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【知らないと損】電話線で使うVDSLとは?光回線との違い・確認方法をわかりやすく解説

「入居したマンションのインターネット回線の速度が遅い」という話はよく聞きます。

その理由として考えられるのが、マンションなどで利用されているインターネット回線が「VDSL方式」と呼ばれる配線方式である可能性です。

VDSL方式は、共用部から各部屋までの配線に電話線を使用しています。

ではなぜ、電話線を使用したVDSL方式ではインターネットが遅くなるのでしょうか。

今回はVDSL方式のインターネット回線と光回線の違いや、VDSL方式のネット回線が遅いときの改善方法について解説します。

目次[非表示]

  1. 1.電話線でインターネットが使えるってどういうこと?
    1. 1.1.VDSLとは?仕組みをやさしく解説
    2. 1.2.マンションでよく使われる理由とは?
  2. 2.VDSL方式と光配線方式は何が違う?【速度・料金・使い勝手】
    1. 2.1.速度比較:動画・ゲームに耐えられる?
    2. 2.2.料金・工事・安定性の違い
    3. 2.3.VDSL方式のメリット・デメリット
      1. 2.3.1.VDSL方式のメリット
      2. 2.3.2.VDSL方式のデメリット
  3. 3.自宅がVDSLかどうか確認する方法
    1. 3.1.契約書・工事記録・回線業者のエリアチェック
    2. 3.2.管理会社やオーナーに聞くときのポイント
    3. 3.3.VDSLかどうかを見分ける2つのサイン
  4. 4.VDSL回線の速度が遅いときの対処法
    1. 4.1.まず試すべき3つの改善策
      1. 4.1.1.Wi-Fiルーターをリセットする
      2. 4.1.2.LANケーブルの確認・交換
      3. 4.1.3.時間帯を変えて接続してみる
    2. 4.2.回線方式そのものが原因の場合の対処方法
    3. 4.3.光回線への切り替えは可能?条件と注意点
  5. 5.「VDSL物件」に住むべきか?引っ越し前のチェックリスト
    1. 5.1.物件選びの際に確認すべき「ネット回線情報」
    2. 5.2.不動産ポータルでのチェック方法
    3. 5.3.「ネット無料」の裏に潜むVDSLの罠とは?
  6. 6.まとめ|VDSLの特徴を理解して快適なネット環境を選ぼう
  7. 7.この記事を読んだ方に人気のお役立ち資料一覧

電話線でインターネットが使えるってどういうこと?

昨今では、マンションやアパートなどの集合住宅にインターネット回線が導入されているケースがほとんどです。

ただし、集合住宅で使用するインターネット回線には複数の接続方式があり、中には電話線を利用した「VDSL方式」で接続しているインターネット回線もあります。

有線接続のインターネット回線は光回線が主流の今、「電話線でインターネットに接続する」のはどういった仕組みなのでしょうか。

ここでは電話線を使用したインターネット接続方式について解説します。

VDSLとは?仕組みをやさしく解説

インターネット回線として電話線を利用する接続方式を、「VDSLVery high-bit-rate Digital Subscriber Line)方式」と言い、主にマンションやアパートなどの集合住宅で用いられる接続方式のひとつです。

かつてインターネット接続方式の主流だったADSLと同様のDSL方式(電話用のアナログ回線)を使用した接続方法であり、既存の電話線を使用してインターネットに接続する仕組みです。

VDSL方式は、最寄りの電柱から光ファイバーケーブルをマンションやアパートなどの建物内の共用部まで引き込んだ後、共用部から各部屋までの配線に電話線を使用するため、速度が遅くなってしまうのです。

なお、VDSL方式のインターネット回線の最大通信速度は下り100Mbps、上り50100Mbps程度となり、光配線方式と比較するとかなり速度は遅いです。

なお、マンションやアパートなどに導入されるインターネット回線の主な接続方法には、以下のようなものがあります。

  • 光配線方式:共用部から各部屋まで光ケーブルで配線する。通信速度が速く安定している。

  • LAN配線方式:共用部から各部屋までLANケーブルで配線する。光回線よりも速度は遅いが、VDSLよりは速い。

  • CATV方式:ケーブルテレビ会社が提供するインターネットサービスで、既存のケーブルテレビ回線(同軸ケーブル)を利用してインターネットに接続する。

  • 無線方式:光ファイバーケーブルを共用部に引き込んだ後、共用部(廊下や外壁など)にWi-Fiルーターなどを設置し、Wi-Fiでインターネットに接続します。

マンションでよく使われる理由とは?

