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空室対策にシェアハウスは有効【転用までの5ステップ】可能な物件ダメな物件の違いとは

貸住宅の空室対策に苦労している大家は、あなた以外にもたくさんいます。一般的なアパートを店舗やテナント、オフィスやシェアハウスなどに転用したいと望む大家もいます。 なかには空室対策をがんばっているのに、新たにたくさんの賃貸住宅が建設され、そのあおりを受けて空室が増えている大家もいます。


だからと言って、「空室がつづくのは周りの環境が影響しているから」と、そのままなにも策を打たないでいると空室はつづくばかりです。なにかしらの手立てを考え行動することで、空室対策をおこなっていきましょう。


最近、新しい空室対策として注目されているのが、「コミュニティ型賃貸住宅」とも呼ばれる”シェアハウス”です。





目次[非表示]

  1. 1.シェアハウスは空室対策になり得る?
    1. 1.1.賃貸物件と異なる入居者ニーズ
      1. 1.1.1.賃料が安い
      2. 1.1.2.生活必需品が用意されている
      3. 1.1.3.コミュニティに参加できる
    2. 1.2.大家のメリット
      1. 1.2.1.家賃収入を増やせる
      2. 1.2.2.空室リスクが分散される
  2. 2.シェアハウス転用可能な賃貸物件
    1. 2.1.戸建て住宅からの転用が主
    2. 2.2.マンション1室をシェアハウス化は要注意!
      1. 2.2.1.管理規約は必ず確認
      2. 2.2.2.管理組合への届出でトラブル回避
  3. 3.シェアハウスに転用する方法5ステップ
    1. 3.1.1.ターゲット、コンセプトの設定
    2. 3.2.2.管理方法、管理会社の選定
    3. 3.3.3.リフォーム、リノベーションを実施
    4. 3.4.4.共用部の家具・家電、日用品を揃える
    5. 3.5.5.入居のルールについて検討する
  4. 4.シェアハウス転用のリスク
    1. 4.1.限られる入居者層
    2. 4.2.入居者同士の相性による退去
    3. 4.3.建物、設備の劣化スピード
  5. 5.まとめ



シェアハウスは空室対策になり得る?

シェアハウスは空室対策にない得る



シェアハウス をおこなっている124社を対象にした売上高で確認してみると次のとおりです。

売上高
前期比
2015年
578億8,000万円

2016年
664億8,900万円
14.8%増加
2017年
806億7,400万円
21.3%増加


2015年から2年間で39.3%もシェアハウスの市場規模が増えていることがわかります。

出典:シェアハウスに関する市場動向調査結果について|国土交通省


近年の需要をみるとシェアハウスの人気が高まってきており、空室対策として有効でしょう。 国土交通省は、シェアハウス運営事業者に対してアンケートをとり、市場動向を調べ平成 27年(2015年)に調査結果報告しました。


そのなかでは、入居者の男女比は女性が圧倒的に多いと回答がありました。 女性のほうが、「キレイ好き」・「物静か」などの意味も含めて、女性の入居者がよいという大家は多いです。もし女性の入居率を高めたい場合にシェアハウスは有効ですね。



賃貸物件と異なる入居者ニーズ

一般的な賃貸物件は、部屋のなかにトイレやお風呂・キッチンなどの生活において欠かせない設備がついています。しかし、シェアハウスはひとつの住宅を複数の人と共用して暮らすスタイルです。


アメリカなど海外では数多くありますが、日本はまだ増加途中ですね。


もし、所有する建物がある地域の環境(学校や若者が多い・駅が近いなど)がシェアハウスに適しているのであれば、通常の賃貸と入居者層が異なるので転用したほうがよい ケースもあります。 ほかにも周辺物件の賃料の相場なども転用を検討するための材料となりますよ。


一般的な賃貸物件と比べてシェアハウスは、

  • 賃料が安い
  • 設備品がそろっている
  • 人とのつながりが増える

などアピールポイントが増えます。部屋を探している人のニーズと合致すれば、入居につながる可能性が上がるのです。


まずは、どうして空室が増えるのか・長期的に空室なのかという原因を考えましょう。原因がわかれば正しい対策をとることができます。



賃料が安い

シェアハウスが人気の1番の理由は家賃の安さです。


シェアハウスにすることで、各部屋にお風呂やキッチン、トイレなどの設備をなくすことが可能です。階数や性別にわけて共用部分としてひとつ設置するので、建設費が安くなります。


