賃貸管理業務を効率化するコミュニケーションサービス「Dicon(ダイコン)」とは
今回インタビューさせていただいたのは、不動産管理のコミュニケーションを円滑にするサービス「Dicon(ダイコン)」を提供する株式会社PID様です。
これまで電話で行われていた管理会社と入居者間のコミュニケーションをSMS(ショートメール)とチャットを活用することで、時間が取られていた管理業務を効率化するサービスを提供しています。
2020年にβ版のサービスを開始したばかりにも関わらず、すでに20社弱の管理会社で利用されている「Dicon」はどれほど魅力的なサービスなのでしょうか。
電話でのコミュニケーションとの違いや、利用者にとってのメリットについて、同社代表の嶋田様に直接聞いてきました!
このような方にオススメのインタビューです!
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「入居者との連絡に時間を取られている」
「家賃督促の際に、入居者が電話に出てくれない」
「外国籍の入居者とのコミュニケーションに悩んでいる」
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それでは早速、「株式会社PID様」へのインタビュースタート!!
代表取締役 嶋田様
Q1. まず初めに、Diconのサービス概要について簡単に教えていただけますか?
Diconは管理会社と入居者間のコミュニケーションをSMS(ショートメール)・チャットで行うことのできるサービスです。
これまで管理業務のコミュニケーションは電話中心でした。その結果、やり取りにすれ違いが生じたり、伝えたい内容がうまく伝なかったりと不便な点が多々ありました。
Diconでは、SMS(ショートメール)を活用することで電話が繋がらなくても入居者に知らせたない内容を一斉告知したり、チャットでやり取りすることで、より効率的なコミュニケーションを実現しています。
Q2.「Dicon」をスタートしたきっかけはなんですか?
元々は、賃貸管理に関するトラブルに巻き込まれたことがきっかけです。
昔住んでいた物件でトラブルがあったため、対応をしてくれるように管理会社に電話したのですが、対応をたらい回しにされ、問題を解決するまでにたくさんの時間を取られてしまいました。
また、当時はアメリカでMBA取得のための勉強をしていたため、少しの時間でも勉強に当てたいと考えていた私にとって連絡手段が電話しかなく何度もすれ違うことに強いストレスを感じました。
その経験があってから、「電話のように、双方が同時に繋がる必要のあるコミュニケーションよりも、チャットなど非同期で行われるコミュニケーションにした方が、効率的なのではないか」と考えるようになりました。
MBA取得後は日本のベンチャー企業にて仕事をすることになったのですが、その間も不動産管理のコミュニケーションを効率化するサービスを立ち上げたい思いはずっとあったため、仕事をしていた会社が上場したタイミングで退職をし、プロダクト開発をスタートさせました。
そして、MBAを学んでいた時から考えると、約7年後に当たる2020年12月にDiconのβ版をリリースしました。
Q3. Diconを利用するメリットはなんだと思いますか?
Diconのメリットは大きく3つあると考えています。
①つ目はSMS(ショートメール)で個別連絡と一斉連絡を実現できることです
ここまでに説明してきたように、Diconでは管理会社から入居者に対して個別の連絡と一斉告知を両方実現することができます。
管理会社は、万が一入居者のお部屋で設備の故障などあった際には、故障箇所などを細かく教えていただく必要があります。
これまでの電話対応では現場の状況を口頭で説明しないといけないため、お互いの認識齟齬が生まれやすい状況でしたが、個別のチャットでは画像を送ることもできるため、双方の伝えたい内容を間違うことなくスムーズなコミュニケーションをとることができます。
過去に管理会社から聞いた事例ですと、エアコンの故障が発生した際に故障箇所確認のため電話口でエアコンのどこに不備があるのか聞き出そうとしたものの、入居者がエアコンを正面に見て話しているのかなど、話しての立っている位置によって右左も変わってしまうため、特定に時間を要してしまうようなケースがありました。
そのため、チャットベースのコミュニケーションの方が細かな点の確認方法として優れていると考えています。
また、一斉送信機能を使えば、入居者がなかなか目を通してくれない掲示板などにこれまで掲載していた内容を通知することができます。
②つ目は分かりやすいUI/UXで入居者連絡を忘れずに対応することができる点です
Diconを導入した管理会社は入居者とのやり取りを一覧化して見ることができます。
現在、管理会社では1人の担当者が、非常に多くの物件の管理業務をしているケースあるため、入居者とのやり取りの数が膨大になり、返信の遅延なども発生する危険性があります。
Diconでは、入居者とのチャットを一覧で見れることに加え、それぞれのチャットの中で対応しなければならない内容についてはステータスで対応状況を管理することができます。
そのため入居者への対応遅延で2次クレームになるリスクを、シンプルな管理方法によって防止することが可能です。
これまでの管理会社ではエクセルを活用したりと、アナログな管理をされているケースが多かったので、物件ごとに情報を管理することにも時間を要していました。
Diconを導入することで、連絡先の管理からコミュニケーション、対応状況の確認まで一気通貫で対応することができることは大きなメリットだと思います。
③つ目は自動翻訳機能が付いていることです。
昨今、海外の方が日本で仕事をするケースも増えてきたことで、入居者とのコミュニケーションも多言語化が求められています。
ただ、これまで管理会社が海外の方とのコミュニケーションに対応するには、膨大な工数が取られていました。
DiconではチャットやSMS(ショートメール)で送った日本語の内容を16の言語へ自動で翻訳することができます。アジアやヨーロッパ、南米の方など世界中の方が管理している物件に住んだとしてもスムーズにコミュニケーションをとり、サポートすることができます。
外国籍の方は文化的な違いから、よく同じ物件に住んでいる日本人の入居者とトラブルになりがちのため、しっかりと相手の母国語でコミュニケーションを伝えられることは、中長期的に他の入居者とのトラブル抑制にもつながると思います。
Q4. どのくらいの方に導入いただいていますか?また、導入した方の反応はどうですか?
