アパート経営は年収でいくら稼げる?収入と支出、経営で失敗しないコツを解説
「アパート経営で得られる収入は?」
「アパート経営で失敗しないためのポイントは?」
上記の2点は、アパート経営を検討する人にとって最も知りたい情報ではないでしょうか。
そこで今回は、アパート経営で得られる年収額と失敗しないコツについて解説します。
あわせて、アパート経営の収入と支出の内訳も紹介します。アパート経営の収益に関わる大切な情報なので、ぜひ参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.アパート経営の平均年収は約543万円
- 2.アパート経営における収入の内訳
- 3.アパート経営における支出の内訳
- 4.アパート経営のメリット
- 4.1.長期にわたって安定した収入が得られる
- 4.2.節税につながる
- 4.2.1.所得税・住民税の節税
- 4.2.2.固定資産税・都市計画税の節税
- 4.2.3.相続税の節税
- 4.3.生命保険の代わりになる
- 5.アパート経営のリスクと対策方法
- 5.1.空室リスク
- 5.2.老朽化による修繕リスク
- 5.3.流動性リスク
- 6.アパート経営で失敗しないためのポイント
- 6.1.賃貸需要が低下しないアパートを選ぶ
- 6.2.アパート経営に必要な知識を身に付ける
- 6.3.長期目線で収支計画を立てる
- 6.4.コスト削減や節税で支出を抑える
- 7.まとめ
- 8.この記事を読んだ方に人気のお役立ち資料一覧
アパート経営の平均年収は約543万円
国税庁の『令和4年分 申告所得税標本調査 -調査結果報告-』によると、アパート経営を含む不動産所得の平均年収は約543万円でした。
なお、この平均年収は、令和3年は542万円、令和2年は540万円、令和元年は約520万円だったことから、年々増加していることがわかります。
参考:国税庁『令和4年分 申告所得税標本調査 -調査結果報告-』
また同調査結果では、不動産所得を得ている人の、所得金額の割合は以下のようになっています。
- 100万円以下 :5.3%
- 100万円超 200万円以下:18.9%
- 200万円超 300万円以下:17.0%
- 300万円超 500万円以下:24.0%
- 500万円超 1000万円以下:23.3%
- 1000万円超 2000万円以下:8.7%
- 2000万円超 5000万円以下:2.4%
- 5000万円超 1億円以下:0.3%
- 1億円超 :0.1%
この結果によると、不動産所得を得ている人の中では300万円超500万円以下の割合が24.0%ともっとも多いことがわかります。
また100万円超200万円以下が18.9%、200万円超300万円以下も17.0%程度と、ある程度の不動産所得を得られているようです。
アパート経営は賃貸管理を管理会社に業務委託することができるため、サラリーマンなど本業を持っていてもはじめやすく、安定した副収入を期待することもできるでしょう。
ただし上記調査結果は、アパート経営だけでなく、マンション経営やオフィスビル投資など、すべての不動産所得を対象にした結果です。そのため純粋にアパート経営の平均年収ではないことを留意しておきましょう。
アパート経営における収入の内訳
アパート経営の主な収入源は「家賃」ですが、それ以外にも収入になるものもあります。ここではアパート経営の収入の種類について紹介します。
家賃
アパート経営の主な収入源です。
入居者がいる限り、毎月一定の家賃を長期にわたってることが可能です。逆に言えば、入居者がいない空室状態では、その部屋の分の家賃は得られません。
安定した家賃収入を得るためには、できるだけ空室リスクを抑える必要があります。
入居者の退去後、次の入居者がなかなか決まらない場合は、空室になっている原因を明らかにしたうえで適切な空室対策をおこなう必要があります。
詳しい空室対策の方法については、後述する『アパート経営のリスクと対策方法』にて解説します。
共益費(管理費)
入居者から徴収する共益費(または管理費)はアパート経営の収入に含まれます。
おもに共用部にかかる水道光熱費や清掃費用、エレベーターや消防設備などの法定点検にかかる費用などに充てられますが、使途は大家さんが自由に決めることが可能です。
共益費(管理費)の相場は家賃の5~10%程度が一般的ですが、物件によっては、「家賃7万円 共益費5千円」というように家賃とは別に金額を設定している場合と、「家賃7万5千円(共益費込み)」としている物件もあります。
共益費(管理費)を家賃と別にするメリットは家賃額を安く見せることできるので、入居希望者を取り込みやすい点です。
