マンションでLAN配線工事を考えている方へ|費用・業者の選び方・メリットデメリットを徹底解説
昨今のマンションは、インターネットに対応している場合がほとんどです。
しかし、ファミリータイプのマンションの場合、前室にLAN用モジュラージャック(マルチメディアコンセント)が設置されるとは限りません。
「奥の部屋にWi-Fiが届かない」
「LAN用モジュラージャック(マルチメディアコンセント)がない部屋でパソコンを使いたい」
そんな場合は、LAN配線工事をするのがおすすめです。
今回はマンションのLAN配線工事について、工事費用の相場や工事手順、工事会社の選び方について解説します。
目次[非表示]
- 1.LAN配線工事の費用相場とは?
- 2.LAN配線工事の手順を解説
- 2.1.①有線LANの配線プランを立てる
- 2.2.②配線工事を業者に依頼する
- 2.3.③モデムとルーターを接続して確認する
- 3. LAN配線方式マンションのメリット
- 3.1.低料金で利用できることがある
- 3.2.配線工事をしなくても使える
- 3.3.工事費や解約手数料が発生しない場合がある
- 3.4.無線ルーターが不要な場合がある
- 4. LAN配線方式マンションのデメリット
- 5.LAN配線工事の業者選びチェックポイントとは
- 5.1.施工実績が多く、経験豊富なスタッフが在籍している
- 5.2.受付や電話の対応が親切で丁寧である
- 5.3.無料で見積もりをしてくれる
- 5.4.スタッフ情報やお客様の声が充実している
- 6.LAN配線工事は自分で出来るのか?
- 7.まとめ
- 8.この記事を読んだ方に人気のお役立ち資料一覧
LAN配線工事の費用相場とは?
マンションのLAN配線工事の費用は、工事をおこなう部屋数や配管設備の有無、配管の長さなどによって変動します。また工事業者によっても異なります。
配管とは、電話線やテレビのアンテナ線などを設置するために建物の壁や天井などにあらかじめ設置してある管のことです。
下記は、マンションの有線LAN配線工事にかかる一般的な費用相場です。
- 配管がある場合:5,000円~10,000円/1ポート
- 配管がない場合:10,000円~20,000円/1ポート
配管があれば、そこにLANケーブルを通すだけなので工事が短時間かつ安価におこなえます。配管がない、または配管があってもLANケーブルを通す余裕がない場合は壁などに穴をあける必要があるため、その分の費用が加算され工事費は高くなります。
なお配管の有無は目視で確認することも可能です。
室内の壁に電話線用のモジュラージャックやテレビアンテナ用のコンセントプレートが設置されていれば、ほとんどの場合で配管が設置されていると考えられます。
ただし、先に述べたようにマンションのLAN配線工事費用は工事業者や工事内容によって異なります。相場観を知るためにも複数の業者から見積りを取ったうえで、料金や工事内容を比較検討するとよいでしょう。
LAN配線工事の手順を解説
マンションでLAN配線工事をおこなうにあたって、まず管理組合やオーナーに工事の可否を確認しましょう。
分譲マンションの場合、専有部の工事については連絡するだけでよいというケースも多いです。しかし賃貸マンションはオーナーの許可がなければ工事をおこなうことはできません。その場合はWi-Fi中継器などで代用するとよいでしょう。
許可が下りたら、さっそくLANの配線工事の計画を立てましょう。
ここではマンションで有線LANの配線工事をおこなう一般的な手順を3ステップにわけて紹介します。
①有線LANの配線プランを立てる
まず、LAN配線工事をおこなう部屋の配線レイアウトを考えましょう。
有線LANは、パソコンなどの端末をインターネットに接続するために「LANケーブル」を使います。
そのため、パソコンとLAN用モジュラージャック(マルチメディアコンセント)が離れている場合はLANケーブルが長くなり、家具の配置や歩行時の邪魔になる可能性があります。
また、複数の端末をインターネット接続する場合はタコ足配線になってしまい見栄えが良くありません。
室内の安全性の確保や美観を損ねないためにも、できるだけパソコンやモデム・ルーターから近い場所にLAN用モジュラージャック(マルチメディアコンセント)を配置するようにするとよいでしょう。
家具などのレイアウト上、どうしてもLANケーブルが長くなる場合は配線カバーなどを使ってケーブルを壁に沿わせることで、すっきりとしたレイアウトにすることも可能です。
なお、ルーターのタコ足配線を隠すには、市販のルーター収納ボックスなどの利用がおすすめです。
②配線工事を業者に依頼する
