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アパート経営の大損失!夜逃げに対する大家さんの対応と流れ


「立地も良く、高利回り物件だから夜逃げなんて起こらないだろう……」と思いがちですが、「ある日突然部屋がもぬけの殻だった……」、こういうケースは多いです。


滞納分の家賃は回収できず、残置物の撤去費用やリフォーム代がすべてオーナーの負担となることもあり得ます。経済的にも精神的にも大きなダメージとなるでしょう。 夜逃げが発覚した時点で、オーナーはどうすべきかを把握しておく必要があります。


夜逃げに対する大家さんの対応と流れを、「あぱたい」がご紹介します。


アパート経営に関する書籍で、リスクを避ける方法を見に付けたいならこちらの記事をご覧ください>>アパート経営の本【オススメ厳選5冊】2019年版!不動産投資から税金・経営までの良書


目次[非表示]

  1. 1.賃貸物件でよくある夜逃げのパターン
    1. 1.1.家財をそのまま残して行方不明
    2. 1.2.ゴミ屋敷化して部屋もボロボロ
    3. 1.3.荷物をすべて運び出しているケースも
    4. 1.4.不動産会社が夜逃げ
  2. 2.お金の問題だけじゃない!夜逃げによる影響と損失
    1. 2.1.金銭的な損失
      1. 2.1.1.回収が困難な家賃
      2. 2.1.2.残置物の撤去費用
      3. 2.1.3.リフォームやクリーニング費用
      4. 2.1.4.法的措置に関する費用
    2. 2.2.無駄な時間と労力
      1. 2.2.1.室内の片づけ
      2. 2.2.2.判断の難しい法的対応
    3. 2.3.精神的な負担
  3. 3.夜逃げ発生から次の入居募集までの流れ
    1. 3.1.【その1】家賃滞納が発生
    2. 3.2.【その2】連絡が途絶える
    3. 3.3.【その3】保証会社や連帯保証人への連絡
    4. 3.4.【その4】契約内容と室内の確認
    5. 3.5.【その5】賃貸契約の解約と明け渡し訴訟
    6. 3.6.【その6】残置物の処分方法を検討
    7. 3.7.【その7】強制執行・残置物処分の開始
    8. 3.8.【その8】室内のリフォームとクリーニング
    9. 3.9.【その9】入居募集の開始
  4. 4.入居者とのコミュニケーションが夜逃げ防止に繋がる!
    1. 4.1.入居者の状況は把握しておく
    2. 4.2.最初から厳しい対応は控える
    3. 4.3.生活困窮者なら行政への相談を促す
  5. 5.まとめ



賃貸物件でよくある夜逃げのパターン

賃貸物件でよくある夜逃げのパターンを紹介します。


入居者の夜逃げはめったにないと思われていますが、意外に悩まされている貸家オーナーがいますので、対応策を知っておくことをおすすめします。 入居者の夜逃げは、借金が原因によることが多いです。


夜逃げをする入居者の場合、少し前から家賃の滞納がはじまります。それは、夜逃げするために費用がかかり、その後の生活費のために家賃を支払わないのでしょう。


アパート経営をはじめる時点から、自己管理をせずに、管理会社を利用して夜逃げを予防するところからはじめることが大切です。



家財をそのまま残して行方不明

夜逃げの中でも、部屋の中に物ひとつ残さずにすべて持って行くケースのほうが少ないでしょう。タンスなど運ぶのがたいへんな物は置いて行くケースが多いです。


生活に必要な最低限の物だけ持って、気づかれないように出て行くのが夜逃げの特徴です。 家財道具とゴミがごちゃ混ぜになっていたり、事務所や店舗の場合は、オフィス用品や調理器具などが残されたままだったりします。


残置物でも普通ゴミにできない粗大ゴミは費用も手間もかかり、厄介なケースです。



ゴミ屋敷化して部屋もボロボロ

残置物どころではないケースもあります。ゴミが山積みになり、雑誌や本が積み重なって、家電製品も壊れているなど、物がごちゃごちゃとして完全にゴミ屋敷化している場合が最悪です。 悪臭がして近隣に迷惑をかけることもあります。


残置物を片づけるだけではなく、汚れを落としたり修繕も必要になります。 ゴミ屋敷化した部屋の場合、オーナーや管理会社だけでは片づけられず、業者に依頼するしかありません。


