賃貸物件の途中解約は可能?違約金相場と手順を解説
一般的な賃貸物件は、契約期間が2年程度という場合がほとんどです。
しかし2年経たずに引越しが必要になった場合、途中解約はできるのでしょうか?また違約金は必要でしょうか?
賃貸契約期間内に解約する際は、契約内容や特約の有無によって条件が異なります。そのため、きちんと契約内容を把握しておかないと、本来は発生しないはずの違約金の支払いが必要になるおそれもあるため注意が必要です。
今回は賃貸契約期間内に解約する場合に、違約金の発生条件や相場などを詳しく解説します。
目次[非表示]
- 1.賃貸物件の契約期間内に解約する際の注意点
- 1.1.途中解約前に契約書などを確認する
- 1.1.1.定期借家契約は、原則として途中解約できない
- 1.2.途中解約をするには「退去予告」は必須
- 2.賃貸借契約内に解約する際の違約金の相場は?
- 2.1.違約金の発生条件
- 2.2.賃貸借契約を中途解約した場合の違約金の相場は?
- 3.賃貸借契約を途中で解約する手順
- 3.1.①重要事項説明書及び賃貸借契約書を確認する
- 3.2.②退去予告期限までに管理会社または貸主(大家さん)に退去予告をおこなう
- 3.3.③退去予告した日時までに引越し準備をおこなう
- 3.4.④引っ越し後、退去の立ち会いをおこなう
- 3.5.⑤敷金の返還など精算
- 4.まとめ
- 5.この記事を読んだ方に人気のお役立ち資料一覧
賃貸物件の契約期間内に解約する際の注意点
結論から言うと、契約期間内の賃貸物件であっても退去予告期限までに「退去予告」をおこなえば解約することは可能です。
ただし契約内容や特約によっては、中途解約できない場合もあるため注意しましょう。
ここでは賃貸借契約期間内の解約について、注意すべきポイントを解説します。
途中解約前に契約書などを確認する
まず、重要事項説明書及び賃貸借契約書を確認しましょう。
この2種類の書類には賃貸借契約の種類をはじめ、契約期間内に解約する場合の手続き方法(連絡期日や連絡先)や、違約金の発生条件などについて記載されています。
賃貸借契約の種類が「普通借家契約」の場合、事前に退去予告をおこなえば契約期間満了前であって解約が可能です。
ただし敷金・礼金が0円やフリーレントなど特別な条件で入居した場合は、重要事項説明書及び賃貸借契約書に「短期解約違約金」が設定されていることがあるため注意が必要です。
定期借家契約は、原則として途中解約できない
「定期借家」で契約している場合は原則として、契約期間内の解約はできません。
定期借家契約は、2年間や3年間などのように契約期間が定められています。定期借家契約は、基本的に契約期間の終了時に物件の明け渡しがおこなわれるため、普通借家契約よりも「家賃が安い」などのメリットが設けられています。
そのため途中解約ができない契約になっています。
ただし、定期借家の契約期間内であっても、事前に特約(解約権留保特約)を結んでいた場合や、正当な理由(転勤、病気・ケガなど、やむを得ない住みつづけることが困難になったなど)があれば解約が可能です。
また、定期借家契約で結んだ契約期間の残りの月数の賃料を違約金として支払えば、即時解約ができます。
たとえば契約満了までの残り3ヶ月ある場合、違約金として3ヶ月分の賃料を一括で支払うことで契約期間内であっても解約が可能になります。
定期借家契約を結ぶ際は、「契約期間内に解約できる条件・違約金の有無や金額」を確認したうえで契約を結ぶことをおすすめします。
途中解約をするには「退去予告」は必須
普通借家契約、定期借家契約に関わらず、契約期間内に解約する場合は退去予告をおこなう必要があります。
普通借家契約の場合は、賃貸契約書に退去予告期限に関して記載されており、退去の1ヶ月~3ヶ月前までに退去を申し出るとされているのが一般的です。
そのため、「明日で解約したい」「今週末退去します」など、借主(入居者)側の事由による急な解約は原則としてできません。
賃貸借契約内に解約する際の違約金の相場は?