有線LANの配線をおこなう場合、専門業者の工事が必要になるケースもあります。
特に室内にLAN用モジュラージャック(マルチメディアコンセント)がない場合は、壁に穴をあけてその中に配線を通すことになる可能性が高いです。
マンションによっては、LAN配線工事をおこなう専門業者を紹介しているケースもあるので管理会社に確認してみるとよいでしょう。また自分で業者を探す場合はインターネット検索などを使って見つけることも可能です。
LAN配線工事を専門業者に依頼する場合、まず現地調査をしてもらい、見積りを出してもらいます。このとき、かならず複数の業者に現地調査を依頼し、各業者の見積り内容を確認したうえで工事業者を選びましょう。
工事業者を決めたら、あらためて工事内容の詳細を打ちあわせて工事日を決定したうえで、最終的な見積りを提出してもらいます。記載されている金額や内容に問題がなければ契約を交わします。
LAN配線工事の業者の選び方については、後述する『LAN配線工事の業者選びチェックポイントとは』で詳しく解説しています。
なお、LAN配線工事は特別な資格を必要としないため自分自身でおこなうことも可能ですが、そのためには専門的な知識が必要です。ただしうまく配線できなかったり、仕上がりが不十分だったりする可能性もあるので注意が必要です。
DIYに自信がない場合は専門業者に工事を依頼することをおすすめします。
自分でLAN配線工事をおこなうメリットとデメリットについては、後述する『LAN配線工事は自分で出来るのか?』で解説しています。
③モデムとルーターを接続して確認する
当日は、LAN配線工事や室内の壁にLAN用モジュラージャック(マルチメディアコンセント)の取り付けなどがおこなわれます。
LAN配線工事が終了したらモデムやルーターをセットし、正常にインターネットに接続できるか確認します。問題なくインターネットにつながったらLAN配線工事は完了です。
LAN配線方式マンションのメリット
マンションによっては、すでにマンションの共有部分まで光回線が通されていて、共用部分から各部屋まではLANケーブルでつながれているケースがあります。これを「LAN配線方式」といいます。
LAN配線方式のマンションは、共有部分までしか光回線が通されていないマンションと比較して多くのメリットがあります。
ここでは、LAN配線方式のマンションで、LAN配線工事をおこなうメリットについて詳しく解説します。
低料金で利用できることがある
個人でインターネット回線を契約する場合、通常3,000円~5,000円程度のインターネット使用料が必要ですが、LAN配線方式のマンションでは無料もしくは低料金でインターネット通信を利用できる場合があります。
これは「全戸一括型インターネット」として、マンションのオーナーがマンション全住戸分を一括で契約を結んでいるケースです。インターネット使用料はオーナーが負担しているため、マンションの住人はインターネット回線の個別契約をすることなく、無料もしくは低料金で光回線を利用できるのです。
もちろんLAN配線工事をおこなっても、そのままインターネットを使用でき、料金も変わりません。月々の固定費を削減したい人にはおすすめです。
配線工事をしなくても使える
LAN配線方式の場合、配線工事などをしなくても入居してすぐにインターネットを使用できます。またマンションによっては全室にLAN用モジュラージャック(マルチメディアコンセント)が設置されているケースがあります。
この場合、すでに共用スペースから各部屋の間にLANケーブルが引かれているため、LAN配線工事をせずともLANケーブルさえあれば、どの部屋でもインターネットに接続することが可能です。
ただし、スマホやタブレットなど直接LANケーブルをつなげない端末をインターネットに接続するためには別途ルーターが必要です。
なお、マルチメディアコンセントの種類によっては埋込型Wi-Fi付きのものもあります。その場合は、そのままスマホやタブレットをインターネットに接続することができます。
工事費や解約手数料が発生しない場合がある
LAN配線方式のマンションは、入居後すぐにインターネットを使用できます。工事をおこなう必要がないため工事費も発生しません。
また、通常は退去時にインターネット回線を解約したり、機器を撤去したりする必要があります。その際、解約手数料や機器の撤去手数料などが必要になる場合があります。
しかしLAN配線方式のマンションの場合、インターネット契約をしているのはマンションのオーナーです。そのため入居者が解約手続きをおこなう必要はありません。したがって解約手数料も発生しないのです。
無線ルーターが不要な場合がある