何重にもオーナーを苦しめるのがゴミ屋敷化した部屋です。



荷物をすべて運び出しているケースも

夜逃げの場合、不用品や処分に費用が掛かるものは置いて行くケースが多いのですが、部屋をキレイにして行くケースも稀にあります。


ある事例では、家賃が振り込まれずに数ヶ月経過し、部屋を確認したらきれいに片づいた状態だった、ということがありました。 連帯保証人がしっかりした人だったので管理会社から請求し、滞納分の家賃を支払ってもらうことができました。


委託している管理会社とよい関係性をつくっておくことも大事ですね。



不動産会社が夜逃げ


夜逃げをするのは入居者とは限らず、不動産会社が夜逃げすることもあり得ることを知っておきましょう。 早く気づけるように、不動産会社には日頃から頻繁に連絡を取っているのがよいでしょう。


万が一夜逃げが発覚したら、すぐにやるべきことがあります。


  • 全室の鍵交換をする
  • 入居者との契約書を用意する
  • 新しい不動産会社を選定する
  • 入居者へ新しい入金口座を知らせる


家賃や敷金を取り戻すことは不可能でしょう。できるだけ早く入居者に知らせて、入金先を変更しなければなりません。


また、入居者募集中の部屋がある場合は、早急に新しい不動産会社と契約する必要があります。 不動産会社の夜逃げは、入居者には関係のないことです。敷金はオーナーが負担して、入居者に不利益がないようにしましょう。



お金の問題だけじゃない!夜逃げによる影響と損失

夜逃げによる影響と損失について紹介します。


夜逃げは、家賃滞納からスタートするケースが多いです。最初のうちは、滞納→催促→入金を繰り返し、まったく家賃が入金されなくなります。


自主管理の場合は、この催促をすること自体が苦痛です。 入居者に連絡をしてもつながらない状態がつづき、夜逃げとわかってからの作業に費用と手間がかかります。解決されるまで、何ヵ月もかかることでしょう。


管理会社がいる場合と自主管理の場合を比較すると、自主管理のほうが解決するまで時間がかかり、被害総額も大きくなります。費用の負担はもちろんのこと、精神的負担のほうが何倍にもなるでしょう。


問題が起きるたびに、管理会社がいたら防げたのではないか、家賃滞納への対応もスムーズだったのではないか、などと思ってしまうことでしょう。アパート経営をはじめる時点から、管理会社との契約をおすすめします。



金銭的な損失

入居者が夜逃げをした場合、被害者となるのはオーナーや入居者の保証人です。入居者が退室した後の部屋は大きな荷物や不用品が散乱しています。本人がいないと、賃貸契約の解約も荷物を処分することもできません


最終的には、保証人のかたに清掃や残置物の処分、解約手続きの立ち合いなどをお願いすることになります。 解決するまでに、手間、時間や費用も多く掛かります。それに加えて、入居者の募集をかけることもできずに、その間は家賃収入がありません。


回収できるかどうかわからない滞納分だけではなく、多くの金銭的損失を被ることになるでしょう。 アパート経営をはじめる時点で、万が一夜逃げに遭ったらどうするべきかを学んでおくべきでしょう。



回収が困難な家賃


アパート経営をしている大家さんの中には、家賃滞納に悩まされたかたが多いです。また、家賃滞納をする入居者には、さまざまなケースがあります。


  • 毎月決まった日に入金しているが、たまたまその日に入金できなくて、期日を超えて入金するケース
  • 毎月期日に遅れて入金するケース
  • 連絡もなく滞納して、連絡が取れないケース
  • 行方不明になって、連絡が取れなくなったケース


連絡が取れなくなり、数ヵ月も経った場合は家賃の回収が難しくなります。滞納があった時点で回収に動き、回収できないケースだけは避けるように努めましょう。



残置物の撤去費用

残置物とは、入居者が部屋を出て行った後、物件内に残していった入居者の所有物のことです。管理会社立ち合いで退室した場合は、残置物は発生しませんが、夜逃げの場合は残置物があります。


残置物の処分費用は、業者によって違いますが、目安として1立方メートル8000円~15000円位です。2トントラック1台分で、20~30万円位、ゴミ屋敷1件で100万円以上と見積もりましょう。 美術品、古書、骨董品、ブランド品、未使用の物、アンティーク調の家具や電化製品などのお宝が、残置物の中に潜んでいるケースが稀にあります。


