オフィスの業務効率を向上させるため、ネットワーク環境の安定を目的としてLAN配線工事を選択する企業様が増えています。

しかし、オフィスのLAN配線工事は専門的な知識と技術が求められるため、社内のみで構築・施工するのはむずかしく、専門業者に工事を依頼する必要があります。

そのため、LAN配線工事にかかる費用を心配するケースも多いようです。

LAN配線工事費用をできるだけ抑えるためには、各施工業者の見積りを比較することが大事ですが、そもそも費用の内訳や相場がわからないという方も多いのではないでしょうか。

そこで当記事では、LAN配線工事について、見積もりに含まれる費用の項目や相場、信頼できる施工業者の選び方について詳しく解説します。

また、オフィスのLAN配線工事の流れも紹介しています。

オフィスのLAN配線工事を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

オフィスや家庭のLAN配線工事費用は、工事規模や機器の種類、フロアをまたぐかどうかなど、さまざまな状況に応じて変動するのが一般的です。

そのため、正確なLAN配線工事費用を知るためには、工事業者による見積もりが欠かせません。

ただ、業者が提出した見積もり額が適正であるかどうかを判断するためにも、基本となるLAN配線工事費用の相場を知っておくことが大事です。

ここでは、一般的なLAN工事費用の相場を紹介します。

まず、LAN配線工事にかかる基本的な費用を把握しておきましょう。

以下は、一般的なLAN配線工事の見積もりに記載されている工事内容の種類及び目安額です。

【LAN配線工事費用の種類と目安額】

• 人件費：10,000～40,000円（1人・1日）

• LAN配線費：7,000～15,000円（1箇所）

• ルーター代金：7,000～10,000円（1台）

• HUB（ハブ）代金：3,000～5,000円（1台）

• ネットワーク設定費：7,000～8,000円（1台）

• LANケーブル代金：2,000～4,000円（10ｍ）

上記のLAN配線工事費用はあくまで目安であり、施工会社や使用する機器のスペックやグレードによって金額は異なります。

また、LAN配線の構築規模が大きくなれば、投入される人員や使用する機材の量も増えるため、最終的に必要となるLAN工事費用は高額になります。

たとえば、小規模なオフィスや店舗でLAN配線工事を行った場合の費用目安は8～10万円程度となることが多いです。

このようにLAN配線工事にかかる費用は、状況によって幅が大きいため、かならず施工業者に見積もりを依頼することが重要となることを覚えておきましょう。

複数の部屋やフロアをまたいでLAN配線工事を行う場合は、追加費用が発生するケースがほとんどです。

これは、使用する機材の量が増えたり、高所作業となるため作業員数を2人にしたりする必要が生じるためです。

たとえば小規模オフィスで1階と２階のフロアをまたぐ場合、通常の工事費用よりも10～20万円程度の工事費用が追加で発生するケースもあります。

こちらの通常のLAN配線工事と同様に施工業者から見積りを取り、工事内容と金額を確認しましょう。

オフィスや店舗、一般家庭で行うLAN配線工事費用の内訳は、大きく分けて下記の３つに分類されます。

• 人件費

• 部材費

• 作業費

ここでは上記の３種類の費用について、それぞれの詳細を解説します。

人件費は、実際にLAN配線工事を行う作業員の人数と作業時間によって決定します。

作業員1人あたりの費用の目安は10,000～40,000円/日程度と幅があり、これは作業員の技術力や工事の難易度による場合が多いです。

また、ＬＡＮ配線の規模が大きくなると投入される作業員数や作業時間が増加するため、人件費も高額になります。

なお、作業時間は作業に必要とされる見込み時間で算出されます。

そのため想定した作業時間よりも短時間で工事が終わった場合でも、人件費が安くなることはありません。

工事にかかる時間の目安は、一般的なLAN配線工事の場合、小規模・中規模オフィスであれば半日～1日で完了することがほとんどです。

大規模オフィスや複数のフロア・建物をまたいだLAN配線工事の場合は、規模によっては数日～1週間程度かかるケースもあります。