新しいマンションの多くは、光配線方式でインターネット回線が導入されますが、築年数の経過した マンションでは以下の理由でVDSL方式が採用されるケースが多いです。

  • 建物の共有部に設置されている光回線集合装置(電柱から引き込んだ光ファイバーケーブルを接続する装置)が全部屋数に対応しておらず配線ができない。

  • 配管が不足・破損している

  • 技術的に後付けで光ケーブルを配線するのがむずかしい

上記のように築古の建物には光配線方式のインターネット回線を導入しづらい一方で、VDSL方式であれば、既存の電話線が使用できるため大規模な工事をおこなうことなく、各部屋でインターネットを使用できるのです。

また既存の電話線を利用することで、新たにケーブルを配線する必要がなく、低コストでインターネット回線を各部屋に導入できるのもメリットです。

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VDSL方式と光配線方式は何が違う?【速度・料金・使い勝手】

ここでは、電話線を利用したVDSL方式のインターネット回線と光ケーブルを使った光配線方式との違いについて、速度・料金・使い勝手を比較します。

速度比較:動画・ゲームに耐えられる?

VDSL方式であっても動画視聴やオンラインゲームをおこなうことは可能です。

ただ、動画視聴やオンラインゲームを快適に利用するためには回線速度が重要であるため、「上り速度・下り速度」を確認することが大事です。

一般的に、動画視聴に必要な回線速度は530Mbps程度と言われています。

オンラインゲームを快適にプレイするための回線速度は上り・下りともに最低で30Mbps程度が目安であり、ゲームのジャンルによっては100Mbps程度の回線速度が推奨されます。

下記は、マンションやアパートに導入されているインターネット回線を接続方式別に回線速度をまとめたものです。

上記の表からわかるように、回線速度ではやはり光配線方式がもっとも早いですが、理論上はVDSL方式であっても、動画視聴やオンラインゲームのプレイに問題はありません。

また、オンラインゲームを快適にプレイするためにはping値(応答速度)も無視できません。

オンラインゲームで求められるPing値は50ms以下が目安と言われており、数値が小さいほどラグなどが少ないです。

VDSL方式のPing値は21ms 45ms程度であり、通常プレイのオンラインゲームであれば十分楽しめる数値であると考えられます。

ただし、VDSL方式は1本のインターネット回線を集合住宅の全室で共有しているため、アクセスの集中する時間帯などでは回線速度が低下する可能性が高いです。

オンラインゲームの種類や求めるゲームレベルによってはVDSL方式では物足りなさを感じるでしょう。

料金・工事・安定性の違い

光配線方式とVDSL方式を比較した場合、まず通信速度と安定性では光配線方式が圧倒的に優れています。

ただし古い集合住宅の場合、構造上の問題から光配線方式の工事がむずかしく、既存の電話線を利用するVDSL方式が採用されるケースが多いです。

またその場合、工事費用も抑えられます。

なお、光配線方式の月額料金は5,000円前後であるのに比べ、VDSL方式の月額料金は4,000円前後と若干安くなるのが一般的です。

VDSL方式のメリット・デメリット

ここではVDSL方式のメリットとデメリットをまとめました。

VDSL方式のメリット

  • 導入コストが安い:既存の電話線を利用できるため、新規で配線をする必要がなく、工事費用を抑えることができる

  • 開通まで短期間で済む:すでに存在する電話線を使用するため、比較的短時間で開通できる

VDSL方式のデメリット

  • 通信速度が遅い:共用部から各部屋への配線が電話線であるため、光配線方式に比べると通信速度は遅い

  • 回線の混雑時には速度が低下する:建物内の全住戸で1本の光回線を共有するため、利用者が多い時間帯には回線が混み合い、通信速度が低下する場合がある



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自宅がVDSLかどうか確認する方法

ここでは、現在の住まいで利用しているインターネット回線がVDSL方式なのか確認するための方法を紹介します。

契約書・工事記録・回線業者のエリアチェック

マンションやアパートなどの契約書やインターネット回線の契約書類・請求書などに「VDSL方式」といった記載がないか確認しましょう。

手持ちの書類などに記載がない場合は回線事業者のサイト上で確認できるケースもあります。

たとえば、NTT東日本では「提供エリアのご確認」というサイトで、居住地の郵便番号・住所・建物名・部屋番号から、提供されているインターネット回線の配線方式を知ることができます。