気になるものがあったときには、鑑定してもらいましょう。少しでも撤去費用を助けるための工夫が必要です。



リフォームやクリーニング費用

身の回りの必要なものだけは持って行くのが夜逃げのパターンです。ゴミや処分に費用がかかるものは残っていることが多いです。


クリーニングできる汚れや、クロスは張り替える必要があるなど、原状回復のための費用はオーナーが負担することがほとんどです。リフォームは、汚れ具合によって異なりますが、家賃滞納分と原状回復費用を合わせて、大体50~200万円位はオーナーの負担になるでしょう。


夜逃げのあった部屋は、物が普段とは違う散乱の仕方をしていて、生活感はあるのに生活臭がしません。リフォームやクリーニングをしたとしても違和感があり、嫌なイメージが残ってしまいます。 家賃滞納が発生した時点で、夜逃げが避けられるような体制を取りましょう。



法的措置に関する費用

入居者が払うべき滞納金額の総額が30万円の場合は、少額訴訟という方法で簡易裁判所に申し立てをすることができます。


裁判に比べて1回の審理で済むため、手続きのコストを抑えられるでしょう。 入居者が支払う滞納金額が30万円以上の場合は、通常訴訟を起こすことになります。裁判で滞納額を回収するには時間と労力が必要。また弁護士をつけるとなると、高額の費用がかかります。


かかるコストや労力と回収できる金額が釣り合うかどうかを判断してから決めることをおすすめします。また、万が一入居者の夜逃げが起きたときには、どこまで費用と労力をかけるべきか、アパート経営をスタートさせる段階から考えておいたほうがよいでしょう。



無駄な時間と労力

保証会社や連帯保証人がいれば話し合いができますが、保証会社や連帯保証人がいない場合は、入居者以外に請求する相手がいません。


入居者の居所を知るためには、入居者の住民票を取って移転先を探すしかありません。夜逃げの場合、すぐに住民票を移すことはないので、一定期間を置いて再度住民票を調べる必要があります。 転送サービスを利用していることもあり得るので、手紙を送るのもひとつの方法です。


家賃を請求する場合、時効は5年なので、5年経過したら諦めるしかありません。 家賃の回収は諦めて、賃貸借契約の解除と建物の明渡手続きに進み、リフォームして次の入居者募集をかけるのも解決策のひとつです。



室内の片づけ

裁判で勝ったとしても、夜逃げした入居者に支払い能力もなく、財産もなければ差し押さえるものがなく、滞納分を回収することができません。


また、相手が破産したら、請求することもできなくなり、執行文も意味がなくなります。 夜逃げされたとしても回収できるように、保証会社や連帯保証人を置いて、リスク回避の方法をとっても実際は回収できるかわかりません。


部屋の片づけが終わると入居者募集に進められるので、早めに損切りをして解決するのも方法のひとつです。



判断の難しい法的対応

家賃支払請求権は、5年で時効を迎えますが、時効には中断が認められています


中断した場合は、新たに必要な期間を経過しないと時効が成立しません。裁判上の請求が発生すると、時効を中断することができます。 オーナーが裁判を起こして、滞納家賃を請求したら、時効が中断されてそれまでの時効の期間はなかったことになります。


その後判決が出ると、その時点から10年は経過しないと時効は成立しません。 裁判は、入居者の居場所がわからなくても、公示送達を利用すると起こすことができます。


よって、夜逃げすると滞納家賃は消滅するという考えは甘いです。夜逃げして逃れようとするならば、一生隠れて生活するしかありませんが、バカバカしい話です。



精神的な負担


株式会社オーナーズスタイル(大家さんの賃貸経営を応援する企業)が行った所有物件で発生した事故・事件アンケート調査によると、第2位は入居者の夜逃げ・失踪で9.2%でした。


入居者トラブルの約1割が夜逃げ・失踪となると、これまで他人事と思っていたオーナーのかたは、もう決して他人事ではありません。 夜逃げが起きた場合、オーナーにどれだけの負担がかかるのかを知っておきましょう。


  • 家賃滞納分は、回収できないケースが多い
  • 訴訟を起こす場合は、オーナーの負担となる
  • 契約解除ができないため、空室のまま家賃収入がない
  • 残置物撤去後は、しばらく保管しておかなければならない
  • 保管後残置物の処分費用はオーナーの負担となる
  • 原状回復費用はオーナーの負担


