「引き戸のオートロック後付けガイド:メリットから選び方まで徹底解説」
防犯意識が高まる昨今、注目されているのが「玄関に後付けできるオートロック」です。インターネットなどで検索すると圧倒的に開き戸用のオートロックが目立ちますが、実は「引き戸」に後付けできるオートロックはあるのでしょうか?
今回は、引き戸に後付けできるオートロックについて、設置できる種類やメリットや注意点、工事業者の選び方などについて解説します。
目次[非表示]
- 1.引き戸にオートロックを後付けする5つのメリット
- 1.1.①鍵のかけ忘れを防止できる
- 1.2.②防犯性が向上する
- 1.3.③鍵を持ち歩く必要がなくなる
- 1.4.④遠隔で解錠もできる
- 1.5.⑤子供や高齢者の安全性が向上する
- 2.引き戸のオートロック後付けのデメリット
- 2.1.工事が必要な場合は手間と時間がかかる
- 2.2.工事費用や電池代などの費用がかかる
- 2.3.故障のリスクがある
- 3.引き戸のオートロック後付け方法3種類
- 4.引き戸にオートロックを後付けする際の手順
- 4.1.引き戸にサムターン(錠)が付いている場合(工事不要)
- 4.1.1.①設置の可否を確認する
- 4.1.2.②アカウントを登録する
- 4.1.3.③スマートロック本体をサムターンにかぶせて設置する(シリンダーを交換する)
- 4.1.4.④動作を確認する
- 4.2.オートロックの取り付け工事が必要な場合
- 4.2.1.①工務店などに見積もりを依頼する
- 4.2.2.②オートロックの種類を提案してもらう
- 4.2.3.③工事会社と工事日を決定する
- 4.2.4.④工事後、動作確認をおこなう
- 5.オートロックの技術的な仕組み
- 6.引き戸のオートロック後付けの費用の目安
- 6.1.工事費込みで3万円~5万円程度が目安
- 6.2.オートロック本体の価格は1万円台から
- 7.引き戸のオートロック後付けの業者選びのポイント
- 7.1.実績のある業者を選ぶ
- 7.2.複数の業者から見積もりを取る
- 7.3.アフターフォローが充実している業者を選ぶ
- 8.よくある質問
- 8.1.どんな引き戸に後付けできる?
- 8.2.工事にかかる時間は?
- 8.3.故障した場合の対応は?
- 9.まとめ
- 10.この記事を読んだ方に人気のお役立ち資料一覧
引き戸にオートロックを後付けする5つのメリット
防犯面から人気の高いオートロックですが、昨今では戸建て住宅の引き戸玄関にオートロックを後付けする家庭も増えています。
ここでは引き戸にオートロックを後付けするメリットを5つ紹介します。
①鍵のかけ忘れを防止できる
通常の玄関錠と異なり、オートロックは自動で錠が閉まります。そのため、「鍵のかけ忘れ」がほぼなくなるため、出かけてから「きちんと鍵をかけたかどうか?」と心配する必要がありません。
またスマートフォンのアプリを使ってドアの施錠・解錠の状態をリアルタイムで確認できるスマートロックなら、出先で施錠されているかどうかを確認できるため、より安心できるでしょう。
なお、オートロックは「解錠後に施錠される」仕組みです。そのため帰宅時に鍵を開けて玄関に入り戸を閉めることで自動的に施錠されるので、内側からの鍵のかけ忘れ防止にも効果的です。
②防犯性が向上する
前述したように、鍵のかけ忘れがなくなるため防犯効果が向上します。
鍵をこじ開けて侵入するイメージの強い侵入窃盗(空き巣)ですが、下記のグラフからわかるように、空き巣は施錠されていない玄関や勝手口から侵入するケースが半分を占めています。
【侵入窃盗の侵入手口】
引用:警視庁『住まいる防犯110番 手口で見る侵入犯罪の手口』
自動で施錠されることで鍵のかけ忘れがなくなり、その結果空き巣に狙われる確率が下がります。
また鍵穴がないタイプのオートロックを後付けすれば「ピッキング(ドアの外から鍵穴に特殊な工具を入れて解錠する手口)」被害にあうことがなくなり、防犯性の向上につながるのです。
