ホテルにWi-Fi導入は必要?重要視されてる理由と注意点とは
昨今の旅行者の多くは、ホテルを選ぶ基準のひとつに「無料Wi-Fiがあること」を条件としています。そのため、無料Wi-Fiの設置がないホテルは、無料Wi-Fiの導入を検討するケースも多いでしょう。
しかしホテルにWi-Fiを設置する場合、どういった選択肢があるのか、業者を選ぶ基準や工事期間などが気になります。
そこで今回は、ホテルにWi-Fiを導入するにあたって知っておきたい基礎知識や、Wi-Fiを導入することで得られるメリット、導入時の注意点について解説します。
目次[非表示]
- 1.ホテルのWi-Fi設備とは?
- 1.1.宿泊客が無料で利用できるWi-Fi
- 1.2.ホテルの業務用Wi-Fi
- 2.ホテルにWi-Fiを設置するメリット
- 2.1.ホテルの予約サイトで検索される
- 2.2.インバウンド客の利用率が上がる
- 2.3.ビジネス目的の宿泊客に選ばれる
- 2.4.ホテルの業務効率が向上する
- 3.ホテルにWi-Fiを導入する際の基本知識
- 3.1.ホテル向けWi-Fiルーターは小さい端末が主流
- 3.2.Wi-Fi6とWi-Fi4、Wi-Fi5の規格の違い
- 3.3.周波数帯域は5GHzと2.4GHz
- 3.4.アクセスポイントやWi-Fiルーターの設置に適した場所は?
- 4.ホテルにWi-Fiを導入する際の注意点
- 4.1.Wi-Fiの接続状況に問題はないか
- 4.2.セキュリティ対策は考慮されているか
- 4.3.定期的なメンテナンスは必須
- 4.4.Wi-Fiを無料開放しているか
- 5.ホテル向けの無料Wi-Fiの導入手順
- 5.1.業者を選定する
- 5.2.調査をおこなう
- 5.3.回線とプロバイダ契約
- 5.4.工事前の確認や契約
- 5.5.工事の開始から完了
- 5.6.Wi-Fiサービスの提供開始
- 6.ホテルの集客に効果的なWi-Fi環境を導入するためのヒント
- 7.まとめ
- 8.この記事を読んだ方に人気のお役立ち資料一覧
ホテルのWi-Fi設備とは?
ホテルや旅館のWi-Fi設備には、「宿泊客が無料で利用できるWi-Fi」と「ホテルの業務用Wi-Fi」の2種類があります。ここではそれぞれのWi-Fiの利用目的について解説します。
宿泊客が無料で利用できるWi-Fi
「ホテルのWi-Fi」と聞くと、宿泊客が無料で利用できるWi-Fiを思い浮かべる人がほとんどでしょう。
これはホテルが宿泊客向けサービスとして提供しているWi-Fiで、ホテルの建物内であれば自由にWi-Fiを利用してインターネットに接続することができます。
あくまで宿泊客を対象にしているため、Wi-Fiを利用するためには客室内に掲示されている接続先ネットワーク名(SSID)やパスワードが必要になります。
ホテルの業務用Wi-Fi
もうひとつのホテルのWi-Fi設備は、ホテルの業務用として導入されています。
宿泊客専用の無料Wi-Fiとは別に用意されており、従業員が業務で使用するパソコンやタブレット・スマートフォンをはじめ、無線化されたホテル内の施設や客室内の機器などと接続できるようになっています。
業務用Wi-Fiを宿泊客向けの無料Wi-Fiと別に設置している理由としては、安定した接続状態を確保する必要があるためです。館内の状況によっては、従業員間で早急に連絡を取り合う必要があります。
しかし不特定多数が利用する宿泊客用のWi-Fiは時間帯や曜日によって付加がかかり、接続が不安定になったり、速度が低下したり、業務用のネットワークに悪影響を及ぼす懸念があるためです。
ホテルにWi-Fiを設置するメリット
前述したようにホテルなどの宿泊施設に導入されるWi-Fi設備は、宿泊客が無料で利用できるものとホテルの従業員向けの業務用の2種類があります。ここではホテル・旅館などにWi-Fiを導入するメリットについて解説します。
ホテルの予約サイトで検索される
昨今の旅行者は、ホテル予約サイトを利用してホテルを決定する傾向が高くなっています。これらのホテル予約サイトでは、立地や宿泊料金、部屋タイプなどの条件を設定して検索しますが、それら検索条件のひとつが「無料Wi-Fi」の有無です。
その場合、無料Wi-Fi設備がないホテルは検索結果の画面に表示されず、宿泊客の目に留まる機会を失ってしまいます。
これは旅行者が旅先でもスマートフォンを利用することを前提としているためです。
特にデータ上限・速度制限のあるスマホの契約プランを利用している人にとって、旅行先のホテルが用意する無料Wi-Fi設備は必要不可欠です。
