オートロックとは?安全面やメリットデメリットと侵入対策、内見時のポイント
安全な住環境を求めて、オートロックつき賃貸物件を選ぶ人も多いでしょう。しかし、オートロックつき物件が100%安全かというとそうではありません。実はオートロックであっても注意するポイントは存在します。
そこで今回は、オートロックつき物件のメリット・デメリットを紹介しながら、内見時にチェックすべきポイントを解説します。
また自室の玄関をオートロック化する方法も解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.オートロックとは?仕組みを解説
- 2.オートロック6種類の特徴を紹介
- 2.1.①「集合キー」タイプ
- 2.2.②「暗証番号」タイプ
- 2.3.③「カードキー(差し込み式)」タイプ
- 2.4.④「カードキー(非接触型IC式)」タイプ
- 2.5.⑤「スマートキー(スマートフォン利用)」タイプ
- 2.6.⑥「生体認証(指紋認証式・顔認証式)」タイプ
- 3.オートロック物件を選ぶメリット3つ
- 4.オートロック物件にはデメリットはある
- 4.1.デメリット①侵入を100%防げるわけではない
- 4.2.デメリット②新聞が部屋まで届かない
- 4.3.デメリット③オートロックなし物件と比べ賃料や管理費・共益費が高め
- 4.4.デメリット④鍵を忘れると入れない
- 5.オートロック物件での侵入パターンと対策方法
- 5.1.居住者の後に続いて入る
- 5.1.1.対策方法
- 5.2.暗証番号を見抜かれる
- 5.2.1.対策方法
- 5.3.鍵タイプのオートロックキーの合鍵などが使われる
- 5.3.1.対策方法
- 5.4.不注意で部外者に暗証番号を教えてしまった・騙されて解錠してしまった
- 5.4.1.対策方法
- 5.5.センサー誤作動させて侵入する
- 5.5.1.対策方法
- 6.オートロック物件を内見する際の3つのチェックポイント
- 6.1.①オートロックの種類と構造
- 6.2.②エントランス以外からの侵入経路はないか
- 6.3.③マーキングサインの有無
- 7.賃貸物件内見時に確認すべきオートロック以外の3つのセキュリティ
- 7.1.①監視カメラはあるか
- 7.2.②セキュリティ会社に加入しているか
- 7.3.③管理人は常駐しているか
- 8.自宅ドアにオートロックを後付けするなら「スマートロック」がおすすめ
- 8.1.後付けスマートロックの注意点
- 9.取付タイプ別|自室の玄関に後付けできるスマートロック3選
- 9.1.①粘着テープで貼り付けるタイプ
- 9.2.②シリンダーを取り換えるタイプ
- 9.3.③穴あけ工事をするタイプ
- 10.スマートロックを後付けするならアイネット
- 11.この記事を読んだ方に人気のお役立ち資料一覧
オートロックとは?仕組みを解説
オートロックとは、マンションなどの共用玄関(エントランス)のドアが開閉されるたびに自動的(オート)に施錠(ロック)されるセキュリティシステムのことです。不審者や勧誘員などが建物内に立ち入るのを防ぐ防犯対策として人気の設備のひとつです。
オートロックのドアは常に施錠されているため、居住者が外からドアを開ける際は、入居時に渡されるオートロック専用の鍵(またはカードキー)や暗証番号などを用います。
そのため、居住者以外の訪問者などの非居住者は基本的に自由に建物内に立ち入ることができません。
非居住者が建物内に入るためには、エントランスに設置されている専用のインターフォンなどから目的の部屋番号を入力したうえで、居住者に内側から鍵を解除してもらう必要があります。
居住者は、来訪者が勧誘員など望ましくない場合は解錠を断れるため、個別の玄関口まで訪問客をシャットアウトしやすいのが特徴です。
オートロック6種類の特徴を紹介
ここでは下記のオートロックの種類を6つ紹介します。
①「集合キー」タイプ
②「暗証番号」タイプ
③「カードキー(差し込み式)」タイプ
④「カードキー(非接触型IC式)」タイプ
⑤「スマートキー(スマートフォン利用)」タイプ
⑥「生体認証(指紋認証式・顔認証式)」タイプ
