LAN配線工事はどこに頼むべき?業者選びの基準と費用を徹底解説
LANの設置工事は信頼できる工事会社に任せたいものです。
しかし、LAN配線工事をおこなう会社は数が多く、「どこに依頼すればよいかわからない」と悩むこともあるでしょう。
そこで今回は、LAN配線の工事会社を選ぶ際に重視すべきポイントについて解説します。またLANの種類とLAN配線工事にかかる費用相場の紹介、LAN配線でよくある質問をQ&A方式でまとめました。
LAN配線工事で失敗しないためにも、ぜひ参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.LAN配線工事とは?
- 1.1.有線LANのメリット・デメリット
- 1.2.無線LANのメリット・デメリット
- 2.LAN配線工事の費用相場
- 3.LAN配線工事を依頼できる業者の種類
- 3.1.住宅インフラ設備業者
- 3.2.家電量販店・電器店
- 3.3.インターネット回線会社
- 4.LAN配線工事業者を選ぶ際に重視したいポイント
- 4.1.実績は豊富か・評判は良いか
- 4.2.工事前に現地調査を実施してもらえるか
- 4.3.見積りが明確で詳細な説明があるか
- 4.4.工事内容と工事費用額に納得できるか
- 4.5.保証やアフターサービスが充実しているかどうか
- 5.LAN配線工事の流れ
- 5.1.1:見積りの依頼(申し込み)
- 5.2.2:現地調査の実施、契約の締結
- 5.3.3:工事の実施・完了
- 6.LAN配線工事のよくある質問
- 7.まとめ
- 8.この記事を読んだ方に人気のお役立ち資料一覧
LAN配線工事とは?
LANとは「Local Area Network(ローカルエリアネットワーク)」の略称で、家庭やオフィスなど限定された地域内で機器同士を接続し通信できるネットワークのことです。
このLANを使用してインターネットに接続する配線のことを「LAN配線」と言い、ネットワーク機器の設置や通信ケーブルの接続をおこなう工事を「LAN配線工事」と呼びます。
なおLAN配線には「有線LAN」と「無線LAN」の2種類があり、配線方法が異なります。ここでは「有線LAN」と「無線LAN」の特徴やメリット・デメリットについて解説します。
有線LANのメリット・デメリット
有線LANは、LANケーブルを使ってパソコンやルーターなどをインターネット回線に接続する方式です。
有線LANの最大のメリットは、安定した通信を維持しやすい点です。LANケーブルを使って物理的に配線するため遮蔽物や距離による影響を受けにくく、大容量データをやり取りしても安定した通信がおこなえます。また通信速度も速いです。
加えてセキュリティ面での安全性が高いのも有線LANの特徴です。LANケーブルを使って物理的にインターネット接続をしているため、無線LANに比べて不正アクセスされる可能性は低くなります。
一方デメリットは、スマートフォンやタブレットなどのLANポートがないデバイスをインターネットに接続する際は、別途ルーターを用意しなければならない点です。また複数の部屋で使う場合は各部屋にLAN配線工事が必要になります。
なお、LANケーブルを使用するため、配線が目立ち室内の美観を損ねるケースもありますし、家具などの配置や動線の邪魔にならないように配線のレイアウトに気を配らなければならない点もデメリットのひとつです。
無線LANのメリット・デメリット
無線LANは、Wi-Fiなどの電波を使ってパソコン同士やルーターなどをインターネット回線に接続する方式を言います。
無線LANは、LANケーブルをつなぐ必要がないため配線工事は不要です。また電波が届く範囲内でならどこでもインターネット接続ができるため、移設や増設がしやすいのがメリットになります。
一方で電波干渉や障害物の影響によって接続が不安定になる可能性があります。速度が遅くなったりする場合があります。
なおセキュリティ面では、第三者に不正使用される可能性があるため注意が必要です。不正なアクセスによって速度が低下したり、個人情報やデータが抜き取られ悪用されたりするおそれがあります。
無線LANを利用する際は適切なセキュリティ対策は必須です。
LAN配線工事の費用相場
LAN配線の工事費用は、施工業者や接続するデバイスの数や規模、配管設備の有無、有線LANか無線LANかによって幅があります。
一般的な有線LANの配線工事にかかる費用の目安は次のようになります。
- 配管設備がある場合:10,000円~40,000円
- 配管設備がない場合:30,000円~60,000円
配管とは、電話線やLANケーブルなどを通すために壁や床、天井などに設置された管のことです。
配管があればLANケーブルを通すだけなので工事内容が簡単になり、費用も安いです。配管がない場合や空きがない場合は、壁などに新たに穴を開けなければならず、そのため工事費用が高くなります。