後述しますが、現在増加傾向にある外国からのインバウンド客についても同様であり、無料Wi-Fiが導入されていないホテルは選ばれません。
したがって、無料Wi-Fiを導入することでホテル検索サイトの検索結果に表示されるため、宿泊客を獲得できるチャンスが増加するのです。
インバウンド客の利用率が上がる
コロナ禍後、外国からの日本への訪問客は増加傾向にあります。インバウンド客の多くは目的地の情報収集をスマートフォンやタブレットを利用しています。
しかし外国人旅行客が日本でスマートフォンやプリペイドSIMを使用する場合、料金や通信制限などの問題があり、無料で利用できるWi-Fi環境は欠かせません。
そのため外国人旅行者がホテルを選ぶ際は、国内の旅行者以上に無料Wi-Fiの有無を重視しています。
また日本政府がおこなうインバウンド対策には、ホテルをはじめ観光地などの無料Wi-Fi設備の環境整備が盛り込まれています。
その結果、観光庁がおこなった『訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート』の結果では、「旅行中困ったこと」としてフリーWi-Fi通信環境と答えた人が平成30年度は18.7%だったのに対して、令和5年度の同調査では9.6%と減少しているのです。
以上のことから、ホテル内に無料Wi-Fiを導入することで外国人旅行客に宿泊先として選ばれやすくなるのです。
ビジネス目的の宿泊客に選ばれる
ホテルの利用者は観光目的で訪れる旅行者だけでなく、出張などビジネス目的でホテルを利用する人も少なくありません。
その場合、会社やクライアントとメールやビデオ会議をおこなったり、必要な資料などの情報収集をおこなったり、インターネットを使用する機会も多いでしょう。
しかしビジネスでインターネットを利用する場合、データ量が大きくなりやすいです。そのためパソコンやスマートフォンなどの通信料金を気にせず高速通信をおこなえるよう、無料Wi-Fiのあるホテルが選ばれやすくなるのです。
なおビジネス目的の宿泊客を取り込むには、パソコンを有線でインターネットネット接続できるほか、コピー機やFAXサービスを備えた「ビジネスセンター」を設置するとより集客につながります。
ホテルの業務効率が向上する
前述したとおり、ホテルのWi-Fiには宿泊客向けの無料Wi-Fiと従業員用の業務用Wi-Fiがあります。
業務用Wi-Fiを導入することで現場の人手不足やサービスの品質の維持など、業務効率が向上するメリットがあります。
たとえば、これまでのルームサービスは宿泊客が電話で注文するのが主流でしたが、その場合、電話対応をする人員を確保しておく必要がありました。
しかし各客室にタブレット端末を設置することで、無人でルームサービスの注文を受けることができ、しかも瞬時にルームサービス担当者や厨房に注文が入ったことが伝わるため、業務負担が減ります。
またチェックアウト時の精算や、ホテルの備品が足りない場合、清掃が必要なときなども宿泊客が客室からタブレット端末で指示することでフロント業務の効率化につながるのです。
そのほかにも、客室用のタブレットを多言語対応にすることで外国人客へのサービスも向上し、インバウンド需要が増加します。加えて、ホテル検索サイトの評価も高まります。
なお、ホテル内の業務効率の向上を目的としてWi-Fiを導入する場合、セキュリティの観点から宿泊客向けの無料Wi-Fiとは別に業務用としてのネットワークを構築するのが一般的です。また業務で使用する場合、ある程度の安定性も確保する必要があります。
ホテルで業務用のWi-Fiを導入する際は、注意しましょう。
ホテルにWi-Fiを導入する際の基本知識
ホテルにWi-Fiを設置する場合、家庭用のWi-Fiと異なる点もあるため、導入する際はあらかじめ確認しておきたい点がいくつかあります。
ここでは、ホテルにWi-Fiを導入する際に知っておきたい基礎知識について解説します。
ホテル向けWi-Fiルーターは小さい端末が主流
ホテルの客室向けのWi-Fiとして広く使用されているのが法人向けの小型Wi-Fiルーターです。
家庭用のWi-Fiルーターの多くは電源ケーブルやLANケーブルなどの配線が目立ちますが、ホテルで使用するWi-Fiルーターは客室内の目立たない場所(室内壁面の上部や天井裏、廊下など)に設置されます。
そのため、ネットワーク構築時には、業者から小型でシンプルなタイプを提案されるのが一般的です。
Wi-Fi6とWi-Fi4、Wi-Fi5の規格の違い
