デジタルサイネージとは、店頭や商業施設などに設置されているモニターなどにニュースや広告を発信するシステムやディスプレイを言います。電子看板と呼ばれることもあります。
 
デジタルサイネージは画像や動画をディスプレイに表示させるため、従来の紙媒体の看板広告よりも視認性が高く、より多くの視聴者に有用な情報を提供することが可能です。そのためデジタルサイネージを導入する企業や店舗、公共施設も増えています。
 
今回はデジタルサイネージのメリットやデメリットを紹介しながら、デジタルサイネージを扱っている広告代理店を選ぶポイントについて解説します。
 
これからデジタルサイネージの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

デジタルサイネージとは？

「デジタルサイネージ」とは、街中や施設に液晶モニターやプロジェクターなどを設置して広告やニュースなど、さまざまな情報を発信するシステムやディスプレイのことを言います。
 
サイネージは「看板」や「標識」を意味することから、デジタルサイネージは「電子看板」とも呼ばれます。

従来の看板は、広告を取り換えるためにはポスターなどを張り替えたり、入れ替えたりする必要がありました。
しかしデジタルサイネージは、記憶媒体やインターネットを通じて情報をディスプレイに表示させるため手間がかからず、また最新の情報をリアルタイムで提供できます。
 
なお、コンテンツの入れ替えをUSBメモリなどでおこなうタイプのデジタルサイネージを「スタンドアロン型」と言い、インターネット経由で遠隔操作できるタイプを「クラウド型」と言います。
 
屋内、屋外を問わず設置ができ、静止画だけでなく音声や動画も表示できるデジタルサイネージは、広告宣伝のみならずあらゆる情報を発信する手段として、今後はさらに幅引く活用されることが予想されます。

デジタルサイネージは屋内用と屋外用がある

デジタルサイネージは、大きく屋内用と屋外用の2種類にわけることができます。ここでは、屋内用と屋外用のデジタルサイネージについて、それぞれの特徴を紹介します。

屋内用デジタルサイネージの特徴

屋内用デジタルサイネージは、主に店舗内の広告看板やアミューズメント施設や公共施設内での案内板として使用されます。
 
屋内使用が前提なので基本的に防塵や防水加工、UVや直射日光への対策が不要です。また設置場所が身近であるため、USBメモリなどを使ってコンテンツを入れ替えることが容易な「スタンドアロン型」が選ばれることも多いです。
そのため屋外用のデジタルサイネージよりも安価なケースが多く、導入コストを抑えることにつながります。
 
ディスプレイと利用者の距離が近いケースが多いことから、解像度の選択や室内の照明の明るさによって輝度が選択できるなど、視覚的なメッセージが利用者に明確に伝えることができるように設計されている場合も多いです。

屋外用デジタルサイネージの特徴

屋外用のデジタルサイネージは、主に街頭や駅の案内板として、商店街や店舗などの広告看板として利用されます。施設の壁面に設置される広告看板用の大型ビジョンも屋外用デジタルサイネージのひとつです。
 
特徴としては、屋外の過酷な環境下での使用に耐えられるよう、防塵、防水、UVや直射日光などの対策がされています。そのため屋内用デジタルサイネージに比べると価格は高い場合が多いです。
 
輝度に関しても、反射防止コーティングが施されたタイプや、周辺の明るさに合わせて自動的に輝度が調整されるモデルもあります。
 
また、屋外用のデジタルサイネージは手が届きにくい高所に設置されるケースも多いため、コンテンツの入れ替えにはインターネット経由で遠隔操作できる「クラウド型」が選ばれやすいです。

デジタルサイネージの導入メリット

従来の広告看板と比較して、デジタルサイネージの導入には以下のようなメリットがあります。

• リアルタイム配信が可能
• 購買意欲を高める
• データ活用ができる
• 視認性が高い
• コストを削減できる

 
それぞれについて詳しく紹介します。

リアルタイム配信が可能

デジタルサイネージは、素早くコンテンツを差し替えることが可能です。また複数のディスプレイに一括でコンテンツを掲載したり、差し替えたりすることも簡単におこなえます。
それによって最新の情報をリアルタイムで発信することができるのです。
 
