賃貸管理会社とは?種類や依頼するメリット、建物管理会社との違いについて解説
「不動産会社」といっても「不動産仲介会社」と「不動産管理会社」では、担当する業務内容が異なります。
では両者はそれぞれ、どのような業務をおこなっているのでしょうか。
今回は不動産仲介会社と不動産管理会社について役割の違いをはじめ、それぞれ業務内容を解説します。
また不動産管理会に業務委託するメリットや選ぶ際のポイント、管理委託手数料の相場もお伝えします。
目次[非表示]
- 1.不動産会社の種類と役割を紹介
- 1.1.不動産会社の役割は?
- 1.1.1.不動産仲介会社(不動産仲介業者)
- 1.1.2.不動産管理会社
- 1.1.3.仲介と管理両方をおこなう会社もある
- 2.不動産管理会社の業務形態は3種類
- 2.1.管理委託方式
- 2.2.サブリース(一括借上)方式
- 2.3.所有型方式
- 3.不動産管理会社に管理委託するメリット
- 3.1.大家さんの負担が軽減する
- 3.2.家賃滞納者への対応をしてくれる
- 4.不動産管理会社の主な業務
- 4.1.入居者の募集
- 4.2.入居審査・賃貸借契約(新規・更新)手続き
- 4.3.退去時の立ち会い・解約手続き
- 4.4.家賃の集金
- 4.5.入居者対応(トラブル・クレーム対応)
- 4.6.共用部の清掃
- 4.7.原状回復工事の手配
- 4.8.建物の維持管理(定期点検・メンテナンス工事)
- 4.9.大規模修繕計画の提案・作成
- 4.10.法定点検の手配
- 4.10.1.消防用設備点検(消防法)
- 4.10.2.簡易専用水道の検査(水道法)
- 4.10.3.浄化槽の保守点検・清掃(浄化槽法)
- 4.10.4.エレベーターの定期点検(建築基準法・労働安全基準法)
- 5.不動産管理会社に業務委託する際の契約方法の種類
- 5.1.不動産管理委託契約
- 5.2.一般管理契約
- 5.3.サブリース(一括借上)契約
- 6.不動産管理会社を選ぶ際に重視したいポイント
- 6.1.集客力はあるか
- 6.2.空室対策の具体的な提案があるか
- 6.3.地域の情報に詳しいか
- 6.4.トラブル発生時の対応力
- 6.5.経営状態は安定しているか
- 6.6.管理実績は豊富か
- 6.7.信頼できる担当者かどうか
- 6.8.顧客満足度は高いか
- 6.9.業務内容に対して管理委託手数料料は妥当か
- 7.不動産管理会社の管理委託手数料の相場はいくら?
- 8.まとめ
- 9.この記事を読んだ方に人気のお役立ち資料一覧
不動産会社の種類と役割を紹介
不動産を扱う会社を総じて「不動産会社」と呼びますが、業務内容によって「不動産仲介会社」と「不動産管理会社」のふたつに分けることができます。
ここでは不動産会社の役割と不動産会社の種類について解説します。
不動産会社の役割は?