また礼金や更新料は家賃がベースになるため、入居者にとってもメリットがあります。
礼金
新規入居者が賃貸借契約締結時に貸主(大家さん)に支払います。敷金とは異なり、礼金は入居者の退去時に返却する必要がなく、大家さんの収入として自由に使用できます。
金額は大家さんが自由に決められますが、相場は家賃の1ヶ月~2ヶ月分程度ですが、最近では入居者が負担する入居費用を軽減することで入居付けを有利にする目的で、礼金を無料にするケースもみられます。
更新料
既存入居者が賃貸借契約を更新する際に、大家さんに支払います。礼金同様、入居者の退去時に返還する必要はありません。
相場は家賃の1ヶ月~2ヶ月分程度ですが、入居を継続してもらうために、金額の軽減や無料にするケースも増えています。
駐車場賃料
アパートに駐車場を併設している場合、駐車場の賃料もアパート経営の収入に含まれます。
ただし駐車場の需要はエリアによって異なります。
たとえば車の所有率が高い地方ではアパートに駐車場があって当然です。そのため、地方の物件は敷地内に駐車場がない場合は敬遠されやすいです。
逆に駐車料金が高額な東京都心の物件では、アパート専用の駐車場を設置するスペースがあれば部屋数を多くした方が収益につながりやすいです。
特に都心部の学生や若年層の単身者向けアパート物件は、駐車場は利用者が少ない傾向が強いです。
アパート併設の駐車場に空きが目立つようなら、入居者以外の人に貸し出すなどするとよいでしょう。
その他の収入 (自動販売機の売上、太陽光発電の売電収入など)
賃貸アパートの敷地内に設置した自動販売機の売上金や、太陽光発電の売電収入もアパート経営の収入になります。
アパートの敷地内に自動販売機を設置する方法は2種類あります。
ひとつ目は、設置スペースを販売業者社に提供し、売上の一部を受け取る「フルオペレーション」タイプです。
商品の補充や空き容器の回収、クレーム対応などはすべて販売業者がおこない、大家さんは自動販売機の設置場所の提供と電気代の支払いを負担するだけです。
大家さんの負担は少ないですが、自動販売機の売り上げのうち15%~20%程度しか受け取ることができません。
もうひとつは、販売業者から自動販売機や商品を購入する「セミオペレーション」タイプです。商品の補充やゴミ処理、クレーム対応なども大家さんがおこなう必要がありますが、自動販売機の売り上げの全額がアパートの収入となります。
ただ、どちらの場合も自動販売機の利用者が少ないと利益につながりません。そのため、近隣にコンビニがある、人通りの少ないなどの立地の物件には向きません。
またアパートの屋上などに太陽光発電設備を設置することで、発電した電気の一部を共用部の電気として使用できます。また余った電気を売却すれば、売電収入を得ることも可能です。
ただし太陽光発電設備の設置には導入費用が必要です。そのため、費用対効果をよく検討したうえで導入の有無を判断しましょう。
そのほかにも、携帯電話基地局や貸し看板を設置することで、設置料などを得ることも可能です。
アパート経営における支出の内訳
アパート経営をおこなう際は、さまざまなランニングコストが必要になります。ここでは、一般的なアパート経営で必要とされる支出について紹介します。
ローン返済費
アパート経営を始めるにあたって、金融機関から資金の借入をおこなった場合は、毎月一定額のローン返済をおこなう必要があります。
ローン返済額は借入金の元本にローン利息分を加えた金額となり、毎月の支出の大部分を占めます。
頭金不要で融資を受ける「フルローン」を利用した場合、初期費用は少なくて済みますが、月々のローン返済額は大きくなってしまいます。
毎月のローン返済額に負担が大きいとキャッシュフローを圧迫し、空室が増加し家賃収入が減少し、赤字になるおそれがあるため注意が必要です。
健全なアパート経営をおこなうためにも、無理のない範囲でローン返済できるよう資金計画をしっかりと立てましょう。
管理委託手数料
アパート経営するうえで必要な管理業務を管理会社に業務委託する場合、家賃の5%~8%程度の管理委託手数料が発生します。
委託できる管理業務は、以下のようなものがあります。
- 入居者の募集
- 賃貸借契約の締結・更新の手続き
- 退去手続き、立会い、精算、原状回復工事の手配
- 家賃の集金・管理、滞納金の督促
- 入居者からのクレーム対応
- 共有部の定期清掃
- 大規模修繕計画の作成・手配
なお、これらの管理業務を大家さん自身で自主管理することも可能です。その場合、管理委託手数料は不要となり、コスト削減につながります。
損害保険料
火災保険や地震保険などに加入した場合は保険料の支払いが必要です。
