店舗の空室対策【新提案】テナント募集で困らない4つの改善方法!賃貸契約トラブルを防ぐ3つの予防線
店舗やテナントを貸し出している大家さんは、空室がつづくととても不安になりますよね。一般的な賃貸住宅と違って、店舗やテナントは大きな家賃収入となります。そのため、長期にわたって空室となると、大家さんの負担になってしまうのです。
とくに店舗は、飲食店向けや事務所向けなどそれぞれの使い道を指定せざるを得ないことがほとんどです。大幅リフォームの有無や都市計画法で定められている用途地域など、制限も多くあります。そのため、借り手を探すのも一苦労ですよね。
そんな空室対策で困っている大家さんも、こちらの記事で空室対策のアイデアやポイントを見つけてみませんか? また、早々に退去しないためのポイント、契約解約時に備えて注意すべきこともご紹介します。 借り手は外から来てくれると、待っていてはいけないカニ[/surfing_voice] 関連記事 店舗も場所選びが大切です。
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目次[非表示]
- 1.店舗の空室が埋まらない!テナント募集4つの改善策
- 2.テナント(店舗・オフィス)の退去を防ぐ4つのアイデア
- 2.1.1.安定した業種の事業者に貸す
- 2.2.2.物件の価値を落とさない建物管理
- 2.3.3.入居者の不満を解消する機会を設ける
- 2.4.4.更新を後押しする入居メリットを追加
- 2.4.1.防犯カメラの設置
- 2.4.2.古くなった設備の取り換え
- 3.テナント(店舗・オフィス)の解約トラブルを防ぐ3つの注意点
- 3.1.契約時に原状回復工事の範囲を決めておく
- 3.2.解約予告期間、手順を設定しておく
- 3.3.テナントの合意事項は書面で残しておく
- 4.居住用物件を店舗・事務所として貸すには
- 4.1.賃貸借契約書の変更が必要
- 4.1.1.賃料設定の方法
- 4.2.固定資産税・都市計画税アップに注意
- 4.3.トラブルを回避するために
- 4.3.1.近隣入居者への配慮は必須
- 4.3.2.修繕の負担について契約書に明記
- 4.3.3.テナントの解約まで想定しておく
- 5.まとめ
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店舗の空室が埋まらない!テナント募集4つの改善策
店舗やテナントが空室になり、なかなか次が決まらないことはあります。しかし、そのままにしておいては赤字が続いてしまいます。しっかりと改善策を立てて行動に移していきましょう。
空室対策の改善点として、
- 周辺相場と比較して家賃を見直す
- 条件を緩和して営業可能な業種を増やす
- 借主の原状回復、修繕の負担を軽減する
- 区画を分割して借主の属性、幅を広げる
これら4つのポイントについてお伝えしますね。
1.周辺相場と比較して家賃を見直す
家賃の相場は年々変動していきます。築年数の経過や競合の賃貸用店舗などが登場することで、家賃を改変していかなければなりません。
まずは、同じくらいの広さと築年数の店舗を、周りから探してみましょう。そのあと、それぞれの店舗がどのくらいの家賃で貸し出しをしているのかインターネットや不動産を通じて調べてください。
調べた相場をもとに、貸し出す予定の店舗の家賃を見直し、下げる必要があると感じれば下げる判断をしてください。
ひとりで判断しかねる際には、不動産や管理会社に相談してみましょう。
2.条件を緩和して営業可能な業種を増やす
大家さんの希望で「飲食店はだめ!」「お酒類を取り扱う業種は禁止!」など、条件を厳しくしていませんか? もちろん用途地域によっては制限があるので、法律が第一です。
ただ、
- 「法律事務所などの事務所がいいのでお願いします。」
- 「学習塾などだと出入りがうるさいからいやだ。」
などの意見も耳にします。
これでは、紹介や仲介する側も適当な借り手を探すのはむずかしいのです。
そこに飲食店可能な店舗があれば、借主とマッチする可能性がグンとあがるのです。
ほかの業種でもよいのですが、条件として出している業種の幅を広げて、条件緩和をしてみましょう。
3.借主の原状回復、修繕の負担を軽減する
基本的に店舗やテナントを契約する際には、契約時に解約時の原状回復について取り決めます。以前まで解約の際にスケルトン状態での退去を義務にすることが多くありました。
スケルトンとは?
