土地活用の成功例と失敗事例をご紹介!選び方や成功ポイントを解説
「土地活用をしたいけど、失敗しないか心配だ」「負債を抱えるくらいならこのままでもいい」という土地のオーナー様は多いのではないでしょうか。
しかし、土地は持っているだけで毎年固定資産が発生するため、いつまでもマイナス資産として持ち続けるのも悩ましいところです。
そこで今回は、土地活用を検討しているオーナー様に向けて、土地活用方法の選び方をはじめ、成功事例と失敗事例を紹介します。
目次[非表示]
- 1.土地活用方法の選び方
- 1.1.収益を重視して選ぶ
- 1.2.初期投資額を重視して選ぶ
- 1.3.節税対策を重視して選ぶ
- 2.土地活用で失敗する原因と対策
- 2.1.収支シミュレーションの数字があまかった
- 2.2.節税のみを目的にしてしまった
- 2.3.立地に適しているか検討不足だった
- 3.①アパート・マンション経営の土地活用【成功事例と失敗事例】
- 4.②駐車場経営の土地活用【成功事例と失敗事例】
- 5.③太陽光発電の土地活用【成功事例と失敗事例】
- 6.④トランクルーム経営の土地活用【成功事例と失敗事例】
- 7.⑤商業施設経営の土地活用【成功事例と失敗事例】
- 8.⑥等価交換の土地活用【成功事例と失敗事例】
- 9.土地活用を成功させる3つのポイント
- 9.1.立地によって最適な土地活用方法を選ぶ
- 9.2.大きすぎる借入れに注意する
- 9.3.土地活用のリスクを把握する
- 10.まとめ
- 11.この記事を読んだ方に人気のお役立ち資料一覧
土地活用方法の選び方
収益を生まない土地は、持っているだけも固定資産税が毎年かかります。「マイナスの資産をなんとか活用したい」と思っても、土地活用方法の種類はたくさんあるため、どれがいいか決められない……ということもあるでしょう。
ここでは土地活用の目的として重視するポイントごとに、選び方とおすすめの土地活用方法を紹介します。
収益を重視して選ぶ
土地活用をおこなう場合、収益を目的としておこなうケースがもっとも多く見られます。実際、土地活用方法の多くは収益をともなうものがほとんどです。なかには高収益を狙える土地活用方法もありますが、その場合はリスクもあることを覚えておきましょう。
収益を重視した土地活用方法は以下のようなものがおすすめです。
・アパート、マンションの賃貸経営
・戸建て賃貸経営
・商業施設(店舗)経営
・太陽光発電
マンションやアパートなどの一棟物件の賃貸経営は、複数個戸を賃貸するため一度に空室になるというリスクも少なく、比較的安定した収益を期待できるでしょう。
賃貸戸建経営は入居者が決まらないと家賃を得られませんが、一定の需要や入居が決まれば長期間の住んでもらえるなどの期待値が高いです。
商業施設(店舗)経営は住居系賃貸よりも賃料を高く設定できるため、高収益が期待できます。太陽光発電はある程度の広さがあれば賃貸需要の低いエリアでも収益が得られるのがメリットです。
初期投資額を重視して選ぶ
「土地活用はしたいがあまり費用をかけたくない」のであれば、初期費用が比較的少なくてすむ方法を選びましょう。初期費用が少なめな土地活用方法には以下のような種類があります。
・月極駐車場経営
・戸建て賃貸経営
・等価交換
月極駐車場経営は土地をロープなどで区画分けするだけではじめられるため、初期費用がほとんどかかりません。また別の土地活用に転用する際も撤去費用が少額で済みます。
空家を所有しているのであれば、最低限の手入れ後に賃貸するのも費用が少なくてすむのでおすすめです。また、部屋数が多い戸建て住宅であればシェアハウスにするのもよいでしょう。複数人に賃貸することで空室時の賃料が0円にならずにすみます。
所有する不動産の立地がよければ、土地を業者に提供して出資した割合に応じて所有権を得る等価交換なども初期費用がかからずおすすめです。
節税対策を重視して選ぶ
節税を重視した土地活用をおこなう場合は建物が必要な活用方法を選びましょう。土地の上に建物があると、固定資産税が最大1/6に減額されます。またその建物が賃貸物件の場合は、さらに税の優遇装置の対象になります。
おすすめの土地活用方法には以下のようなものがあります。
・アパート、マンションの賃貸経営
・戸建て賃貸経営
・サービス付き高齢者向け住宅の経営
上手に物件を運用すれば節税しながら収益を得ることも可能です。ただし、いずれも新たに建物を建築する必要があるため、高額な初期費用がかかることを覚えておきましょう。