一棟アパートに基本の火災保険に地震保険を付けた場合の保険料の目安は5万〜15万円程度ですが、建物の構造や補償範囲など諸条件によって異なります。
なお保険料を節約したい場合は、数年分の保険料をまとめて支払うのがおすすめです。1年あたりの保険料を安くすることができます。
水道光熱費
アパートの共用部で使用する電気代、清掃や植栽の水やりなどに使用する水道料金です。アパートの規模によって料金は異なりますが1万円程度が目安となります。
建物・設備の修繕費
アパートの建物を維持・管理するためには、建物の損傷や経年によって劣化した建物や設備の修繕費、設備の故障による修理・交換費などさまざまな費用が必要です。
アパート経営で、建物や設備の修繕費用が必要になるのは、以下のようなケースです。
- 入居者の退去後、次の入居者を迎えるための原状回復工事
- 経年劣化した設備の修繕・交換工事
- 建物全体の大規模修繕工事
入居者の退去後におこなう原状回復工事は、室内クリーニングや壁紙の貼り替えなどをおこないます。
原状回復にかかる費用は部屋の広さや施工内容によって異なりますが、単身者向けのワンルームであれば7万円~10万円程度(室内クリーニングと壁紙の貼り替え)が目安です。
またエアコンやキッチンなど、経年劣化した設備のメンテナンスや修繕は適宜おこないます。製造から年数が経ってしまい部品などを調達できない場合は、新しいものと交換が必要になる場合もあります。
また、10年~15年周期でおこなう大規模修繕は、外壁塗装、屋根の葺き替え、給排水管の交換などをおこないます。大規模修繕に必要な費用はアパートの規模などによって異なりますが、100万円以上の高額な費用が必要になるケースも少なくありません。
そのため毎月の家賃から大規模修繕積立金として、費用を積み立てておくことをおすすめします。
なお修繕費は、築年数が経過するにつれて修繕や交換が必要な箇所や設備が増えるため、年々増加するのが一般的です。資金計画を立てる際は、そのことを念頭においたうえで資金繰りを決めるとよいでしょう。
仲介手数料
仲介手数料は、入居者の募集を不動産会社に依頼し、賃貸借契約が締結した場合に不動産会社に支払う成功報酬です。
なお、仲介手数料は法律で上限が家賃の1ヶ月分(+消費税)までと決められています。
借主(入居者)と貸主(大家さん)がそれぞれ0.5ヶ月ずつ支払う場合もありますが、借主が承諾すれば、借主が不動産仲介会社へ家賃1ヶ月分の仲介手数料を支払い、貸主の負担はなしというケースもあります。
広告料(AD)
広告料(AD)は、空室が長引いている物件など、できるだけ早期に客付けをしてもらうために不動産貸家に支払う報酬のひとつであり、仲介手数料とは別に支払います。
広告料(AD)の相場は家賃の0.5ヶ月~3ヶ月分程度です。
建物の解体費用や立ち退き料
アパートの建て替えや廃業によって建物を解体する場合に発生する解体費用や、入居者の立ち退き料などが該当します。
アパートの解体費用は構造や規模によって異なりますが、延べ床面積の坪数×2.5万円~4万円程度が目安になります。入居者の立ち退き費用の目安は家賃の6ヶ月分程度です。
です。
アパート経営のメリット
アパート経営をおこなうことで以下のようなメリットを得られます。
長期にわたって安定した収入が得られる
アパート経営は、入居者がいる限り長期にわたって安定した家賃収入が得ることが可能です。賃貸管理を不動産管理会社に業務委託すれば大家さんの負担を軽減することもできます。
またアパートは複数の部屋があるため、分散投資にもつながります。
たとえば、区分マンションのように所有している部屋が1室だけの場合、空室になってしまうと家賃収入は0円です。しかしアパートは複数の部屋があるため、1部屋が空室でもほかの部屋からの家賃収入があるので収入が0円になる心配はほとんどありません。
節税につながる
アパート経営をおこなうことで、所得税や固定資産税、相続税などの節税効果が期待できます。
所得税・住民税の節税
アパート経営にかかる費用の多くは経費として計上できるため、課税される所得の圧縮につながります。
またアパート経営が赤字の場合は、本業の給与所得と「損益通算」をおこなうことで、黒字所得と赤字所得を相殺することで課税対象所得を減らすことで、結果的に所得税の節税につながります。
固定資産税・都市計画税の節税
所有する土地にアパートを建てることで「住宅用地の特例」が適用されます。特例措置の要件に該当すると課税標準額が固定資産税の1/6になるため、大きな節税効果が期待できます。
相続税の節税
相続税は財産の相続税評価額によって決まりますが、不動産の評価は固定資産税評価額などを基に評価するため、時価よりも低くなり、結果的に相続税の負担が減ります。