ここでは、賃貸契約期間内の解約で違約金が必要になるケースや違約金の相場について解説します。
違約金の発生条件
前述したように、重要事項説明書及び賃貸借契約書に特に記載がない場合、違約金は発生しません。
ただし、退去予告をおこなったうえで予告した退去日までに退去する必要があります。
重要事項説明書及び賃貸借契約書に、途中解約に関する違約金について記載がある場合は契約内容に従う必要があります。
たとえば「賃貸借契約締結後、1年以内に解約する際は1カ月分の賃料を違約金として支払う」などの記載がある場合は、違約金を支払わなくてはなりません。
もし転勤など、短期間で引っ越す可能性がある場合は、短期解約の違約金が定められていない賃貸物件を探しましょう。
賃貸借契約を中途解約した場合の違約金の相場は?
賃貸借契約中に解約した場合の違約金は、家賃の1ヶ月分程度が相場です。ただし契約内容によって金額は異なります。
特に、「敷金・礼金が0円」や「フリーレント」など特別な条件で入居した場合は、重要事項説明書及び賃貸借契約書に「短期解約違約金」が設定されているケースが多いです。
フリーレントとは、入居後の一定期間は家賃が無料になる契約です。家賃が無料になる期間は契約内容によって異なります。
短期解約違約金は「賃料の1ヶ月~2ヶ月分」が相場となり、設定期間は「契約6ヶ月~2年未満」程度となりますが、こちらも契約内容によって異なります。
賃貸借契約を途中で解約する手順
ここでは契約期間中の賃貸物件を解約する際の流れについて紹介します。
①重要事項説明書及び賃貸借契約書を確認する
退去予告期限は契約内容によって異なります。そのため、退去することを決めたら重要事項説明書及び賃貸借契約書に記載されている退去予告期限を確認しましょう。
一般的に「1ヶ月~2ヶ月前まで」とされているケースが多いですが「3ヶ月前まで」設定されている場合もあります。
②退去予告期限までに管理会社または貸主(大家さん)に退去予告をおこなう
退去予告期限までに管理会社または貸主(大家さん)に退去予告をおこなうことで、違約金なしで賃貸借契約の途中解約が可能です。
ただし、退去予告期限を過ぎてしまっているにもかかわらず、それでも解約したい場合は規定の違約金を支払って即時解約することも可能です。
③退去予告した日時までに引越し準備をおこなう
退去予告した場合、その日までに鍵の返却をおこなう必要があります。そのため新しい住居を決めたり、引越し業者の手配をしたり、引越しの準備をおこないます。
同時に電気・水道・ガスなどを止める手続きをおこないます。また火災保険に加入している場合も、忘れずに解約手続きをおこないましょう。
④引っ越し後、退去の立ち会いをおこなう
引越し後、部屋を空にしたら退去の立ち会いをおこないます。
立ち合いは、貸主(大家さん、または管理会社)と一緒に室内の原状回復工事が必要な箇所を確認するとともに、費用負担について話し合います。
原状回復工事費用の負担は、貸主と借主のあいだでトラブルになりやすいですが、国土交通省の『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)』に沿って判断するとよいでしょう。
原状回復にかかる費用が確定したら、家賃や敷金の精算がおこなわれますが、最近では後日に精算されるケースがほとんどです。
その後、カギを返却して退去完了となります。
⑤敷金の返還など精算
後日、入居時に預けていた敷金が返還されます。
その際、敷金から原状回復で借主負担分の金額と日割り家賃分が差し引かれるのが一般的です。
また違約金が発生した場合も、敷金から差し引かれます。
預けた敷金が足りない場合は不足額が請求されます。
まとめ
賃貸物件には契約期間が存在しますが、退去予告さえおこなえば契約期間の途中であっても解約することは可能です。ただし退去予告は規定の退去予告期限内におこなわなければなりません。
期限を過ぎてしまうと違約金が発生するケースもあるため、あらかじめ重要事項説明書及び賃貸借契約書を確認・把握しておくことが重要です。
なお定期借家契約に関しては、原則として途中解約ができないため注意しましょう。
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