土地活用で失敗する原因と対策
土地活用に失敗する原因にはいくつかのパターンがあります。失敗する原因とその対策方法を理解することで成功できる確率が高くなります。
収支シミュレーションの数字があまかった
収支シミュレーション時に想定した利回り通りの利益が得られないケースがあります。
利益は、土地活用で得た収入から運用にかかった維持費用(ランニングコスト)やローンの返済、税金などを支払った残りの額で決まります。
しかし収支シミュレーション時にこういった支出を低く見積もってしまうと、実際の収支と計算が合わなくなり、キャッシュフローがマイナスになってしまう可能性が高くなるため注意が必要です。
対策方法としては、収支シミュレーションをおこなう際は、需要が減って収入が減少するケースや金利が上昇してローン返済額が上昇するケースなど、収入と支出をさまざまなパターンで計算してみましょう。
また、不動産の運用時には、想定外の修繕費などが発生することも十分考えられます。そういった突発的な支出も考慮したうえで、一番厳しい数字でシミュレーションすることをおすすめします。
節税のみを目的にしてしまった
不動産は所有しているだけで固定資産税が発生します。土地をうまく活用すれば節税対策にもつながりますが「節税のみ」を目的にしてしまうと却って出費が増えてしまうおそれがあります。
たとえば、土地活用として更地にアパートを建てた場合、たしかに固定資産税は減少します。しかしアパート経営をはじめた以上、利益を出さなければ、建築費用のローン返済やランニングコストなどを毎月支払うことができません。
税金が安くなっても支出が増えてしまえば、せっかく節税した効果が打ち消されてしまいます。
土地活用で失敗しないためには、節税のみだけでなく、しっかりと利益を生み出せる活用方法を選ぶとよいでしょう。そのためにも所有する土地の立地などを十分考慮し、どの活用方法であれば利益を得られるのか、じっくり検討する必要があるのです。
立地に適しているか検討不足だった
土地の活用方法にはさまざまな種類があり、所有する土地によって向き不向きがあります。また周辺環境によっても、土地活用の成否は左右されます。
たとえば、住宅街にある土地なら賃貸経営が向いていそうですが、周辺にアパート物件が多く供給過多の場合、予想に反して経営に苦戦する可能性もあるのです。
土地活用をはじめる際は、立地に対する需要だけでなく、競合などの周辺環境も含めて十分検討する必要があります。
①アパート・マンション経営の土地活用【成功事例と失敗事例】
土地活用のなかでも人気のあるのがアパートやマンション経営です。所有する土地に建物を建築し、第三者に貸し出して賃料を受け取ります。
成功事例:徹底的な収支シミュレーションで長期の賃貸経営を実現!
アパートやマンションの賃貸経営の成功には、対象となるエリア内の需要と供給の把握が欠かせません。同時に、人口動態、競合となる物件の家賃相場や間取り、設備などさまざま点の確認も必要です。
そのほかにも、周辺の中古アパート物件の家賃下落率や修繕費などを参考にして徹底的な収支シミュレーションをおこなった結果、経年にあった賃貸経営を実現したケースがあります。
賃貸経営は中長期的におこなう土地活用方法です。そのため、長期目線で経営を見据えることが大切です。
失敗事例:家賃設定を見誤った
アパート経営・マンション経営の失敗でよくあるパターンに「家賃が高すぎる」ケースがあります。
とくに新築の賃貸物件は入居が決まりやすいため、ときに「新築プレミアム」として相場よりも高い家賃を設定する場合があります。しかし築浅の競合物件が周辺に多いエリアでは、強気の賃料設定をしてしまうと新築であっても入居付けに苦戦する可能性があるため注意が必要です。
②駐車場経営の土地活用【成功事例と失敗事例】
駐車場経営とは、自分の土地を車が駐車できるよう大きさに合わせて駐車区画割りし、区画毎に利用者へ賃貸する土地活用です。
駐車場経営には大きく分けて「月極駐車場」と「コインパーキング」にわかれます。月極駐車場経営は利用者と契約を結び、月々の賃料を収入として得ます。
コインパーキングは、基本的に時間ごとの利用料金が収益になります。多くの車が利用すれば高収益に期待ができますが、コインパーキング用設備の設置に費用が掛かります。
成功事例:初期費用と料金をおさえて満車状態を実現!
