【アパート経営】役立つ資格4選!必要な知識と大家に欲しい能力とは
「安定した収入源はないかな……。」と、不動産経営に乗り出そうと考えている人が年々増加。
しかし、不動産投資に関する何の知識もないままに土地や物件などの売買をおこなうと、大きなリスクを背負ってしまい、後で後悔してしまう可能性もあります。
アパート経営に役立つ、おすすめの資格4選と大家さんに必要な知識と能力を紹介します。
目次[非表示]
- 1.アパート経営に役立つ資格4選
- 1.1.1.ファイナンシャルプランナー
- 1.2.2.宅地建物取引士
- 1.3.3.マンション管理士
- 1.4.4.住宅診断士
- 2.アパート経営に必要な知識と能力
- 2.1.1.不動産を見極める知識
- 2.2.2.契約や手続きに関する法律の知識
- 2.3.3.満室にするマーケティングと営業力
- 2.4.4.運用するための会計と税務の知識
- 2.5.5.情報収集力と判断力
- 3.アパート経営のリスクと対策
- 3.1.空室期間と空室数
- 3.1.1.空室期間と空室数の対策
- 3.2.老朽化による大規模修繕
- 3.2.1.老朽化による大規模修繕の対策
- 3.3.自然災害や突発性の事故
- 3.3.1.自然災害や突発性の事故の対策
- 4.アパート経営3つのメリット
- 4.1.【その1】限られた資金でも投資が可能
- 4.2.【その2】安定した不労所得
- 4.3.【その3】退職後に備えられる
- 4.4.マンション経営の特徴
- 5.アパート経営に向いている人の条件とは
- 5.1.上場企業に勤めているサラリーマン
- 5.2.年収が高い
- 5.3.十分な自己資金がある
- 5.4.立地のいい場所に土地を所有している
- 5.5.資金計画や運用計画を立てる能力がある
- 6.アパート経営に失敗する人の特徴5つ
- 6.1.1.アパートを所有することを目的にしてしまう
- 6.2.2.不動産について広い視野で判断できない
- 6.3.2.利回り重視で計画性がない
- 6.4.3.管理会社に頼らず全部自分でやろうとする
- 6.5.4.知識のないまま突っ走る
- 7.まとめ
アパート経営に役立つ資格4選
アパート経営をしようと検討中のあなたに、知識や知恵を蓄えることができる資格をご紹介。資格をもっていることで、ある程度の法律やリスクに対する対処法なども学ぶことができます。
1.ファイナンシャルプランナー
アパート経営に必要な、税金や収支計画なども明確に学ぶことができるので、とても役に立つ資格。
ファイナンシャルプランナーは「FP」とも呼ばれ、金融資産運用や相続・事業継承などの知識を蓄え、人生設計のお手伝いやさまざまなお金に関するアドバイスができる資格。
2.宅地建物取引士
契約に関することや、不動産における法律にも強くなることができるので、アパート経営者にもおすすめの資格。
不動産業者において、従業員5人当たりひとりは宅建を持つ必要があります。
国家資格である宅地建物取引士。不動産の売買や、賃貸借契約などの仲介に関することなどをしっかりと学んで取得することができる資格です。
合格率は15%前後で、専門学校などで学ぶ人もいます。しかし、独学で合格している人もいます。
3.マンション管理士
マンション管理士は、アパートやマンションの管理上でのさまざまなトラブルなどにしっかりと対処できるコンサルティングの役割を担います。
宅建は知識などを把握するもの。トラブルの対処法などにおいては、マンション管理士の資格を持っていると正しい判断やリスクの対処ができるでしょう。
4.住宅診断士
住宅診断士はホームインスペクターとも呼ばれ、中古物件を売買するときに住宅診断が利用されます。
資格を保有することで、自分で住宅の診断することができるので、依頼する必要はなく、アパートの購入を失敗することがほとんどなくなるでしょう。
購入予定のアパートが住宅欠陥ではないか、築年数や現状からいつ頃に修復作業が必要とされるか、どのくらいもつのかなど建物を診断する人です。
アメリカでは70~90%の売買住宅が診断されており、住宅診断をされている物件は安心して取引ができるというメリットがあります。
アパート経営に必要な知識と能力