③鍵を持ち歩く必要がなくなる
引き戸に後付けできオートロックには、暗証番号の入力やスマホのアプリで解錠できるタイプのものが多いです。そのため鍵を持ち歩く必要がなく、鍵を紛失するリスクが軽減します。
鍵を失くしてしまうと帰宅時に解錠できず家に入れなくなってしまいますが、鍵が不要なタイプのオートロックであれば家から閉め出される心配がありません。
また鍵を紛失してしまうと鍵を拾った人に悪用されるおそれもあります。その場合は錠を交換しなくてはならず、数万円の費用がかかります。しかしオートロックであれば、登録情報を更新するだけなので錠を交換せずにすみます。
ただしオートロックの種類によっては、カードキーや電子キーで解錠するタイプもあるため注意が必要です。
④遠隔で解錠もできる
オートロックは自動で施錠してくれるだけでなく、遠隔操作で解錠できるタイプのものもあります。もちろん、外側からだけでなく室内からも解錠できるため、知り合いの来訪時は玄関まで行かずとも解錠することができます。
⑤子供や高齢者の安全性が向上する
前述したように、玄関の引き戸をオートロックにすることで鍵のかけ忘れや鍵の紛失の防止につながるため、特に子供だけの留守番や、鍵の取り扱いが不安なお年寄りのいる家庭におすすめです。
引き戸のオートロック後付けのデメリット
防犯性や安全性が向上する引き戸のオートロック化ですが、一方で以下のようなデメリットや注意点があります。
工事が必要な場合は手間と時間がかかる
引き戸にオートロックを設置する際、引き戸やドア枠に穴をあけるケースも多いです。
その場合は、まず工務店などに現況を確認してもらい、後付けできるオートロックの種類を決めたうえで工事日を決めなくてはなりません。また当日は立ち合う必要があります。
このように引き戸にオートロックを後付けする場合、手間や時間がかかることがあります。
工事費用や電池代などの費用がかかる
オートロックの設置に工事が必要な場合は、オートロック本体の費用とは別に工事費が発生します。また、電池を使用しているタイプのオートロックは電池代が別途かかります。
通常の錠よりも費用がかかるのがオートロックのデメリットのひとつといえるでしょう。
故障のリスクがある
引き戸に後付けするオートロックは電子機器のため、故障してしまうと解錠・施錠ができなくなる場合があるため注意が必要です。
また後付けできるオートロックの多くは電池で稼働するため、電池切れが発生する可能性があります。もし、外出中に電池が切れてしまうと解錠や施錠ができなくなってしまいます。
オートロックを後付けする際は、定期的なメンテナンスや電池の残量をチェックするとよいでしょう。
なお、オートロックの種類によっては電池残量がわかったり、電池切れが近くなるとランプが点って知らせてくれたりするタイプもあります。
引き戸のオートロック後付け方法3種類
引き戸にオートロックを後付けする場合、次の3種類の方法があります。
① 戸先に取り付ける
② 召し合わせに取り付ける
③ 両側の戸先に取り付ける
それぞれ取付方法を紹介します。
①戸先に取り付けるタイプ
引き戸に後付けできるオートロックのほとんどは、戸先に取り付けるタイプになります。
「戸先」とは、引き戸を締めたときにドア枠とぶつかる部分を指し、戸先にオートロックを取り付けた場合、扉を1枚だけロックすることができます。
戸先に後付けできるオートロックの種類は、既存の錠の種類によって異なります。なかには開き戸にも使用できるタイプを取り付けられるケースもありますが、そうでない場合は引き戸本体に穴あけ工事が必要になります。
②召し合わせに取り付けるタイプ
「召し合わせ」とは、引き戸が2枚以上ある「引き違い戸」の引き戸と引き戸が重なる部分です。
召し合わせ部分にオートロックを取り付けるためには2枚の扉を貫通する形で取り付けますが、残念ながら召し合わせに取り付けられるオートロックは先付け・後付けともに種類が少なく、また工事が必須になります。