オートロックは種類によって解錠方法などが異なります。そのためオートロック付の賃貸物件を探す際は、オートロックのタイプを把握しておくと物件選びがスムーズに運ぶため、ぜひ覚えておきましょう。
①「集合キー」タイプ
共有玄関(エントランス)のオートロックを解錠する際、部屋の施錠・解錠用の鍵と同じものを使用します。オートロックのなかでも広く普及しているタイプです。
自宅の鍵1本で共用玄関も解錠できるため手軽ですが、多くが建物内のすべての鍵に対応するためつくりが甘いのがデメリットです。
たとえば以前の入居者が鍵を複製していた場合は、その鍵を使って建物に入られてしまう可能性もあることを覚えておきましょう。
②「暗証番号」タイプ
暗証番号を入力して解錠するタイプのオートロックシステムで、居住者自身が個別に設定できるタイプと全住民が同じ番号を入力するタイプ、どちらかになります。
鍵やカードを必要としないため、紛失や複製、部屋に忘れたまま外出したりしても締め出される心配がありません。
ただし暗証番号を忘れたり、暗証番号の入力を間違えたりすると建物に入れなくなってしまう可能性があります。特に連続して入力番号を間違うと一定時間経過しないと入館できない場合があるため、きちんと正確に番号を覚えておく必要があります。
また暗証番号入力時に、第三者に暗証番号を盗み見られるリスクもあるため注意しましょう。
③「カードキー(差し込み式)」タイプ
通常の鍵の代わりに、専用の磁気カードを共用玄関に設置された装置(カードリーダー)に差し込んで解錠します。カードキーは複製がむずかしく、携帯しやすいのがメリットです。その一方で、紛失したり、カードが折れたり欠けたり破損してしまうとカードを読み取れず解錠できなくなる場合があるため取り扱いには注意が必要です。
④「カードキー(非接触型IC式)」タイプ
カードを利用したオートロックシステムですが、こちらはSuicaやPASMOなどのような非接触ICカードを使って解錠するタイプです。専用のカードリーダーにカードをタッチさせる(またはかざす)だけで解錠できるため、わざわざカードを差し込む必要がありません。
複製しにくく、わざわざカバンや財布から取り出さなくても読み取りが可能なので手間が省けるのがメリットです。ただしカードキー(差し込み式)と同様、紛失や破損する可能性もあるため注意しましょう。
⑤「スマートキー(スマートフォン利用)」タイプ
スマートフォンを使って共用玄関ドアの解錠できるタイプです。スマートフォンを所持して近づくだけでオートロックが開錠されるため、荷物などで両手がふさがっていてもカバンなどから鍵を取り出す必要がなく手間がかかりません。また利用期限の管理も可能なので、退去者が不正に立ち入る心配もなく、複製されにくいのがメリットです。
ただし、スマホ本体の紛失や部屋に置き忘れてしまうと建物に入れなくなるのは、ほかのオートロックと同様なので注意が必要です。
⑥「生体認証(指紋認証式・顔認証式)」タイプ
あらかじめ指紋や顔を登録しておき、エントランスに設置された専用センサーに、指紋や顔を認証することで開錠するタイプのオートロックです。指紋や顔といった、個人の身体の一部なので複製は非常に困難であり、紛失のリスクがないのがメリットです。
ただし指紋認証は、手荒れなどによって指紋が読みとれなくなることもあるため注意が必要です。最新式のオートロックシステムで高級マンションを中心に導入が進んでいますが、賃貸物件への導入はまだ少数といえます。
オートロック物件を選ぶメリット3つ
オートロックの賃貸物件には、以下のようなメリットがあります。
① 不審者の侵入を防ぎやすい安心感がある
② セールスや勧誘を断りやすい
③ 空き巣に狙われにくい
それぞれ詳しく解説します。
メリット①不審者の侵入を防ぎやすいので安心感がある
共用玄関のオートロックを外から開けられるのは基本的に居住者や関係者(管理人など)のみです。訪問者が建物に立ち入るためには、居住者が立ち入りを許可(解錠)する必要があります。
そのため不審者などが建物に侵入できる手段が少ないため、オートロックなしの物件に比べてセキュリティが高く、安心感を得られるのがメリットです。
メリット②セールスや勧誘を断りやすい