従来の紙媒体の看板は、コンテンツの差し替えには貼り換えや入れ替えの作業が必要なことから情報発信のタイムラグがありました。
しかしデジタルサイネージでは、曜日や時間帯、ターゲット層などに応じてコンテンツを切り替えることで利用者は必要な情報をタイムリーに受け取ることでき、それによって広告や宣伝の効果を拡大することにつながるのです。

購買意欲を高める

音声付きの動画を配信できる点もデジタルサイネージのメリットのひとつです。
従来の紙媒体の広告と比較して、商品情報やサービスの詳細やメリットなどを視覚と聴覚を通じて訴えることで発信内容をより強く印象付けることが可能になりました。
 
たとえば、季節のイベントをテーマにした動画を配信することで、ユーザーの興味を引きつけ、購買意欲を高めることで販売促進が期待できるのです。

データ活用ができる

ユーザーがデジタルサイネージを利用することで、さまざまなデータを収集でき、それらをマーケティングなどで活用することが可能です。
 
たとえば、タッチパネルタイプのデジタルサイネージであれば、利用者がタッチパネルを操作することでどのような情報を求めているのかを知ることができます。
 
またデジタルサイネージの付近にAIカメラなどを設置し、デジタルサイネージを視聴した人数や視聴時間、年齢、性別などの情報を収集することで、デジタルサイネージの効果を分析する際に役立ちます。
 
このようにデジタルサイネージは使い方によって、単なる電子看板だけでなく、データを収集するためのマーケティングツールとして活用することも可能なのです。

視認性が高い

デジタルサイネージの最大のメリットのひとつとして、視認性の高さがあげられます。
従来の紙媒体の看板は夜間など暗い時間帯には見えにくく、視認性が高いとは言えませんでした。
 
しかし、デジタルサイネージは周囲の明るさにあわせて自動的に輝度が調整されたり、適度な輝度に変更できたりする機能によって、時間や天候に関係なくコンテンツを確認しやすいという特徴があります。
 
これによってユーザーの目を引きやすくなるとともに、店舗や製品の魅力を伝えやすくなる効果が期待できるのです。

コストを削減できる

デジタルサイネージで発信するコンテンツは、USBメモリなどの記憶媒体やインターネットを通じて簡単に差し替えることが可能です。
そのため従来の紙媒体の看板のようにポスターなどの印刷費用や看板制作のコスト、コンテンツを差し替えるための人件費などは不要です。
 
デジタルサイネージを導入する際の初期費用は必要ですが、長い目で見るとコストの削減につながります。

デジタルサイネージの導入デメリット

さまざまなメリットのあるデジタルサイネージですが、一方で次のようなデメリットも存在します。

• 機材故障のリスクがある
• 初期費用が高い可能性がある

 
ふたつのデメリットについて解説します。

機材故障のリスクがある

デジタルサイネージは電子機器です。そのため故障のリスクがあります。
街中の人通りが多い場所にディスプレイを設置した場合、人にぶつかり倒れた拍子に破損してしまうおそれもあるため注意が必要です。
 
また停電時には情報を発信できなくなりますし、クラウド型の場合はWi-Fiに接続できなかったり、サーバーなどシステム運営側の問題が発生したりするとディスプレイが表示されない場合もあります。
 
そのためスタンドアロン型、ネットワーク型のいずれも、設置場所には十分注意したうえで、定期的にメンテナンスをおこなうことが大事です。
また故障時には迅速に対応できるような体制を整えておくとよいでしょう。

初期費用が高い可能性がある

デジタルサイネージのデメリットは、ディスプレイの設置台数や大きさ、設置場所によって初期費用が高額になる可能性があることです。その費用は従来の紙媒体の看板の設置費用を大きく上回るケースがほとんどです。
 
また、ランニングコストとして電気代やメンテナンス代が発生します。クラウド型の場合は、さらに月々のインターネット回線使用料やサーバー管理費なども必要になります。
 
初期費用をなるべく抑えたい場合は、比較的安価なスタンドアロン型を選ぶかレンタルを利用するとよいでしょう。

デジタルサイネージを扱う会社を選ぶ際の重要なポイント

デジタルサイネージを導入する際は規模にもよりますが、広告出稿からコンテンツの制作までを一貫して引き受けてくれる広告代理店に依頼するケースも多いです。その場合はできるだけ優秀な広告代理店を選びたいものです。
 
