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防犯カメラの耐用年数は何年?長持ちさせるためのポイントを解説


国が定めた防犯カメラの「法定耐用年数」は6年です。しかし、各メーカーが独自に決めた防犯カメラの「耐用年数」は5年から10年程度が目安と言われています。
混同されやすい「法定耐用年数」と「耐用年数」ですが、実はまったく違うものです。
では、どのような違いがあるのでしょうか。
 
今回は防犯カメラの耐用年数と寿命について詳しく解説します。また防犯カメラを長持ちさせるポイントも紹介します。


目次[非表示]

  1. 1.防犯カメラの耐用年数とは?
    1. 1.1.耐用年数とは何か?
    2. 1.2.防犯カメラの耐用年数
  2. 2.実際の防犯カメラの寿命
  3. 3.防犯カメラを長持ちさせるためのポイント
    1. 3.1.適切な設置場所を選ぶ
    2. 3.2.防犯カメラは設置場所にあわせて選ぶ
    3. 3.3.定期的なメンテナンスをおこなう
      1. 3.3.1.防犯カメラ本体のチェックポイント
      2. 3.3.2.ケーブルのチェックポイント
      3. 3.3.3.レコーダーやSDカードのチェックポイント
  4. 4.まとめ
  5. 5.この記事を読んだ方に人気のお役立ち資料一覧


防犯カメラの耐用年数とは?

防犯カメラの耐用年数は何年になるのでしょうか。また耐用年数を過ぎるとカメラは使えなくなるのでしょうか。実は「耐用年数」には2種類があり、定め方や使い方が異なります。
ここでは防犯カメラの耐用年数について解説します。


耐用年数とは何か?

一般的に使用される「耐用年数」には次の2種類の意味があります。

  • 法令で定められた減価償却の「法定耐用年数」のことで、資産の価値がなくなる期間を指す。主に減価償却費の計算に用いられる
  • 製品を製造するメーカーなどが独自に定めた製品が使用できる期間の目安

 
「法定耐用年数」は、「資産価値はこれくらいの期間でなくなる」と国が定めた期間のことです。
法定耐用年数は、時間の経過や使用することで価値が減少していく固定資産(減価償却資産)ごとに設定されていて、会計処理で「減価償却費」を求める際に使用されます
 
法定耐用年数は、あくまで「国が定めた資産の価値」を示す数字であり、資産の使用期限ではありません
 
たとえば、木造の賃貸アパート(建物)の法定耐用年数は22年ですが、法定耐用年数を大幅に過ぎても賃貸中のアパートはたくさんあり、入居者は問題なく生活しています。
このように法定耐用年数は、定められた年数を経過した(資産価値がなくなった)としても、その資産がただちに使用できなくなるわけではないことを理解しておきましょう。
 
一方、メーカーが独自に定めた「耐用年数」は、「一定の条件下でその製品が安全に使用できる期間の目安」のことです。「耐久年数」と呼ばれることもあり、「製品寿命」の目安として考えられます。
 
製品の耐用年数は、メーカーがおこなうさまざまな製品テストによって決められます。
たとえば防犯カメラの場合、そのカメラが持つ性能や機能(画素数、防塵や防滴機能など)が実現できる使用条件(温度、湿度、設置環境、メンテナンス方法や頻度など)が決まっています。
メーカーはその使用条件に沿って製品テストをおこない最終的な耐用年数を決定するのです。
 
そのためメーカーが想定した使用条件以外の使い方をした場合、耐用年数に達する前に使用できなくなる可能性もあるため注意が必要です。


防犯カメラの耐用年数

前述したように耐用年数には2種類の意味があり、防犯カメラについても例外ではありません。メーカーが定める耐用年数は製品によって異なりますが、5年から10年程度が目安とされる場合が多いです。
 
一方、防犯カメラ本体の法定耐用年数は6年ですが、用途によって異なります。
カメラ単体の場合は「光学機器」とみなされ、耐用年数は5年です。防犯カメラに火災などの災害報知する機能を備えている場合は「災害報知設備」とみなされるため耐用年数は8年になります。
 