しつこい新聞などの勧誘やセールスなどが苦手という人にはオートロックがおすすめです。オートロック物件であれば共用玄関先のインターフォンからのやりとりになるため断りやすく、居留守も簡単に使えるので心理的負担も少ないでしょう。
またインターフォンを切ってしまえば部屋の前まで来られる心配もありません。セールスマンや勧誘者にとっても対面できる確率が少なく、避ける傾向にあるようです。
メリット③空き巣に狙われにくい
オートロックは建物に入るための錠と各部屋に入るための錠があり、二重にロックされている状態なため空き巣に狙われにくいというメリットがあります。
空き巣は、「侵入が容易で見つかりにくく、逃げやすい」部屋をターゲットにする傾向が強く、逆に「侵入に5分以上かかる家や部屋」は避ける傾向が強いといわれています。
そのため共用玄関と各部屋、二重ロックされたオートロック物件は開錠に時間がかかり、そのぶん見つかる可能性も高くなることから空き巣に狙われにくいのです。
オートロック物件にはデメリットはある
オートロック物件のメリットは魅力的ですが、逆にオートロックには、以下のようなデメリットがあるため注意が必要です。
① 侵入を100%防げるわけではない
② 新聞が部屋まで届かない
③ オートロックなし物件と比べ賃料や管理費・共益費が高め
④ 鍵を忘れると入れない
それぞれ詳しく解説します。
デメリット①侵入を100%防げるわけではない
オートロックなしの物件に比べるとオートロックアリの物権はセキュリティ面での安心感がありますが、部外者が侵入してくる可能性もゼロではないことには注意しておきましょう。
たとえば居住者がオートロックを解錠し居住エリアに入る際、部外者が一緒に入る可能性は十分に考えられます。また、不正な手段で入手した鍵を使って侵入したり、非常階段や柵を超えるなどエントランス以外の場所から侵入したりといったケースも皆無ではありません。
オートロックのセキュリティを妄信してしまうと自宅の玄関や窓の施錠をおろそかにしかねません。オートロックはあくまでも安全性の補填と考え、個々のセキュリティはしっかりとおこないましょう。
デメリット②新聞が部屋まで届かない
オートロックありの物件で部外者が各部屋まで行くためには居住者が共用玄関の解錠をする必要がありますが、それは新聞の配達員も例外ではありません。新聞を各部屋に届けるためとはいえ、早朝にチャイムを鳴らすわけにもいかず、エントランスの郵便受けに新聞を配達することになります。
その結果、居住者が新聞を取っている場合は毎朝エントランスの郵便受けまで取りにいかなくてはならず、不便だと感じている人も少なくありません。
物件によっては居住者の利便性向上のため、新聞配達員に対してオートロックの一時的解除を許可している場合もあるようです。しかしその場合、セキュリティ低下の恐れが懸念されるため注意が必要です。
デメリット③オートロックなし物件と比べ賃料や管理費・共益費が高め
オートロックなしの物件に比べると、オートロックありの物件の賃料や管理費・共益費は高めに設定されている場合も多いです。
そもそもオートロックありの物件は、木造アパートよりも賃料設定が高いRC造などのマンションタイプに多くみられます。そこにオートロック機能という設備が付くと価値が上がり、どうしても賃料が割高になってしまうのです。
またオートロックはインターフォンと電気錠が連携した1年365日毎日稼働しているセキュリティシステムなため、管理やメンテナンスにコストがかかることから管理費や共益費も高めのことも多いです。
このようにオートロックなしの物件に比べると、オートロックありの物件の賃料や管理費・共益費が高めになってしまうことを覚えておきましょう。
デメリット④鍵を忘れると入れない
鍵やカードキーで解錠するタイプのオートロックは、鍵を持たずに出かけてしまうと建物内に入ることができなくなるため注意が必要です。室内に家族がいればインターフォンを通じて開錠してもらえますが、一人暮らしや家族が留守の場合はマンションから締め出されてしまいます。
なおオートロックの鍵を紛失した場合、交換費用を請求される可能性があります。交換費用については、紛失した自分の鍵の交換費用だけか、全世帯分の費用かによって異なります。前世帯の鍵を交換するとなると多くの費用を請求されるため、大きな負担となるでしょう。