見積もりを確認する際は、割り当てられている人件費が適切であるかどうか確認するとよいでしょう。

部材費は、LAN配線工事に使用される、LANケーブルやHUB（ハブ）、ルーターなどの各種機器が該当します。

LAN配線によるネットワーク構築を最適化するためには、適切なスペックやグレードの機器を選ぶ必要があるのです。

たとえば、LANケーブルは通信速度や伝送距離によってカテゴリが決まっており、価格もカテゴリごとに異なります。

そのため、どの機材を選ぶかによって部材費の見積りが大きく異なる場合があります。

見積もり額の安さだけで施工業者を選んでしまうと、想定した通信速度が得られないなどのデメリットにつながる可能性もあるため注意が必要です。

作業費は、LAN配線工事で実際の作業（LANケーブルの敷設や各機器の設置・設定など）にかかる費用をいいます。

有線LANの場合、具体的には下記のような作業が作業費にあたります。

• LANケーブルの配線

• ルーターの設置・設定

• HUBの設置

• PCネットワーク設定

作業費は、LAN配線工事の規模や配線ルートの距離・難易度などによって変動します。

一般的にLANケーブルを通すための配管がない場合は作業費が高くなる傾向です。

前述したように、LAN配線工事にかかる費用は工事規模や選定する機器の種類などによって異なり、高額になるケースも少なくありません。

そのため、できるだけLAN配線工事費用を安く抑えたいと考える方も多いでしょう。

ここでは、LAN配線工事費用を安く抑える方法を3つ紹介します。

LAN配線工事費用を抑えるためには、複数の業者から見積もりを取り、金額や工事内容を比較することをおすすめします。

LAN配線工事に必要な費用は工事業者によって幅があることが多く、同じ工事内容であってもトータル費用が大きく異なることもめずらしくありません。

1社だけの見積もりでは、その価格が相場に対して適正なのか判断することはむずかしいですが、複数の業者の見積りを比較することでLAN配線工事費用の適正額が把握できます。

ただし、相見積もりを比較する際は、かならず同一の工事条件で見積もりを依頼しましょう。

工事内容の条件が変わってしまうと当然、見積もり内容や金額も変わってくるため、正しく比較することができなくなってしまうため注意が必要です。

そのうえで各社の見積もりを比較し、内容や金額に納得できる業者を選ぶとよいでしょう。

LAN配線工事費用を抑えたい場合は、できるだけ繁忙期は避けた方が無難です。

LAN配線をはじめとするインターネット回線工事の繁忙期は、新年度や新生活に向けてオフィス移転や引越しが多くなる12月～3月と9月頃です。

この時期は、インターネット関連の工事依頼が多くなるため予約が取りにくくなったり、費用が高くなったりする傾向があります。

逆に 4月～6月頃は閑散期にあたり、ピーク時と比較すると工事依頼が少ないため、お得な料金を提示される可能性も期待できます。

LAN配線工事を行うにあたって、あらかじめ希望する配線ルートや必要なLANコンセントなどの数を整理しておきましょう。

配線ルートを明らかにしておくことで、工事に必要なLANケーブルの長さや本数、設置する機器の種類や戸数を把握しておけば部材費に無駄が出ず、結果的に工事費用を抑えることにつながります。

また、LAN工事に使用される機器類は施工業者が用意するのが一般的ですが、自身で家電量販店やECショップで安く購入することも可能です。

施工業者が提供するよりも安い価格で購入できるため、少しでも工事を抑えたい場合におすすめです。

その場合は、あらかじめ施工業者との打ち合わせ時に必要な機器類を確認したうえで、工事当日までにもれなく揃えておく必要があります。

ここでは、LAN配線工事を行う際の手順について、レイアウト作成から施工完了までの流れを紹介します。

まずは、LAN配線のレイアウトを決めます。社内のLAN配線に詳しい社員がいない場合は、レイアウト作成を外部に依頼することになります。

いずれの場合も、あらかじめLAN配線のレイアウトを決めておくことで、施工業者に見積もりを依頼する際の打ち合わせなどがスムーズにおこなえます。

レイアウトを決める際は、実際に使用する社員やスタッフの要望や問題点をヒアリングし、さまざまなニーズを満たすことができるレイアウトを描きながら、必要となる接続機器の種類や台数を把握することが大事です。