前述したように、不動産会社は業務内容によって次のふたつに分けることができます。
① 不動産仲介会社:所有する賃貸物件を第三者に貸したいオーナーと賃貸物件を探している入居希望者を仲介する
② 不動産管理会社:オーナーに代わって賃貸物件の管理業務をおこなう
ふたつの不動産会社について、それぞれの役割をみてみましょう。
不動産仲介会社(不動産仲介業者)
不動産仲介会社の役割は、賃貸オーナーから依頼を受けた物件の入居者を募集し、入居者を決定して賃貸借契約を結び、鍵を引き渡すまでのサポートをおこなうことです。
また賃貸物件の仲介だけでなく、不動産売買の仲介もおこないます。
不動産仲介会社のおもな収入源は、賃貸借契約や不動産売買契約を締結した場合にのみ受け取れる「仲介手数料」と呼ばれる成功報酬です。
なお仲介手数料の上限額は宅建業法で定められており、賃貸契約に関しては家賃の1カ月分+消費税が上限になります。
売買契約の場合は、以下のように物件の価格によって手数料が変動します。
【不動産売買時の仲介手数料の上限】
・物件価格200万円以下 5%の手数料
・物件価格200万円超~400万円以下 4%+2万円の手数料
・物件価格400万円超 3%+6万円の手数料
また不動産仲介会社は宅地建物取引業に該当します。そのため、ひとつの事務所において「業務に従事する者」5人につき1人以上の割合で、専任の宅地建物取引士を設置することが義務付けられています。
不動産管理会社
賃貸物件の管理業務をオーナーに代わっておこなう会社です。賃貸物件の管理は「賃貸管理」と「建物設備」の2種類にわかれます。
賃貸管理会社と建物管理会社の管理業務は、それぞれ以下のようなものがあります。
【主な賃貸管理業務】
・入居者募集
・入居審査
・賃貸借契約(新規・更新)手続き
・退去時の立ち会い、解約手続き
・家賃の集金、延滞時の督促
・入居者対応(トラブル・クレーム対応)
・管理状況の報告 他
【主な建物設備の管理業務】
・共用部の清掃
・原状回復工事の手配
・建物の維持管理(定期点検・メンテナンス工事)
・大規模修繕計画の提案・作成
・法定点検の手配
・リフォームやリノベーションの提案 他
不動産管理会社の管理業務の内容について詳しくは、後述する『不動産管理会社の主な業務』をご覧ください。
管理会社によっては、賃貸管理を専門におこなう「賃貸管理会社」、建物設備の管理だけをおこなう「建物管理会社」、両方の管理をおこなう管理会社もあります。
賃貸管理と建物管理を一社に任せることでソフト面とハード面を一括できるため、連携がとりやすくオーナーにとってメリットが大きいです。
ただし管理会社によっては「賃貸管理には強いが、清掃などの建物管理は不十分」といったケースもあるでしょう。そのような場合は、賃貸管理と建物管理を別々の会社に委託することで、入居者の満足度が高まる可能性もあります。
なお、区分マンションの場合、マンションの管理組合で建物管理をおこなうのが一般的です。そのため区分所有者(大家さん)は賃貸管理のみをおこないます。その代わり、毎月管理費と修繕積立費をマンション管理組合に支払う必要があります。
仲介と管理両方をおこなう会社もある
前述したように、仲介会社と管理会社では、それぞれの業務内容が異なりますが、なかには両方の業務をおこなう不動産会社も少なくありません。
大手不動産会社では、会社内でそれぞれの部署を設けたり、グループ企業の子会社として業務を分けたりしているケースも多いです。
仲介と管理を一社でおこなうことで、オーナーとの連携がスムーズにおこなえるのがメリットです。ただ会社によっては業務の得手不得手がある場合も考えられるため注意は必要です。
不動産管理会社の業務形態は3種類
不動産管理会社の業務形態は、次の3種類にわけられます。
① 管理委託方式
② サブリース(一括借上)方式
③ 所有型方式
ここでは、各業務形態の特徴を紹介します。
管理委託方式
オーナーが所有する賃貸物件の管理業務全般、または一部を不動産管理会社に委託する方法です。その際、オーナーは不動産管理会社に管理委託手数料を支払います。
管理業務の範囲は管理会社によって異なるため、委託する際はどのような業務が料金に含まれているのか、別料金となる業務内容について確認が必要です。