そうならないように鍵やカードキーの管理や取り扱いには十分注意する必要があります。
オートロック物件での侵入パターンと対策方法
前述したようにオートロックありの物件といえども、部外者の侵入を100%防ぐことはむずかしいです。ただし居住者自身が侵入方法を知り、その対策をすることで部外者が侵入する確率を下げることは可能です。
ここでは、オートロックあり物件の侵入パターンとその対策方法について解説します。
居住者の後に続いて入る
エントランスで居住者が解錠した際、その後をついていけば侵入はできてしまいます。また鍵を探しているふりをしたり、建物の外で携帯電話を使っているふりをしたり、居住者がオートロックを解錠したすきに建物内に入り込むケースもあります。
こうした人物が居住者なのか部外者なのか判断することはむずかしいです。多少不安でも居住者かそうでないかわざわざ確認することなく、一緒に入館してしまうことがほとんどでしょう。
また居住者が建物内から出るのと入れ違いに建物に侵入するパターンもあります。
これらのケースの対策方法は以下のようになります。
対策方法
エントランスに自分以外の人がいる場合、不審に思ったらそのまま入館せず、一旦外に出たり、鍵を探すふりをしてさりげなく場所を譲ったり、「お先にどうぞ」と声掛けするのもひとつの手段です。
まず相手の行動をよく観察し、不審な様子があれば解錠せずに様子をみましょう。また必要に応じて積極的に声がけすることで居住エリア全体のセキュリティレベルアップにもつながります。
もし不審者の侵入が懸念された場合は、速やかに管理会社に連絡し、居住者に対して注意喚起を促してもらうとよいでしょう。
暗証番号を見抜かれる
暗証番号タイプのオートロックでは、暗証番号の入力時に後ろから盗み見られるケースがあります。特にわかりやすい暗証番号の場合、居住者が覚えやすい反面、部外者に覚えられてしまう可能性も高く、犯罪者のあいだで広まってしまう恐れもあります。
ではどのような対策方法があるのでしょうか。
対策方法
暗証番号タイプのオートロックは、居住者全員が同じ番号を使用する場合と、居住者が個別に設定できるタイプの2種類があります。
居住者全員が同じ番号を使用しているケースでは、暗証番号を決定するのは管理会社(またはオーナー)です。あまりにもわかりやすい番号であれば、変更の申請をしてみるとよいでしょう。ただし変更するかしないかは管理会社側が判断するため、かならずしも変更されるとはかぎりません。
個別に暗証番号を設定できるのであれば、誕生日や電話番号などのわかりやすい数字は避け、自分だけしかわからない暗証番号を設定しましょう。
鍵タイプのオートロックキーの合鍵などが使われる
集合キータイプのように、鍵のみで解除できるオートロックシステムの場合、鍵穴がどの部屋の鍵にも対応できる形になっていることがほとんどです。そのため、居住者が落とした鍵を偶然拾い、合鍵を作って侵入されてしまうことがあります。また住人の知り合いが、勝手に合い鍵を作ってしまうケースもあります。
過去には、引越しの際に室内に放置された鍵の写真を撮影し、鍵のコピーをつくり侵入したケースや、同型の鍵を使ってオートロックを通過する侵入例もありました。
対策方法
自分だけで鍵の取り扱いに気をつけても、ほかの居住者が原因で合鍵がつくられてしまうこともあるため、個人で根本的な対策をおこなうのはむずかしいです。
入居前に管理会社にオートロックの鍵の取り扱い状況や取り換え頻度、対策方法などを確認したうえで入居するかどうかを検討するとよいでしょう。
不注意で部外者に暗証番号を教えてしまった・騙されて解錠してしまった
入居者が不注意で仕事の関係者や恋人などにオートロックの暗証番号を教えてしまい、関係が切れたのちに侵入されることがあります。
また「管理会社の者です」や「お届け物です」と業者を騙り、居住者にオートロックを解錠させて入館し、留守宅を狙うケースもあります。
対策方法
親しいからといって気軽に暗証番号を教えないよう徹底することが重要です。