ホテルでWi-Fiを導入する際は、「Wi-Fi6」や「Wi-Fi4」といった規格の違いに留意しましょう。ホテルルーターとして利用されている主要なWi-Fiの規格と最大通信速度(理論値)は次のようになります。
- Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax):最大通信速度 9.6Gbps
- Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac):最大通信速度 6.9Gbps
- Wi-Fi 4(IEEE 802.11n):最大通信速度 600Mbps
Wi-Fiの後ろに付く数字が大きいほど最新のWi-Fiのモデルを示しており、現在(2024年8月時点)では、Wi-Fi6が最新の「IEEE 802.11ax」無線LAN規格となっています。
Wi-Fi6はWi-Fi5と比べてインターネット接続が安定しているため快適な通信がおこなえますし、帯域についても2.4GHz、5GHz両方に対応しています。
また、複数台の同時接続が容易なため、家族や有事同士など1室を複数人で利用する場合でも快適な通信環境の提供が可能です
さらにWi-Fi6は消費電力を抑える効果も期待できるため、ホテル側のコスト削減にもつながるでしょう。
ただしWi-Fi 6の性能を活かすためにはルーターだけでなく、接続するパソコンやスマートフォンもWi-Fi 6に対応している必要があります。宿泊客からの問い合わせに備えて、ホテル検索サイトや客室には注意点として記載しておくと安心です。
周波数帯域は5GHzと2.4GHz
Wi-Fiには2.4GHz帯と5GHz帯のふたつの周波数が利用できます。それぞれの帯域には特性があり、使用環境によって周波数を変更することでつながりにくさを改善できます。
2.4GHz帯は、ルーターとの距離が遠い場合や天井や壁などの障害物に強く、遠くまで電波が届きやすい特性を持ちます。しかし5GHzと比較して通信速度が速くありません。
一方、5GHzは通信速度が高速ですが、障害物に弱く、電波が切断されることも少なくありません。
ホテルの規模やWi-Fiルーターの設置場所によって、どちらの帯域を利用するべきかが変わってきます。
ただし使用するWi-Fiルーターの種類によっては、5GHzか2.4GHzのどちらかしか対応していない場合もあるため注意が必要です。
アクセスポイントやWi-Fiルーターの設置に適した場所は?
ホテルにWi-Fiを導入する際は、アクセスポイントやWi-Fiルーターを設置する必要があります。ホテルの場合、アクセスポイントやWi-Fiルーターの設置に適した場所は主に次の2カ所があります。
- 各客室:小型のWi-Fiルーターを設置する
- ホテルの廊下などの共有部:アクセスポイントを設置する
各客室にWi-Fiルーターを設置することで、障害物の影響を受けにくく、安定した通信がおこなえます。ただし、客室数と同数のWi-Fiルーターを用意する必要があるため、コストが大きくなりやすいのがデメリットです。
一方、ホテルの廊下などの共有部にアクセスポイントを設置する場合、コストを抑えることができますが、壁などの障害物によって電波干渉を起こす可能性があり、通信が安定しない可能性があります。
ホテルに無料Wi-Fiを導入する際は、ホテルの規模や環境を考慮したうえで最適なWi-Fi機器を選択するようにしましょう。
ホテルにWi-Fiを導入する際の注意点
ホテルにWi-Fiを導入する際は、導入前後ともに注意すべき点がいくつかあります。ここでは、ホテルにWi-Fiを導入する際の注意点について解説します。
Wi-Fiの接続状況に問題はないか
宿泊客向けの無料Wi-Fiを導入する際は接続環境を確認する必要があります。
無料Wi-Fi付きホテルを謳っていても、「Wi-Fiにつながらない」「電波が弱い」「通信速度が遅い」など、通信状況に問題があると宿泊客からクレームを受けるおそれがあります。
このように無料Wi-Fiの質が良くない場合、顧客満足度が低下し、ホテル予約サイトの表かに悪影響を及ぼすため注意が必要です。
特に家庭向けWi-Fiルーターを複数の客室でシェアしている場合、通信速度や安定性が低く、宿泊客からクレームを受ける可能性が高いです。
そのため宿泊客向けの無料Wi-Fiを導入する際は、通信が安定したWi-Fi環境の構築が求められます。その際は、ホテルの規模や施設環境、利用状況に見合う、適切なWi-Fiルーターやアクセスポイントを選びましょう。
セキュリティ対策は考慮されているか