サブリース(一括借上)方式
不動産管理会社(サブリース会社)がオーナーの所有する不動産を一括で借り上げ、管理会社が第三者に転貸しする方法です。管理会社は物件の管理業務のほとんどをおこないます。
管理会社はオーナーに対して、空室の有無に関係なく毎月保障した賃料を支払います。
ただし、定期的に賃料は見直され、空室率が高い場合は家賃の引き下げを要求されるケースもあるため注意が必要です。
所有型方式
不動産管理会社が不動産を所有し、賃貸及び管理をおこなう方法です。賃料のほか、礼金などすべてを管理会社の収入にできます。
不動産管理会社に管理委託するメリット
ここでは不動産管理会社に賃貸管理業務を委託するメリットを紹介します。
大家さんの負担が軽減する
後述しますが、アパートなどの賃貸管理業務は多岐にわたります。そのすべてを大家さんが自主管理をおこなうとなると時間的・精神的負担は非常に重いです。
まず、遠方に物件がある場合は物理的に大家さん自身で管理するのは不可能です。
また設備機器などのトラブルが発生した場合は、昼夜を問わず対応を余儀なくされる可能性もあります。その場合、サラリーマンのようにアパート経営とは別に本業を持つ大家さんにとっては、時間帯によっては対応がむずかしいといえるでしょう。
このような場合に管理業務を管理会社に委託することで、大家さんの負担が大幅に軽減されるでしょう。
特に入居者トラブルは、対応を間違えてしまうと入居者の退去につながるケースもあるため注意が必要です。
管理会社であれば、こういった対応方法のノウハウを持っているため安心して任せることができ、入居者の満足度も期待できるでしょう。
家賃滞納者への対応をしてくれる
不動産管理会社に家賃の集金業務を委託した場合、家賃滞納があった場合は督促などの対応をしてもらえるのもメリットのひとつです。
家賃滞納は長期化するケースも多く、大家さん自身で対応をおこなう場合は時間・労力・費用・精神的に大きな負担となります。
また督促方法によっては違法行為とみなされる場合もあり、そういったルールを知らない大家さんが督促をおこなうと、別のトラブルへと発展するおそれもあるため注意が必要です。
家賃滞納に関する手順などを熟知している管理会社に任せることで、最善の対応が期待できます
不動産管理会社の主な業務
アパートなどの賃貸管理の業務内容は多岐にわたります。管理委託をすることで業務管理は不動産管理会社がおこなってくれますが、もし大家さんが自主管理する場合は大きな負担となるでしょう。
ここでは賃貸管理の主な業務について解説します。
入居者の募集
入居者の退去連絡後、新たな入居者の募集をおこないます。
不動産ポータルサイトや不動産会社の自社ホームページなど、主にインターネットを活用した広告宣伝をおこないます。
また物件についての問い合わせ対応や、入居希望者が内見をする際には案内対応もおこないます。
入居審査・賃貸借契約(新規・更新)手続き
入居申し込み者の入居審査、新規の賃貸借契約や更新契約の代行手続きをおこないます。
入居審査は、入居申し込み者が家賃の支払い能力の有無をはじめ、物件を安心して貸せる人物かどうかを判断します。
昨今は、賃貸契約の際に保証会社を利用するケースも増えているため、その場合は
入居審査で問題なしと判断した場合は、賃貸借契約の締結の手続きをおこない、鍵を引き渡します。
また契約満了後も賃貸借契約を継続する場合は更新手続きが必要です。その際は事前に入居者へ通知し、契約を更新するか否かを確認します。引き続き居住を希望する場合は更新手続きを代行します。
退去時の立ち会い・解約手続き
入居者が退去する際に立ち会い、鍵を返却してもらいます。
その際は室内の状態を確認したうえで、契約時に敷金をもらっている場合は原状回復にかかった費用を差し引きし、過不足分の清算をおこないます。
また、入居者から解約の申し出を受けてから鍵の返却時までの家賃・水道光熱費は、契約上の取り決めによっては最終月の費用は日割計算が必要です。
なお、大家さんと入居者の原状回復費用の負担割合については、国土交通省がまとめた『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』に沿っておこないます。