のちのち失敗につながらないためにも、これ以上学ぶことはないというくらいアパート経営のことを理解していきましょう。
1.不動産を見極める知識
不動産投資をはじめるときに必要とされるのは、収益が必ずあげられる物件を見つけることができる力をもつということ。ここで失敗してしまうと、先々が大変です。
まずは、周りの家賃相場を調べ、また家族が多いのか単身が多いのかなどの需要についても調べる必要があります。不動産会社が把握しているので、しっかりと尋ねておくとよいでしょう。
1件だけではなく数件の不動産に問い合わせてみることで、バランスのよい情報を手に入れることが可能です。
2.契約や手続きに関する法律の知識
経営するための契約や手続きの流れを把握しておきましょう。
もともとある土地に建物を建てる場合、建物付きの土地を購入し経営する場合、古いアパートを大幅修繕する場合などは、銀行から借り入れが必要となります。
まずは相談にいきますが、不動産に関する登記や法律についても把握しておかなければ、なかなか話を理解することが難しくなります。
3.満室にするマーケティングと営業力
マーケティングは個人ではなかなか難しく、不動産の賃貸会社にお願いに回る必要があります。自己の物件がどれほど素晴らしいのだという営業をして回ります。営業されているオーナーも多いので、早く埋めてもらうためにも強いアピールをしてみましょう。
また、各不動産の営業と仲良くなるというのもひとつの手。
4.運用するための会計と税務の知識
税理士事務所に依頼される大家さんもいますが、やはり理解しておかなければ確認の際にミスが出てしまう可能性があります。
アパートを経営していくので、経営の届出や確定申告などを提出する書類はたくさん。確定申告は相談しながらすすめていきますが、相談相手がすべて把握できない場合も多く抜けがでてしまうこともあります。
何度かおこなううちに慣れてはきます。
5.情報収集力と判断力
買い時期に適した物件があるときに、すぐに「買った!」と判断できる力が試される瞬間があります。ここで逃すと、すぐ別のオーナーの手に渡ることもあるので、判断力は経営者には必須の能力です。
不動産に関する法律は数年おきに改定されています。
そのため、新しい情報を把握しておかなければ損することもあるため、常にアンテナを張っておくようにしましょう。
他にも、地方での補助金の制度やおすすめの土地情報、人気の物件情報などが日々飛び交っているので、不動産業者からも定期的に情報を収集しましょう。
アパート経営のリスクと対策
リスクに対しても対応できる力を身につけておくことで、長期的に安定した運用が可能となります。アパート経営において考えられるリスクについてみていきましょう。
空室期間と空室数
アパート経営で1番恐れることが「空室が長く続くこと」。1ヶ月程度の空室であれば、想定内であり、重要視することも経営が傾くこともないでしょう。
しかし、退去後1年以上空室が続くとなるとその後も空いたままになり収入が期待できなくなってしまいます。
空室が続くということは、お客さんがその部屋を選ばない何かしらの原因があるはずです。
空室期間と空室数の対策
立地条件が悪いのか、部屋の雰囲気が暗いのか、隣の部屋の騒音などがあるなど、まずは原因を探します。
見つかった場合にはすぐに改善策をとり、わからない場合にはお願いしている不動産会社に尋ねてみるとよいでしょう。
また空室が続くからこそ、定期的なクリーニングや設備の確認が必要です。トイレやキッチン周りには臭いがこもることもあるので、たまに足を運び換気をしておきましょう。
こちらに簡単なのに満室になる裏技をまとめました。ぜひ参考にしてみてくださいね。
>>空室対策の工夫!小物や芳香剤など簡単なのに満室になる裏技13選
老朽化による大規模修繕
建物は必ず劣化していきます。経年劣化によりフローリングが剥がれたり、壁紙が汚れたり、外観も周りの建物と比べると古くなってきていたりとボロボロに……。老朽化はかならず起こる問題です。
老朽化による大規模修繕の対策
アパートを購入する際に、いつ頃に修繕をおこなうのか、また予算はどれくらい必要になるのかなど、最初に計画をたてておくようにしましょう。
老朽化が進んでいくと、家賃を下げていく方法もあります。しかし、家賃収入が減るので別の対策を考えていきましょう。
