アパート投資は新築がおすすめ?他の不動産投資法との比較、違いも解説!
不動産投資を検討する際、「新築アパートと中古アパート、どちらがいいのだろう?」と考える人は多いのではないでしょうか。また、「アパート投資以外の選択肢が知りたい」と思う人も多いでしょう。
不動産投資で成功するためには、不動産投資の種類ごとにメリットやデメリットを理解したうえで、自分にあった収益物件を選ぶことが大事です。
そこで今回は新築アパート投資のメリットや注意点を中心に、その他の不動産投資方法を紹介します。
目次[非表示]
- 1.新築物件でおこなうアパート投資とは
- 2.新築アパート投資のメリット
- 2.1.理想通りのアパートを建築できる
- 2.2.有利な条件で融資を受けられる
- 2.3.修繕費が少ない
- 3.新築アパート投資の収益性と初期費用
- 4.新築アパート投資の注意点
- 4.1.運用開始までの手間や時間がかかる
- 4.2.利回りは低めになる
- 4.3.家賃の下落率に注意する
- 5.新築アパート投資と比較!その他の不動産投資の種類を紹介
- 6.新築アパート投資がおすすめなのはこんな人
- 6.1.長期的に安定した収益を目的としたい人
- 6.2.土地活用を検討している人
- 6.3.中程度の規模で不動産投資をはじめたい人
- 7.まとめ
- 8.この記事を読んだ方に人気のお役立ち資料一覧
新築物件でおこなうアパート投資とは
所有する土地や購入した土地にアパートを建築する、または新築のアパート物件を購入して第三者に賃貸して家賃収入を得る不動産投資方法を指します。
アパート投資は、アパートを1棟まるごと所有して運用するため、全室が空室にならないかぎり家賃収入が0円になることはほとんどなく安定した収入が見込めます。
新築アパートの場合、「新築プレミアム」という相場よりも高い額で家賃設定ができるため、中古アパートに比べて、より多くの収入が期待できるのです。
なお、ここで言う「新築」とは、「新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもの(建設工事の完了の日から起算して一年を経過したものを除く。)をいう」と『住宅の品質確保の促進等に関する法律』で定義されている建物を指します。
参照:国土交通省『住宅の品質確保の促進等に関する法律 第2条2項』
新築アパートでおこなう賃貸経営は、中古アパート賃貸では得られないメリットが数多くあります。それらのメリットを次項で詳しく紹介します。
新築アパート投資のメリット
アパート投資にはさまざまなメリットがありますが、ここでは新築アパート投資ならではの代表的なメリットを紹介します。
理想通りのアパートを建築できる
土地を購入してアパートを新たに建てる場合、土地選びや建築設計を一からはじめるため、立地や土地の広さ、アパートの規模や間取りなど、理想通りのアパートを建てることも可能です。
賃貸需要の高い好立地の土地を買い、時代にあった間取りや入居者ニーズの高い設備を導入した建物を建築することで、周辺の競合物件との差別化につながりアパートの競争力が上がります。
有利な条件で融資を受けられる
アパート投資で利用できる不動産投資ローンの融資審査は、個人属性と物件の収益性や資産価値が評価されます。新築アパートは収益が不安定になりやすい中古アパートに比べて、収益性も資産価値も高く評価されるため、有利な条件で融資を受けられる可能性が高いです。
修繕費が少ない
新築アパートは中古アパートと比べると修繕費がかからないという点もメリットのひとつです。
新築で購入した場合、建物も設備もすべて新品なため、故障などが起こりにくく、また不備があっても保証期間内に無償で交換してもらえます。そのため高額な修繕費は不要です。
また今後の修繕リスクをおさえるためにも新築物件は最適です。
新築時からアパートのメンテナンスをこまめにおこなうことで、大規模な修繕が発生しないようにアパートをよい状態に保つことも可能です。
中古で購入したアパート物件の場合、これまでどのような管理がされていたのか確認しづらく、見た目に問題がなくても、物件を購入して間もなく大きな修繕が必要で多額の費用がかかったというケースも少なくありません。