家賃の集金
毎月の家賃を入居者から集金します。昨今の家賃の支払いは、口座振替やクレジットカード決済などの方法を取っているケースがほとんどであり、現金での集金は少ないです。
口座振替やクレジットカード決済の場合、指定の口座に振り込まれた金額と振込人の名前を確認し、滞納者がいる場合は督促などの対応をおこないます。
ただし、家賃を滞納した入居者が家賃保証会社と契約している場合は、督促業務は家賃保証会社がおこないます。
入居者対応(トラブル・クレーム対応)
物件設備の故障、入居のルール違反、入居者同士のトラブルやクレームなどについて対応します。
入居者からトラブルやクレームの連絡があった場合、対応や解決が遅れてしまうと退去につながることもあるため、迅速かつ適切な対応が求められます。
共用部の清掃
建物の周辺や出入口(エントランス)、廊下・階段、ゴミ置き場、駐輪場などの共用部の清掃をおこないます。
なお清掃業務は、掃き掃除や拭き掃除など日常的な清掃と、高圧洗浄機などを用いて外壁などを洗浄する定期清掃の2種類があります。
原状回復工事の手配
入居者が退去後の室内クリーニング、壁紙の貼り替えや畳の表替えなど、原状回復工事の手配をします。また必要に応じてリノベーションなどの提案もおこないます。
建物の維持管理(定期点検・メンテナンス工事)
物件建物・設備(外壁や屋根、エントランス、共用廊下・階段、駐輪場・駐車場、庭など)の定期点検及び工事の手配をします。
たとえば、共用廊下の電球が切れていないか、外壁にひび割れや剥がれた部分がないか確認し、必要に応じて修繕工事をおこないます。庭の植栽の剪定や除草なども対象です。
大規模修繕計画の提案・作成
一定期間ごとに必要になる大規模修繕の計画について、工事のスケジュールや内容に関して提案し、計画を立てます。
大規模修繕は、外壁塗装や屋根の葺き替え、給排水管の取り換えなど、高額の費用がかかるのが一般的です。そのため費用を算出したうえで、大規模修繕費の積立てをおこなう必要もあります。
法定点検の手配
物件の建物及び設備の維持管理には、不動産管理会社が任意でおこなう定期点検などのほかに、各種の法律に基づいて点検が義務化されている「法定点検」があります。
ここでは法定点検の種類を紹介します。
消防用設備点検(消防法)
消防法令で設置が義務とされた消防設備(消火器や屋内消火栓、自動火災報知設備など)が火災発生時に正常に作動するよう、定期的に点検・報告をする制度です。
点検・報告は、消防設備士または消防設備点検資格者がおこなわなければなりません。
簡易専用水道の検査(水道法)
有効容量が10tを超える受水槽・高架水槽によって給水する場合、1年以内ごとに1回以上の清掃・水質検査・水槽の点検が義務付けられています。
なお検査をおこなえるのは、厚生労働大臣の登録を受けた機関によって実施する必要があります。
浄化槽の保守点検・清掃(浄化槽法)
浄化槽を設置している場合、年間3回程度の保守点検と年1回の清掃が必要です。また定期的な水質検査もあります。
エレベーターの定期点検(建築基準法・労働安全基準法)
年に1度、エレベーターが異常なく安全に使用できるかどうか、安全装置、ワイヤーロープ、ガードレールなどの点検をします。
不動産管理会社に業務委託する際の契約方法の種類
ここでは、賃貸物件の管理業務を管理会社に業務委託する際の契約方法について解説します。
不動産管理委託契約
賃貸物件オーナーが管理業務を委託する際に不動産管理会社と取り交わす契約のことを「不動産管理委託契約」といい、「一般管理契約」と「サブリース契約」の2種類の契約方法があります。それぞれについて見てみましょう。
一般管理契約
不動産管理会社に物件の管理業務の全般または一部を管理委託する際の契約方法です。前述したように、委託する業務内容は「賃貸管理」と「建物管理」にわかれ、それぞれを別々の会社に委託することもできます。
一般管理契約の場合、賃貸借契約はあくまでオーナーと入居者で締結します。
そのため家賃のほか、敷金や礼金などの収入に関わるすべての金額をオーナー自身で設定することができ、空室期間が少なければ比較的高い収益を見込めます。