管理会社やオーナーに聞くときのポイント

マンションやアパートの管理をおこなっている不動産屋や管理会社・オーナーに確認することもできるでしょう。

物件の問い合わせの際や内見時に確認しておけば手間が省けます。

また、物件情報にインターネット回線の配線方式が記載されている場合もあるため確認してみましょう。

VDSLかどうかを見分ける2つのサイン

室内に設置されているインターネットへの接続口を確認することでも、VDSL方式かどうかを簡単に確認できます。

室内の壁にあるインターネットの接続口が電話線と同じモジュラージャックの場合、その部屋のインターネット接続方式はVDSL方式となります。

またインターネット回線契約後に回線事業者から送られる端末に「VDSL」の表記があればVDSL方式ということになります。

VDSL回線の速度が遅いときの対処法

マンションやアパートのインターネット回線がVDSL方式の場合、「通信が遅い」と感じる場合があるかもしれません。

その場合、どのように対処すればよいのでしょうか。

ここでは、VDSL回線の速度が遅いときの対処法について解説します。

まず試すべき3つの改善策

VDSL配線方式の回線速度が遅い場合、次の3つのうちいずれが原因のケースが多いです。

まず、インターネット回線が遅くなっている原因を確かめましょう。

Wi-Fiルーターをリセットする

使用しているWi-Fiルーターの不具合が原因で回線速度が遅くなるケースがあります。

一度、Wi-Fiルーターの電源を切る(リセットする)ことで速度が改善する場合があります。

LANケーブルの確認・交換

パソコンなどを有線で接続している場合、接続に使用しているLANケーブルを取り換えることで速度が改善する可能性があります。

LANケーブルには通信規格があり、VDSL方式の場合は100Mbpsよりも低い規格のものを使用していると最大の速度が出ないケースがあります。

もし、100Mbpsよりも低い規格のLANケーブルを使用している場合は、100Mbps以上の規格である「カテゴリー5」のLANケーブルを使うことで速度が改善することがあります。

時間帯を変えて接続してみる

前述したようにVDSL方式の場合、1本の光回線を建物内の全戸で共有しているため、インターネット接続が集中する時間帯は通信が混み合い、一時的に通信速度が低下する場合があります。

特に夜間や土日などの休日はインターネット接続が集中しやすいです。

上記の時間帯を避けて接続してみることで、速度が安定しやすくなる可能性があります。

回線方式そのものが原因の場合の対処方法

上記の3つの方法のいずれでも回線速度が改善しない場合は、VDSL方式自体の速度の上限であると考えられます。

その場合、以下の方法で速度が改善するケースがあります。

  • パソコン内のキャッシュのクリアやデフラグをおこなう

  • ルーターを変える

  • IPv6IPoE接続に切り替える

ただしこれらの方法は、あくまでVDSL方式の最大速度である100Mbpsに近づけるための改善策となり、どれだけがんばっても、それ以上ネットの速度は速くなりません。

そのため、上記の方法でも求める回線速度に満たない場合は「光回線への切り替え」を検討するとよいでしょう。

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光回線への切り替えは可能?条件と注意点

マンションやアパートのインターネット配線方式を変更することは不可能ではありませんが、いくつか注意点があります。

まず、入居者が個人的にマンションに導入されているインターネット回線とは別の回線を引きたい場合は工事が必要になるため、管理会社や管理組合、オーナーの許可を得る必要があります。