まだβ版のリリースをしてから1年も経っていない状況で、プロダクトの使いやすさを改善していくフェーズですが、すでに20社ほどの企業様には導入いただいています。
自分が管理会社とのトラブルに巻き込まれてから、Diconサービスをリリースするまで常に「どんな機能があればコミュニケーションを改善できるか」を考えてきたので、機能的な部分では非常に好評をいただいております。
管理会社は、大家様の大事な物件をお預かりする「信頼関係」で成り立つビジネスのため、入居者に問題があれば、例えそれが非効率な方法でも真摯に対応することがこれまで求めれていました。
業界全体としても、まだまだアナログな領域が多分に存在するため、まずは今プロダクトを導入いただいている企業様からのフィードバックを元に、より管理会社に満足いただけるクオリティにサービスを改善していきたいと考えています。
Q5. 競合するようなサービスは存在しますか?
おそらく、同じようなサービスは出てくると思いますが、私の知る限りではまだないのが現状です。
今後、不動産管理会社が活用している業務管理のシステムなどを提供している会社が、入居者とのコミュニケーションにも機能を広げてくる可能性はあると思いますが、我々はコミュニケーション領域の中でも特に「クレーム解決を楽しくする」をテーマとしてプロダクトの機能を充実させていこうと思っています。
基本的に入居者から連絡が来る際には、なんらかのトラブルが起こり、不快な思いをされて連絡をくださるケースが多いため、完全に楽しめかといえば難しい部分はあると思います。
しかし、双方の認識齟齬や、連絡のすれ違いなどこれまでのコミュニケーション方法が非効率だったことが原因で生じていたネガティブな場面はDiconを導入いただくことで少なくすることができると思っています。
クレーム対応は不動産領域に限らず、様々なtoC向けのビジネスにおいて発生する業務ですので、Diconとしては不動産管理に特化するというよりも、「コミュニケーション」領域のサービスとして提供をしていきたいと考えています。
実際に、他業界でも興味を持っていただいている声は聞こえてきていますので、まず自分の創業のきっかけでもある不動産管理の領域でしっかりと実績を作り、他の業界の企業様へも提供をしていきたいと考えています。
Q6. 今後予定している新しい取り組みや施策などありますか?
今後は、管理会社と入居者に加え、別の業者がチャットに参加できる機能を予定しています。
入居者から物件の修繕を依頼された際、管理会社は特定の業者に依頼をかけ、終了の報告を待つことしかできませんでした。しかし、修繕が完璧でなかったり、長期化するケースがあった場合には入居者の不満をためてしまうことにつながります。
そこで3者間でコミュニケーションをとることを可能にすることで、依頼した作業の進捗状況や実際に問題が解決したかまで管理会社としても確認ができるようになります。
ここまでの機能を揃えて、初めてプロダクトとして完成形と言えると感じているため早期にお客様に届けられるように進めていきたいと考えています。
また、別の機能としては、現在多くの物件でアナログな掲示板が共有部に設置されていますが、その掲示板を携帯から見れるようにする機能も追加していこうと考えています。
株式会社PIDの会社概要
最後に
今回は、賃貸管理のコミュニケーションサービス「Dicon」を運営する株式会社PID 代表取締役社長の嶋田様にインタビューさせていただきました。
新しいサービスにも関わらず、不動産管理社会や大家双方の課題について非常に細かなヒアリングを重ねてプロダクトが作られているように感じました。
今後、さらなる機能が追加され、不動産会社だけでなく様々な業界のコミュニケーションをスムーズにする「Dicon」をぜひ試してみてください!
株式会社PIDの嶋田様、インタビューをご調整いただいた広報担当の立枕様、この度はお忙しい中で誠にありがとうございました!