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賃貸の人気設備はなに?導入時の費用や期間、選び方も紹介


賃貸経営の空室対策として、また家賃アップの方法として、人気設備の導入は効果的な方法のひとつです。
 
ただし人気設備だからといって、やみくもに設備を導入してしまうと費用ばかりがかかる割に収益に結びつかないケースもあるため注意が必要です。
では、設備を選ぶ際はどのような基準で選べばよいのでしょうか。
 
今回は賃貸物件で人気設備ランキングや、各設備の導入費用・導入期間の目安を紹介するとともに、入居率や家賃を上げるために効果的な設備の選び方を解説します。


目次[非表示]

  1. 1.賃貸物件に必須の人気設備TOP10
    1. 1.1.単身者向け人気設備TOP10
    2. 1.2.ファミリー向け人気設備TOP10
  2. 2.賃貸に導入すべき人気設備の費用の目安や導入期間
    1. 2.1.エアコン
    2. 2.2.TVモニター付きインターホン
    3. 2.3.室内洗濯機置き場
    4. 2.4.インターネット無料
    5. 2.5.温水洗浄便座
    6. 2.6.3点ユニットバスの分離工事
    7. 2.7.宅配ボックス
    8. 2.8.エントランスのオートロック
      1. 2.8.1.低コスト・短期間で導入できるオートロックシステム「Ai.Lock(アイロック)」
    9. 2.9.防犯カメラ
    10. 2.10.24時間利用可能ごみ置き場
  3. 3.賃貸物件の入居率・家賃アップに効果的な設備の選び方
    1. 3.1.物件の入居者ニーズに合った設備を選ぶ
    2. 3.2.周辺の競合物件と比較して必要な設備を選ぶ
    3. 3.3.不動産会社に相談して選ぶ
  4. 4.まとめ
  5. 5.この記事を読んだ方に人気のお役立ち資料一覧


賃貸物件に必須の人気設備TOP10

賃貸物件の入居率や家賃を上げるためには、入居者にとって魅力的な設備の導入は欠かせません。効果的な設備を選ぶためには、まず最新の設備の種類や導入傾向の把握をしておく必要があります。
 
設備のトレンドを知るために参考になるのが、全国賃貸住宅新聞が毎年おこなっている設備ランキングです。ここでは全国賃貸住宅新聞の設備ランキングから、『この設備がなければ入居が決まらないTOP10 』の2023年度の結果から、単身者向けとファミリー向けの人気設備を紹介します。


単身者向け人気設備TOP10

単身者向けの設備ランキングは以下のようになります。
 
1位:エアコン
2位:TVモニター付きインターホン
3位:室内洗濯機置き場
4位:インターネット無料
5位:温水洗浄便座
6位:独立洗面台
7位:宅配ボックス
8位:エントランスのオートロック
9位:備え付け照明
10位:高速インターネット(1Gbps以上)
 
参考:全国賃貸住宅新聞『エアコンが初登場2冠【入居者に人気の設備ランキング2023 必須編】
 
ランキングの1位は「エアコン」という結果でした。
これまでランク外だったエアコンが1位に選ばれた理由としては、2023年の猛暑の影響でエアコンの需要が増加したと推測されます。
 
近年は利便性重視の設備が好まれる傾向が強かった中、快適な暮らしに必須とも言えるエアコンが1位を獲得したことで、今後はエアコン未導入の部屋が入居付けに苦戦することも考えられます。
 
ただエアコンは後付けが可能で、ワンルーム用であれば比較的安価に導入することも可能です。エアコンを導入することで入居付けが有利になる可能性は十分あるため、エアコン未導入物件の場合は設置を検討することをおすすめします
 
2位のTVモニター付きインターホンは3年連続2位にランクインしていることから、安全な暮らしには欠かせない設備のひとつとして定番化していると考えられます。
 
そして3位は室内洗濯機置き場でした。
実は全国賃貸住宅新聞の同アンケート調査の番外編である「入居希望者に敬遠される設備TOP10」において、「室外洗濯機置き場」が2位にランクインしています。
 
この結果から室内洗濯機置き場は、2位のTVモニター付きインターホン以上に「あって当然」の設備となっていることがうかがえます。
 
それ以外のランキングを見ると、4位のインターネット無料や10位の高速インターネット(1Gbps以上)がランクインしています。
 
同アンケート調査結果の「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても入居が決まるTOP10」では、単身者向け、ファミリー向けどちらも「インターネット無料」が第1位となり、「高速インターネット」も、単身者向けで3位、ファミリー向けで6位と需要が広がりつつあります。
 