徹底的に初期費用をおさえ、駐車料金も低めにおさえて成功したケースです。
コインパーキングに比べて初期費用が少なくてすむのが月額駐車場です。簡単に整地してロープなどで区画を区切るだけなので、少額の費用で駐車場経営をスタートできます。
また、相場よりも少しだけ低い料金設定にしたことで、満車状態をキープすることに成功しました。
失敗事例:築古住宅を撤去し駐車にしたら固定資産税が高くなった
土地の固定資産税は、土地に建物があるかないかで評価額が異なります。そのことを知らずに建物を取り壊して月極駐車場にした場合は更地扱いになるため、固定資産税がはね上ってしまい驚く人も多いようです。
こういった失敗を防ぐためには、土地活用方法それぞれのメリットとデメリットを理解することが重要です。
③太陽光発電の土地活用【成功事例と失敗事例】
土地にソーラーパネルを設置して、生産した電力を電力会社に買い取ってもらうことで収益を得る土地活用方法です。
成功事例:農地転用で安定した売電収入を実現!
賃貸需要の低い田舎の農地を転用し、太陽光発電システムで成功したケースです。
太陽光発電は、土地に設置したソーラーパネルによって太陽の光を電力に変換し、発電した電力を決められた価格で既存の電力会社へ売電するというものです。そのため、土地が広ければそれだけ発電量も増えるので収益も大きくなります。
また、法律で定められた「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」により、10年間(または20年間)固定価格で売電できるのもメリットです。
失敗事例:間違った業者を選んでしまった
太陽光発電システムを取り扱う業者のなかには、残念ながら悪徳な業者も混じっています。そういった業者はメリットばかり強調し、リスクについては言葉を濁すケースがほとんどです。
また「いまだけ特別価格」「数量限定価格」など、あたかも通常よりも安いようなセールトークにも注意が必要です。実際には通常よりも高額だったり、粗悪品だったりする可能性もあるため、安易に契約しないよう気を付けましょう。
④トランクルーム経営の土地活用【成功事例と失敗事例】
トランクルーム経営は大きく2種類の方法があります。ひとつは、更地にコンテナを設置する屋外型タイプ、もうひとつは建物を建築して部屋をトランクルームとして貸し出す屋内型タイプに分かれます。
成功事例:一括借り上げを選んで手間なく収益を実現!
トランクルーム業者に土地だけ貸し出すことで、費用をかけず手間なく収益化に成功したケースです。
トランクルーム経営方法は、業者に土地を借り上げしてもらい毎月固定賃料を受け取る「一括借り上げ方式」と、土地オーナーがトランクルームを建築して業者に管理してもらう「管理委託方式」があります。
管理委託方式は、土地オーナー様自身で建築したトランクルームを業者に管理委託して貸し出します。利用状況に応じて使用料が払われるので、利用者が増えれば収益も多くなります。
管理委託方式よりも収益は少ないですが、建物を建てる必要もなく、また利用者の有無にかかわらず毎月一定額の利用料を受け取ることができる一括借り上げ方式で高利回りの実現も可能です。
失敗事例:トランクルームを建築できない土地だった
トランクルームの建築確認が通らず、トランクルーム経営ができなかったケースです。
コンテナタイプのトランクルームでも建築には基礎工事が必要となり、建築確認申請をおこないますが、用途地域によってはトランクルームの建築が認められない場合があります。
その場合はトランクルーム経営を断念するしかありません。
こういった計画倒れを防ぐには、所有する土地にトランクルームを建築できるかどうか確認したうえで計画をすすめることです。また、トランクルームのノウハウを豊富に持つ業者に相談することをおすすめします。
⑤商業施設経営の土地活用【成功事例と失敗事例】
コンビニやファミレス、商業ビルやショッピングセンターを建てるなど、さまざまな規模やタイプの商業施設があります。
成功事例:テナントの使いやすい構造で入居付けを実現!