お風呂などの設備が各部屋に不要になるため、各部屋は、ベッドや机などをおくスペースのみの広さで十分です。設備が少なく、部屋は狭くてよいので部屋数を多くつくることも可能となりますね。そのため、一般的な賃貸住宅よりも家賃を安く設定することができるのです。


たとえば、戸建て (2階建て4LDK)の家賃を15万円と設定したとします。シェアハウスに転用し、入居者が4組となりました。ひと部屋5万円で貸したとすると、1か月で20万円の家賃収入となり、収入がアップするのです。


入居者は「家賃が安い物件に住めてうれしい」、「大家は収入が上がりうれしい」とウィンウィンの関係になることが期待されます。





生活必需品が用意されている

シェアハウスに引っ越す際には、最低限の荷物をもって引っ越す人がほとんど。なぜなら、建物や部屋に生活に必要な生活必需品がほとんどそろっているのです。


たとえば、シェアハウスには以下のようなものが多くの場合、共有部分にそろっています。

  • キッチン(調理器具)
  • お風呂
  • トイレ(トイレットペーパー)


また、個室には、

  • ベッド
  • 椅子
  • マット

がついている場合も多くあり便利です。


シェアハウスをおこなうなら、最低限の設備を準備する必要があります。 そして、どのような設備が1番人気なのか『全国賃貸住宅新聞社』が調査し報告をしています。


その結果、単身者・家族向けのどちらも同じく1位は「インターネット無料」でした。



もっとも必要な設備「無料インターネット」に関しては、こちらの記事でくわしく紹介しています。 >>空室対策の鉄板設備【無料インターネット】金持ち大家が教えたくない5つの導入ポイント  



コミュニティに参加できる

アパート経営として、シェアハウスをおこなうならコミュニティが作りやすい環境を準備してあげましょう。


シェアハウスに入居することで、少なからず入居者同士のつながりが増えます。核家族化している現代において、誰かと一緒に暮らすほうがよいと考える人も多くなってきています


ダイニングやキッチン、広いリビングなどで誰かと一緒になり、少し会話をするだけでひとりじゃないと感じることができます。


また、シェアハウスにはコミュニティ重視型の物件もあります。 シェアハウスにおけるコミュニティとは、自分が一緒に過ごしたいと感じる関係性のこと。またサークルのように入居者で一緒に活動をする場合もあり、それぞれ違いがあります。







大家のメリット

入居者にとってもメリットが多いシェアハウスは、大家さんにとってもメリットがあります。 シェアハウスを建設する費用やリフォーム費用も必要となりますが、それ以上に大きなメリットを感じることができるのです。



家賃収入を増やせる

部屋数が増すので、戸建て賃貸の場合やマンションの居室を賃貸として貸し出している場合、家賃の収入が上がります。家賃を下げたとしても、個室の数だけ稼働率もよければ、家賃収入を増やすことが可能です。


家賃収入を増やしたモデルケースをひとつご紹介します。


東京に築年数約60年の戸建賃貸があったとします。築年数が古いため空室がつづき、1棟で貸していたため借主を探すのに苦労していました。そこで、シェアハウスに転用するため、リフォーム。

もともと105,000円の家賃で貸していた貸家。4部屋の個室を作り貸し出した場合、賃料の安さや個人で借りられる手軽さからも入居率があがります。各部屋52,000円で貸し出した場合、208,000円の家賃収入が見込めるということです。


出典 :イエノルールが選ばれる理由|株式会社イエノリール 



空室リスクが分散される

戸建て賃貸として1棟貸ししている場合には、1家族の入居が無ければ、そこは空室となります。そのため、1か月以上の収入がなくなってしまいますね。


しかし、シェアハウスに転用することで空室のリスクが分散されるのです。 ひと部屋空いたとしても、ほかの部屋が入居中であるならば、そのぶんの収入は入ってきます。


そのため、ゼロになる心配がなくなるのです。満室になるのが1番ですが、入居や退去を繰り返すのは必ずあることであり回避できません。



シェアハウス転用可能な賃貸物件

シェアハウス転用可能な物件


すべての賃貸物件が、シェアハウス転用に向いているかといえばそうではありません。 空室対策としてシェアハウスに移行したい場合には、自分の所有している物件が、シェアハウス転用に適しているのかを考える参考にしてみてください。



戸建て住宅からの転用が主

賃貸住宅であるアパートやマンションは、シェアハウスへの転用には向いていません。 シェアハウスは、戸建て住宅を転用しているのが主です。 賃貸アパートなどの場合には、各部屋にお風呂やトイレなど水回りの設備がついています。


そのすべてを工事しなおし、壁も壊しリフォームとなるとかなり費用がかかってしまいます。さらに、共用スペースとしてもリビングやキッチンなどをどこに設置するのかというのも問題です。


もしどこかの部屋を共用スペースにしたとしても、共用スペースに行くため室外に一度出る必要があります。さまざまなケースを考えた場合には、戸建て住宅やビルなどをシェアハウスに転用するほうがよいとしています。  



マンション1室をシェアハウス化は要注意!