③引き違い戸は両方の戸先にオートロックを取り付けるケースもある
先述したように、召し合わせ部分に後付けできるオートロックは種類が少ないです。そのため、引き違い戸にオートロックを後付けする場合は、以下のどちらかの方法で取り付けることが多くなります。
・それぞれの戸先にオートロックを取り付ける
・どちらか一方の戸先にオートロックを取り付け、片側の戸先を施錠(固定)して動かさないようにしておく
それぞれの戸先にオートロックを取り付ければどちらかでも出入りができますが、オートロック本体が2台必要になるため、その分の費用が発生します。
片側だけにオートロックを取り付ける場合、費用は1台分で済みますが、片側の戸は開閉できなくなります。
どちらも一長一短あるため、引き違い戸にオートロックを後付けする場合は工事会社とよく相談したうえで見積もりを取るなどして判断することをおすすめします。
引き戸にオートロックを後付けする際の手順
引き戸にオートロックを後付けする場合、設置するオートロックのタイプによって手順が異なります。ここでは2種類の引き戸にオートロックを後付けする手順について紹介します。
引き戸にサムターン(錠)が付いている場合(工事不要)
引き戸にサムターン(錠)がついているときは、「スマートロック(室内側のサムターンに取り付けるタイプのオートロック)」を後付けできるケースがあります。
スマートロックは自動施錠できるほか、スマホアプリと連動して遠隔操作で解錠できたり、解錠・施錠履歴を確認できたり、アプリ上で合鍵を生成することが可能です。
また価格も1万円台で購入できる種類もあり、工事不要で取り付けられるため、低コストで設置できます。
①設置の可否を確認する
まず既存のサムターンがスマートロックに対応しているのかを確認しましょう。
スマートロックは両面テープでサムターンにかぶせる形で取り付けるか、またはシリンダーを交換して設置します。そのため、サムターンの形状や種類によってはスマートロックが対応しないケースがあります。
また両面テープが粘着しにくい材質や形状の場合は、貼り付けたスマートロックがはがれてしまう可能性があるため注意が必要です。
②アカウントを登録する
スマートロックで解錠・施錠できるよう、スマートフォンに各社専用アプリをダウンロードしてアカウント登録をおこないます。その後本体との連携をおこないましょう。
③スマートロック本体をサムターンにかぶせて設置する(シリンダーを交換する)
粘着テープでスマートロック本体をサムターンにかぶせて設置します。またはシリンダーを交換します。
④動作を確認する
取り付けが完了したら自動施錠がおこなわれるか、スマートフォンから鍵が開けられるのか実際にテストして問題がないことを確認しましょう。
オートロックの取り付け工事が必要な場合
引き戸にサムターンが付いていない場合や市販のスマートロックに合致しないときは、既存の錠とは別の箇所にオートロックを取り付けるため工事が必要になります。
①工務店などに見積もりを依頼する
まず、工務店や鍵屋などに見積もりを依頼しましょう。実際に引き戸の形状などを確認してもらう必要があるため、訪問日時を決めましょう。
②オートロックの種類を提案してもらう
自宅の引き戸にあうオートロックの種類を提案してもらい、本体価格や工事費用の見積りを確認します。できるだけ複数の会社に見積もりを依頼し、比較することで、コストをおさえることができます。
③工事会社と工事日を決定する
工事会社を決めたら、工事日を決定します。工事当日は立ち合いが必要になるため、都合のよい日を選びましょう。
④工事後、動作確認をおこなう
工事が終了したら、業者立ち合いのもとで実際にテストして問題がないことを確認しましょう。
オートロックの技術的な仕組み
オートロックとはドアが閉まった際に自動的にカギがかかるシステムのことをいいます。ここでは、オートロック本体のメンテナンス方法や解錠・施錠以外の機能、オートロックの種類を紹介します。
メンテナンス方法は?