ホテルにWi-Fiを導入する際は、通信の安全性を確保するためにもセキュリティ対策に留意する必要があります。不特定多数の宿泊客が使用する無料Wi-Fiだけでなく、従業員が使用する業務用Wi-Fiについても同様です。
セキュリティが正しく設定されていないと、第三者が無断でWi-Fiに接続されてしまいます。それによって、インターネットが遅くなるだけでなく、悪意を持ってWi-Fiに接続し、ほかの利用者のパソコンやスマートフォンに入っているデータの盗み見や、アドレス帳やクレジットカード情報などの個人情報を抜き出し、悪用される恐れもあるのです。
ホテルの業務用Wi-Fiの場合は機密情報が流出する可能性もあるでしょう。
このようにセキュリティ対策がおこなわれていないWiFiは非常に危険です。
そのためホテルにWi-Fiを導入する際は、ホテルの宿泊客が安心して使えるよう、業務上のデータを守れるよう、セキュリティ対策をしっかりとおこなう必要があるのです。
おすすめは、「WPA2/WPA3」の暗号化方式が採用されたWi-Fiを選ぶことです。なお、最新版はWPA3となっています。
また、先述したように宿泊客向けの無料Wi-Fiと従業員の使う業務用Wi-Fiは、分離するよう設計・構築する必要があります。分離されていない場合、悪意を持った宿泊者が業務用端末にWi-Fiを経由して不正アクセスをするおそれがあります。
不正アクセスを防ぐためにもWi-Fiの設計段階でしっかりとした対策をおこなうことが必須です。
定期的なメンテナンスは必須
Wi-Fi設備は、導入後も定期的なメンテナンスが必要です。Wi-Fi機器は永遠に利用できるものではありません。機器ごとに寿命があり、ある日突然壊れてしまうこともあるため、定期的にメンテナンスをおこない、適宜修理や交換をおこなわねばなりません。
万が一、宿泊客向けの無料Wi-Fiや業務用Wi-Fiが機能しなくなってしまった場合、顧客満足度は低下してしまいますし、業務用の場合は業務に支障が出ることで安定したサービスの提供がおこなえなくなるでしょう。
そのため、定期的にメンテナンスをしてWi-Fi機器が故障しないよう、安定したインターネット接続を提供することが大切です。
Wi-Fiを無料開放しているか
前述したように、国内外の宿泊客の多くは「無料Wi-Fi」が利用できるホテルを探します。「ホテルのWi-Fiは無料で当然」というのが利用者の共通の認識となっており、逆にいえば無料Wi-Fiのないホテルは利用者から選ばれにくくなるのです。
そのため、宿泊客向けに有料でWi-Fiを提供するケースも多くみられましたが、最近では無料で開放している場合がほとんどです。したがって、Wi-Fiを有料で提供している場合は集客の低下につながるため注意が必要です。
ホテル向けの無料Wi-Fiの導入手順
ホテルなどの宿泊施設にWi-Fi環境を導入する場合、提案から稼働まで、3ヶ月~6ヶ月程度かかるのが一般的です。そのためWi-Fiの導入を決めたら、できるだけ早く業者の選定をおこない工事を開始する必要があります。
ここでは、ホテルに宿泊客向けの無料Wi-Fiを導入する場合の一般的な流れについて解説します。
業者を選定する
まず、Wi-Fi環境の設計・構築・工事を依頼する業者を決めます。ホテル向けのWi-Fi設備を設置工事ができる業者はそれほど多くありません。インターネットなどで検索したり、同業者から紹介してもらったりして、いくつかの業者を選びましょう。
なおその際は、いきなり1社を決めるのではなく、複数の業者に見積もりを出してもらい、内容や費用などを比較・検討したうえで決定しましょう。
そうすることで、より充実したWi-Fi環境の構築やコストの削減につながります。
調査をおこなう
業者が決まったら、ホテルの状況や規模に合わせたwifi施設を設計するための調査がおこなわれます。ホテル内の電波が届く状況や配線工事の下見などの確認をおこない、それによってWi-Fiルーターやアクセスポイントの設置数や設置個所などが決まります。
ただし、ホテルの宿泊客向けの無料Wi-Fiの導入の場合、一般的な企業のインターネット環境の構築に比べると簡易となるケースが多いです。特別な希望などがあれば、この時点で業者に伝えておきましょう。
回線とプロバイダ契約
通常、回線業者やプロバイダとの契約、機材の準備は、工事業者との契約後におこないますが、業者によっては先におこなうケースもあります。
その場合は、ホテルに導入するインターネット回線とプロバイダの契約をおこない、同時に必要なWi-Fiルーターやアクセスポイントの準備を開始します。