マンションである以上、マンションの規約や管理組合への連絡や許可が必要です。 区分所有マンションの1室をシェアハウスに転用するときには注意しなくてはいけません。数部屋個室があるマンションタイプの場合には、シェアハウスに向いている場合もあります。 各部屋6畳ほどの広さで、収納もありエアコン設備も整っているので、リフォームはしやすくシェアハウス向きです。



管理規約は必ず確認

まずは、現在所有しているマンションの管理規約を確認してみましょう。 マンションによっては、管理規約でシェアハウスを禁止しているところもあります。規約であるので改正されない限り、シェアハウスとして貸し出すのは難しいでしょう。  



管理組合への届出でトラブル回避

マンションの1室をシェアハウスに転用するためには工事が必要になる場合があります。その際に、工事内容や時間・期間などを管理組合に報告しておきましょう。工事中や工事後にトラブルとなるとたいへんです。


ほかにも、マンションは居住者の名簿を組合に提出するのが基本です。入居者が変更する場合には、毎回届けるようにしてください。さらに、入居者には、マンション内での規約を守る義務があります。


共用部分の利用の規則、階段や避難経路の確認など、それぞれのマンションでは規約が存在します。しっかりと理解をしてもらったうえで誓約書などにサインをもらい入居してもらうと安心です。  



シェアハウスに転用する方法5ステップ

シェアハウスに転用する方法5ステップ


シェアハウスに転用する場合には、まずどのようなことからはじめればよいのでしょうか? はじめてのシェアハウスにとまどう大家さんも多く、どのような順序で進めてよいのかわからず困っていませんか?


現在の物件をシェアハウスに転用する際には、


  1. ターゲット、コンセプトの設定
  2. 管理方法、管理会社の選定
  3. リフォーム、リノベーションを実施
  4. 共用部の家具・家電、日用品を揃える
  5. 入居のルールについて検討する


この5つのステップで進めていきましょう。



1.ターゲット、コンセプトの設定

まずは、どのような人をターゲットにしてシェアハウスをつくるか決めておくと、リフォームやルール作りが進めやすくなります。 ターゲットの例としては、


  • 若者向け
  • 学生向け
  • 高齢者向け
  • ペットが飼える


などがあります。大家の希望も入れながら考えてみましょう。


ターゲットを決めたあとには、コンセプトをしっかりと作ります。このコンセプトを崩さないことが、入居率を高めるポイントとなります。


たとえば、女性の学生向けのシェアハウスにすると決めたら、絶対に男性を入居させないということです。 芯を曲げないために、コンセプトやターゲットを決めるときにはしっかりと検討してください。


ペット可であればペットが暮らしやすい環境をつくる必要があります。猫アレルギーなどがある人は入居が困難です。


どのような層のどのような人が入居してほしいのか、また近隣の特色(学校が多い、高齢者が多いなど)も把握して決定してください。  



2.管理方法、管理会社の選定

シェアハウスをはじめておこなう場合には、ひとりでの管理より管理会社にお願いしたほうがよいです。シェアハウス独自のトラブルも起こる可能性が高いので、知識や経験のあるプロにお願いし、スムーズな経営を目指しましょう。


しかし、シェアハウスの管理会社を探すのは、一般的な賃貸住宅と異なりたいへんです。近年では少しずつ増えてきていますが地方などではまだ少なく、自分で経営されている大家も多数います。


管理会社を選定する際には、一度管理されているシェアハウスを見学するとよいでしょう。その際には、

  • 共用部の清潔さ
  • 清掃具合
  • 玄関の靴が整理整頓されているか
  • 共用部に私物が散らかっていないか

などを確認します。


管理がしっかりと行き届いている物件は、きめこまかなサービスが行き届いていることを感じることができます。管理費や管理内容も違ってくるので、さまざまな会社を視野にいれて検討してみてください。  



3.リフォーム、リノベーションを実施

ターゲットやコンセプトに合わせて、リフォームをおこなっていきます。築年数の古い物件は、専門の工務店にお願いすると、よいアイデアをたくさんいただくことができます。


一般的なリフォーム会社より、シェアハウスを作ったことがあるという実績のある会社にお願いしましょう。 シェアハウスへのリフォームは、一般的なリフォームと違う点も多くあります。