共有の無線ルーターが設置されている場合、個別でルーターを購入して接続することなく、入居してすぐにパソコンはもちろん、スマートフォンやタブレットなど複数の端末でインターネット接続が可能です。
室内に埋込型Wi-Fi付きマルチメディアコンセントが設置されている場合も同様です。
ただし、LAN配線方式のマンションすべてが無線ルーター付きとはかぎりません。Wi-Fi環境がない場合は従来通り、各自で無線ルーターを用意する必要があります。
LAN配線方式マンションのデメリット
多くのメリットがあるLAN配線方式のマンションですが、その一方でデメリットもあるため注意が必要です。
建物によって通信速度に差が出ることがある
LAN配線方式マンションといっても、マンションごとに導入しているインターネット回線は異なります。そのためマンションによって通信速度には差があります。
また前述したようにLAN配線方式のインターネットは、共用部までは光回線(最大通信速度)1Gbpsが引き込まれていますが、共用スペースから各部屋まではLANケーブルで配線されています。
そのため、全域で光回線を使用している「光配線方式」に比べると通信速度は遅くなるのが一般的です。
加えて、LANケーブルは通信速度や周波数ごとに複数のカテゴリーにわけられており、マンションで使用されているLANケーブルが古い場合は1Gbpsに対応していないケースも考えられます。その場合は想像よりも通信速度が遅いと感じることがあるかもしれません。
インターネットの通信速度が気になる場合は、入居前にマンションの通信環境を確認し、納得できる速度の物件を選ぶとよいでしょう。
接続する端末が増えると速度が落ちる
LAN配線方式では、1本の光回線を共用部から各部屋にLANケーブルで分配し、居住者全員で共有します。そのため接続する端末が増えると、回線が混雑し通信速度が低下する場合があります。
特にインターネットの利用が集中しやすい夜間や休日などは、回線が混雑しやすく通信速度が遅くなったり、安定しなかったりする傾向があるため注意しましょう。
LAN配線工事の業者選びチェックポイントとは
LAN配線工事をおこなう業者を選ぶ際、なにを基準に選べばよいでしょうか。ここではLAN配線工事業者を選ぶ際のチェックポイントを紹介します。
施工実績が多く、経験豊富なスタッフが在籍している
LAN配線工事の施工実績が多い工事会社には、経験豊富でさまざまなノウハウを持っている施工スタッフも多いと考えられるため、安心して工事を任せることができるでしょう。
工事会社の実績を調べるためには、工事会社のホームページやパンフレットを確認してみましょう。過去の施工事例などを参考にして、希望する施工と似たような事例が多い会社であれば要望などもスムーズに伝わりやすいです。
受付や電話の対応が親切で丁寧である
受付や電話応対は、その会社の「顔」としての役割があります。受付や電話応対が親切で丁寧な会社は好感度が高く、信頼感が増します。
最近は申し込みをネットで受け付けている業者も多くなっているため、電話をする機会や工事会社に直接出向くことはあまりないかもしれません。
しかし機会があれば、工事会社に電話で問い合わせてみても良いでしょう。
実際の工事担当者が電話応対をすることは少ないかもしれませんが、話し方の感じの良さや丁寧さは、会社の良し悪しを判断する際に役立ちます。
無料で見積もりをしてくれる
工事会社を選ぶ際は見積りが無料の会社を選びましょう。
LAN配線工事は、マンションの構造の関係などでLAN配線工事ができないケースもゼロではありません。見積りが有料の場合、工事ができないことが判明しても指定された見積り料金を支払わなければなりません。
現地確認と見積りを無料でおこなってくれる工事会社はたくさんあるため、敢えて見積りが有料の工事会社を選ぶ必要性は少ないです。
工事費用を抑えるためにも見積り無料の工事会社を選びましょう。
スタッフ情報やお客様の声が充実している
工事会社によっては、自社ホームページに工事スタッフの紹介や顧客の感想などを掲載しているケースがあります。
工事スタッフの紹介は、スタッフの顔写真や経歴や担当した施工事例などが記載されているため、実績を確認する際に役立ちます。
また「お客さまの声」は、リアルな口コミとして工事会社を選ぶ際の参考になります。お客様の感想に対してスタッフがレスポンスをしている場合、その内容も判断材料になります。
たとえば、改善点の要望に対して真摯に返答している場合は信頼性が高まります。
自社ホームページだけでなく、Googleなど外部の口コミサイトも参考にするとよいでしょう。
LAN配線工事は自分で出来るのか?