ここでは、デジタルサイネージを扱う広告代理店を選ぶポイントを紹介します。

実績と信頼性

デジタルサイネージの実績が豊富、かつ信頼できる広告代理店を選びましょう。
実績を調べる際は、自社のホームページやパンフレットなどが参考になります。過去に同じ業界を対象にした実績が多いほど経験やノウハウをもとに、よりニーズを満たす提案が期待できます。

費用感と予算への柔軟な対応

先にも述べたように、デジタルサイネージの導入には費用がかかります。できるだけ費用を抑えたい場合は複数の広告代理店に見積もりを依頼し、それぞれの内容を比較して相場観をつかむ必要があります。
 
デジタルサイネージの導入には、初期費用、ランニングコスト、コンテンツ制作費、メンテナンス費用などが発生します。見積もりに、それらが明確に提示されているか確認しましょう。
その際は金額の安さだけではなく、費用に見合った内容のサービスが提供されるかどうかもチェックし、総合的に判断することが大事です。

サポート体制やメンテナンスの充実さ

デジタルサイネージのメリットは、コンテンツのリアルタイムでの発信です。そのため不具合や故障が起きた場合を想定して、迅速な対応ができるようサポート体制が整っている広告代理店を選ぶことが重要です。

クリエイティブ制作やシステム開発対応力

デジタルサイネージの広告は、いかに視覚や聴覚に届けられるかが重要なポイントです。そのため、制作されている動画やグラフィックなどのコンテンツが評価されている広告代理店を選びましょう。
 
またハードやソフトの選定や設置工事、システム構築の知識を持っているかどうかも、選定のポイントになります。

導入スピードや対応力

デジタルサイネージは、コンテンツをリアルタイムで更新できるのが強みです。
依頼から広告出稿までの対応スピードが速い広告代理店を選ぶことで、より多くの集客できたり、ライバルとの差別化が図れたり、有利にビジネスをすすめることにつながります。
のましょう。
 
また問い合わせに対するレスポンスの早さは、信頼できる広告代理店か見極める際のポイントになります。レスポンスが早く対応が丁寧であれば、なおよいでしょう。

デジタルサイネージの効果を高めるための方法

ここでは、デジタルサイネージの効果をより高める方法を4つ紹介します。

画像・動画・音声を使用する

デジタルサイネージのメリットのひとつである視認性の効果を最大限引き出すために、高画質の動画をコンテンツとして表示し、視聴者の興味を引きましょう。
また静止画もスライドショーにすることで視聴者を飽きさせることなく、効率よく情報を提供することにつながります。

視聴者の動線や視線の高さを考慮する

デジタルサイネージの設置場所を決める際は、視認性を高めるためにもできるだけ多くの人が集まる場所を選びましょう。その際は人流の動線や視線の高さを意識する必要があります。
 
おすすめの設置場所として、店舗や施設の出入り口周辺やエレベーター乗り場など、人が足を止めやすい場所があげられます。

短時間で理解しやすい情報量にまとめる

通行人が視聴者の場合、コンテンツにたくさんの情報を盛り込んでも通りすがりの一瞬では本当に伝えたい内容が伝わらず、せっかくの情報が印象に残りません。
この場合、デジタルサイネージは視認性の高さを活かし、印象に残りやすいように短時間でわかりやすい内容のコンテンツが望ましいと言えるでしょう。

最新の情報を分かりやすく提供する

デジタルサイネージは、コンテンツの内容を素早く差し替えることが可能です。そこで更新の頻度を高めて、最新の情報を提供できるよう柔軟な対応を心がけましょう。
たとえば、タイムセールや新サービスの情報をリアルタイムで掲載することで、集客につながりやすくなります。

まとめ

デジタルサイネージは、従来の紙媒体の看板広告とは異なり、リアルタイムで最新情報の配信・差し替えが可能です。
 
さらに効果を高めたい場合は、視聴者の動線や視線を意識したうえでディスプレイを設置し、クオリティの高いコンテンツを配信すると効果的です。
そのためには、広告出稿からコンテンツ制作まで一括でおこなってくれるデジタルサイネージを扱っている広告代理店に依頼するとよいでしょう。
 
ただしデジタルサイネージを導入する際は、メリットだけでなく、コスト面やサポート面などのデメリットについて理解したうえで検討することをおすすめします。
 
デジタルサイネージを上手に活用することで、集客アップや競合との差別化を図り、ビジネスを有利にすすめることにつながります。

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