なにもない骨組のような状態で附属設備などすべて取り払うことです。
最近の内装はとても魅力的であり、オシャレなリフォームをされる借主さんも多くいます。 借主が、店舗用のエアコンを退去時に利用しない場合は、そのまま置いてもらったほうが店舗の価値も上がります
スケルトン状態での退去を義務づけるとなると、借主は退去時に修繕の負担が大きくなります。「ここの店舗は修繕の義務がないので、借主の負担が軽い。」ことがアピールポイントとなるのです。
また、前の内装をそのままにしている物件は「居抜き物件」と呼ばれており、人気を高めています。以前美容室で使っていて、そのままの状態で退去した場合、次借りる人が新たに設備をつける負担が軽くなるからです。
居抜き物件は、飲食店・美容室・マッサージ・医院・物販店などのテナントオーナーから人気があります。だから、以前と同じ業種が入る可能性も高くなります。 退去時の原状回復費用は、ほかの店舗と差ができるので、借主の目に留まりやすくなるのです。
ただ、注意したほうがよい点もあるので、のちほど原状回復についての注意点をご説明していきます。
4.区画を分割して借主の属性、幅を広げる
現在、空室となっている店舗はどれくらいの広さがありますか?
実は、広い区画を求めていて、高い賃料を支払える借主を探すのは母数が少ないのです。広ければ広いほど、借主の数は減っていきます。
もし、店舗をわけることができるのであれば、区画を小さくして貸し出すことも可能です。区画が小さくなればそのぶん客層が広がり、借り手も借りやすくなります
空室も埋まりやすくなり、リフォームによりキレイになるので、より借り手がつきやすい状態となります。
テナント(店舗・オフィス)の退去を防ぐ4つのアイデア
テナントを貸し出し、数年で退去されるとなると、次の借り手を探すのがたいへんです。リフォームの時間などもあるので、空室期間が長くなる可能性もあります。退去されないための手立てを先に行っておきましょう。
テナントの退去を防ぐアイデアとして、
- 安定した業種の事業者に貸す
- 物件の価値を落とさない建物管理
- 入居者の不満を解消する機会を設ける
- 交信をあと押しする入居メリットを追加
この4つのポイントをご紹介します。
1.安定した業種の事業者に貸す
空室がすぐに埋まることはとてもうれしいことですが、借り手についても詳細を把握しておくと安心ですね。大家さんにとって一番ありがたいのは、長期的にトラブルなく借りてくれる人ですよね?
医科や歯科は、比較的長期にわたって借りてもらえるので大家さんにはうれしい業種のひとつですね。しかし、自分で建設するオーナーも多いので、借り手は一握りです。
美容院や理容も安定した業種です。しかし、シャンプー台をおくための給排水設備の確認など、条件確認が必要となります。
物品販売は、建物が汚れる心配も少ないので、家主がわからも人気のある業種です。
人の出入りはありますが、小さな雑貨屋さんであれば大勢の人の移動はありません。また、接客業でもあるので、オーナーも明るく温和な人が多く接しやすいです。
逆に安定していない業種として考えられるのは、アパレル業やゲーム会社、旅行会社などがあります。しかし、そのような会社でも会社の歴史や資本金などを調べることで、大きな会社であることなどを把握することは可能です。
ほかにも
- 工事など騒音が起きる会社
- 悪い噂のある会社
- オーナーの人柄が悪い
など、みるべき点はあります。
2.物件の価値を落とさない建物管理
店舗やテナントに入居が決まって安心してしまい、そのまま放置状態にしないようにしましょう。あくまでも 建物を管理するのは大家さんや管理業者です。
店舗内であれば借主の責任が主ですが、店舗外は家主の責任です。
- 垣根の手入れ
- 駐車場の清掃
- 階段の清掃
- 外壁の苔落とし
などできることはたくさんあります。物件をキレイに保つことで、借主も安心して営業などを続けることができますね。
貸主による管理がむずかしい場合には、管理会社に委託すると安心です。トラブルの際にもすぐに動いてくれるので、家主だけでなく借主も安心して借りることができます。
3.入居者の不満を解消する機会を設ける
店舗となると、家主と会う機会というものはほとんどありません。
契約時も仲介業者が入ることが多いので、家主の顔を知らないという借主もいます。
そのたびに対応するとなると、家主もたいへんであり対応しきれないときがあります。