このように新築アパートは、今後の建物の維持も加味した管理が可能な点もメリットになります。
新築アパート投資の収益性と初期費用
新築アパート投資のはじめ方には以下のように3つの方法があり、それぞれ必要な初期費用や収益性に差があります。
1.所有している土地に新築アパートを建築するケース
すでに所有している土地にアパートを建てる場合、建築費のみの初期費用が必要です。土地取得費がかからず、また新築なので修繕費などのランニングコストが少ない分、利回りが高くなるため高収益が期待できます。
ただし、収益を得るためには所有する土地でアパート経営が成り立つことが大前提です。周辺の賃貸需要や家賃相場、競合物件の数、空室率などをしっかり確認したうえで、見込みが少ない場合はほかの土地活用を検討しましょう。
2.更地を購入して新築アパートを建築するケース
土地の取得費とアパート建築費用の両方がかかるため、その分初期費用は高くなります。利回りもその分低くなるため、収益も下がります。
特に購入する土地の立地や広さなどによって土地価格が違ってくるため、初期費用も増減します。
都心部など賃貸需要がある土地の多くは地価も高いです。取得費用の大部分は融資で賄えますが、初期費用も高額になり、借入れ額も大きくなるため、収支シミュレーションをしっかりおこない、無理のない資金計画を立てましょう。
3.新築の投資用アパート物件を購入するケース
建売の新築アパート物件を購入して賃貸経営をおこなうことも可能です。
建売物件は建築に関する手間がかからず、また完成済み物件を購入すれば時間もかかりません。
取得費用は立地や建物のグレードなどによってさまざまなため、初期費用や利回り・収益も物件によって大きく違いが出ます。
また、販売会社によってアフターサービスの内容などが異なります。建売の新築アパートを購入する際は信頼できる販売会社を選ぶことも大事です。
新築アパート投資の注意点
前述のように新築アパートには魅力的なメリットがある一方で、以下のような新築ならではの注意点もあります。
運用開始までの手間や時間がかかる
土地を購入して新築アパートを建築する場合、土地の選定から物件の設計・建築など、運用開始まで手間や時間がかかります。土地探しから運用開始まで1年程度はかかるとみて予定を立てるとよいでしょう。
建売の新築アパートを選べば時間は多少短縮できますが、まったくの新規で入居者募集をしなくてはならず、やはり手間がかかります。
利回りは低めになる
土地を取得してる場合は除き、新築アパートは中古物件と比較して建築費や購入価格が高いため利回りは低くなります。
また近年は建築費や建築材料費が高騰していることもあり、新築物件の利回りが低くなる要因のひとつとなっています。
家賃の下落率に注意する
アパートなどの賃料は、築年数の経過とともに下落するのが一般的です。なかでも下落率が一番大きいのが築3年~10年の期間です。
東京23区内の築後3〜10年の単身者向け賃貸住宅の家賃下落率は年換算で1.7%となり、新築時に比べると10年で約20%下落します。
これは、築後10年未満の築浅物件は、新築物件と競合しやすいため、家賃の下落率が大きくなると考えられます。
参考:三井住友トラスト基礎研究所『経年劣化が住宅賃料に与える影響とその理由』
新築時の賃料収入を基本に収支シミュレーションをしつづけると、築3年以降は家賃収入が想定した額よりもずっと少なくなってしまいます。収支シミュレーションは築年数による家賃下落率を考慮したうえでおこないましょう。
新築アパート投資と比較!その他の不動産投資の種類を紹介
不動産投資には多くの種類があります。そのため、これから不動産投資をはじめようとしている人のなかには、どの不動産を選べばよいかわからないという人も多いでしょう。
ここでは新築アパート投資以外で、人気の不動産投資方法についてメリットやデメリットを紹介します。
中古アパート投資のメリット・デメリット
不動産投資のなかでも人気のある投資方法のひとつです。中古のアパート物件を購入して賃貸し、家賃を得ます。