防犯カメラの耐用年数を確認する際は、用途や機能に注意する必要があります。
判断に迷ったら、自己判断せずに税理士などに相談して適切な耐用年数を確認しましょう。


実際の防犯カメラの寿命

一般的な防犯カメラの寿命は5年から10年程度と言われていますが、メーカーや機種によって目安となる寿命は異なります。防犯カメラの寿命を知るためには、前述した「メーカーが定めた耐用年数」を参考にするとよいでしょう。
 
ただし、メーカーが定めた耐用年数は、あくまで使用できる期間の目安であり、使用期間を保証するものではありません
防犯カメラの設置場所や使い方によっては、メーカーが定めた耐用年数よりも短い期間でカメラが使えなくなるケースもあるため注意が必要です。
 
防犯カメラは精密機械です。そのため落下や衝撃などによって破損すると正常に動作しなくなる可能性があります。
 
また防犯カメラは屋外用と屋内用があり、屋内用カメラは天候や気温変化の影響を受けにくいため比較的長持ちします
 
一方、屋外用カメラは厳しい気象条件にも耐えられるよう耐水性、耐塵性、耐熱性、耐衝撃性などの機能が備えられているのが一般的です。
しかし、長期に渡って使用していると、本体の劣化や異物がぶつかってできた傷が原因で雨水が染み込んでしまい故障するケースもあります
 
特に近年は猛暑日も多く気温や湿度が高く、防犯カメラによってはメーカーが想定した使用条件を上回っている可能性もあるため注意が必要です。
 
また防犯カメラの消耗品や周辺機器にも寿命があります。特に映像を録画する機器が古くなると、録画ができなかったり、画像が乱れたりといった不具合が生じるおそれがあります。
たとえば防犯カメラで撮影した映像を録画するレコーダーの寿命は一般的に5年程度と言われていますが、およそ3年ごとの交換を推奨されています。
 
いずれにしても、防犯カメラ本体にも周辺機器にも寿命は存在します。少しでも寿命を延ばしたい場合は、適切な使用とメンテナンスが欠かせません。
 
防犯カメラの寿命を延ばす方法については次項で詳しく解説します。


防犯カメラを長持ちさせるためのポイント

一般的な防犯カメラの寿命は5年から10年程度が目安です。特に厳しい気象条件の影響を受ける屋外用カメラは寿命が短くなる傾向です。
 
少しでも長く防犯カメラを使うためには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
ここでは防犯カメラの寿命を延ばすためのポイントを解説します。


適切な設置場所を選ぶ

防犯カメラの寿命は設置場所によって大きく左右されます。防犯カメラは精密機械なので風雨や直射日光に長期間晒されると劣化しやすくなり、結果的に寿命の短縮につながります。
 
特に屋外用防犯カメラは、気象の影響を受けない屋内用のカメラに比べて短命です。
屋外用防犯カメラにはが付けられていますが、経年とともにその効果は弱まり劣化するのが一般的です。
 
そのため寿命を長持ちさせるには、屋外用防犯カメラであってもできるだけ天候や環境の影響を受けにくい、雨風を防げる軒下や日影ができやすい壁面などに設置することが大事です。
 
設置したい位置に軒下などがない場合は、市販されている簡易的な庇型カバーの設置やハウジング(ハウジングケース)を利用するのもおすすめです。
 
ただし防犯カメラの需要を重視しすぎて防犯とは無関係な位置に設置してしまうと、防犯カメラの効果がなくなってしまいます。防犯カメラを設置する際は防犯効果が得られ、かつ天候などの影響が少ない場所を選びましょう。


防犯カメラは設置場所にあわせて選ぶ

防犯カメラを長持ちさせるには、設置する場所にあう機種のカメラを選ぶことが大事です。
防犯カメラには屋外用と屋内用の種類がありますが、屋内用カメラには基本的に耐水性、耐塵性、耐熱性、耐衝撃性などの機能はついていません。
 
そのため屋内用カメラを屋外に設置してしまうと、風雨や粉塵などの影響で故障しやすく、寿命を縮めるため注意が必要です。
また屋内であっても、調理場など高温になりやすく湿気が多い場所に設置する際は屋外用の防犯カメラを選ぶと長持ちしやすくなります。


定期的なメンテナンスをおこなう

防犯カメラの寿命を延ばすためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。特に風雨にさらされる屋外用防犯カメラは劣化しやすいため、こまめなメンテナンスが必要です。
 