金銭的負担以上に、精神的負担が重くのしかかってきます。家賃滞納が起きた時点で、早急に解決することが最良の方法でしょう。



夜逃げ発生から次の入居募集までの流れ

夜逃げ発生から次の入居者募集までの流れを紹介します。


入居者が夜逃げすると仕事先も辞めて行方もわからず、本人から家賃を回収するのは困難になります。親や連帯保証人から回収できるかどうかもわかりません。


夜逃げをしたとしても、家賃を支払わなければならないという義務からは逃れられません。裁判で勝訴すれば、財産を差し押さえることができますが、居場所がわからなければ家賃の回収は難しいでしょう。


夜逃げされてから、次の入居者が決まるまでの流れを把握しておきましょう。


  1. 家賃滞納が起きる
  2. 連絡が途絶える
  3. 夜逃げが判明する
  4. 保証会社や連帯保証人へ連絡する
  5. 契約内容や部屋を確認する
  6. 賃貸借契約解除と建物明渡の訴訟の手続きをする
  7. 残置物の処分方法を検討する
  8. 強制執行と残置物を処分する
  9. 室内のリフォームとクリーニングをする
  10. 入居者の募集を開始する


【その1】家賃滞納が発生

滞納が発生した時点で、早急に回収に動き出すことが大切です。回収が遅れれば遅れるほど、事態は悪化して、滞納額が高額になります。


1ヵ月分の家賃を支払えないのであれば、2ヵ月分の家賃はもっと支払えないでしょう。入居者のためにも、できるだけ早く家賃を回収して、通常に戻すことです。


また、入居者になんらかの事情がある訳ですから、管理会社が面談をして先のことを相談するのもひとつの方法です。早期解決が夜逃げを防ぐことになります。



【その2】連絡が途絶える

家賃滞納者は景気に連動する傾向があり、景気が悪くなってくると家賃滞納者が増えてきます。給料が下がったり、リストラに遭ったりなど、滞納する理由はさまざまです。


滞納を何ヵ月もそのままにしておくと携帯電話にもつながらず、勤務先も退職して完全に連絡が途絶えてしまうでしょう。保証人と連絡が取れればよいのですが、中には連絡が取れない保証人もいます。 滞納が発生した時点で早急に連絡を取ることが大切です。


連絡が取れるうちに、話し合いをしたり、対策を取らなければなりません。行方不明になったり、夜逃げされるのが最も面倒なことです。



【その3】保証会社や連帯保証人への連絡

入居者の夜逃げや失踪が判明した場合、まずは入居者の家族や連帯保証人へ連絡を取ることです。家族や連帯保証人の協力がなければ、解決できない問題がいくつもあります。 まずは、家賃滞納分を連帯保証人へ請求することです。


次に、部屋にある残置物の処分ですが、入居者に所有権があるため、オーナーは手を触れることができません。家族や連帯保証人の協力があれば、早期解決を図ることができます。 一番問題なのは、入居者の家族や連帯保証人に連絡が取れない場合です。


協力を得られないとなると裁判所に頼るしかありません。 入居者と契約をする段階で、夜逃げや失踪までを想定して、対応策を考えておくことをおすすめします。



【その4】契約内容と室内の確認

入居者の夜逃げが判明したところで、契約書や部屋の中を確認しなくてはなりません。残置物があった場合、入居者の所有物をオーナーは処分することができません。


「残置物の所有権放棄」についてご紹介します。 賃貸借契約書に、賃貸借契約の解約については明記されていることが多いのですが、残置物の所有権放棄については明記されていないことが多いです。


契約書には、「入居者が残置物を放置したまま連絡を絶ち、オーナーが夜逃げと判断した場合は、賃貸借契約の解除をされても一切意義を申し立てないこと、および残置物の所有権を放棄する」という文言を明記しておくことをおすすめします。


契約書に明記されているからといって100%認められるとは限りませんが、入居者は同意したという意味には違いありません。



【その5】賃貸契約の解約と明け渡し訴訟

夜逃げした入居者に対して、契約の解除を求めるとともに、建物明渡請求を提起します。入居者の所在がわからないため、送達は公示送達です。公示送達とは、裁判所の掲示板に一定の期間提示することです。