ただし家賃設定が相場よりも高い場合、入居者が決まらず収入が得られないおそれもあります。家賃を決める際は周辺の家賃相場を参考にし、適切な額に設定することが大切です。
サブリース(一括借上)契約
サブリース(一括借上)方式で管理委託する際に交わす契約方法です。
前述したとおり、不動産管理会社(サブリース業者)がオーナーから賃貸物件を一括で借り上げて第三者に転貸しします。
サブリース契約は、管理会社と入居者が直接賃貸借契約を結び、管理業務のほとんどについても管理会社が代行するのが特徴です。
サブリース契約を結ぶメリットは空室の有無に関係なく、管理会社からオーナーに毎月一定額の賃料が保証される点です。
一方で、サブリース契約の管理手数料は一般仮契約に比べて割高なため、通常の賃貸時よりも収入が少なくなってしまいます。また賃料の見直しで家賃を引き下げられる可能性もあります。
またサブリース契約では、入居審査や施工業者はすべて管理会社が決めるため、オーナーの意思がほとんど反映されないのもデメリットです。
不動産管理会社を選ぶ際に重視したいポイント
ここでは不動産管理会社を選ぶ際に重視したいポイントを解説します。
集客力はあるか
集客力のある管理会社かどうかは、不動産管理会社に業務を委託するうえで非常に重要なポイントです。集客力があることは、それだけ空室リスクを減らすことができ、収益の改善につながります。
もし管理会社に集客力がなければ入居者が見つからず空室が増加し、収入が減少します。すると月々のローン返済や税金の支払いに影響を及ぼします。
管理会社の集客力を見きわめる簡単な方法は、管理会社が公表している「平均空室期間」「入居率」を確認することです。その際は、管理物件の入居率が95%以上かどうかを目安に判断するとよいでしょう。
空室対策の具体的な提案があるか
空室を埋めるための具体的な提案をしてもらえるかどうかも、管理会社を見きわめる大事なポイントのひとつです。
空室を埋めるために「家賃の値下げ」というような提案しかしない管理会社は信頼がおけません。
たしかに設定した家賃が周辺の家賃相場よりもかなり高い場合は、適切な額に家賃を引き下げることは有効な空室対策につながるケースもあります。
しかし相場を無視した家賃の引き下げはキャッシュフローを悪化させるおそれがあるため、安易におこなうべきではありません。
管理会社を選ぶ際は、オーナーの利益を優先した空室対策の提案をしてくれる会社を選びましょう。
地域の情報に詳しいか
物件周辺の情報に詳しいかどうかも管理会社を選ぶ際の基準になります。
その地域の雰囲気や治安などの周辺情報は、ターゲットにする入居者層を決めるうえで非常に重要です。
地域に詳しいかどうかを見極める際は、管理会社の本店や支店が当該エリアにあるかどうか確認するとよいでしょう。
トラブル発生時の対応力
入居者からトラブルやクレームがあった際、どれだけ迅速に的確に対処できるかも重視する必要があります。
管理会社のトラブル発生時の対応力をチェックする際は、次のポイントを確認しましょう。
・24時間365日対応が可能か
・連絡があった際、物件まで1時間程度で到着できるか
・トラブルに対応できる人員が備わっているか
・過去のトラブル対応事例
万が一、管理会社の対応が遅かったり、不十分だったりすると入居者の退去につながるケースもあるため注意が必要です。
経営状態は安定しているか
管理会社を選ぶ際は経営状況に問題がないかどうか、かならずチェックしましょう。
管理会社に賃貸管理を委託した場合、一旦管理会社が家賃を預かり、その後オーナーの口座に振り込まれます。しかし管理会社の経営が悪化するとオーナーへの家賃振込みが遅れたり、振込みがされないまま管理会社が倒産したりするケースもあります。
経営状況を確認するためには管理会社の担当者に確認するだけではなく、信用調査会社など第三者に調査を依頼し、各種データを比較するとより安心です。
管理実績は豊富か
管理実績が豊富であれば、さまざまな管理業務に関するノウハウを持っていると考えられます。その蓄積されたノウハウを活かし、緊急時の迅速で的確な対応や熟練したスタッフの確保など、高い管理能力が期待できるでしょう。
管理実績が豊富かどうかを判断するためには、これまでの管理戸数や入居率を確認しましょう。