また1室に複数のモジュラージャック(LANケーブルを接続するために壁面などに設置するコネクタ)を設置する場合は、数によって別途費用が発生します。
なお複数の部屋やフロアをまたいでLAN配線をおこなう場合の工事費の目安は次のようになります。
- 部屋をまたぐ場合:10万~20万円程度
- フロアをまたぐ場合:20万円以上
先に述べたようにLAN配線の工事費用は幅があるため、かならず複数の業者から見積りを取り、料金や工事内容を比較することをおすすめします。
LAN配線工事を依頼できる業者の種類
LAN配線工事を依頼できる主な業者の種類は以下のようになります。
- 住宅インフラ設備業者
- 電器屋
- インターネット回線会社
それぞれの業者の特徴を紹介します。
住宅インフラ設備業者
住宅インフラ設備は、電気・水道・ガスなどのライフラインやテレビアンテナなどが該当しますが、最近ではインターネット回線の接続サービスを専門におこなう業者も多いです。
その背景には、スマートフォンの普及率の上昇やIoTサービスの知名度が上がったことなどがあげられます。
特にインターネットに接続することで遠隔操作や音声操作などができる「IoT家電」は、次々と新製品が発売され注目を集めています。
こういったインターネット需要の高まりから、もともとライフラインやテレビアンテナ設備をおこなっていた業者が、インターネット回線工事やLANの構築・配線工事なども担う住宅インフラ設備業者が増えたのです。
家電量販店・電器店
家電量販店や街中の電器店など一般的な家電製品の販売している店舗によっては、LAN配線工事を受け付けている場合もあります。
ただし店舗によっては、無線 LANの配線工事はおこなうが有線LANの配線工事はおこなっていないケースもあるため、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。
インターネット回線会社
インターネット回線を新規契約する場合や契約中の回線を変更する場合に限り、インターネットネット回線会社がLAN配線工事をおこなうケースもあります。
ただし工事内容は利用するインターネット回線の種類によって異なるため、LAN配線工事が可能かどうかは個別に問い合わせる必要があります。
LAN配線工事業者を選ぶ際に重視したいポイント
LAN配線工事で失敗しないためにも、信頼のおける業者を選びたいものです。ここではLAN配線工事を依頼する業者を選ぶ際に重視するポイントについて紹介します。
実績は豊富か・評判は良いか
LAN配線工事の実績が豊富な会社であれば、さまざまなノウハウを持っていると考えられるため、工事全般を安心して任せることができるでしょう。
工事会社の実績を調べる方法としては、まずは工事会社のホームページを確認してください。会社によっては、過去の施工実績やユーザーの声などが掲載されています。
また、外部サイトの掲示板の口コミを参考にしてもよいでしょう。
なお、工事会社によって得意な工事の規模や種類は異なります。たとえばオフィスのLAN配線の工事を依頼する場合は、法人向けの施工実績が豊富な会社にお願いするとよいでしょう。
工事前に現地調査を実施してもらえるか
工事を依頼する前に現地調査をおこなってくれるかどうかも、良い工事会社を選ぶ際のポイントです。
LAN工事では、建物の構造、電気設備、ネットワークの配置、部屋のレイアウトなどを確認しなければ正確な見積もりを出せないため、ほとんどの会社は見積もりを依頼した時点で現地調査をおこなってくれます。
工事会社がすでに現地の状況を知っている場合は現地調査をおこなわずに見積りを出す場合もありますが、そうではない場合は実際の工事費用が見積もりを大幅に超えるケースもあるため注意が必要です。
なお見積りは、かならず複数の会社に依頼しましょう。1社だけでは、工事金額が高いのか安いのか、工事内容が適切かどうか判断するのはむずかしいです。
複数の会社の見積りを比較することで、おおよその工事費用の相場や工事内容の違いを把握することにつながります。
見積りが明確で詳細な説明があるか
見積りの内容や金額が明確に記載されているか確認しましょう。また、工事内容が詳細であることも大事なポイントです。
たとえば、「LAN配線工事一式 ○○万円」のように、工事内容の明細が記載されていない場合、提示された金額にどういった工事や部品が含まれているのか、その金額が適正であるかどうか判断することができません。
金額が他社の見積もりとほぼ同額であっても、もしかすると使用されるLANケーブルや機器のグレードが低いといったケースも考えられます。
また見積りには含まれていない「別途料金」が発生する可能性もあるため注意が必要です。