また落雷や台風の影響で故障するケースが多いため、近隣で落雷があった場合や台風直後のメンテナンスは念入りにおこないましょう
定期的にメンテナンスをおこなう際は半年に1度程度が目安となります。
 
ここでは防犯カメラの本体と周辺機器について、メンテナンス時にチェックするポイントを解説します。
 
なお、より詳しいメンテナンス方法については、防犯カメラに付属されている説明書などを確認してください。


防犯カメラ本体のチェックポイント

防犯カメラ本体のメンテナンスは、基本的に目視できる範囲でおこないます。主なチェックポイントは次のようになります。

  • レンズに傷や汚れはないか
  • カメラ本体に傷や汚れはないか
  • 設置個所のネジに緩みや破損はないか
  • カメラの角度は正しいか

 
映像の映りが悪いときはレンズが汚れていたり、傷がついていたりする可能性があります。レンズの汚れや傷はレンズクリーニング液や眼鏡拭き用の柔らかい布で拭きとり、その後無水エタノールを使ってクリーニングすると良いでしょう。
 
カメラ本体には蜘蛛の巣やホコリが付きやすいため、こちらも拭き掃除をしましょう。本体に大きな傷がある場合は水滴が内部に入り込み故障の原因になりやすいため、専門家にメンテナンスを依頼することをおすすめします。
 
設置個所のネジの緩みや破損は落下などの原因になるため危険です。ネジの締め直しや新しいネジと交換し、しっかりと固定する必要があります。
強風などの影響で防犯カメラの角度がずれている場合は正しい位置にセットし直すと良いでしょう。
 
防犯カメラは毎日稼働しているため、動作がおかしいと感じたらすぐに確認してください。目視で原因がわからない場合は防犯カメラの故障が疑われます。その際は専門業者への相談が必要になります。


ケーブルのチェックポイント

防犯カメラを有線で設置している場合、電源ケーブルや映像伝送用ケーブル(同軸ケーブルやLANケーブル)のチェックもおこないましょう。主なチェックポイントは次のようになります。

  • ケーブルに汚れや断線箇所はないか
  • 取り付け部分や差し込み部分に緩みや破損はないか

 
ケーブルが劣化や断線している場合は新しいものと交換しましょう。
また、ケーブル類の緩みや汚れが原因で接続が不安定になる場合があります。接続部分をチェックし、ホコリなどの異物があれば取り除いてクリーニングしたのちに、再度ケーブルを本体に接続しましょう。


レコーダーやSDカードのチェックポイント

防犯カメラの録画機(レコーダーやSDカードなど)も定期的なメンテナンスが必要です。主なチェックポイントは次のようになります。

  • 録画は正常におこなわれているか
  • 記録時刻にずれはないか

 
防犯カメラは犯罪の抑止だけでなく、映像が犯罪や事件の証拠となることも少なくありません。そのため防犯カメラがとらえた映像が、しっかり録画されているか確認しておくことは非常に重要です。
 
万が一録画されていない場合やった場合は、レコーダーやSDカードの交換をおすすめします。
なお映像をクラウドに保存するタイプの防犯カメラはレコーダーが不要です。レコーダーのメンテナンスや交換の必要ないためコスト削減などのメリットがあります。
 
また録画時刻が実際の時刻がずれていると証拠能力が薄れてしまう可能性があるため、正しい時刻に合わせておきましょう。


まとめ

防犯カメラの「法定耐用年数」と「耐用年数」の違いについて解説しました。
「法定耐用年数」は会計処理の減価償却をおこなう際に用いられる数字であり、防犯カメラの寿命を示すものではありません。
防犯カメラの寿命を知りたい場合は、各メーカーが独自に決めた「耐用年数」を参考にしましょう。
 
一般的に防犯カメラの寿命は5年から10年程度と言われていますが、適切な設置や定期メンテナンスをおこなうことで、寿命を延ばすことは可能です。
ぜひ当記事を参考にして、防犯カメラを長持ちさせてください。


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岩崎
岩崎
不動産ジャンルのライター歴は2年半以上。その間、100本以上のコラム構成・執筆を担当。満室経営を目指す大家さんに役立つ記事をお届けします。

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