契約中なので、勝手に部屋への立ち入りができないですし、勝手に残置物を処分することができないので、まずはこの手続きが必要です。この手続きをしないと、住居侵入罪や器物損壊罪などに問われる恐れがあります。


管理会社に任せている場合は、プロとしての経験や知識があり、夜逃げに対してもスムーズに行動ができるので安心です。 自己管理の場合は、すべて自分でやらなければなりません。


知識がないため、大きなトラブルに発展することもあり得るので、司法書士のかたに依頼することをおすすめします。



【その6】残置物の処分方法を検討

残置物は、訴訟を経て、建物明渡の強制執行中に処分します。 管理会社に委託している場合は、管理会社が残置物を処分してくれるケースもあります。


オーナーがするべきことでも、サポートはしてくれるので心強いです。 たとえば、普通ゴミ類は管理会社が処分する、粗大ゴミは業者を手配するなど。 自己管理の場合は、管理会社からのサポートを受けられません。自身で普通ゴミや粗大ゴミを処分しなくてはなりません。


夜逃げは発生すると、慣れない作業が続き、肉体的にも精神的にも負担が大きいでしょう。 管理委託している場合と自己管理の場合では、夜逃げなどのトラブルが起きたときに、違いがはっきりとします。なにかが起きたときは、打合せをしてスムーズに作業が進められます。


自己管理のかたは、管理委託を検討されることをおすすめします。



【その7】強制執行・残置物処分の開始

国内にいるか海外にいるかわからない入居者は勿論のこと、連帯保証人にも連絡が取れないケースがあります。その場合は、賃貸借契約解除の手続きを裁判所に訴える際に、相手の居所がわからない旨を申し立て、公示送達という手続きを取りましょう。


・時間はかかるけど最もリスクが少ない残置物処理方法

建物明渡訴訟を入居者に提起し、強制執行の手続きをします。残置物の運び出しは執行官が行ってくれるので、オーナーは労力がかかりません。この方法は、法律に則った方法なので、一番リスクは少ないのですが、時間と費用がかかることがデメリットです。


倉庫を借り残置物を一時保管し、処分する方法

すぐに残置物を処分してしまうのもリスクが高いです。万が一夜逃げした入居者が戻って来て損害賠償を請求することもあり得ます。その場合は、家賃の滞納分、残置物の撤去費用、倉庫の保管費用などを入居者に対して損害賠償請求訴訟の提起を伝えましょう。


また、残置物すべての目録と、写真を残しておくことも大切です。



【その8】室内のリフォームとクリーニング

身の回りの最低限のものだけを持って出ていくケースが多く、本人にとっては大切なものではないかと思われるようなものが残っています。過去を断ち切って、心機一転人生を出直すという様子はなく、発作的に飛び出したと思われるような様子です。


夜逃げがあった部屋の場合は、出て行ってからしばらくそのままになっていたため、冷蔵庫の中の食品も腐りきり、食べかすに虫が湧いたり、予想以上に無残な状態です。 家賃を滞納する状態に入ってからは、気持ちが投げやりになっている様子がうかがえます。室内もだらしなく、乱雑に扱っている傾向が強いです。


物が買えずに、そのまま使っているものも多く、人間の生活らしくありません。 夜逃げによる退室は、普通の退室とはまったく違い、クリーニングやリフォーム費用がより多くかかりますし、精神的ダメージも大きいです。 夜逃げが発覚したときよりも、クリーニングやリフォームのときに、なんとか防げなかったのかと痛感させられます。


滞納が起きた時点で、早急に方法を取ることが一番大事です。必ず解決策はあるはずですので、滞納をそのままにしないことをおすすめします。



【その9】入居募集の開始


夜逃げは、家賃滞納を重ねた挙句、更新時に出て行くケースもあります。事が起きてからでは、解決されるまでに時間と費用がかかり、肉体的にも精神的にもダメージが大きくなるでしょう。 入居者募集の段階から、リスク回避を心掛けるべきです。


管理会社の入居者審査も大事ですので、管理会社と一緒に入居者選びには力を入れましょう。また、連帯保証人と敷金もしっかりと確保しなければなりません。 夜逃げした入居者が行方不明では部屋を明け渡してもらえません。


明渡しの強制執行には裁判が必要で、手間、時間、費用が掛かります。 そこで、賃貸借契約を結ぶときに、連帯保証人に契約解除権、明渡しの代理権および残置物の処分権を与えることを入居者が了承すれば締結されます。


この特約があれば、夜逃げが起きても、連帯保証人が契約を解除して、部屋を明け渡すことができるでしょう。 入居する時点から、リスク回避を図る方法としては期待できるものです。



入居者とのコミュニケーションが夜逃げ防止に繋がる!

