アパート経営で元を取るのは何年後?レバレッジでサラリーマンでも成功する3ステップ
せっかくアパート経営をしているのだから投資額の元は取りたいもの。しかしローン返済や経費で出ていくお金が多いと「赤字になるのでは? 」と不安になってしまいます。 アパート経営で元を取るとは、アパート経営を成功させるということ。ただ漫然と経営していたのではむずかしい場合も。
特に自己資金ゼロや借入ではじめるサラリーマンのアパート経営は予測できないことばかりです。 今回は「あぱたい」がアパート経営で レバレッジを効かせて"元を取る重要" ポイントをしっかり解説します。 初心者でも不動産投資としてのアパート経営を成功させるには、3つの対策が鍵。
サラリーマンの年収でも無理のない儲けを出せるアパート経営の方法を一緒に学んでいきましょう!
目次[非表示]
- 1.アパート経営で「元を取る」ふたつの方法
- 2.元を取るための対策法1:アパート経営スタート前が最重要ポイント!
- 2.1.元を取れる物件選び
- 2.1.1.好立地物件
- 2.1.2.建物の状態を確認する
- 2.1.3.表面利回りに惑わされない
- 2.1.4.購入後のリスク対策も忘れずに
- 2.2.徹底的な収支シミュレーションをおこなう
- 2.3.出口戦略を立てておく
- 3.元を取るための対策法2:所有物件数が増えたら青色申告がおすすめ!
- 3.1.基準は5棟10室
- 3.2.青色申告のメリットや必要な届け出は?
- 4.元を取るための対策法3:事業規模が大きくなったら法人化
- 4.1.法人化するタイミングの目安は?
- 4.2.法人化のメリットとデメリット、手続きは?
- 5.まとめ
アパート経営で「元を取る」ふたつの方法
アパート経営で元を取るには、
- キャッシュフローを積み重ねてインカムゲインを出す方法
- 購入時より高い価格で売却してキャピタルゲインを出す方法
があります。 不動産の価格が上昇している時代にはキャピタルゲインが強く期待されますが、不動産価格が横ばいで上昇が期待できない時代にはインカムゲインが期待されます。
方法その1:インカムゲインでコツコツと元を取る
インカムゲインとは家賃収入のこと。 利幅は小さいですが確実に利益を得るのに適した方法です。 メリットは、入居者がいれば毎月定収入が確実に入ってくること。 また購入資金を借入して購入することでレバレッジを効かせて大きな資産を取得できます。
一方デメリットは、元を取るまでに時間がかかること。特に自己資金ゼロではじめた場合にはかなりの長期を覚悟しましょう。
また空室になると収益が下がることも大きなデメリットです。 レバレッジを効かせすぎていると即赤字となる危険性も。
方法その2:キャピタルゲインで一気に元を取る
キャピタルゲインとはアパートを購入時より高い価格で売却して得られる売却益のこと。 不動産購入費を投資額として、売却益でリターンを得る方法です。
メリットはインカムゲインである家賃収入がマイナスでも高いキャピタルゲインを得られれば、ローンの返済をしてさらに黒字を出せるという逆転ホームランが可能なこと。
ただし築15年を超えると高い価格では売りづらくなります。
デメリットは、売却益に課税される税金。 また売却がスムーズにいくとは限らず、場合によってはインカムゲインが黒字でも全体で赤字になってしまう場合も。
元を取るための対策法1:アパート経営スタート前が最重要ポイント!