中古なので価格が安く、そのため高利回りが期待できます。その一方、老朽化などの修繕費が増加するなど、支出の面で注意が必要になります。
中古アパート投資のおもなメリットとデメリットには、以下のようなものがあります。
【中古アパート投資のメリット】
・物件価格が安いため初期費用も少なくてすむ
・高利回り物件が多い
・オーナーチェンジ物件の場合、すぐに家賃を得られる
・収支の予測が立てやすい
・所得税の節税効果が高い
【中古アパート投資のデメリット】
・修繕費が増加傾向にある
・空室リスクが高くなる
・融資審査が厳しくなる
中古アパート投資の一番のメリットは、新築物件に比べて価格が安い点です。そのため利回りが高くなりやすく、高利回り物件も狙えます。ただし、中古物件は老朽がすすむと修繕費などが増加してキャッシュフローを圧迫する恐れがあります。
この利回りと修繕費に関しては、新築アパート経営と大きく異なる点です。
区分マンション投資のメリット・デメリット
マンションの1室を所有して賃貸し、家賃収入を得る投資方法です。
新築アパート投資に比べて少ない自己資金ではじめることができるので、不動産投資初心者にも向いています。
区分マンション投資のおもなメリットとデメリットには、以下のようなものがあります。
【区分マンション投資のメリット】
・物件価格が安いので初期費用が少額で済む
・初心者でもはじめやすい
・分散投資につながる
・種類が多いため、目的や予算にあわせて物件を選べる」
・共有部の管理はマンション側がおこなってくれる
【区分マンション投資のデメリット】
・物件を1室しか所有していない場合はリターンが少ない
・空室時は家賃収入が0円になってしまう
・共有部のリフォームは自由にできない
区分マンションは1室単位で購入できるため、災害対策として分散投資に向いています。物件を所有するエリアを変えて地域の分散や、ワンルームだけでなくファミリータイプのマンションを購入し、間取りタイプの分散が簡単におこなえます
区分マンション投資の注意点としては、1室しか所有していない場合、空室になってしまうと家賃収入が0円になってしまうことです。
そのため区分マンション投資をおこなう場合は、アパート投資以上に賃貸需要のある好立地物件を選び、空室期間をできるかぎり短くするための対策が必須です。
新築一棟マンション投資のメリット・デメリット
新築一棟マンション投資は、新築アパート投資と並んで人気がある土地活用法です。
比較的どこにでも建築しやすい新築アパートに比べて、新築一棟マンションは土地の用途制限によっては建築できない場合もあります。
土地活用として新築一棟マンション経営を検討する際は、かならず用途制限を確認しましょう。
なお、マンションとアパートの違いには明確な定義はありませんが、構造や階数で区別する場合が多いです。
「3階以上の鉄筋コンクリート、鉄骨鉄筋コンクリートまたは鉄骨造の住居」をマンション、「3階以下の木造または軽量鉄骨造の住居」がアパートと呼ばれます。
新築一棟マンション投資のおもなメリットとデメリットには、以下のようなものがあります。
【新築一棟マンション投資のメリット】
・建物性能が高い
・家賃水準が高い
・修繕費が少ない
・耐用年数が長い
・高層建築が可能
【新築一棟マンション投資のデメリット】
・建築費用が高額
・用途制限によっては建築できない
・メンテナンス費用が高め
・撤去費用が高額
・収支の予測が立てづらい
新築一棟マンション投資は、新築アパート投資と比べて家賃水準が高く、また高層建築ができるため多くの戸数を有することで高収入が期待できます。
鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリートで建てられる新築一棟マンションは、木造アパートに比べて耐震性や耐久性に優れています。また遮音性も高く、上下左右の部屋の音が伝わりにくいのもメリットです。
一方で、新築アパートに比べて建築費用や物件価格は高額です。そのため初期費用も高額になりやすく、不動産投資初心者にはハードルの高い物件と言えるでしょう。
戸建て賃貸のメリット・デメリット
戸建て住宅を建築する、または購入し、賃貸することで家賃を得ます。
