アパート経営の難しさを攻略!賃貸経営で必要な14の仕事とスキル
不動産投資のなかでも近頃はベターな投資先となっているアパート経営。
不動産の中でも雑居ビルや住宅など、選ぶ投資先によって住人や利用者は異なり、それぞれにリスクが存在します。
アパート経営にも同様にリスクが存在し、それがアパート経営の難しさ・ハードルの高さとなっています。
目次[非表示]
- 1.入居募集で大家がやるべき3つの仕事
- 1.1.【1】空室解消に大事なリサーチとマーケティング!
- 1.1.1.周辺の空室率や家賃相場を調査
- 1.1.2.賃貸ユーザーのトレンドを把握
- 1.2.【2】客付力のある仲介業者は足を使って探そう!
- 1.2.1.実際に不動産屋を訪れる
- 1.2.2.任せたいと思える担当者か
- 1.3.【3】ペルソナでターゲットを設定しよう!
- 2.契約までに身に付けるべき2つのスキル
- 2.1.【4】法律の知識を身に付けよう!
- 2.2.【5】家賃交渉は交渉力でカバーしよう!
- 3.先を見据えた5つの運営業務
- 3.1.【6】入居前に建物内の状態を確認しよう!
- 3.2.【7】コミュニケーション力で長期入居を実現!
- 3.3.【8】危機管理の意識を持とう!
- 3.4.【9】情報収集を欠かさない!
- 3.5.【10】キャッシュフローをチェック!
- 4.更新時に大家が取るべき2つの行動
- 4.1.【11】理由なき退去を防止しよう!
- 4.2.【12】交渉力で家賃の値下げを阻止!
- 5.迅速さと合理的判断が大事!退去時の2つの業務
- 6.まとめ
入居募集で大家がやるべき3つの仕事
賃貸経営において大家が最も時間や労力を投入するのが入居募集のフェーズ。
空室リスクや家賃低下のリスクを下げて収益を上げるために必要な仕事は大きく3つ、それぞれご紹介していきます。
【1】空室解消に大事なリサーチとマーケティング!
空室を解消し入居率を高めるためにはリサーチとマーケティングが大切です。具体的な手法について解説していきます。
周辺の空室率や家賃相場を調査
リサーチの一環として、まず周辺の空室率や家賃相場を確かめておく必要があります。
物件数日本No.1の不動産情報サイト「ライフルホームズ」が提供している、「見える賃貸経営」。
想定利回りや人口の推移といった重要なデータがわかりやすくまとめられています。 これから賃貸経営に乗り出す方やすでに賃貸経営を行っている方に有用なコンテンツとなっています。
特に周辺の空室率や家賃相場を知ることは市場調査の基本です。 アパート経営は土地勘のある地域の物件だけを取り扱うわけではありません。場合によっては田舎や都会など全国のアパートに視野を広げて物件を探すことになるでしょう。
不動産投資で収益を得るためには「見える賃貸経営」などのコンテンツを利用して、目の届かない場所にある物件についても理解を深めておく必要があります。
足を運べる範囲の物件であれば、なるべく自分の目で確かめておくことも必要です。
賃貸ユーザーのトレンドを把握
目に見えないユーザーの「ニーズ」や社会全体の「トレンド」を掴む力がないと、アパート経営は失敗するリスクが高まります。
大手人材サービス会社リクルートが全国各地を対象に毎年発表する「住みたい街ランキング」。
賃貸物件のユーザーが住みたいと思う地域がまるわかりになりますので、不動産投資を意識している方にとっては市場のニーズを掴む絶好のデータとなります。
また、先ほども紹介したライフルホームズ。 こちらが全国の入居者に対して「賃貸契約に至った理由」についてアンケートを実施しています。
少し古いデータになりますが、2015年にSUUMOが調査した「引越しに関する実態把握調査」において、 “引越し先の物件選びで重視するポイント” として以下のようなランキングが公表されています。
- 家賃・価格
- 間取り
- 最寄駅からの徒歩分数
- 面積・広さ
- 路線・駅やエリア
- 立地・周辺環境
- 通勤・通学時間
- 築年数
- 住戸の向き・方角
- 設備・仕様
駅からの距離や路線など、空室対策のために改善したくても物理的に不可能なものは仕方ありません。
ただ、上記のランキングを基に考えると空室対策として賃貸オーナーができる工夫は多く、例えば以下のような対策が可能です。
- 間取りや広さ:仕切りをなくして2DK から人気の1LDKにするなどのリノベーション
- 立地や周辺環境:公園や学校、国道などが近い騒がしいエリアなら防音対策をする
- 設備や仕様:モニタ付きインターフォンやエアコン、宅配ボックスなどの需要の高い設備導入を検討する
ユーザーのニーズを知るということは、空室対策で「何をしたらよいか」の答えに直結しますね。ぜひ、日ごろからユーザーニーズの把握に努めていただくことをおすすめします。
ほかにも、大手家具屋がトータルコーディネートとして打ち出す内装やインテリアにも市場ニーズは隠されていますよ。
賃貸に関する情報は幅広く拾い、正しくニーズを掴むことで収益性の高い物件を見出すことができます。トレンドを把握し、多くのユーザーに好まれる物件を手に入れる準備を怠らないようにしましょう。
【2】客付力のある仲介業者は足を使って探そう!