これは、工事内容によっては壁に穴を開けるケースが考えられるためです。

万が一無許可で工事をおこない、建物に傷をつけてしまうと高額の修繕費を請求されるケースもあるため注意しましょう。

また、技術的に光回線を引き込めるかどうかを確認することも重要です。

たとえば光ファイバ―ケーブルを引き込むための電柱から部屋までが遠いなど、管理会社やオーナーが許可した場合でも、技術的にむずかしい場合も考えられます。

さらに、引き込み工事にかかる費用負担はだれがおこなうのか確認する必要もあります。

「VDSL物件」に住むべきか?引っ越し前のチェックリスト

VDSL方式のインターネット回線は、光回線と比較すると速度は遅くても、月額料金が安いなどのメリットもあります。

ただ、これからマンションやアパートに引越し予定の方の中には、できるだけ速いインターネット回線が導入されている物件に入居したいと考えている方も多いでしょう。

そういった方には、使用できるネット回線がVDSL方式の物件は避けたいかもしれません。

ここでは、物件を選ぶ際にインターネット環境のチェック方法について解説します。

物件選びの際に確認すべき「ネット回線情報」

まず、物件情報に記載されている「インターネット環境」に関する情報をチェックしましょう。

物件情報に記載されているインターネット回線は、主に以下のようになります。

  • インターネット完備:すでに各部屋までインターネット回線が配線されており、入居者は入居後すぐに無料でインターネットが利用できる。「インターネット無料」と記載されている場合もある。

  • インターネット対応:共用部分までインターネット回線が引かれている状態であり、各部屋でインターネットに接続するためには入居者自身で回線業者やプロバイダーとの契約が必要。

  • インターネットに関する記載がない:建物内に回線が通っていない可能性がある。

上記の記載だけではインターネット回線の種類は不明ですが、物件によっては「光回線完備」などのように記載されている場合があります。

不動産ポータルでのチェック方法

昨今では賃貸物件や分譲マンションを探すにあたって、SUUMOやホームズなどのポータルサイトを利用するのが一般的です。

その際、検索条件として「インターネット回線の種類」を指定することが可能です。

ポータルサイトによってインターネット回線の検索条件は異なりますが、「インターネット完備(無料)」や「インターネット対応」といった項目が検索条件として用意されています。

たとえば、無料インターネットが導入されている物件を希望する場合は「インターネット完備(無料)」にチェックすれば、条件にあう物件が検索結果に表示されます。

あとは物件を問い合わせる際や内見時に、インターネット環境の詳細を確認するとよいでしょう。

「ネット無料」の裏に潜むVDSLの罠とは?

前述したように、物件のなかには入居者がインターネットを無料で使用できる「インターネット完備(無料)」というケースがあります。

通常、入居者が部屋でインターネットに接続する場合は、個人的に回線業者やプロバイダーと契約を結び、工事費や月額料金を支払う必要がありますが、インターネット無料物件はそういった手続きや支払いは一切必要ありません。

なぜ、入居者が無料でインターネットを使用できるかというと、これはマンションやアパートのオーナー(大家)があらかじめ導入費用や月額料金を支払っているためです。

手続きも支払いも不要であるため、入居者の金銭的負担が減ることから、入居者に人気の設備である一方で、入居者自身で回線の種類を選べないなどのデメリットもあります。

また、インターネット無料はほとんどの場合、1本の光ファイバーケーブルをマンション全戸で共有するタイプの接続方式です。

そのため、インターネット接続が集中する時間帯は通信速度が低下する場合もあり、オンラインゲームやテレワーク、大容量の動画視聴など通信速度や安定性を重視する方は注意が必要です。

まとめ|VDSLの特徴を理解して快適なネット環境を選ぼう

VDSL方式のインターネット回線は、共用部から各部屋までの配線電話線を使用しています。

そのため、光回線をそのまま導入する場合や、共用部から光ケーブルで配線をする光配線方式などと比較すると速度はかなり遅くなってしまいます。

VDSL方式のインターネット回線の速度が遅いと感じた場合は、LANケーブルやルーターを取り換えたり、パソコンのキャッシュを削除したりすることで速度アップを図ることも可能です。

快適なインターネット接続をおこなうためにも、ぜひ当記事を参考にしてください。

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岩崎
岩崎
不動産ジャンルのライター歴は2年半以上。その間、100本以上のコラム構成・執筆を担当。満室経営を目指す大家さんに役立つ記事をお届けします。

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