たとえば、現金1億円を相続した場合の評価額は額面通りの1億円ですが、1億円で購入した不動産を相続した際の評価額は7割~6割程度です。
また相続した土地でアパート経営をしている場合は「貸家建付地」となるため、さらに評価額が下がるため、より節税効果が期待できるでしょう。
生命保険の代わりになる
アパート経営を始める際に金融機関から融資を受けた場合、「団体信用生命保険(団信)」へ加入することが可能です。金融機関によっては団信加入が融資条件となっているケースもあります。
団信は、ローン契約者が死亡または重度の障害などを負った場合、保険金からローンの残債すべてが返済される仕組みの生命保険です。
無借金となったアパートは家族が相続し、そのままアパート経営をおこなうこともできますし、売却してまとまった現金に換えることも可能です。
このようにアパート経営は、万が一に備えた生命保険代わりになると言われています。
アパート経営のリスクと対策方法
アパート経営はメリットがある一方でリスクもあります。リスクを最小に抑えるためには、リスクの内容を把握し、適切な対策をおこなう必要があります。
ここではアパート経営のおもなリスク3つと、それぞれの対策方法を解説します。
空室リスク
アパート経営とは切っても切り離せないリスクです。
前述したようにアパート経営の主な収入源は入居者が支払う家賃です。そのため入居者がいない空室が増えるほど、空室期間が長引くほど収入が減少してしまうため注意が必要です。
空室対策にはさまざまな方法がありますが、適当な対策をおこなっても効果がでないだけでなく、余計な費用が発生するなど悪循環に陥るおそれもあります。
大事なのは「空室の原因に対して適切な対策をおこなう」ことです。空室対策をおこなう際は、まず空室の原因を見きわめましょう。
おもな空室の原因と対策方法は、以下のようになります。
- 家賃設定が周辺の相場よりも高すぎる
周辺の家賃相場を調査し、適切な家賃に設定することで、入居につながりやすくなります。
周辺に競合物件が多い
入居者ニーズの高い設備を導入したり、必要に応じてリフォームをおこなったり、競合物件と差別化をおこないましょう。
- 建物や共用部の状態が悪い
建物の傷みが目立ったり、共用部の清掃が不十分だったり、管理が適切にされていない可能性があります。建物や共有部の状態が悪いと、新規の入居者だけでなく、既存入居者の満足度が下がり退去につながるおそれもあるため、早急な対策が必要です。
管理業務を委託している場合は管理会社に注意を促し、改善されない場合は管理会社の変更を検討しましょう。
- 不動産管理会社の集客力が弱い
入居者募集を不動産管理会社に依頼しているにもかかわらず、空室が長期化している場合は、不動産管理貸家にどういった営業活動をおこなっているか確認してみましょう。
もし客付け力が弱いと感じた場合は不動産管理会社の変更を検討しましょう。
老朽化による修繕リスク
前述したように、アパートとの建物や設備は築年数が経過するにつれて老朽化するため、修繕や交換が必要な箇所や設備が増えていき、それに伴い修繕費も増加するのが一般的です。
これを修繕リスクと言います。
修繕費用を捻出できずに建物の傷みや設備の故障などを放置してしまうと、アパートの資産価値が低下し入居付けがむずかしくなり、収益が悪化するおそれがあります。
そうならないためにも、アパート経営を始める際は大規模修繕を含めた長期的な視点で修繕費の増加を念頭においたうえで資金計画を立てる必要があります。
なお、大規模修繕の負担を軽減するためには、日常的にこまめなメンテナンスをおこなうことをおすすめします。損傷箇所を見つけたら軽微なうちに修繕をおこなうことで、修繕費が抑えられるとともに損傷が広がるのを防ぐことにつながります。
流動性リスク
不動産は売却に時間がかかりやすく、株式やFXなどと比較すると流動性リスクが高いです。
特にアパート物件は、区分マンションなどより買い手が見つかりにくく、売却したいときに売れなかったり、希望する売却額よりも安くなってしまったりするケースもあります。
そのため赤字経営で損切したくてもできないなど、さらに経営悪化につながるおそれも考えられるのです。
アパート物件の流動性リスクの対策方法としては、あらかじめ「出口」を決めてアパート経営を始めることです。
たとえば、いずれ売却をするのであれば、具体的な売却時期を決めたうえで、売却しやすいように賃貸需要が高く資産価値の落ちにくいエリアの物件を選ぶなど、出口戦略を決めておくとよいでしょう。
アパート経営で失敗しないためのポイント