戸建て住宅のほとんどがファミリー向け物件なので、単身者をターゲットにした場合よりも長く住んでもらえる可能性が高いです。
また戸建て賃貸の好立地の条件は、アパート経営に求められる好立地の条件とは多少異なり、駅から遠くても周辺に学校や幼稚園、子供向けの施設がある住環境のよい立地などが選ばれやすいです。
戸建て賃貸のおもなメリットとデメリットには、以下のようなものがあります。
【戸建て賃貸のメリット】
・立地が悪くても一定の需要が見込める
・初期費用が少ない
・管理の手間がかからない
・狭い土地でも建築できる
・入居者に売却ができる可能性がある
・長期入居が期待できる
・節税対策につながる
【戸建て賃貸のデメリット】
・戸建て住宅1棟しか所有していない場合はリターンが少ない
・空室時は家賃収入が0円になってしまう
・リフォーム費用がかかる
戸建て賃貸は、アパートが建てられない狭小地でも土地を活用できる点がメリットになります。また戸建て賃貸では敷地内の清掃については入居者自身でおこなうため、管理委託は不要です。
ただし所有するのが戸建て1軒のみの場合、入居者が見つからないかぎり賃料収入が入ってこないため注意が必要です。
また、戸建て住宅は比較的長期入居が期待できますが、原状回復費やクリーニング費用などが高くなりやすいです。そのため、できるだけ長く入居してもらえるよう、ファミリー層の賃貸需要が高いエリアで賃貸経営をおこなう必要があります。
新築アパート投資がおすすめなのはこんな人
新築アパート投資はどのような人に向いているのでしょうか。ここでは、新築アパート投資がおすすめの人の条件を紹介しています。
長期的に安定した収益を目的としたい人
中古アパートより耐用年数が長い新築アパートは、長期間の運用に耐えやすいです。また現在の建築基準法にのっとって建築されていることも長期運用のプラスになります。
加えて、新築時から適切なメンテナンスをおこなうことで物件の資産価値の低下を防ぎ、より長期にわたって安定した経営を目指すことができます。
土地活用を検討している人
新築アパート投資は、土地活用としてもっともポピュラーな方法のひとつです。
前述した通り、すでに土地を所有しているため土地を購入する必要がなく、アパートの建築費のみでアパート投資をはじめることができます。
また、新築アパートを建てることで、相続税対策や固定資産税・都市計画税などの節税にもつながります。
土地活用として新築アパート経営を成功させるためには、まずは所有する土地の賃貸需要を調べてみましょう。そのうえで土地活用方法として新築アパート経営が向いてるかどうか、ほかに有効な土地活用方法はないか検討するとよいでしょう。
中程度の規模で不動産投資をはじめたい人
不動産投資には多くの種類があります。
区分マンション経営や戸建て賃貸経営など小規模なものから、オフィスビルなど大規模なものまでさまざまです。そのなかでアパート投資の規模は中程度になります。
たとえば区分マンションを賃貸する場合、運用する物件が1件だけなので家賃収入は月あたり数万円程度と大きな収入は期待できません。
一方、新築アパート投資はアパート1棟を所有して複数の部屋を賃貸するため、区分マンションに比べて大きな収入が期待できます。
さらに多くの家賃収入を得たいのであればビル投資などの選択肢もありますが、アパート投資に比べて初期費用が高額になります。またリスクも大きくなるため、不動産投資初心者にはおすすめしません。
できるだけリスクの少ない中規模な投資をしたいと考えている人には、新築アパート投資をおすすめします。
まとめ
新築アパート投資の最大のメリットは、立地や建物を理想通りに建てられるため、競合物件と差別化のしやすさにあります。また融資が受けやすく、修繕費が少ないなど、新築ならではのメリットが多いです。
一方、建築費用や購入価格は中古アパートに比べて高いため利回りは低くなりがちですが、土地を所有している場合は土地を購入する必要がない分、高利回りも狙えます。
また、不動産投資には新築アパート投資以外の選択肢もたくさんあります。
不動産投資を成功させるためにも、収益物件それぞれのメリットやデメリットを理解したうえで、最適な方法を選びましょう。