客付力のない仲介業者を選ぶと、アパート経営のリスクが高まります。 アパート経営においては、物件のオーナーが直々に管理をするのではなく、客付けや管理を仲介業者に委託するパターンが主流となっています。
多くの仲介業者が存在しますが、仲介業者の選定を誤ると集客がうまくいかなかったり、管理がずさんで住人から苦情を受けることもあります。
知名度だけでなく、依頼する仲介業者の客付力や管理の丁寧さを見極めて選ぶようにしましょう。
同一企業でも担当者によって質が変わることもありますので、実際に足を運んで会社や担当者を見極める必要があります。
実際に不動産屋を訪れる
購入する不動産屋を選ぶとき、なるべく実際に店舗に訪れるようにしましょう。不動産屋には全国展開している大手の不動産屋や、地域密着の小さな業者も存在します。 いずれにせよ店舗の雰囲気を見れば、期待してよいかどうかがある程度は推し量れるでしょう。
例えば店舗前の清掃が行き届いていなければ、お客様を迎えるという意識が欠落している可能性がありますよね。
窓、看板には図面の写真が貼ってありますが、長い期間取り替えられていなければ日焼けや破れといった経年劣化が起こります。そうした状況を放置している店舗は、新規の顧客を必要としていない可能性がありますので敬遠したほうが良いでしょう。
いずれにせよ、顧客の目に留まる部分がみすぼらしい場合は要注意です。 こちら側のことを考えている不動産屋かどうかは、店舗に足を運べば見抜けます。ネットや電話だけで判断しないように気をつけましょう。
任せたいと思える担当者か
あなたを担当する担当者へ信頼をおけるか否かという点も大きな判断材料になります。
不動産の営業マンにも幅があります。自分の扱う物件について詳しい良心的な担当者であれば、買い手であるあなたに対して最大限の情報提供を行ったり、親身に相談に乗ってくれるでしょう。
不動産屋でしか知り得ない物件周辺の情報、例えばファミリー向けが多いか単身向けが多いか、商業施設や病院への距離はどの程度か、といった内容を論理的に提案してくれる担当者を探してください。
そうした担当者は購入後も相談に乗ってくれますし、アパート経営がうまくいって数棟のオーナーになったときにも力になってくれるでしょう。
【3】ペルソナでターゲットを設定しよう!
マーケティングの基本となるワードに「ペルソナ」というものがあります。
心理学や哲学においては「人格」という意味で用いられる言葉ですが、アパート経営においてもこのペルソナの策定が重要になってきます。
アパートの供給が過剰になっているいまの状況では、ただ新しいアパートを建てただけでは集客に繋がりにくくなっています。他のアパートにはない魅力を取り入れて差別化し、住人のニーズに合わせた住居を提供する必要があるのです。
例えば近年ではシェアハウスが隆盛を極めていましたが、すでにブームは落ち着いてきています。そのなかでも「猫と暮らせるシェアハウス」と銘打って猫好きが集まるシェアハウスを運営して盛況させている例もあります。これが差別化です。
この「猫と暮らせるシェアハウス」が人気になるか否かを確かめるためには、限りなく実像に近いペルソナを策定し、行動原理やニーズを細かく想像する作業が必要になりますね。 名前や年齢、住所、家族構成、将来の夢など、生身の人間同様に人格を作り込んでいきます。
その人格をターゲットに見立てて、ターゲットに刺さるサービスを提供しなければなりません。 物件がある地域の地域性や県民性なども重要な要素になります。
アパート経営についても、マーケティング力が必要になるということは頭に入れておいてください。
契約までに身に付けるべき2つのスキル
よい物件を見つけ、いよいよ契約! となった際に困らないよう、身に付けておくべきスキルも存在します。 重要な2つのスキルについてご紹介しますので、契約前に身に付けておきましょう。
【4】法律の知識を身に付けよう!