マンション建設時、あらかじめテナントが使いやすいフロア設計をしておいたところ、すぐに入居業者が決まったケースです。
店舗用のフロアの場合、室内に柱が多い「有柱空間」は柱が邪魔になり自由にレイアウトができず、業者に敬遠されてしまいます。土地活用として賃貸マンションを建設する際に1階部分はテナン用に決め、フロアに柱を建てない「無柱空間」にしたことで店舗側も入居しやすくなります。
失敗事例:退去されて空き物件になってしまった
近隣に競合店舗が出店した結果、退去されてしまうケースです。
特にコンビニなどは、商圏内にほかのコンビニが出店すると急激に売上が落ちるため、早期に退去してしまうことがあります。
住居系賃貸経営と比較して、商業施設経営は入居付けがむずかしく、一度空室になってしまうと、次の店舗が決まるまで長くかかる場合も少なくありません。
土地活用で商業施設経営をする場合には、退去リスクの低い業種や資本力の高い事業者を選ぶことも重要です。
⑥等価交換の土地活用【成功事例と失敗事例】
等価交換とは、その名称通りオーナーが提供した土地に業者が建物を建築し、それぞれの出資した割合に応じて所有権を得る土地活用方法のひとつです。
成功事例:費用0円で賃貸経営を実現!
等価交換によって建物の一部を所有し、賃貸経営をおこなうケースです。
オーナーは土地を提供するだけで建築費などの費用は業者が負担します。そのためオーナーは建築費用の借入などは一切不要、費用負担0円で所有した建物の一部を所有できるのです。所有する物件を使って賃貸経営もおこなえます。
失敗事例:自分で建築するほうが利回りは高い
等価交換は、自己資金で賃貸物件を建てた場合に比べて利回りが低くなります。
通常、等価交換において土地と交換するのは「完成済みの建物=販売価格」です。そのため、自分で建物を建てたときの建築費用原価と比較すると利回りが低くなります。
賃貸需要が高いエリアの土地などは等価交換せずに、土地所有者自身で建物を建築・運用
したほうが儲かる場合もあることを留意しておきましょう。
土地活用を成功させる3つのポイント
いずれの土地活用を選ぶにしても、成功させるために注意すべきポイントがあります。
立地によって最適な土地活用方法を選ぶ
前述したように、土地活用方法には、立地によって向き不向きがあります。土地周辺の状況やニーズによって収益が大きく異なります。
たとえば賃貸需要にないエリアにアパートを建てても入居が決まらず、空室だらけで経営が破たんするおそれも考えられるのです。
最適な土地活用方法を探すためにも、まずは所有している土地周辺の顧客ニーズを調査してみましょう。
また、都市計画区域内にある土地の場合は用途地域の制限があります。そのため、希望する土地活用のために必要な建物を建築できない可能性もあります。土地活用を検討する際は
、所有している土地の用途地域をかならず確認しておきましょう。
大きすぎる借入れに注意する
土地活用の方法によって必要な費用には差があります。自己資金を大きく超える土地活用方法を選んでしまうと借入額が大きくなりすぎ、月々のローン返済額が大きくなりすぎる恐れがあるため注意が必要です。
とくに、頭金なしで借入をおこなう「フルローン」は自己資金が少なくてすむ一方で借入れ額大きいため、収入が減ってしまうと毎月のキャッシュフローの悪化が懸念されます。
土地活用のための借り入れをおこなう際は、無理なく返済できる資金計画を立てることが重要です。
土地活用のリスクを把握する
土地活用には、種類に関わらず、大なり小なりのリスクがあります。土地活用のリスクには以下のような種類があります。
・空室リスク
アパート経営やマンション経営、商業施設経営などをおこなううえで注意すべきリスクです。賃貸系の土地活用をおこなう際は、所有する土地周辺の賃貸ニーズを把握したうえで、状況にあわせた空室対策をおこないましょう。
・災害リスク
地震や風水害などの被害によって建物や土地がダメージを受ける可能性があります。対策方法としては、地盤改良工事をおこなったうえで耐震性の高い建物を建てるとよいでしょう。
また万一に備えて火災保険や地震保険への加入は必須です。
・市場リスク
土地活用方法のなかには、十年単位の中長期にわたって経営するものもあります。そのため、時間の経過とともに周辺環境の変化や人口の増減によって計画段階の収支シミュレーションどおりの収益が得られなくなる可能性があります。
こういった市場リスクを回避するためには、土地活用の計画段階での綿密な市場調査と予測が重要です。
まとめ
土地活用について、成功事例と失敗事例を紹介しました。
土地活用を成功させるためには、立地や周辺状況に見合った活用方法を選ぶ必要があります。今回紹介した成功/失敗事例からも多くのヒントを得られるはずです。
また土地活用のなかには、専門の業者に任せることで成功するケースもあります。オーナー様だけで判断できない場合は、専門家に相談することも検討してみるとよいでしょう。