また、将来的なオフィスの拡張なども考慮したうえで余裕のあるレイアウトを考えるとよいでしょう。

ここで作成したレイアウト図は、このあと施工業者に見積もりの依頼や打ち合わせ時の資料となるため、できるだけ詳しくかつ正確に作成する必要があります。

LAN配線工事が完了したあとにレイアウトの追加や変更をおこなうのはむずかしいです。

そのため、インターネットの通信速度が遅い、セキュリティを強化したいなど、改善点や要望があれば、このタイミングでレイアウトに組み込めるようにしておくとよいでしょう。

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LAN配線のレイアウトが決まったら、複数の施工業者に見積もり依頼を出しましょう。

前述したように、複数の業者に見積もりを依頼することで、業者ごとの工事内容や費用額を比較でき、相場を把握するとともに見積もり内容が適切であるかの判断につながります。

相場と比較して見積もり額が高額すぎたり、安すぎたりする業者は避けた方が無難です。

適正価格を提示した業者の中から、工事の内容・費用・期間などを比較検討し、自分の要望や予算に合う業者を選びましょう。

LＡＮ配線工事を依頼する施工業者が決まったら、打ち合わせを行い、最終的な工事内容や金額、工事日程などを決定します。

この時点でレイアウトの追加や変更があれば、かならず業者に申告しましょう。

工事開始後は、レイアウトの追加や変更はむずかしいため、作成したレイアウトに間違いなどがないか、しっかり確認してください。

なお、LAN配線の工事中は一時的にインターネット接続ができない場合があります。

そのため施工日を決める際は、業務に支障がない曜日や時間帯を選ぶと安心です。

施工日当日は、あらかじめ決めておいた施工スケジュールに従ってLAN配線工事を実施します。

なお、LAN配線工事を行う際は担当者の立会いが必要です。

万全を期していても、想定外のトラブルが発生する可能性はゼロではありません。

状況によっては予定通りにLAN配線工事を続行できなくなる場合もあるため、万が一に備えて、判断を下せる担当者が立ち会いましょう。

LAN配線工事が終了したら、ネットワーク接続が正常におこなわれるかテストを行います。

配線がレイアウト通りであるか、各機器が正常に接続されているかなどを確認し、問題がなければLAN配線工事は完了となります。

LAN配線は、工事だけして終わりではありません。

できるだけ長期にわたって安全に運用するためには定期メンテナンスが欠かせません。また、機器の増設や規模の拡張などにより追加工事が必要になるケースもあるでしょう。

おのためLAN配線工事を依頼する業者を選ぶ際は、長く付き合うことができる信頼できる業者を選ぶことが重要です。

ここではLAN配線工事業者の選び方について解説します。

LAN配線工事業者を選ぶ際は、工事実績が豊富な会社を選びましょう。

特に工事を依頼するオフィスや店舗の規模に近い、法人向けのLAN配線工事実績があれば、なおよいです。

過去の施工件数が多ければ多いほどノウハウが豊富であると考えられるため、安心して工事を任せることが可能です。

工事業者の施工実績を確認する場合、まず業者の自社ホームページを確認しましょう。

業者によっては過去の施工事例を掲載していることも多く見られます。

また、利用者の感想やレビューなども掲載されているのであれば、業者を選ぶ際の良い判断材料となります。

自社ホームページ以外では、外部の口コミ投稿サイトなども参考になるので、ぜひ活用しましょう。

LAN配線工事の見積りを施工業者に依頼した場合、業者による現地確認が行われるのが一般的です。

施工業者は、建物の構造や既存の電気設備、配管の有無などを現地調査の際に確認し、それを基に工事内容や用意する機器を決め、見積もりを作成します。

もし、現地確認が行われなかったり、調査が不十分だったりした場合、実際の工事費用が見積もり額を大幅に超えてしまうおそれもあるため注意が必要です。

また、現地確認実施時の調査員の態度なども、業者を選ぶ際のポイントとなります。

依頼者側の要望を汲んだうえで、より有用な提案をしてくれるような場合は、LAN配線工事に関する知識が豊富であると捉えられるため、信頼できる業者であると判断できるでしょう。

LAN配線工事業者を選ぶ際は、見積もりの内容が明確であることも重要なポイントです。

前述したようにLAN配線工事にかかる費用は人件費・部材費・作業費の3つで構成されており、それぞれの項目が詳細に記載されているか、金額は適切であるか確認しましょう。