自宅の引き戸にオートロックを後付けした場合は、定期的に電池の残量をチェックしたり、両面テープの粘着力をチェックしたりしましょう。
またメカニカルキータイプのオートロックはキーや錠の動きが悪い場合、潤滑油などを使用すると故障の原因になる可能性があります。動きが悪い場合は説明書に従うか、メーカーに問い合わせることをおすすめします。
セキュリティ機能
スマートロックのなかには、火災報知器と連動して一定の室温を超えると自動で解錠してくれる「緊急解錠機能」が搭載されているものがあります。万が一、在宅中に火災が起きてパニックになっても、ドアが自動で解錠されるためスムーズに避難ができるでしょう。
またドアを無理やりこじ開けようとすると警報が鳴るなどセキュリティ機能を搭載したタイプのスマートロックもあります。
オートロックの種類
オートロックはおもに以下のような種類があります。
メカニカルキー
機械的な構造だけで自動的に施錠できるため、電池切れなどの心配がありません。一般的なホテル客室のオートロック(ホテルロック)や、決められた数字のボタンを押して解錠する「キーレックス」などが該当します。
なおキーレックスは、引き戸に後付けできるタイプが複数のメーカーが販売しています。
電子錠
電池を使用し、解錠方法に暗証番号(テンキー入力)、カード、リモコン、指紋認証などが選べるタイプのオートロックです。スマホアプリを利用するスマートロックなどが該当します。自分で取り付け可能なタイプのものも多く、賃貸物件にも向いています。
スマートロックのなかには、サムターン付きの引き戸に対応しているタイプもあるので、コストをおさえてオートロックを設置したい人におすすめです。
電気錠
電気配線工事が必要なタイプのオートロックシステムです。複数の錠を管理できるので、新築の集合住宅や戸建て向きといえるでしょう。
引き戸のオートロック後付けの費用の目安
ここでは引き戸にオートロックを後付けする際に必要な費用の目安を紹介します。
工事費込みで3万円~5万円程度が目安
取り付け費用は業者や工事の内容によって異なりますが、2万円~3万円程度みておけばよいでしょう。オートロック本体費用とあわせて3万円~5万円程度が目安です。
オートロック本体の価格は1万円台から
オートロック本体の価格はスペックによって異なりますが、相場は約2万円~3万円です。スマートロックのなかには本体が1万円以下のものや、月額数百円で利用できるサブスクリプションタイプのオートロックもあります。
また製品によっては、リモコンキーやーハブなどの付属品が別売りとなっているものも多いです。価格は5千円程度のものから数万円など幅があります。
引き戸のオートロック後付けの業者選びのポイント
自宅玄関の引き戸にオートロックを後付けする際は業者に工事を依頼するケースが多いです。ここでは工事業者を選ぶ際のポイントを解説します。
実績のある業者を選ぶ
オートロックの後付け工事にかぎらず、工事業者を選ぶ際は実績の有無を確認しましょう。
業者によっては自社HPで施工事例を掲載していることも多いです。また見積りを依頼する際に、これまでの施工件数を確認するのもよいでしょう。
複数の業者から見積もりを取る
工事業者を選ぶ際は、かならず複数社から見積りを取り、本体価格や工事費用を比較検討しましょう。同じオートロック本体でも価格や工事費用に幅があることはめずらしくありません。
また複数の見積りを比較することで、無駄な出費や足りない費用の有無を見定めることにつながります。
アフターフォローが充実している業者を選ぶ
施工後にトラブルや不具合があった場合を想定して、アフターフォローが充実している業者を選びましょう。万が一解錠できなくなってしまった場合、家に入れなくなるおそれもあります。
そういった緊急トラブルの場合、連絡が付きやすいか、速やかに対応してもらえるかどうか、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。
よくある質問
どんな引き戸に後付けできる?
ほとんどの引き戸にオートロックを後付けすることは可能です。ただし、引き戸や錠の種類によっては工事が必要になります。どういった工事をおこなうかは、設置するオートロックの種類によって異なるため、複数の工事業者の提案や見積もりを比較・検討することをおすすめします。
工事にかかる時間は?
扉の種類や、どのタイプのオートロック本体を後付けするかによって異なりますが、電気工事不要の「メカニカルキー」や「電子錠」タイプのオートロックの場合、専門の業者であれば約1時間で施工が完了します。
故障した場合の対応は?
オートロックは、落雷による停電やカードキーの磁気エラー、オートロック本体やスマホの電池切れ、両面テープタイプの電子錠の落下など、鍵が開かなくなってしまうトラブルが想定できます。
そのため、締め出された際に家に入るための手段として「緊急用の解錠手段」を確認しておきましょう。オートロックの種類によっては、緊急用で電力を供給する機能や緊急解錠用の鍵穴が用意されている場合もあります。
緊急用の解錠手段がわからない場合は、空いている窓がないか確認し窓から入りましょう。
いずれの方法でも室内に入れない場合は、とりあえず鍵屋を呼び開錠してもらうことになります。
故障の原因などが不明の場合は、オーロックのメーカーや施工会社に連絡し、対処方法を確認しましょう。症状によっては無償でアフターフォローをしてくれるケースもあります。
まとめ
引き戸に後付けできるオートロックについて、設置するメリットや注意点を解説しました。
玄関の引き戸に後付けできるオートロックは開き戸に比べると種類が少なく、手間や費用、時間がかかります。
しかし、鍵の閉め忘れがなくなるため、不法侵入の防止につながり防犯効果が高まります。また鍵を持ち歩かずにすむため利便性も向上します。
自宅のセキュリティを強化したい人は、引き戸のオートロック化を検討してみてはいかがでしょうか。
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