LAN配線は自分でおこなうことも可能です。施工には特別な資格は不要なので、必要な知識と工具があれば施工すること自体に問題はありません。
LAN配線工事をDIYするメリットはありますが、デメリットやリスクもあります。自分で工事をするか、専門業者に頼むか迷ったときは、DIYのメリットとデメリットの両面をよく見て判断しましょう。
まず、自分でLAN配線工事をおこなうメリットは以下のようになります。
- 工事費用を大幅に節約することができる
- レイアウトも自由に決められる
- LAN配線やインターネット関連の知識が身につく
一方自分でLAN配線をおこなう場合、メリットだけでなく下記のデメリットもあるため注意が必要です。
- 既存のケーブルや電気配線、壁を傷つけてしまう可能性がある
- 違うケーブルを購入した
- LANケーブルの長さが足りなかった
- 配管にLANケーブルを通せなかった
- 思っていた仕上がりにならなかった
上記の中でもっとも注意しなければならないのが、「既存のケーブルや電気配線、壁を傷つけてしまう可能性がある」です。壁や天井裏に設置された配管の中には、電話やテレビアンテナなどのケーブルもあるため、扱い方によってはそれらのケーブルを傷つけてだめにしてしまう可能性があります。
特に電源コンセント・電源ケーブルの近くの壁に穴を開ける場合は感電や漏電に注意が必要です。念のため工事をおこなう際はブレーカーを落としておきましょう。
またよくあるのがLANケーブルに関するミスです。長さが足りない、間違った種類だった、配管に通せないなど内容はさまざまです。
それでも最後まで自分で施工できれば良いですが、どうしても施工ができず、最終的に業者を呼ぶケースも少なくないようです。
こうなってしまうと費用の節約につながるどころか却って出費が増えてしまいますし、DIYにかけた時間と労力も無駄になってしまいます。
専門会社は施工経験が豊富なので短い時間で施工でき、しかも仕上がりもきれいです。
DIYに慣れていない人やLAN配線に詳しくない人は、専門業者に工事を任せることをおすすめします。
まとめ
LAN配線工事と聞くとオフィスや工場などが対象と思いがちですが、マンションでもLAN配線工事はおこなえます。
LAN配線工事をおこなう際は配管の有無を確認しましょう。配管があれば工事が簡単におこなえ、工事費用も少なくて済みます。配管がない場合は壁に穴をあける必要もあるため、その分の工事費用が加算されます。
なお、LAN配線工事はDIYすることもできますが、接続や仕上がりがうまくできない場合もあるため、専門の工事会社に任せるのが安心です。
マンションでの快適なインターネット接続環境のためにも、ぜひLAN配線工事を検討してください。
この記事を読んだ方に人気のお役立ち資料一覧
>>アパート経営シミュレーション無料エクセルソフト5選
>>カテゴリー別おすすめアパート建築会社一覧
>>大家さん必見の空室対策アイデア10選
>>アパートWiFi導入のメリット&デメリット
>>入居者募集テクニック8選