たとえば、「LAN工事一式　○○円」のように記載されている場合、一式に含まれている内容がわからないため、この見積もり金額が適正であるかの判断ができません。

そのため、工事完了後に「一式に含まれていない工事費用」を請求されるおそれもあるため注意が必要です。

また、見積もり内容に関して問い合わせた際、丁寧に説明してもらえるかどうかも業者を選ぶ際の大事なポイントのひとつと言えるでしょう。

LAN配線工事業者を選ぶ際は、工事完了後の保証の有無をかならずチェックしましょう。

工事完了後の保証がない場合、工事内容や機器の初期不良などで不具合が見つかったとしても、工事や機器交換の費用を請求されるケースもあるため注意が必要です。

またLANネットワークを運用中のトラブルや定期メンテナンスなどのアフターサポートの内容もあわせて確認しておきましょう。

施工業者によっては、トラブル発生時の修理や定期メンテナンスごとに出張費などが発生する場合もあります。

万が一に備えて、どういったサポートが受けられるのか、どのような費用が発生するのか、施工業者ごとに確認しておきましょう。

ここではLAN配線工事に関するよくある質問をQ＆A形式にまとめました。

LAN配線工事を施工業者に依頼する際の参考にしてください。

A:LAN配線工事を自分自身で行うことは可能です。

自分でLAN配線工事をおこなうことで、人件費と作業費が不要となり、安い機材を用意することで部材費も節約できるため、安くLAN配線をしたい方に向いています。

ただし、その場合は一定レベルのLAN配線に関する知識とDIYの技術が必要になります。

LAN配線に関する知識については、レイアウトを作成し、そのレイアウトに合わせて必要な機器（LANケーブル・HUB・ルーターなど）の選定・購入を行う必要があります。

また実際に工事を行うための工具なども必要です。

しかし、LAN配線工事を行うためには壁の中や天井裏のLAN配線が必要になるケースもあるため、配線関連のDIYに慣れていない方には難易度が高く失敗する可能性も考えられます。

よくあるのが、壁に穴を開ける際にほかのケーブルや電線を切断したり、LANケーブルが配管の途中で詰まってしまったり、購入した機材が間違っていたり、用意したLANケーブルの長さが足らなかったなどの失敗です。

なお、LANケーブルを床や壁表面に沿って配線をすることもできますが、その場合は見栄えが悪くなったり、ケーブルが動線やレイアウト編の際に邪魔になったりするためおすすめできません。

以上の点から、DIYやLAN配線にある程度の自信がない場合は、専門業者への工事依頼を検討しましょう。

費用はかかりますが、施工の失敗はまずありませんし、オフィスの見た目も整います。

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A:はい。

LANケーブルには複数の種類（カテゴリ）があり、それぞれ価格が異なり、使用するLANケーブルの種類によって見積もり額は変動します。

LANケーブルのカテゴリは通信速度・周波数などによって分類されているのです。

カテゴリは数字が降られており、数字が大きいほど通信速度が速く、伝送帯域が広い、要するに性能が高くなります。

LANケーブルは、接続する機器やオンターネット回線の性能に対応するカテゴリのものを使用する必要があります。

そのため、LANケーブルだけが高性能でも通信速度は向上しないため注意が必要です。

なおLANケーブルのカテゴリを見分けるためには、LANケーブルに印字されている文字で判断できます。

CAT.5・Cat6・Cat6a・Cat7のように、数字がLANケーブルのカテゴリを表しています。（カテゴリ名が印字されておらず、配線規格名が印字されている場合もあります）

もし、見積もりにLANケーブルの規格が記載されていない場合は、施工業者に確認してみるとよいでしょう。

LAN配線工事費用について内訳や相場を解説しました。

オフィスのLAN配線は、いまや業務の効率化に欠かせません。そのため工事は信頼できる施工業者に任せたいものです。

LAN配線工事の施工業者を選ぶ際は、複数の業者から見積りを取り、それぞれ比較してみるとよいでしょう。

また見積書を比較することで、無駄な費用を減らし、工事費用を抑えることにつながります。

なおLAN配線工事は個人で行うことも可能ですが、LAN配線に関する専門知識とDIYの技術が必要です。

工事に失敗することもあるため、DIYやLAN配線にある程度の自信がない場合は、費用はかかりますが専門業者への工事依頼することをおすすめします。

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