一般的な工事費用の見積もり書には、使用する部品や機器、派遣費(人数分)、諸経費などの数量と単価、金額が具体的に記載されます。
もし、見積もり内容に不明な点があれば、明らかになるまで説明してもらいましょう。
質問に対して、丁寧に説明・対応してもらえるかどうかも工事会社を選ぶ際の判断ポイントのひとつです。
工事内容と工事費用額に納得できるか
見積りで各社の工事金額や工事内容を比較することで、おおまかな相場などを判断できますが、その相場から大幅にかけ離れた金額を提示している会社には注意が必要です。
工事費用が高すぎる場合はもちろんですが、あまりにも安すぎる場合は、工事の質が低いケースも考えられます。
たとえば配線が雑でレイアウトの邪魔になったり、使用されたLANケーブルや機器のグレードが低かったり、不満が残る場合もあるため注意が必要です。
工事会社を選ぶ際は、適正な金額と工事内容を提示している会社を選びましょう。
保証やアフターサービスが充実しているかどうか
工事会社を選ぶ際は、工事完了後の保障やアフターサービスの充実度も重要なチェックポイントです。
不具合が見つかった場合はどういった対応をしてもらえるのか、トラブルが発生した際の体制はどうなっているかについてもしっかり確認しましょう。
保証やアフターサービスの内容を確認せずにトラブルがあった場合、修理や交換にかかった費用や出張費を請求される可能性もあるため注意が必要です。
保証やアフターサービスについては契約書に記載されていますが、見積りを取ったタイミングでアフターサービスについて確認しておけば、それを含めて検討することが可能です。
安心して利用するためにも、できるだけ保証やアフターサービスの内容が充実している工事会社を選びましょう。
LAN配線工事の流れ
ここでは一般的なLAN配線工事の流れについて、依頼から工事完了までを紹介します。
1:見積りの依頼(申し込み)
2:現地調査の実施、契約の締結
3:工事の実施・完了
それぞれの内容について詳しく解説します。
1:見積りの依頼(申し込み)
まずは、インターネットでLAN配線工事をおこなっている会社を検索して候補を探しましょう。このとき、1社だけでなく複数の会社をピックアップし、見積りを依頼するのがおすすめです。
見積りの依頼は電話やメールでおこなうほか、会社によっては申し込み専用フォームがある場合もあります。
依頼時(または依頼後)には工事会社から、どういった工事を希望するのか聞き取りがおこなわれるのが一般的です。
聞き取りは、次のような質問をされる可能性が高いため、わかる範囲で調査し、まとめておくと聞き取りがスムーズにおこなえます。
おもな聞き取り内容は以下のようになります。
- インターネットに接続したいデバイスの台数
- LAN配線をおこないたい場所の情報(部屋数、フロア数、複数の建物をつなぐかなど)
- 希望するLAN配線の種類
- 配管の有無
- 配電盤の位置
上記のほかにも工事会社から質問される場合もあります。写真や平面図の送付を求められる場合もあるので、必要に応じて送付しましょう。
この時のやり取りも工事業者を選ぶ際の判断材料となります。対応の良し悪しやレスポンスの速さなど、しっかりチェックしましょう。
2:現地調査の実施、契約の締結
候補となる業者が決まったら、現地調査の日時を決めます。現地調査は立ち合いが必要になるため、時間の余裕がある日を選びましょう。
現地調査では以下の点が確認されます。
- LAN配線の起点と終点
- 配管・壁・コンセントプレートなどの設備状況
- 最短の配線ルート
- 既存の接続機器の状態や構成
現地調査が終わると、後日、本見積もりが出されます。
各社の見積りを確認し、工事金額や内容に納得できる工事会社を選ぶとよいでしょう。契約を締結したあとは、さらに詳細な点について打ち合わせをおこない、工事日時を決めます。
なおLAN配線工事当日は立ち会いを求められるのが一般的です。
また工事をおこなう場所がオフィスなどの場合は業務に影響がある場合を考え、余裕のあるスケジュールを心がけましょう。
最終的な工事日が決定したら、その旨を関係者に通知します。
3:工事の実施・完了
工事当日は、現地調査時の打ち合わせに沿って施工がおこなわれます。ただし予期せぬ問題が発生する場合も考えられるため注意が必要です。
たとえば「穴をあける予定の場所に鉄筋などがある・配線ルートに障害物がある」など、当初のルートで施工できないケースもあります。
このような場合は配線の迂回ルートなどの打ち合わせが必要となるため、担当者が対応できるようにしておきましょう。
工事が終了したら、最終的なネットワークの導通確認をおこないます。問題がなければ工事は完了となります。
LAN配線工事のよくある質問
ここではLAN配線工事に関してよくある質問をまとめました。
Q:おおよその工事時間はどのくらいですか?