空室が増えてきた、設備が古い、建物の壁の塗料が剥がれはじめたなど老朽化を感じたら、大規模修繕の必要がでてきます。
自然災害や突発性の事故
台風や地震、火災など自然災害や突発性の事故も考慮しておく必要があります。
自然災害や突発性の事故の対策
アパートを経営していく上で、もちろん経営者向けの火災保険などに加入して、それだけで足りるのか? また家財なども保険に入っているのか事前に確認しておきます。
賃貸住宅は、各部屋に火災保険に入る義務があります。しかし、これは建物に対する火災保険ではなく、住居している部屋や家財に対しての保険なので、オーナーは別個として保険に加入しておくようにしましょう。
火災保険についてもっと詳しく知りたいかたはこちら>>アパート経営の災害リスク(地震・火事)に対処する特約6選と土地調査で使える無料ツール紹介
アパート経営3つのメリット
1棟をまるごと経営するアパート経営には3つのメリットがあります。
投資が大きくなり負担になる場合もありますが、上手にやりくりすることで長期的に安定した経営をおこなうことが可能。また固定資産税などの税金やアパートローンにおいても得することがあります。
マンションの経営とどちらにしようか悩んでいる人は、アパート経営の利点についても考えてみてください。
【その1】限られた資金でも投資が可能
投資予定の資金を限度とし、それ以下の売買物件を探すことができます。また、築年数が古くなり金額も下がっている建物があれば、リフォームなどをおこない再稼働させることもできます。
アパート経営はマンションまるごと1棟の経営と比べると小さな規模。4室だけなどの小さなアパートなどさまざまなサイズの物件を探すことが可能です。
土地をもっているのであれば、予算内で建物を建築し経営してもよいでしょう。アパート経営は、マンション経営に比べると資金が少ない場合でもはじめることができる不動産投資なのです。
【その2】安定した不労所得
アパートを経営していれば、毎月安定して家賃収入が入ります。オーナーが働くことなく得ることのできる収入(不労所得)が入るので、いざというときに安心です。
お仕事をしていくなかで、病気や予知できない事故などで働けなくなることがあります。家族がいるのであれば、収入が途絶えてしまい心配事が増えてしまいますね。
【その3】退職後に備えられる
アパート経営を退職前からしっかりとやりくりしておくことで、年金以外の収入源が増加。経営術さえしっかりとしていれば、高齢になってもアパートの経営を続けることができるでしょう。
また、トラブルにあった場合には、業者などに委託することができるので身体に鞭を打って働くことはありません。
退職後に経営をはじめる人も多いようで、退職後の持て余す時間を何かに向けることができる喜びを味わうこともできますね。
マンション経営の特徴
アパート経営に比べて、マンション経営は分譲マンションの1室を経営・管理するというイメージです。アパート経営よりも手軽にはじめることが可能。
また、自宅にしていたマンションの1室を引っ越しなどを理由に誰かに貸し、家賃収入を得るという方法もあり、思っている以上に身近な収入源のひとつ。
まずはマンションの1室に不動産投資をおこない、慣れてきたところでもう1室と増やしながら、自分にあったペースで経営できるところが魅力です。
アパート経営に向いている人の条件とは
上場企業に勤めているサラリーマン
上場企業に勤めているサラリーマン。とくに勤続年数が高いとローンも通りやすくなります。
ある程度仕事にも慣れ、収入も安定しているサラリーマンがアパート経営に乗り出すこともあります。
職種によっては副業ができない仕事もあります。しかし、近年は副業に関してもうるさくなくなってきたので、会社がOKなのであれば、アパートを経営することも可能です。
年収が高い
上場企業も同じことが言えますが、社長や芸能人などの年収が高い人もアパートの経営に向いています。
せっかくの高年収を貯蓄するのではなく、不動産に投資してさらなる資金アップにつなげてみるのもよいですね。
アパート経営には費用がかかるため、安定した年収や高年収のオーナーが多い傾向にあります。
十分な自己資金がある