安定したアパート経営をおこなうためには、いくつかのポイントに注意する必要があります。ここではアパート経営で失敗しないための3つのポイントについて解説します。
賃貸需要が低下しないアパートを選ぶ
アパート経営で失敗しないためには、物件や立地選びが非常に重要です。特に立地は、あとから変えようがありません。そのため立地選びは慎重におこなう必要があるのです。
具体的には以下のような立地の物件を選ぶとよいでしょう。
- 最寄り駅から徒歩10分以内
- 周辺にコンビニやスーパーマーケットなどの買い物施設がある
- 治安が良い
- 再開発などの予定がある
- 周辺に競合物件が少ない
また、周辺に大学や企業・工場などがあると、大学生や企業の従業員をターゲットにできるため、安定した賃貸需要が見込めます。
ただし、大学や企業が移転してしまうと急激に賃貸需要が低下するため注意が必要です。
ひとつの賃貸需要に頼るだけでなく、それ以外にも入居需要を見込める立地を選ぶことが大切です。
なお、土地活用として所有地にアパートを建てる場合は、その立地で賃貸需要があるかどうかの見きわめが重要なポイントになります。
賃貸需要が見込めない立地であれば、アパート経営以外の土地活用方法を検討することをおすすめします。
アパート経営に必要な知識を身に付ける
アパート経営を成功させるためには、事前にアパート経営に関する知識や物件選びのポイントなどを知ることが非常に重要です。
またアパート経営をおこなうことで得られるメリットだけでなく、リスクを理解する必要もあります。さらには税金や法律、賃貸管理の知識を身に付けることで、有利にアパート経営をおこなうことにつながります。
アパート経営をおこなう際は、こういった基礎知識をしっかりと勉強をしておきましょう。
アパート経営の知識を勉強する方法としては、書籍を読んだり、不動産投資セミナーや大家さんの会などに参加したり、インターネットを利用して情報収集をおこなうのが一般的です。
長期目線で収支計画を立てる
アパート経営は長期にわたっておこなう事業です。そのため、収支計画も長期目線で立てる必要があります。
アパート経営の収益は、家賃などの「収入」からローン返済や修繕費などの「支出」を差し引きした残りの額で決まります。ここで気をつけたいのは、収入も支出も変動する可能性があることです。
たとえば家賃収入は、物件の築年数が経過するほど低下するのが一般的です。また空室率によっては、家賃が減ることもあるでしょう。
逆に支出の中には修繕費のように経年とともに増加する費用もあります。
これら収入と支出のシミュレーションを年単位でおこない、無理なくローンの返済ができて安定したキャッシュフローを得られる物件を選ぶことが、アパート経営を成功させるための重要なポイントです。
そのためには、収入額や支出額、空室率などの数字を変えて、さまざまなパターンで収支シミュレーションをおこないましょう。
コスト削減や節税で支出を抑える
アパート経営では安定したキャッシュフローを得る必要があります。そのため、空室を減らして収入を増やすだけでなく、いかに支出を減らすかも非常に重要なポイントです。
アパート経営の支出は、大きくわけて「ランニングコスト(維持費用)」と「税金」の2種類があります。
ランニングコストは、アパート経営をおこなううえで必要な費用であり、修繕費用や管理委託手数料などが該当します。
ランニングコストを削減するには、以下のような方法が考えられます。
- 過度な原状回復工事は避ける
- 委託する管理業務の範囲を見直す・管理会社を変更する
- 経費の計上漏れをなくす
- 低金利のローンに借り換える
またアパート経営では、前述したように「所得税・住民税」「固定資産税・都市計画税」「相続税」についての節税効果が期待できます。
このように、収益を最大に引き上げるためには、ランニングコストの削減や節税をおこない、できるだけ支出を抑えることが安定したアパート経営につながるのです。
ただし、過度なコストカットはアパート経営の品質の低下を招きかねません。必要な費用はしっかりと予算を確保したうえで、計画的にコストカットをおこないましょう。
まとめ
令和4年分のアパート経営の平均年収は約543万円でした。
長期にわたっておこなうアパート経営を成功させるためには、空室率を下げ安定した家賃収入を得る必要があります。そのためには、賃貸需要の落ちにくい立地を選ぶことが欠かせません。
またランニングコストの削減や節税などで支出を抑えることも、収入を増やす大事なポイントになります。
安定したアパート経営をおこなうためにも、支出を見直して適切な範囲でコストカットをおこないましょう。
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