今後、物件の付加価値や入居率、家賃の値上げを目的に設備の導入をおこなう際は、真っ先に検討したい設備のひとつになるでしょう。


ファミリー向け人気設備TOP10

ファミリー向けの設備ランキングは以下のようになります。
 
1位:エアコン
2位:室内洗濯機置き場
3位:TVモニター付きインターホン
4位:独立洗面台
5位:追い炊き機能
6位:温水洗浄便座
7位:インターネット無料
8位:システムキッチン
9位:エントランスのオートロック
10位:ガスコンロ(2口・3口)
参考:全国賃貸住宅新聞『エアコンが初登場2冠【入居者に人気の設備ランキング2023 必須編】
 
 
第1位は、単身者向けと同じくエアコンでした。
また順位が前後しますが、室内洗濯機置き場とTVモニター付きインターホンが2位と3位と、単身者向けと同様の結果です。
 
また、5位の追い炊き機能や8位のシステムキッチンなど、居住人数が多いファミリー向け物件では、暮らしやすさを重視する設備が人気であることを踏まえて、設備を選ぶとよいでしょう。


賃貸に導入すべき人気設備の費用の目安や導入期間

ここでは、前述した人気設備ランキングにランクインした各設備について、導入費用や導入までに要する期間の目安を紹介します。
工事期間などを要する設備もあるので、導入する際は余裕を持って検討しましょう。


エアコン

前出のアンケート結果から単身者向け・ファミリー向けともに第1位だったエアコンは、ターゲットの性別や年代、属性を問わず、ぜひ導入したい設備です。
もしエアコンが未導入であれば、早めに導入することをおすすめします
 
工事費を含めたエアコンの導入費用は、11~15万円(工事費含む、ワンルームの場合)程度が目安です。またエアコンの設置時間は、1台当たり2時間程度ですが、既存のエアコンと交換する場合は取り外し工事が必要です。
 
なおエアコン工事は初夏から夏にかけて繁忙期なため、タイミングによっては希望する日時に取り付け工事ができない場合もあるため注意しましょう。


TVモニター付きインターホン

単身向け、ファミリー向けともに上位にランクインするTVモニター付きインターホンですが、特にセキュリティを重視する女性単身者やファミリー世帯に人気の設備です。
 
TVモニター付きインターホンの機能によって価格帯が異なります。
 
来訪者の映像を映して会話ができるだけの簡易なものであれば1万円台から購入できます。
録画画像をズームアップできたり、火災報知機などと連動できたり、外出先でもスマホで来客対応ができるなど、高性能タイプであれば6万円程度が目安となるでしょう。
また配線工事が必要な場合は工事費が2~3万円程度必要です。
 
導入にかかる期間は配線工事の有無によって異なります。配線工事が不要なタイプは30分程度、配線工事が必要な場合は1~3時間程度かかります。


室内洗濯機置き場

室内洗濯機置き場は、すでに「あって当然」の設備であり、この設置がなければ入居者に敬遠されてしまう可能性が大きいです。このままでは客付けに不利なため、できるだけ早くリフォームをおこなうことをおすすめします。
 
室内に洗濯機置き場を設置する際は、給排水設備工事やコンセント工事が必要です。導入費用の目安は15~25万円、工事期間も1部屋あたり1週間程度かかります。
入居者がいるあいだに工事をおこなうはむずかしいため、空室時にリフォームをおこないましょう。

インターネット無料

全国賃貸住宅新聞の設備ランキング「この設備があれば周辺物件より家賃が高くても入居が決まる」で、単身者向けで9年連続1位、ファミリー向けでも8年連続1位を獲得しているインターネット無料は、すでに入居者が賃貸物件を選ぶ際の重要な条件のひとつになっています。
 
また2023年度の結果では、高速インターネット(1Gbps以上)もランクインしていることから、すでにインターネット設備はあって当たり前であり、さらなる付加価値が求められていることがうかがえます。
 
インターネット無料を導入する場合の費用は、物件の規模(構造・戸数など)によって異なりますが、約50~120万円程度が目安になります。また導入後は月額使用料として1~3万円程度が必要です。
 
導入に要する期間は有線回線か無線回線かによって変わりますが、申し込みから1~2カ月程度が一般的です。
 
インターネット無料は、各提供会社によって料金に幅があります。そのため複数の会社から見積りを取り、比較検討することをおすすめします。
 
コストはかかりますが、導入することで周辺物件との差別化につながる人気設備です。空室対策や家賃アップを期待する場合は検討してみましょう。


温水洗浄便座

単身者向け、ファミリー向けともに人気設備である温水洗浄便座は、便座部分だけ交換する場合は工事費込みで3万円前後と安価で導入できます。
さらにコストカットしたい場合は、便座本体を購入して大家さん自身で設置することも可能です。その場合は便座本体の購入費2万円程度で済みます。
 