また管理会社や配達員を名乗る訪問者に対しては、管理会社の電話番号を聞き、その場で管理会社に電話するなどして、本当に管理会社の人か確認するようにしましょう。
配達員の場合は、配送会社や宛名と送り主を確認し、心当たりがない場合は解錠を断わるか、宅配ロッカーがあれば荷物をそこに入れるよう指示してもよいでしょう。
センサー誤作動させて侵入する
オートロックの開閉センサーを誤動作させて侵入されるケースがあります。
オートロックの多くは自動ドアとなっており、入居者がエントランスの外に出る場合、ドアの内側にあるセンサーの下に人が立つとドアが開く仕組みになっています。
こうした仕組みのオートロックの場合、外側からドアの下に紙などを差し込み、内側のセンサーが反応するように動かすことでセンサーが反応し、ドアが開いてしまうのです。
対策方法
入居者がエントランスの外に出る際に開閉ボタンを押すタイプのオートロックシステムであれば、センサーがないためこの方法での侵入ができなくなります。また自動ドアの下に隙間のないタイプもセンサーを誤動作させることができません。
また最近では紙では反応しないようなセンサーが採用されているオートロックもあります。
入居前の内見時などに、オートロックに対してこういった対策がされているかどうか確認するとよいでしょう。
オートロック物件を内見する際の3つのチェックポイント
ここではオートロックつき物件を内見する際にチェックしておきたい6つのポイントについて解説します。
①オートロックの種類と構造
②エントランス以外からの侵入経路はないか
③マーキングサインの有無
セキュリティ重視でオートロックつき物件を選んだのに、入居してから「思っていたのとは違う……」と後悔しないためにも内見時にしっかり確認しておきましょう。
①オートロックの種類と構造
前述したようにオートロックには複数の種類があり、セキュリティの程度にも違いがあります。そこで、内見する物件のオートロックの種類や構造を確認したうえで、どのような対策がされているか確認する必要があります。
たとえばセンサーの誤動作の確認では、解錠ボタンの有無やドアの下に隙間はないかなどを確認しましょう。
暗証番号タイプであれば、番号を個人で設定できるかどうかも重要なポイントです。
②エントランス以外からの侵入経路はないか
オートロックシステムがある物件でも入口が一か所とはかぎりません。ゴミ置き場や駐輪場・駐車場などに通じる裏口(勝手口)が空きっぱなしになっていて簡単に侵入できるケースもあります。
また出入口でなくても、非常階段の塀や手すりを乗り越えたり、雨どいなど足場して侵入したり、1階の窓側の塀を乗り越えて窓を割り室内に侵入する空き巣被害もあります。
このように、せっかくのオートロックが無効化しているケースがあります。内見時は、こういった侵入箇所の有無をチェックするとともに管理会社の対策方法なども確認するとよいでしょう。
③マーキングサインの有無
マーキングサインとは、空き巣や営業マンが後続のために記す、住民の情報を表す記号などをいいます。居住者の在宅時間や単身者かどうか、訪問した際に対応してくれるか(ドアを開けてくれるかどうか)など情報は多岐にわたります。
マーキングサインは自宅の表札やインターフォン、ガス・電気・水道などのメーターボックス内、ポストなどにかかれた数字やアルファベットです。
下記はよくあるマーキングサインの例です。もしマーキングサインらしい記号がある場合は、自分の情報が漏れている可能性があるため即座に消しましょう。
【マーキングサイン(例)】
- 空:空家
- R/ル:留守
- 金:金持ち(金色のシールが貼られている場合も)M:独身男性
- W:独身女性
- F:家族世帯
- S:単身者
- D/大:大学生
- ☆:押せば買う
- ×:断られた
- ××:2回断られた
- K:ドアを開けず断られた
数字は時間を指します。
たとえば、「W8-20R」と書かれている場合は「独身女性が住んでいて8時〜20時まで留守にしている」といった内容になります。
空き巣や訪問販売業者は、同業者が記したマーキングサインを参考にして、空き巣に入ったり、訪問販売をしたりするのです。
もし自宅のドア周辺にこういったマーキングがされている場合は消すとともに管理会社に連絡し、ほかの部屋にも同様のマーキングがないか巡回してもらうとよいでしょう。