アパート経営で元を取るためには、計画段階での入念な調査や準備が不可欠。 特にサラリーマン大家が自分の年収で無理なくアパートを購入する場合、コストパフォーマンスのすぐれた物件を選び取ることが重要です。
元を取れる物件選び
アパート経営で元を取るには、最初の物件選びが肝心です。気をつけたいのは、インカムゲイン、キャピタルゲインどちらかに偏りすぎないこと。双方バランスよく見込める物件が最適です。
好立地物件
好立地物件を購入できればアパート経営はかなり楽になります。購入するアパートの立地を判断するために下記の項目を調査しましょう。
- 駅からの距離(徒歩10分以内)
- 学校や病院、商業施設など入居者層が利用する施設が近隣にある
- 住環境が良好(騒音や臭気などがない)
- 治安が良好(工場地や繁華街でない)
- 周辺に競合物件が多すぎない(競合物件の空室状況を確認)
- ひとつの企業や大学をターゲットとしているエリアは避ける
関連記事 アパート経営の立地選びに必要な8項目【立地が悪いのに満室になる土地の共通点】
建物の状態を確認する
中古のアパートを購入する場合は建物の状態をしっかりと確認しましょう。立地がよくても物件に魅力がないと入居付けに苦労します。 また今までのオーナーがメンテナンスを怠っていた場合には、購入後に外壁や屋根の補修、エアコンや水回りの修理が必要になることも。 次のような点に注意して、補修や修理の費用を試算しましょう。
- 外壁や屋根、通路やバルコニーのチェック
- 室内の設備の使用年数
- 入居者のニーズにあわない間取り
関連記事 【アパート経営にかかる修繕費の目安】屋根等15の費用と築30年アパートの試算
表面利回りに惑わされない
購入物件を検討するときに重要な「利回り」。ただし利回りにも種類があるので注意しましょう。
- 表面利回り:年間賃料÷購入価格×100
- 実質利回り:(年間賃料-経費)÷購入価格×100
- キャッシュフロー(借金返済後利回り):(年間賃料-経費-年間ローン返済額)÷購入価格×100
表面利回りは物件を比較検討するには便利ですが実際の経営の指標にはなりません。実質利回りは現金で購入した場合のシミュレーションといえます。
キャッシュフロー(借金返済後利回り)をきちんと計算することで確実に手にする利益を把握することができます。 元の取れるアパート経営を目指すには、表面利回りに惑わされずキャッシュフローで判断することが一番重要。
関連記事 アパート経営の利回りは?【計算方法とROI・CCR】10%はウソ?初期費用・必要経費を含めた目安
購入後のリスク対策も忘れずに
アパート経営にはリスクがつきもの。しかしリスク対策をおこなうことで回避できるものもあります。アパートを購入する前からあらかじめ考えておきましょう。
リスク |
対策方法 |
空室 |
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家賃滞納 |
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修繕費用 |
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災害 |
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金利上昇 |
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関連記事 空室対策【アイデア4選と成功大家のすごい12の技】リフォームはダメ?今必要な設備は◯◯
徹底的な収支シミュレーションをおこなう
候補となる物件が決まったら、あらゆる角度から収支シミュレーションをおこないましょう。収支シミュレーションは物件同士の比較のためだけではなく、アパート経営におけるキャッシュフローを把握するために有効です。
重要なのは、自己資金額、金利、ローン期間、空室率、経年による家賃下落、修繕費を数パターンでシミュレーションしてみること。 それによってキャッシュフローの把握ができ、アパート経営で元を取るためにかかる期間をコントロールできるようになります。
収支シミュレーション結果をもとにローン期間や売却のタイミングを定め、今後のアパート経営の方針をたてましょう。いろんなパターンをシミュレーションすることで経営の道すじが見えてきます!
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出口戦略を立てておく
順調にアパート経営ができていても、いつかは終わるときがきます。 アパート経営の終わりは売却や取り壊しなどいろいろ考えられますが、はじめる前にどういった選択肢があるのか考えておくことがアパート経営の出口戦略です。 例えば考えられる選択肢は次のようなもの。
- 経年による賃料の下落がみられたら、アパートを売却し新たな物件購入の資金とする
- 入居者の需要が高い立地であれば、建物の老朽化に伴って建て替えをする
- 賃料が下落する前にキャピタルゲインを狙って高値で売却し、別の投資の資金にする
アパート経営の出口戦略については、下記の記事でも詳しく解説しています>>アパート経営で必要な売却のタイミングは? 消費税等を考慮する4つの出口戦略
元を取るための対策法2:所有物件数が増えたら青色申告がおすすめ!