なおWi-Fiルーターは、施工業者がメーカーを指定する場合もあるので、ホテル側の希望と合わないこともあります。もし特定のメーカーのWi-Fiルーターを選びたい場合は、あらかじめ工事業者に伝えておく必要があるため注意しましょう。
またケーブルや備品など、工事に必要な機材などは業者側が予算に応じて用意します。もしケーブルなどをホテル側で用意することが可能な場合は、手数料などのコストをカットすることも可能です。
これらは見積りの段階で確認しておくとよいでしょう。
工事前の確認や契約
工事業者と契約を交わします。この時点で工事日程・期間も決定します。
その際はスケジュールからホテルの営業にどのくらいの影響が出るかも確認しておきましょう。
工事完了のタイミングに合わせて、ホテル検索サイトに掲載するホテル情報の変更や「Wi-Fiを使える宿泊プラン」の提供開始日などの手配をおこないます。
工事の開始から完了
ホテル内のWi-Fi工事にかかる期間は、ホテルの規模や業者によって異なります。空配管がある場合や既存の配線を利用できる場合は工事の手間や時間が短縮できるケースもあります。
逆に各客室にWi-Fiルーターを設置する場合は、工事をおこなう際は空室である必要があるため、稼働状況によっては工事完了まで時間がかかる場合があります。またアクセスポイントの設置箇所が多い場合も、ホテルが大規模なほど配線工事の距離も長くなるため、時間を要します。
工事が完了したら、Wi-Fiルーターやアクセスポイントなどの機器の設定や動作の確認をおこないます。すべて問題なく作動することが確認できたら全工事完了となります。
業者によっては、このタイミングで従業員向けに使用方法やトラブル時の対応方法などの講習を実施するケースもあります。
なお導入・稼働後のサポート体制などについても改めて確認しておきましょう。
Wi-Fiサービスの提供開始
全工事完了を確認したら、宿泊客に無料Wi-Fiサービス込みのプランを提供します。それに伴い、IDやパスワードの提供、確認作業など、必要な業務を追加しましょう。
ホテルの集客に効果的なWi-Fi環境を導入するためのヒント
スマートフォンなどの普及が著しい昨今では、日常だけでなく旅行の際もインターネットの利用が極めて一般的になっています。
ここまでお伝えしたように、すでにホテルに無料Wi-Fiはあって当たり前であり、無料Wi-Fiのないホテルは宿泊客から選ばれにくくなってしまいます。
しかしながら、ホテルにWi-Fiがあれば、どんなWi-Fiでも良いというわけではありません。
ホテルの集客や稼働率の上昇を目的として無料Wi-Fiを導入するのであれば、しっかりとしたホテル向けのWi-Fi環境を導入する必要があります。
一般的な家庭用Wi-Fiは、インターネット通販や家電量販店などで安価で購入できるため、「簡単に設置できる」ものと認識されていますが、それはあくまで家庭向けに限られたことです。
ホテルや旅館などの宿泊施設にWi-Fiを導入する場合は一般家庭と違って、規模が大きく、その分複雑です。また利用者は常に入れ替わり、不特定多数の使途は利用します。
こういった特別な環境にWi-Fi設備を導入する場合は詳細な電波測定をおこないながら、どこまで電波が届くのかを確認したうえで、必要なWi-Fi機器の種類や台数、設置場所などを決めていかねばならないのです。
家電量販店などで家庭向けのWi-Fiルーターを適当数購入して「無料Wi-Fi」として宿泊客に提供するケースもありますが、成功するのは小規模の宿泊施設に限られるでしょう。
ある程度の規模のホテルでは、Wi-Fiにつながらなかったり、通信速度が遅くなったり、利用者からのクレーム対象になるおそれがあります。
そのためホテルなどの宿泊施設にWi-Fiを導入する際は、かならずWi-Fiを専門的に取り扱う事業者へ相談することをおすすめします。
特にホテルなどの宿泊施設にWi-Fi導入の実績がある、経験豊富な業者を選ぶと安心です。
まずは複数の業者をピックアップし、それぞれの業者に見積もりを出してもらい、内容や費用などを比較・検討したうえで決定することをおすすめします。
まとめ
ホテルの宿泊客向けの無料Wi-Fiは、すでに「あって当然の設備」として定着しつつあります。今後の集客のためにも、無料Wi-Fiを未導入のホテルは、ぜひ導入の検討をおすすめします。
また業務用のWi-Fiを導入することで業務効率の向上も期待できるでしょう。
ホテルにWi-Fiを導入する際は、複数の業者に見積もりを出してもらい、提案内容や費用などを比較検討したうえで、最良の業者を選びましょう。
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