アパート経営には自己資金がある程度なければ、乗り出すことはむずかしいので、自己資金に余裕がある人が向いています。
もちろん、自己資金がなくても、銀行から借りるなど別の方法で経営することもできます。
しかし、リスクを抱えて不動産に投資するので、心に余裕をもつことができるくらいの自己資金はあったほうが、リスクや災害などに冷静に対応できます。
立地のいい場所に土地を所有している
「土地を相続したが、とてもよい立地であった!」という場合には、その土地を活用し、アパート経営を視野に入れてみてもよいでしょう。
駐車場化してもよいのですが、アパートやマンションを建てて経営したほうがよい場合もあり、一度不動産会社に相談してみるのもアリです。
実際、よい立地の土地を所有している場合には、登記簿などから家主を探し、直接不動産会社から「建物を建てませんか?」「リースしませんか?」などの営業の電話や訪問があります。
訪問の際に話を聞いてもよいのですが、相手のよいように話が進むこともあるので、すぐに納得や承諾をする必要はありません。
資金計画や運用計画を立てる能力がある
アパート経営を長年にわたっておこなうことを考えているのであれば、10年後、20年後、その先の見通しをしなければなりません。
例えば、先程の自然災害が起きたときや空室が長年続く時といったリスクを基に考えてみましょう。その際の資金や運用をどうおこなっていくか見当を付けて置かなければ、いざというときに転んでしまいます。
アパート経営に失敗する人の特徴5つ
失敗しやすい人の特徴として、次の5つの特徴を理解した上で、反面教師として「失敗しない人」を目指して、知識や知恵を蓄えてください。
1.アパートを所有することを目的にしてしまう
建物を建築したり物件を購入したりした時点がスタート地点となるのです。スタート地点をゴール地点としてしまうと、結局計画が立てられていない状態であることになります。
アパート経営と聞くと、自分の所有する物件を手に入れることであり、所有したところがゴールと勘違いするオーナーがいます。
遠い先々まで見通して、計画をしていないと、アパートの経営に失敗する可能性が高いのです。
2.不動産について広い視野で判断できない
たくさんの情報を整理・分析し、利益が十分に得られる物件を確保し、長期的に管理する力をもつには、不動産に関する広い知識も必要です。
「アパートの経営に向いていない地域の物件を購入してしまう」、「土地勘がないのに条件だけを見て購入を決める」などすることで、のちのち失敗に終わるケースもあります。
2.利回り重視で計画性がない
利回りだけでなく、
- アパートの築年数から修繕計画を立てる
- 満室になりやすい周辺環境か
じっくり調べるなどの対策も必要です。 利回りはもちろんマーケティングにおいて重要な部分。
利回りがよいというのは、そのぶん収益も大きいということなのですが、すべての場合において言えることではありません。
利回りは、アパートが満室の場合に対して出されているので、「空室が続いてしまう」、「大幅な修繕が近々必要である」など、収入が減ったり、費用が必要になったりすると、収益は減ります。
3.管理会社に頼らず全部自分でやろうとする
入居時の賃貸契約なども管理会社に委託することができるので、とても負担が軽くなります。何かあったときにすぐにアパート経営のプロである管理会社に相談することもできるのです。
大家業をはじめておこなおうとしている人は、可能であれば管理会社へ委託することをおすすめします。慣れない大家業なので、数々のトラブルにすぐに対応できないこともあり、住人に迷惑をかけてしまうと大変です。
4.知識のないまま突っ走る
不動産に関する知識は必要です。お金があるからととりあえず経営に乗り出してしまうと、大きな損失を生み出してしまう危険性があります。本やセミナー、資格取得などにより勉強して知識を蓄えましょう。
「自己資金もあるし、とりあえず不動産投資をしてアパート経営をやってみよう!」と安価な考えでは、のちに失敗するリスクが高まります。
まとめ
自信をもって不動産の売買や経営をおこなうためにも、正しい知識と知恵をゲットして、失敗のない管理やマーケティングができるようになりましょう。
不動産に関する情報にアンテナを張りながら、個々にあった経営方針を探してみてくださいね。