入居者とのコミュニケーションが夜逃げ防止に繋がります。


大家は借主に対して、10年間分の滞納家賃を請求できます。ただし、家賃支払請求権は、5年で時効消滅となるので、借主がこの消滅時効を主張した場合は、大家は支払期限から5年が経過した分の家賃は請求できません。


管理会社、入居者、オーナーとの三者で良好な関係を築きましょう。日頃から、コミュニケーションを取り合って、入居者から問い合わせがあった際には、丁寧に対応しましょう。入居者との間に信頼関係を築くことが最も大切なことです。


コミュニケーションを取り合っていることが、家賃滞納問題だけではなく、確実にトラブル対策になります。



入居者の状況は把握しておく


夜逃げは入居者自身の問題によって起こるため、完璧と思うほどの管理をしていても起こり得ます。管理会社に管理委託していても同じことです。管理会社は多くの物件を抱えているため、全入居者の状況をすべて把握することは難しいでしょう。


夜逃げを未然に防ぐためには、管理会社もオーナーもひんぱんに物件に足を運び、建物の見回りをするしかありません。 頻繁に通っていると、なにか起きているときには気づきます。また、入居者の方々とも親しくなると、いろいろな情報を教えてくれるようになるでしょう。


管理会社と協力し合って、入居者の状況を把握して、事件を未然に防ぎましょう。



最初から厳しい対応は控える


家賃を滞納されたとしても、生活が苦しかったり、家賃を支払うことが困難になってきた入居者から無理やり家賃の回収をすることができません。 常に、建物を巡回して、入居者の様子に変わりはないかを見て確認をします。


コミュニケーションを大切にして、親身に相談に乗ることも必要でしょう。 また、「住宅手当緊急特別措置法」という制度があります。職を無くして求職活動しているのに仕事が見つからず、家賃が払えない場合に、都道府県が最長で6ヵ月家賃補助をおこなうというものです。


家賃を滞納している入居者がいたら、この支援制度を教えてあげましょう。オーナーにとっても、入居者にとっても助かりますし、よい関係を築けるでしょう。



生活困窮者なら行政への相談を促す


40代の働き盛りでリストラに会うかた、現代では決して珍しいことではありません。また、働きたくても働けないかたや、住む家がないかた、生活苦にいるかたは多いです。 生活困窮者の困りごとの相談窓口が全国に設置されています。


相談窓口では、一人ひとりに合わせた支援プランを作成して、専門の支援員が付いて、解決を目指して支援をおこなうのです。


【生活困窮者自立支援制度】


  • 自立相談支援事業
  • 就労準備支援事業
  • 就労訓練事業
  • 家計相談支援事業
  • 生活困窮世帯の子供の学習支援
  • 一時生活支援事業
  • 住居確保給付金の支給


住宅確保給付金とは、家賃相当の金額が支給されます。離職して住居を失ったかたや、失う恐れのあるかたに、就職に向けた活動を条件に、一定期間家賃相当額を支給されるというものです。(一定の資産収入等に関する要件を満たしているかたが対象です。)  



まとめ


家賃滞納は、初期段階で解決すると被害もなく済みます。 夜逃げを防ぐ方法は、早急に行動をすること以外にはありません。


夜逃げにかかわらず、大事にならないうちに対策をすることがアパート経営でもっとも大切なことです。



不動明師
不動明師
不動産業界において10年以上の経験を持つ不動明師は、現在、複数の不動産を所有・運営する現役オーナーであり、資産運用に精通したコンサルタントです。不動産管理からリノベーション、賃貸経営まで幅広い知識を持ち、実践的なアドバイスを提供することで、多くのオーナーから信頼を得ています。不動明師の執筆する記事は、SEOにも強く、多くの不動産オーナーにとって必読の内容となっています。 <専門分野> ・賃貸管理と運営 ・不動産投資戦略 ・リノベーションと価値向上 ・不動産法務と税務対策

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