しっかりと対応ができないことがつづくと、入居者も不満を抱えやすくなります。「最近、あまり借主と連絡を取ってないな……。」と感じたら、不満を解消できる機会を設けてみましょう。
借主も貸主の顔や人柄がわかることで安心できますね。そのぶん、居心地も良く長く借りてくれる可能性が高くなっていきお互いよい影響となります。
4.更新を後押しする入居メリットを追加
店舗の賃貸契約は、一般の住宅賃貸契約と同じように、更新期間が設けられています。基本的には、自動的に更新となることがほとんどです。
借主から更新しない旨を伝えない限り、契約は続いていきます。
しかし、「更新」という言葉を聞くと、借主はどうしようか迷うこともありますね。規模を大きくしたいから別の店舗に移動すべきか、新しい店舗ができたからそこに移転しようかなど検討します。
大家さんは、退去されないために、入居中でもできる手立てをおこなってみましょう。
防犯カメラの設置
最近の事業用店舗は、基本的に借主が防犯カメラを設置しています。しかし、防犯カメラがついていない店舗もあるのが事実です。
設置が不要な場合だとしても、「大家さんは設備対応も考えてくれている。」と借主に好印象を与えますよ。
もしかしたら、「防犯カメラは不要なので別のものをつけてほしい。」と要求されることもあり得ます。可能な範囲で対応することで、退去率を左右します。
古くなった設備の取り換え
古くなった設備として、例えば付属設備であるエアコンや照明などを取り換えるのもよい手立てです。照明は借主と相談して、店舗のイメージに合うものを選んでもよいですね。
現在借りている人が退去したあとでも使えるようなキッチンであるとなおよいです。退去後のリフォームの負担も軽くなるので、大きな設備の取り換えですが、おすすめの方法です。
テナント(店舗・オフィス)の解約トラブルを防ぐ3つの注意点
店舗やオフィスのテナントは、いつか解約されるときがやってきます。長期でも短期でも、いつか解約されるのです。そのときによくあるのが、解約時のトラブル。
とくに長期にわたって数十年借りていた場合には、契約時の取り決めを忘れてしまっていることも多くあります。そのため、解約の際に問題になってしまうのです。
契約時に原状回復工事の範囲を決めておく
店舗の解約時は、
- スケルトン状態にして退去するか
- 設備をそのまま残して退去するか
を契約書に記載します。
スケルトン状態の場合には、わかりやすくてよいのですが、後者はそうではありません。
どの設備を残し、どの設備は残さないのか、細かに決めておくようにしましょう。
- エアコンは残したまま
- 床材はそのまま残す
- それ以外は処分する
など具体的に記します。
途中で家主が追加した設備は、追記で借主と貸主の契約書に記載していきましょう。原状回復工事の範囲を、お互いにわかりやすく明確に決めておくことが大切です。数十年後でも理解できる内容で記してください。
解約予告期間、手順を設定しておく
一般住宅の退去届は、退去する1か月前となっています。しかし、店舗の場合には、3か月前や半年前など少し長めに設定してあることがほとんどです。その期間に、家主さんは次の借主を探すことができます。
契約書をしっかりと読んでいない場合や忘れている場合もあるのです。
「解約予告期間なんて聞いてなかった!」とトラブルにならないためにも、契約時にしっかりと伝えることが必要です。重要事項説明書に記載があるように、読んで説明することは大切。
ただし、流すように読む仲介業者もあるので、「解約する際には6か月前に必ず連絡をしてください。」と念を押す形で伝えるようにしましょう。付箋などをつけて見落としがないように工夫するとよいでしょう。
契約時、基本的には仲介業者と借主で契約を交わしていきます。可能であれば、その場に家主も同行させてもらえるとよいですね。
テナントの合意事項は書面で残しておく
賃貸借契約書には、契約書類と重要事項説明書があります。 しかし、店舗の場合、シンプルな契約は少なく、合意事項として別紙で書面が添付されていることもあるので確認してください。
これは、住宅の賃貸借契約で特別なサービスなどを利用して入居する場合などにも添付されているもので、契約書と同じ効力をもっています。そのため、合意事項ではありますが、契約のひとつとしてしっかりと確認しておきましょう。
先ほどの原状回復事項がたくさんあるのであれば、合意事項としてわかりやすく添付しておきます。原状回復が必要のない部分は、写真も一緒に添付しておくと安心ですね。