実際にアパート経営をはじめると、収益をあげるのと同じくらい重要なのが節税です。個人事業主が節税するには青色申告がおすすめです。青色申告は意外と簡単で、メリットも大きいよです。
基準は5棟10室
どのくらいの所有物件があれば青色申告をすべきなのでしょうか? それを判断するのはアパート経営が事業的規模であるかどうかによります。国税庁が発表している事業的規模の基準は「5棟10室」。 所有しているのが貸家であれば5棟、アパートであれば10室がそれぞれ基準になります。
青色申告のメリットや必要な届け出は?
アパート事業が事業的規模だと認められた場合、青色申告特別控除として60万円の控除が可能。 また青色事業専従者給与を全額経費に算入できる、純損失の繰り越し控除を3年間受けられるなどの経費面で大きなメリットがあります。
またもし事業的規模ではなかったとしても、10万円の青色申告特別控除を受けることができ、そのほかの経費面でのメリットも!
青色申告をする場合、その年の3月15日までに税務署に「青色申告承認申請書」を提出します。 もしその年の1月16日以降に新規開業をした場合には、業務を開始した日から2か月以内に「青色申告承認申請書」を提出すれば青色申告をおこなうことができますよ。
青色申告のメリットや手続きについてはこちらの記事でも詳しくご紹介!>>青色申告の特典は最大限活用を!アパート経営における確定申告のいろは
元を取るための対策法3:事業規模が大きくなったら法人化
事業規模が大きくなってくるとより多くの税金がかかるようになります。そうなった場合には節税対策として法人化も視野にいれましょう。
法人化するタイミングの目安は?
アパート経営を法人化するタイミングはそれぞれ異なりますが、目安のひとつはアパートの年間所得が900万円を超えたあたり。 個人所得税は所得が900万円を超えると税率が急激にアップするため、このタイミングで法人化を検討するとよいでしょう。
ちなみにアパートの年間所得が1800万円を超えると、法人化による節税効果はかなり確実です。 年間所得900万円超であれば法人化をシミュレーションしてみるましょう。
法人化のメリットとデメリット、手続きは?
アパート経営を法人化することの主なメリットはこちら。
- 所得税の節税ができる
- 経費計上できる項目が増加する
- 欠損金を10年間繰り越しできる
またこれ以外にも家族に利益を分配したいなどアパート経営の方針によって得られるメリットもあります。
一方法人化することのデメリットも
- 法人住民税は赤字でも納税が必要
- 名義変更時に不動産取得税、登録免許税がかかる
- 法人設立時にかかる費用
法人化にはメリット・デメリットがありますが、将来的にアパートを増やしていきたい場合、また利益を家族などに分配したい場合は法人化を検討すべきです。 法人を設立するために必要な手続きは次のとおり。
- 法人の種類を決める(株式会社、合同会社、合資会社など)
- 定款の作成
- 法務局にて法人登記
- 税務署に開業の届け出
司法書士に依頼すると手間いらずですが、そんなにむずかしくないので自分で手続きすることも可能ですよ。
アパート経営の法人化についてはこちらの記事で詳しく書いています! >>アパート経営を法人化する賢いタイミングは?会社設立で節税対策と相続準備
まとめ
アパート経営で元を取る、経営を成功させるには、ただ漫然と経営するのではなくしっかりとした知識と準備が必要です。 不動産のことだけでなく、税金やリフォーム、保険や金融など勉強しなければならない分野は多岐にわたります。
しかし勉強したことは必ずアパート経営のなかで役立つもの。アパート経営の成功を目指して、コツコツがんばりましょう!