A:有線LANの配線工事の場合、数時間から1日、長くても1週間程度です。工事の規模や工事内容などによって、工事に必要な時間は異なります。詳しくは、工事会社と打ち合わせの際に確認しておくとよいでしょう。
なお、工事当日に予期せぬ問題が発生した場合は工事時間が延びる可能性もあります。トラブルを想定して、余裕を持ったスケジュールを立てておくと安心です。
Q:配線はどこに通すと良いでしょうか?
A:壁内や天井、床下などに配管がある場合は、そこに配線すると効率的に工事がおこなえます。
LAN配線工事は配管の有無で作業方法や施工時間、費用が大きく変わるため、あらかじめ配管の有無を確認しておくとよいでしょう。
配管の有無は、壁にテレビアンテナ用やLAN用のコンセントプレートが設置されているかどうかをチェックしてください。コンセントプレートが設置されている場合、ほとんどのケースで配管が設置されています。
コネクタやコンセントを見つけられない場合でも配管がある可能性もあります。最終的には図面で確認することになるため、現地確認時に提示できるよう用意しておくとよいでしょう。
確認した結果、配管がない、またはあっても配管の空きがない場合はLANケーブルを通すための配管を新たに設置する必要があります。
その場合、配管用の工事費用が発生します。詳しくは工事業者に確認しましょう。
Q:配線が長いと通信速度は遅くなりますか?
A:有線LANの配線の長さは、通信速度にほとんど影響を与えません。
ただし、LANケーブルの配線距離は一般的に100mまでとされており、100mを超えると通信速度が安定しなくなる可能性があります。
その場合は中継HUBの設置や光ファイバーケーブルの利用で対応します。
なお、通信速度を重視する場合はLANケーブルの規格に注意が必要です。
LANケーブルには通信速度・周波数などの違いにより複数のカテゴリーがあります。現在、LANケーブルのカテゴリーは5~8まであり、数字が大きいほど通信速度が速くなります。
カテゴリーは、LANケーブルの側面に印字されている、アルファベットと数字(Cat5e・Cat6・Cat6A・Cat7・Cat7A・Cat8)で確認できます。
LANケーブルの規格は見積書に記載されているので、留意しておくとよいでしょう。
またLANケーブルの近くに電磁波を発する電気製品がある場合、ノイズを拾って通信速度が遅くなる可能性があります。配線が長くなる場合は、配線ルートを検討する際は電磁波を出す機器を避けるようにレイアウトを考える必要があります。
まとめ
LAN配線工事をどこに依頼すべきか迷ったときは、実績や評判はもちろんのこと、見積り内容の明確性やアフターサービスの充実などから総合的に判断しましょう。
その際は、レスポンスの速さや対応の良し悪しも、判断する際の大事なポイントです。
またLAN配線工事にかかる費用は、施工業者や施工現場によって異なります。費用相場を捉えるためにも、複数の工事会社から見積りを取り、工事費と工事内容を比較検討するとよいでしょう。
相場から大きくかけ離れた価格を提示している工事会社は避け、工事内容と価格が妥当出ると納得できる工事会社を選ぶことをおすすめします。
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