賃貸物件内見時に確認すべきオートロック以外の3つのセキュリティ
賃貸物件のセキュリティはオートロックだけではありません。物件内見時は、次のセキュリティについてもかならず確認することをおすすめします。
① 監視カメラはあるか
② セキュリティ会社に加入しているか
③ 管理人は常駐しているか
それぞれの確認ポイントを解説します。
①監視カメラはあるか
オートロックとともにセキュリティの一角を担うのが防犯カメラです。防犯カメラには犯罪の抑止力があるため、建物内のどこに防犯カメラが設置されているか確認しておきましょう。
・エントランス
・集合ポスト
・1階エレベーター入口
・エレベーター内
・各フロアの廊下
・裏口
・駐輪場(駐車場)
・ゴミ置き場
・外階段
上記のうち、カメラの設置個所が多ければ多いほど防犯効果が期待できます。少なくともエントランス、エレベーター内、裏口の3カ所に防犯カメラが設置されていれば、最低限の防犯効果が期待できるでしょう。
②セキュリティ会社に加入しているか
セキュリティ会社に加入しているかどうかも入居前に確認しておくと安心です。
セキュリティ会社と契約している場合、窓やドアに異常(振動や開閉)があるとセンサーが反応し、警備員が駆け付けて異常の有無を確認してくれます。
空き巣のような侵入者だけでなく、火災やガス漏れなど異常事態が起きた場合も即座に対処してくれるので、より安全性を求める人はセキュリティ会社に加入している物件を選ぶとよいでしょう。
③管理人は常駐しているか
管理人が常駐しているかどうかも大事なポイントです。エントランスから見える場所に管理人がいるだけで不審者が侵入しにくくなり防犯効果につながります。
また管理人は住人の顔を知っているので不審者に気づきやすく、声掛けすることで牽制にもなるでしょう。
なお管理員の勤務形態には以下の種類があります。
・常駐管理:管理人が24時間体制でエントランスから見える位置に常駐している状態
・巡回管理:管理人が週に数回、物件を訪問し数時間程度の管理業務をおこなう
・日勤管理:1日のうち定められた業務時間内に管理業務などをおこなう
・無人管理:管理会社や管理組合が必要に応じて清掃等物件の管理をおこなう
管理人がいる場合、オートロックの鍵やカードを忘れたり紛失したりしても解錠してもらえるため、防犯以外にもいざというときの助けになるでしょう。
自宅ドアにオートロックを後付けするなら「スマートロック」がおすすめ
最近ではマンションなどの共用玄関だけでなく、自宅のドアもオートロックの物件が増えています。またオートロックで設備がない場合でも後付けでオートロックにすることができます。
ただし基本的に賃貸物件で工事などをおこなうためにはオーナーや管理会社の許可が必要です。しかし「スマートロック」であれば工事不要で自宅をオートロックすることが可能です。
スマートロックとは玄関錠に専用機器を取り付けることで、ドアの解錠施錠の管理をスマートフォンでおこなえる後付けのオートロックシステムを指します。スマートロックには以下のようなメリットがあります。
〇オートロックなので鍵の閉め忘れを防止できる
スマートロックの施錠は自動でおこなわれるため、鍵を閉め忘れる心配がありません。外出してから気になって戻る必要はなく、うっかり防止に最適です。
〇ハンズフリー機能で解錠もできる
解錠もスマートフォンから操作できます。ハンズフリー機能を使えば、スマホを持った状態でドアに近づくだけで解錠できるため、荷物なので両手がふさがっていても問題ありません。
〇合い鍵の生成と有効期限の管理ができる
一時的な来客用に期間限定の解錠権限をつくり、合鍵として渡すことが可能です。
〇ドアの解錠施錠履歴や現況を確認できる
スマートフォンで解錠施錠履歴を確認できるので不法に侵入された形跡がないか確認するのも簡単です。また錠の現況も確認できます。
〇鍵の紛失/盗難/複製のリスクを下げられる
スマートロックの操作はスマートフォンでおこなうため、鍵をなくしたり、盗まれたり、コピーされる心配が少ないです。その代わりスマートフォン本体のセキュリティや紛失には注意しましょう。
〇取り付けが簡単(一部製品を除く)