法律の知識を身に付けなければ、アパート経営は暗中模索になってしまいます。
契約に関わる事務処理については管理会社に任せられますが、法律の内容を自分で知って置かなければ契約上不利になったり、損をする可能性が高まります。
賃貸契約を結ぶ際には「借地借家法」と呼ばれる法律が深く関わってきます。 借地借家法は「天下の悪法」とも呼ばれ、対等であるはずの貸主と借主のパワーバランスを大きく歪めています。
例えば借地借家法では、期限の定めのない契約においては、貸主は正当な理由なく借主を退去させることができない、と定められています。
家賃の滞納や騒音トラブルといったわかりやすいルールの逸脱があれば別ですが、そうでない場合は貸主の意思で退去させることはできないのです。
こうした実情を知っているかいないかでリスクは大きく変わってきます。 契約前に借地借家法や民法について勉強しておくことをおすすめします。
【5】家賃交渉は交渉力でカバーしよう!
アパート経営に家賃交渉はつきものです。
特に空室率が高い場合などは収益が少ないので「家賃を下げてでも入居させたほうが良い」と管理会社からも提言されることがあります。 しかし、安易に家賃を下げてしまうと、空室率だけでなく収益率まで下がってしまう可能性があります。
契約前に家賃交渉をされた場合のことを考え、ある程度の交渉力は備えておくようにしましょう。
家賃を5000円下げると年間6万円の減収となりますが、実はそれだけではありません。 その人が長く住めば住むほどその一室は他の部屋に比べて収益率が低いまま埋まってしまいます。
であれば、フリーレントを導入したり敷金礼金を低く設定したりしてうまく妥協点を見つけ出したほうがよいでしょう。
土壇場の交渉力は一朝一夕で身に付くものではありませんが、あらかじめ利率や収益率と相談してこうした妥協点を探っておくことで、有利に交渉をすすめることができます。
先を見据えた5つの運営業務
物件を取得し空室をなくせば業務は終わり、というわけではありません。
そこからのケアや管理をいかに丁寧に行うかによって、リスクを低減させながらアパート経営を行うことができます。
現在から未来を見据えて取り組んでおくべき5つの運営業務を見てみましょう。
【6】入居前に建物内の状態を確認しよう!
住人が入居する前にあらかじめ部屋の中をチェックしておきましょう。
理由としては、入居時に確認しておくことで、退去時についている傷や老朽化を入居者負担で修繕することができるためです。
写真を撮っておいたり、傷のある部分を入居者と確認しておくなどしておくと、退去時にトラブルを起こさずに済みます。
管理会社にまるごと任せるのではなく、物件の状態を細かく調査、記録しておくことで客観的に自分の物件の市場価値を図ることができるでしょう。
【7】コミュニケーション力で長期入居を実現!
入居者との関係構築は管理会社に任せっぱなしにするのではなく、大家自ら行うようにしましょう。
住人はもちろん、管理会社とも密にコミュニケーションを取ることで近況を詳しく知ることができますし、住人とのトラブルを防ぐことにもつながります。
大家という「所有者」の存在を時折意識させないと、賃貸アパートはどうしても入居者が「自分の家だ」と感じるようになってしまうものです。
その結果、マナー違反を犯すようになり、近隣住民との軋轢を生む可能性も考えられます。 威圧するのではなく、あくまで円滑に、友好的にコミュニケーションをとることで住人の意識を正しく保つことができます。
「いい大家さん」としての認知が広まり、居心地が良くなれば長期入居も実現できます。ぜひ人間関係についても意識を向けてみてください。
【8】危機管理の意識を持とう!