取り付け時間は、1台当たり1~2時間程度なので、「空室対策をしたいがコストや時間はかけたくない」という場合におすすめの設備です。


3点ユニットバスの分離工事

一昔前は一般的な設備だった3点ユニットバスですが、2023年の「入居希望者に敬遠される設備TOP10」では第1位と、もっとも人気のない設備となっています。3点ユニットバスの物件は空室率も高めなため、空室を埋めるために賃料を下げるなどの対策が必要なケースも少なくありません。
 
そのため最近では3点ユニットバスを分離し、バスルーム、トイレ、洗面台をそれぞれ独立させる工事をおこなうケースも増えています。
 
3点ユニットバスの分離工事は工事内容によって費用と期間が変わります。費用の目安は以下のようになります。
 
トイレとシャワールームに分離:60~80万円
ユニットバスとトイレ・洗面所に分離:80~100万円
3点すべて分離:100~150万円
 
工事期間は1室あたり3週間~1ヶ月程度が目安になります。入居者がいる状態では工事はできないため空室期間におこなう必要があります。
 
ただし、3点ユニットバスを分離する際は設置場所を確保するために、収納スペースや居室面積が小さくなるケースもあるため、ワンルームなど専有面積が小さな物件などは注意しましょう。また費用も高額なため、どの程度の費用対効果が見込めるのか、かならず確認しましょう。


宅配ボックス

コロナ禍をきっかけにECサイトの利用者が増えたことで、宅配ボックスのニーズも高まっています。
 
また荷物の受取人が不在時の「再配達」の増加問題や、働き方改革関連法案のドライバー労働時間の削減によるドライバー不足の懸念から、政府は置き配や宅配ボックスなどの活用を推進しています。そのため今後はさらに集合住宅への宅配ボックスの設置が増加すると考えられています。
 
宅配ボックスは後付けで設置できるタイプも多く、設置場所さえ確保できれば簡単に導入が可能です。
導入費用は宅配ボックスの種類や大きさによって異なりますが、エントランスなどに置くロッカータイプの費用目安は10~50万円ほどで、別途設置料が10万円程度必要です。


エントランスのオートロック

エントランスのオートロック設備は、単身者向け8位、ファミリー向けで9位と、どちらも設備ランキングTOP10入りしている人気の設備です。
特にセキュリティを重視する入居者からの需要が高く、設置していることで物件の価値が向上し、空室対策にもつながります
 
ただ、オートロックの設置費用は高額です。賃貸物件にオートロックを導入する場合、施工業者によって費用は異なりますが、1戸あたり15万円程度が目安になります。たとえば10戸のマンションへのオートロック導入費用は150万円になります。
 
また、TVモニター付きインターホンを各部屋に設置するため、各戸の日程を調整して工事をおこなう必要があり、完全に工事が終了するまで1ヶ月程度かかるケースもあります。


低コスト・短期間で導入できるオートロックシステム「Ai.Lock(アイロック)」

「Ai.Lock(アイロック)」は、オートロック機能を搭載した最新 IPインターフォンシステムです。
「Ai.Lock(アイロック)」は、プランによって宅内配線工事不要で簡易的に設備を導入できるため、各戸の工事が不要です。そのため新築物件はもちろん、入居者が住んでいる既存物件でも、低コストかつ短期間で工事が完了します。
 
またさらにコストを抑えたい場合は、弊社「アイネット」の無料インターネット設備を併せて導入いただくことで工事費用をおさえることもできます。
 
「Ai.Lock(アイロック)」では、スマートフォンがTVモニター付きインターホンの役割を持ちます。スマホを持っていれば、留守中でもTV電話を通じて来訪者と会話ができ、遠隔操作でオートロックの解錠もできるので置き配の指定も簡単です。
 
従来のオートロックシステムよりも低コストで導入できる、オートロック機能を搭載した最新 IPインターフォンシステム「Ai.Lock(アイロック)」を、ぜひご検討ください。
 
「Ai.Lock(アイロック)」のお問い合わせはこちらから!