スマートロックにはさまざまな種類があり、なかには工事不要で粘着テープのみで簡単に取り付けできるタイプのものもあります。取り外しも楽なので賃貸物件におすすめです。
ただし、取り付けに工事が必要なものもあるので事前に取付方を確認しましょう。
〇スマートホームとの連携も可能
スマートロックの種類によっては、家電と連携させることで開錠時に照明をつけたり、エアコンや給湯器を稼働させることも可能です。ただし、あらかじめIoT機器の登録・設定が必要です。
後付けスマートロックの注意点
便利な後付けスマートロックですが、注意したいポイントもあります。
まず、スマートロックはスマートフォンで操作するため、スマートフォンの充電が切れてしまうと操作がおこなえず自室に入れなくなってしまいます。紛失についても同様なので、注意が必要です。
またドアの構造によってはスマートロックの取り付けがむずかしいケースもあるため、スマートロックを後付けする際は事前にドアの構造を確認しましょう。
なお取り付けに工事が必要な場合は、かならず管理会社やオーナーに確認し、工事の許可をもらったうえで取り付けてください。無許可で工事をおこなった場合、退去時に原状回復費用を請求されることもあるので注意が必要です。
取付タイプ別|自室の玄関に後付けできるスマートロック3選
前述したように、自室玄関のオートロック化におすすめのスマートロックですが、ここでは後付け可能なスマートロックをタイプ別に3つ紹介します。
① 粘着テープで貼り付けるタイプ
② シリンダーを取り換えるタイプ
③ 穴あけ工事をするタイプ
それぞれ詳しく解説します。
①粘着テープで貼り付けるタイプ
粘着テープで貼り付けるだけのスマートロックです。特別な道具は不要で取付方も簡単なので、だれにでも設置できます。
工事不要なので管理会社やオーナーの許可を取りやすいです。ただし、テープの跡が付く可能性があるため、退去時には気をつけましょう。
②シリンダーを取り換えるタイプ
シリンダーを取り換えるタイプのスマートロックは、粘着テープで貼り付けるタイプよりも安定しています。貼り付けタイプでは落下が心配という人におすすめです。
またシリンダーを取り換えるタイプのスマートロックならば、ピッキングが不可能になるので、セキュリティ強化にも適しています。
取り付け方は既存のシリンダーを取り外してスマートロックと交換するだけなので、管理会社やオーナーの許可も取りやすいでしょう。ただし、退去時には元のシリンダーに戻す必要があるので注意しましょう。
③穴あけ工事をするタイプ
穴あけ工事で取り付けるタイプのスマートロックです。粘着テープで貼り付けるタイプやシリンダー交換タイプとは違い、簡単には取り外せないため、スマートロックを半永久的に使いたい場合に向いています。また暗証番号入力やICカードなど複数の解錠方法のなかから適したタイプのスマートロックを選択できます。
しかし穴あけ工事タイプは、原状回復ができないため賃貸物件では許可を取るのがむずかしいでしょう。退去時にドアそのものを交換することで許可をもらえるかもしれませんが、賃貸物件であれば、粘着テープで貼り付けるタイプ、またはシリンダー交換タイプの方が手軽でおすすめです。
スマートロックを後付けするならアイネット
セキュリティを重視するのであれば、オートロックありの賃貸物件がおすすめです。ただし、オートロックであっても侵入を100%防ぐことはむずかしいため、自室のドアや窓をしっかり施錠して自衛する必要があります。
また内見時には、オートロックのタイプを確認すると共に防犯カメラの設置箇所や、管理人の有無などもチェックしておくと安心です。
また、スマートロックを後付けすることで自室の玄関ドアをオートロックにすることも可能です。
「アイネット」では、入居者が無料で利用できるインターネット設備のご提供に加え、高性能防犯カメラはもちろん、後付けできるスマートロックをはじめとした豊富なスマートホーム家電をご用意しています。
賃貸物件の空室対策のため、入居者様の満足度向上のため、ぜひ「アイネット」をご検討ください。
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