頻繁に起こるわけではありませんが、生じうるリスクへの対策を立てておくことも重要です。
例えばローンの金利が上昇したり、地震や火事といった災害、事故によって物件が失くなってしまう可能性も十分考えられます。
こうしたリスクに備えて火災保険や地震保険が存在しますが、万が一保険を適用する機会が訪れたときに困らないよう、今一度内容を見直してみてください。
「起こらないだろう」ではなく、「起こるかもしれない」を常に予測し続けて経営を進めていかなければなりません。安全運転の基本は車もアパート経営も変わらないのです。
【9】情報収集を欠かさない!
不動産業界は税金や法律といった分野と密接な関わりを持っています。大きく影響を受ける業界ですので、税金や法律の改正については入念にチェックしておかなければなりません。
現に、不動産の国家資格である宅建士は、資格取得後も5年ごとに更新講習を受けなくてはなりません。
更新講習は5時間にも及び、これまでの5年間で起こった法律の改正や不動産に関連する法律についての知識を共有する機会となっています。
大家として物件を保有する場合には宅建士は必要ありませんが、オーナーとしての自覚を持ち、自分のいる業界の知識は常に新しいものを勉強するようにしましょう。
物件所有時から変わらない知識のままでは、世の中の流れに置いていかれてしまいますよ。
【10】キャッシュフローをチェック!
キャッシュフローとは、ざっくりいえば流動資産に関する収支のことです。
現金だけでなく、現金化しやすい資産、当座預金や受取手形などを流動資産と呼びます。
長期的に見て収益になる物件であっても、収益が入ってくるまで収入がゼロであっては倒産してしまいかねません。
収益率だけでなくキャッシュフローも重要な要素です。
月のローン返済額など、毎月支払わなければならない費用と、家賃収入などの毎月入ってくる収益とをしっかり試算し「続けていけるか」をシミュレーションするためにはキャッシュフローについての知識が必須です。
簿記3級程度の知識があればアパート経営に必要なファイナンスの知識は仕入れることができますので、ぜひ勉強してみてください。
ちなみに、不動産に関する知識もあわせて勉強しておくと効果的です。その場合はファイナンシャルプランナー3級を取得し、基礎を固めてから宅建士などを取得するコースがおすすめです。
税金の知識
相続税などの税金システムは「知らない人が損をする」ようにできています。
例えばアパート経営であれば経費を使うことができますが、実際にどのような費用を経費に参入できるのかご存知でしょうか。
他にも減税の施策として住宅購入に関する特例措置が存在しますが、その内容をしっかり理解している方は少ないのではないでしょうか。
税金はややこしく、一度ですべて理解するのは難しいです。しかし、経費や特例措置についてはすぐに利用できる節税効果の高い手段ですので、しっかり理解しておくことをおすすめします。
経費についての理解が深まっていれば、投資先の物件を選ぶ際に単純な収益率だけでなく、経費として節税したあとの純粋な収益率を見ることができます。
一見儲からなそうな物件であっても、実は節税効果が高く優良物件だった、ということもあるでしょう。知識一つで節約につながるのであれば、勉強しない手はありませんね。
ローンの知識
資金繰りの観点からみても、ローンの仕組みを理解しておくと経営が安定するでしょう。
すでに契約を締結している場合、借入条件などを変更するのは難しいですが、返済方法については比較的変更しやすくなっています。
繰り上げ返済や借り換えといった手段を使えば今より安定した経営ができる場合もあります。 常にローンの残債を意識しておくと中長期的な視野でアパート経営について考えることができるのです。
借りたら終わり、ではなく返済中もローンとうまく付き合っていく意識を保つようにすると、アパート経営を戦略的に見直すことができるでしょう。
コスト削減と積立
キャッシュフローが黒字だからといって収益を無計画に消費するのはおすすめできません。 アパートは老朽化していきますので、どこかのタイミングで大規模な修繕が必要になります。
経営の基本であるコストカットを常に意識し、削れる部分を削ってアパート経営にとりくみましょう。
基本的には、大規模修繕が必要になるタイミングやその際にかかる金額を試算しておき、収益をプールするように計画を立てましょう。
将来を見越した資金計画を立て、それに則ったかたちで貯金をしつつ、浮いたお金を手元に入れるようにすると長期的にアパート経営を続けることができます。
安定した資産運用を行うためには、先を見越した建設的な視野が必須となります。 「浪費してしまう…」という方はこの機会にぜひ意識を改善してみてください。
キャッシュフローについては、こちらの記事でもくわしく解説しています
>>築年数の古いアパート経営が厳しい8つの現実【暴露】キャッシュフロー改善3つの裏ワザ
更新時に大家が取るべき2つの行動
アパートの入居者は、基本的に更新をしない傾向にあります。 アパート経営を行う大家の立場としては長期的に住んでもらい、更新を続けて欲しいものですが、どのような手段をとれば更新してもらいやすくなるのでしょう。 2つの有効な方法をご紹介します。
【11】理由なき退去を防止しよう!