相談しながらリフォーム設計を立てていくためにも、経験のある人からアドバイスをもらって進めていきましょう。  



4.共用部の家具・家電、日用品を揃える

シェアハウスのリフォームが終わったあとは、各個室や共用部分に、家具・家電などを揃えていきます。 どの程度揃えなくてはならないという規定はありません。


しかし、皆が座るソファーや机、キッチンの家電や調理器具、トイレや浴室の必需品はある程度揃えておきましょう。 共用部に置くテレビやみんなで遊べるようなゲームや本など娯楽アイテムもあると喜ばれますよ。


ターゲットやコンセプトに応じたものを揃えることが入居率を高め、また退去率を減らすことにつながります。  


5.入居のルールについて検討する

シェアハウスは知らないもの同士が一緒に住むので、ある程度のルールがあったほうがうまくいきます。まずは管理会社に相談して決めるのが1番安心です。


大家が決めるか入居者同士で決めるかという問題もありますが、基本的に土台は大家が決めておきましょう。 こまかなルールが必要であれば、入居者同士で作ってもらってもよいです。


しかし入居者同士のルールも、大家や管理会社は把握しておきトラブルに対処できるようにしておきましょう。


入居のルールについては次のような例があります。

  • 利用部分の善管注意義務 (善良なる管理者の注意義務のこと)。
  • 施設内における私物の紛失や盗難に関して管理者は一切責任を負わない。
  • ゴミの処理は利用者各自でおこなうこと。
  • 室内での喫煙は厳禁。
  • 外来者が来る場合には22時以降滞在厳禁。
  • 迷惑行為の禁止。

一般的なルールが多くありますが、必要に応じてつけ足していきましょう。



シェアハウス転用のリスク

シェアハウス転用のリスク


一般賃貸住宅をシェアハウスに転用する際には、メリットだけでなくリスクをともないます。リスクなどのデメリットも考慮して、転用に乗り出してください。



限られる入居者層

シェアハウスの需要は増えている一方、シェアハウスに入居したくないという人もいます

  • 人づきあいが苦手な人
  • ひとりで静かに過ごしたい人
  • ふたり暮らしの人

など、ニーズに合わない場合もあります。 シェアハウスに転用することで入居者層が限られてくるので、その点はしっかりと踏まえておいてください。  



入居者同士の相性による退去

見ず知らずの人が一緒に暮らすと、どうしてもお互いの相性が合わない場合もあります。解決できる場合もありますが、むずかしい場合にはどちらか一方、または両方が退去になることもあるでしょう。


一般的な賃貸アパートであれば、入居者同士の相性による退去というのは少なく、隣人同士のトラブルで終わります。 しかし、シェアハウスは毎日苦手な人と顔を合わせる可能性があるので、トラブル回避がむずかしいのです。  



建物、設備の劣化スピード

シェアハウスに転用すると、建物や設備の劣化が想像以上に速いという情報もあります。とくに共用部分はみんなでつかう場所であるので、個人の管理意識がどうしても低くなりがち。


清潔にしていたキッチン、誰かひとりが汚れを気にしない人であれば、どんどん汚れていってしまいます。注意することはできますが、神経質な人もいれば気にしない人もいます。清潔感というのは個人差もありますね。


共用部分は水回りも多いので、リフォームや清掃などの費用が多くかかります。どのように回避していくのか、入居ルールとしてしっかりと決め管理を怠らないことが大切です。  



まとめ

賃貸物件をシェアハウスに転用する場合、地域性や所有する建物によって空室対策に効果があります。転用の際にはトラブルを回避するためにも、ルール作りやコンセプトなど基礎をしっかりと固めておきましょう。


空室対策で民泊を運営するのも検討するものよいでしょう。詳しく解説しています>>空室対策【民泊の始め方辞典】届け出から設備まで!4つのリスク回避で安心経営



不動明師
不動明師
不動産業界において10年以上の経験を持つ不動明師は、現在、複数の不動産を所有・運営する現役オーナーであり、資産運用に精通したコンサルタントです。不動産管理からリノベーション、賃貸経営まで幅広い知識を持ち、実践的なアドバイスを提供することで、多くのオーナーから信頼を得ています。不動明師の執筆する記事は、SEOにも強く、多くの不動産オーナーにとって必読の内容となっています。 <専門分野> ・賃貸管理と運営 ・不動産投資戦略 ・リノベーションと価値向上 ・不動産法務と税務対策

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