に信託配当金が支払われます。
建築費や運用に必要な資金調達は信託銀行側でおこなうため、オーナー様の費用負担や手間がかかりません。
また土地の所有権は信託銀行に移転しますが、信託期間終了後にオーナー様に戻されます。土地を手放さずに利益を得たい人におすすめです。
ただし、土地信託できる土地は運用して収益を得られると判断された土地のみです。また収益が少なかったり、経費が多かったりすると信託配当金が減少したり、得られないこともあるため注意が必要です。
資金調達に不安がある場合は定期借地という手もある
定期借地とは、一定の契約期間を定めて土地を貸して地代を得る土地活用方法です。定期借地権には、「一般定期借地権」「建物譲渡特約付借地権」「事業用定期借地権」の3種類があり、それぞれ契約期間や更新期間、利用目的などが異なります。
なかでも契約期間を10年以上50年未満で設定できる「事業用定期借地」がおすすめです。用途は事業系に限定されますが、契約期間内は安定した地代を得られます。
また建築費や管理にかかる費用などは借主が支払うため、オーナー様は費用負担の心配がありません。
アパート経営を成功させるコツは?今すぐできる土地活用に役立つ方法
ここでは、アパート経営をはじめるにあたって、知っておくと成功につながる便利なコツを紹介します。
アパート経営プランを一括請求できるサイトを利用する
アパートの建築費用は業者によって異なります。見積もりが1社のみの場合、「この費用は妥当なのか」と判断に迷うこともあるでしょう。
そんなときにおすすめなのが、アパートの建築プランを一括請求できる「土地活用プラン比較サイト」です。
建築会社それぞれに1件ずつ資料を請求するのは手間と時間がかかります。土地活用プラン比較サイトを利用すれば1度の登録で、複数社の建築プランを無料で資料請求ができて非常に便利です。
複数のプランを比較することで建築費用の相場を把握でき、またコストパフォーマンスのよいプランを選ぶことで費用の節約にもつながります。
手間や時間をかけずに最良のプランを選ぶためにも土地活用プラン比較サイト、ぜひ活用しましょう。
アパート経営についてプロや専門家に相談する
アパート経営をはじめるにあたって、さまざまな不明点や疑問点など不安があるのは当然です。しかし、不明点などを明確にしないままアパート経営をはじめてしまうと思わぬ失敗につながりかねません。
アパート経営を成功させるためにも、疑問点などはできるだけクリアにしておきましょう。
アパート経営は、関連する分野が多岐にわたるため、疑問点などはそれぞれの専門家に相談するのがベストです。おもな相談先は、以下のようになります。
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・アパート物件の建築について:ハウスメーカー、工務店、建築士
・アパート経営について:不動産管理会社、ハウスメーカー(不動産管理部門がある場合)
・融資や資金面の相談先:銀行、ファイナンシャルプランナー
・会計上の相談先:税理士
・法律関連の相談先:弁護士・司法書士
プランや専門家の意見を参考にアパート経営を成功させよう
土地活用でアパート経営が選ばれる理由や必要な費用について解説しました。
アパートの建築費用の大部分は金融機関の借入金で賄えますが、初期費用として物件価格の15~40%程度が必要です。
できるだけ建築費用をおさえるためには「土地活用プラン比較サイト」を利用してプランを一括請求し、比較検討することをおすすめします。また、アパート経営を成功させるには各専門家の意見も欠かせません。
各建築会社のプランや専門家の意見を参考にして、オーナー様にあったアパート経営をおこないましょう。