絶対にやってはいけないことは、口頭で決定することです。言った言ってないでもめてしまう原因となります。
居住用物件を店舗・事務所として貸すには
居住用のマンションやアパートの空室対策として、店舗や事務所として貸し出す場合もあります。
居住用物件を店舗や事務所として貸し出す際には、いくつか注意点があります。おさえるべきポイントを把握しておきましょう。
賃貸借契約書の変更が必要
まず、賃貸借契約書の変更が必要となります。
契約書の雛形がある場合でも、賃貸住宅用と店舗用は別個に存在していることが多く、内容も微妙にですが変わってくるのです。
さらに、店舗契約時には、なにかあったときのために保証金が必要となります。保証金の金額や有無などの記載も必要です。保証金は、家賃が遅れた際に充当されるとき、また建物が故意過失により損害を受けたときなどにも当てられます。
店舗用の賃貸借契約書は、雛形があるので下記にて参考にしてみてください。
出典:店舗賃貸借契約書|契約書テンプレート|ロイズ司法書士事務所
賃料設定の方法
住宅として貸す場合と比べると、リフォーム工事や不特定多数の人の出入りがあるなどトラブルが起こる場合も考えられます。
基本的には、住居用の物件であるのでほかの入居者への配慮は必要です。 トラブルがあることも想定したうえで、住居用としての家賃よりも上乗せした金額で貸すことをおすすめします。賃料を見直したうえで、借主へ持ち掛け契約へと運んでください。
固定資産税・都市計画税アップに注意
住居用を店舗として貸し出すときには、税金にも注意が必要です。建物の用途が住宅と住宅でない場合は、大家さんが支払う税金が違います。入居者には関係のないことですが、大家さんの支払額があがるので、想定しておく必要があるでしょう。
固定資産税は、住宅の場合には「課税標準の特例措置」により減額の対象となっています。しかし、店舗の場合には対象外となるので、金額が上がるのです。
また、都市計画税とは市街化区域内に土地や建物をもっているオーナーが納める税金です。固定資産税と一緒に納付します。都市計画税も上がる場合があるので、確認が必要です。
住宅から店舗へと用途を変更する際には、連絡が必要です。変更してから1か月以内に法務局に建物表題部変更登記をすることが義務付けられています。忘れないようにしてください。
トラブルを回避するために
一般住宅から店舗や事務所に用途を変更する差には、トラブルが起きやすいのが実情です。そのため、できる限りトラブルを回避するためにも、先回りして確認や連絡をしましょう。
近隣入居者への配慮は必須
一番迷惑を感じてしまうのは、隣人など同じ建物に住む入居者です。事務所ができたあとから入居する場合には、理解して入居しますが、元々住んでいる人はそうではありません。
そのため、契約が決まった際などには、早めに入居者全員に文書などを投函しておきましょう。建物に掲示板やエレベーターなどがあれは、ポスターを掲載してもよいです。入居者の目につくようにしておきます。
どのような業種の店舗が入るのか、人の出入りはどのくらいを予定しているのかなどを記載します。また、ニオイや騒音はあるのかなども明白にしておいたほうがクレームは起きにくいです。
修繕の負担について契約書に明記
忘れてはならないのが、修繕の負担について契約書にきちんと記載することです。
賃貸住宅の場合には、2行ほどで記してあります。しかし、店舗の場合には、退去時の原状回復については細かに記載する必要があります。
賃貸スペースのなかで修繕が必要になった場合には貸主、借主どちらが負担するかも明確にしましょう。
テナントの解約まで想定しておく
店舗で貸し出す際には、解約時までしっかりと想定することが大切。これは貸主や仲介業者だけでなく、借主にも同じことが言えます。お互いが十分に話し合い、納得したうえでの契約となるようにしてください。
テナントを解約したのちに、また住居として貸し出したいと考えている場合もあります。その際には、元どおりに戻すことを前提として契約をしてもよいでしょう。
まとめ
店舗やテナントの空室対策は困難です。しかしながら、打つ手立てはまだ残っています。
放置せずに早急に対策をおこないましょう。また、居住用賃貸物件を、店舗やテナントに用途変更する場合には、ポイントを押さえて進めてくださいね。
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