防犯カメラ

『この設備がなければ入居が決まらないTOP10 』には入っていませんでしたが、TVモニター付きインターホン、オートロックと並んで人気の設備です。
エントランスやエレベーター内のほか、駐輪場・駐車場、ゴミ置き場などに防犯カメラを設置することで、防犯効果が高まるため入居者の安全安心な暮らしにつながります
 
防犯カメラの導入費用の目安は、屋内用で10万円~、屋外用は15万円~になります。また別途工事費用が発生する場合もありますが、設置場所や物件の構造によって異なります。
工事期間も工事内容によって変わってくるため、複数の業者から見積りを取り、比較検討することをおすすめします。


24時間利用可能ごみ置き場

『この設備があれば周辺相場より家賃が高くても入居が決まるTOP10』では、単身向けで9位、ファミリー向けで8位にランクインしています。忙しいサラリーマンや共働き家庭には嬉しい設備のひとつです。
 
24時間利用可能ごみ置き場を用意する場合、物件敷地内にゴミストッカーを設置するのが一般的です。
ゴミストッカーは、さまざまなサイズや種類があります。常設する必要があるため、できるだけ丈夫で掃除などの手入れが簡単で、かつ物件の規模にあったサイズのものを選びましょう。
 
導入費用はゴミストッカーのサイズによって異なりますが、10~30万円程度が相場になります。
なおステンレス製のゴミストッカーを設置する場合は、動かないように固定するアンカー工事が必要なため、別途工事費が2万円程度かかります。


賃貸物件の入居率・家賃アップに効果的な設備の選び方

人気の設備は種類が多く、どんな基準でどれを選べばよいか迷ってしまう人も多いでしょう。間違った設備を選んでしまうと収益を上げるどころか、導入資金を回収することもむずかしくなってしまいます。
ここでは、効果的な設備を選ぶ際におさえておくべきポイントを解説します。


物件の入居者ニーズに合った設備を選ぶ

設備を選ぶ際は、所有物件の入居者ニーズに合った設備を選ぶ必要があります。たとえば、女性入居者が多い物件であれば、セキュリティ関連の設備を充実させることで既存入居者の退去防止につながりやすく、新規の入居者も呼び込みやすくなります。
 
また設備ランキング上位であっても、所有する物件の入居者ニーズに合わない場合も多いです。
入居者ニーズに合わない設備を導入してしまうと、設備が過剰になりすぎてしまいます。しかも設備投資をしたことで家賃を上げてしまうと、「この設備はいらないから、設備がなくても家賃の安いところを探そう」と却って敬遠されてしまう可能性もあるため注意が必要です。
 
設備を導入する際は入居者ニーズを把握することが重要です。まずはレントロールなどから、現在の入居者の性別、年齢、職業などを確認してみましょう。入居者の傾向がわかれば、あらためてニーズの高そうな設備を検討することで、効果的な設備を選ぶことにつながります。


周辺の競合物件と比較して必要な設備を選ぶ

賃貸経営をおこなううえで、周辺の競合物件の情報を知ることは非常に重要です。
複数の競合物件を調査し、どのような設備が導入されているのか確認することで、所有物件に足りない設備や、差別化につながる設備を把握することにつながります
 
競合物件に導入されている設備の調べ方は、「SUUMO」や「アットホーム」などの大手賃貸ポータルサイトで、同じエリア内で、所有物件と似た条件の物件を探してみましょう。
多くの競合物件で導入している設備が所有物件にない場合は入居付けに不利になります。
 
逆に、競合物件でほとんど導入されていない設備は、所有物件に導入することで差別化につながり、入居付けに有利になる可能性があります。ただし、導入されていない理由が「入居ターゲットに合わない」というケースもあるため注意が必要です。


不動産会社に相談して選ぶ

どのような設備を導入すればよいか判断がむずかしいときは、不動産会社に相談してみましょう。多くの賃貸物件を取り扱う不動産会社ではこれまでの実績や経験から、入居者ニーズの高い設備などを把握しやすい立場にあります。
 
中でも特に頼りになるのが地元の不動産管理会社です。地元だけあって周辺の競合物件の管理も数多くおこなっているため、設備の動向なども把握しているはずなので、より効果的な設備を選ぶアドバイスが期待できるでしょう。


まとめ

空室対策や家賃アップを目的に設備を導入する際は、入居者ニーズの高い人気設備を選ぶのがポイントです。ニーズの低い設備を選んでしまうと、費用ばかりかかって収益に結びつかないため注意が必要です。
 
どのような設備がよいか、ひとりで決められないときは、実績と経験が豊富な不動産会社に相談するのもおすすめです。
近隣の競合物件の設備導入状況も確認し、どのような設備が効果的なのか、しっかり検討していきましょう。


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岩崎
岩崎
不動産ジャンルのライター歴は2年半以上。その間、100本以上のコラム構成・執筆を担当。満室経営を目指す大家さんに役立つ記事をお届けします。

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