会社によっては自社ホームページなどに掲載している場合があります。掲載がない場合は、管理会社の担当者に直接確認し、できるだけ管理戸数が多く、高い入居率をキープしている管理会社を検討しましょう。
信頼できる担当者かどうか
管理会社の連絡窓口となる担当者との相性や信頼度も、管理会社を選ぶ際の大事なポイントのひとつです。
信頼できる担当者は、入居者トラブルが発生した場合のレスポンスが早く、こまかな相談も親身に答えてくれるため、オーナーだけでなく入居者の満足度も高まります。
反対に担当者のレスポンスが遅いと、入居者の不満が募り退去につながるなど賃貸経営に悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。
優良な管理会社であっても担当者によって個人差があります。管理会社を選ぶ際は会社を直接訪問し、全体やスタッフの雰囲気を確認することをおすすめします。
顧客満足度は高いか
実際の顧客満足度の高さも管理会社を選ぶ際のポイントになります。
顧客満足度を計るには、管理会社のホームページやパンフレットなどに掲載されている顧客満足度のアンケート調査結果や顧客の声などを参照しましょう。
またそのほか、口コミサイトの評価やコメントや不動産管理会社ランキング結果などを参考にしたうえで判断するとよいでしょう。
業務内容に対して管理委託手数料料は妥当か
管理委託手数料が相場よりも極端に安い場合、必要とする業務内容が別料金になっているケースもあるため注意が必要です。
管理会社を選ぶ際は管理委託料の安さだけで決めるのではなく、どのような業務が含まれているか、オプションになる業務の料金などをかならず確認しましょう。
不動産管理会社の管理委託手数料の相場はいくら?
不動産管理会社に管理業務を委託する場合、「管理委託手数料(管理手数料)」が発生します。
管理委託手数料の相場は管理会社との契約の種類によって異なり、それぞれの相場は以下のようになります。
一般管理契約(管理委託方式)の管理委託手数料の相場
すべての管理業務を委託した場合、管理委託手数料の相場は月額あたりの賃料の5%~8%程度が一般的です。
管理委託手数料は、「家賃収入×○%」のように歩合制で設定している管理会社もあれば、空室に関わらず一定の割合で徴収される場合もあります。
後者の場合、特に管理委託手数料が高い管理会社と契約してしまうと、月々の管理委託手数料が負担になるため注意が必要です。
なお一般管理契約の場合、管理業務のうち一部だけを委託することも可能です。その場合は業務内容によって料金が異なり、集金管理のみであれば3%程度が相場になります。
オーナーの負担は増えますが、できるだけコストをおさえたい場合にはおすすめです。
また前述したように、管理委託手数料に含まれる業務は管理会社によって大きく異なります。
手数料に含まれている業務内容をしっかりと確認し、複数の管理会社を比較したうえでコストパフォーマンスの優れた管理会社を選ぶとよいでしょう。
サブリース(一括借上)契約の管理委託手数料の相場の相場
サブリース契約を結んだ際の管理委託手数料相場は、月額当たり賃料の10%〜20%となり、管理委託方式よりも割高になります。
サブリースをおこなう管理会社は、空室の有無に関係なく満額の家賃から所定の管理委託手数料を差し引き、残りの額を月額賃料としてオーナーに支払います。
なおサブリース契約では、管理業務の全般を委託することになります。そのため業務の一部だけを委託することはできません。
まとめ
不動産の賃貸や売買を仲介する「不動産仲介会社」と、賃貸物件のオーナーに代わって管理業務を委託する「不動産管理会社」の2種類について解説しました。
同じ「不動産会社」であってもそれそれの業務内容は異なるため、目的にあった会社を選ぶよう注意しましょう。
特に賃貸物件のオーナーにとって管理会社は、長期にわたり大事なパートナーとなります。そのため管理会社を選ぶ際は、集客力をはじめトラブル発生時の対応力や窓口となる担当者の信頼度など、さまざまなポイントをチェックしたうえで慎重に選びましょう。
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