入居者がアパートを退去する理由は様々です。就職、卒業、転職などのやむを得ない理由で退去することもありますが、中には特に理由なく「住み替えたい」という入居者もいるでしょう。
そうした特段の理由なく退去する入居者を離さないためには、今の住居で不満に感じる部分をヒアリングし、改善案を提示してみるのが効果的です。
大手物件サイト「SUUMO」が2014年に行った調査によると、引っ越しを決断した理由の1位~3位は以下のとおりでした。
- 「住んでいた物件に不満があったから」:22%
- 「前よりよい条件の家を見つけたから」:20%
- 「結婚したから」:18%。
以下にはライフステージの変化による引っ越しが続いています。
このランキングから読み取れることは、引っ越しの裏には何か物件へ抱く不満があり、それを除去できない限り長期入居は難しい、ということです。
例えば家賃を変えずにモニター付きインターフォンを導入してみたり、ガスコンロやふすまといった比較的新調しやすい家財を新品に変えてみるなどの施策はいかがでしょうか。
他にも更新料を割引、サービスするなどの施策によって、入居者の心をつかむことができます。
あらかじめ退去を予防するための施策を考えておき、ここぞというタイミングで交渉を行うようにすると退去を防ぐことができます。
また、新調した家財は次の入居者に対してもアピールポイントになるため、一石二鳥の施策といえます。ぜひ検討してみてください。
【12】交渉力で家賃の値下げを阻止!
更新を行う際に家賃交渉を行われることも往々にしてあります。 「値下げしないと引っ越されてしまう…」と考えがちですが、それは早計です。
契約時に知り得た相手の情報から大体の生活水準や思考を読み、交渉を行う技術を身に付けることで、一方的な交渉に持ち込まれずに済むでしょう。
例えば年収から月の収入を割り出し、その生活水準を予測します。そして時期や地域によっても変動しますが、引越し代の見積もりなどから本当に入居者は引っ越しが苦ではないのか否かを判断します。
また、市場調査を入念に行い、自分のアパートの家賃設定が妥当であれば交渉時に「うちの値段設定は周囲の物件と比べても妥当だ」と主張できます。
他にも修繕や管理費用の内訳を作成して提示し「こうした収支になっているから家賃は妥当だ」と説明することもできるでしょう。
交渉は事前の準備がキモになります。家賃交渉に応じるか否かも含めて先の展開を予測し準備しておきましょう。
迅速さと合理的判断が大事!退去時の2つの業務
入居者が退去する場合、大家の仕事は大きく2つあります。
迅速さと合理的な判断が重要になってきますので、いまから意識しておきましょう。
【13】原状回復のガイドラインを見ておこう!
退去時にみつかった傷や汚れについて入居者と話し合いを行うこともあるでしょう。
国土交通省が定めている「原状回復のガイドライン」をひとつの目安として修繕の依頼を行えば敷金返還訴訟などのトラブルに発展しても有利に展開を進められます。
このガイドラインに沿ったこれまでの判例を見てみると、18年以上賃貸借していた物件の退去時にカビが生えていた際に、18年の間に内装の修理や交換が一切行われていなかったことを考慮して、原状回復の義務はないという判決がくだされています。
入居者の利用方法を鑑みながら、客観的に原状回復の必要があるか否かを決めていますので、たとえば退去時に損耗があったとしても、それがすべて原状回復されるとは限らないのです。
トラブルを防ぐためにも入居時に写真をとったり、お互いに確認をしていた破損や傷をもとに合理的に判断するようにしましょう。
【14】修繕やクリーニング業者の手配は事前に準備!
多くの入居者が動き始めるのは2〜4月前後。引越難民という言葉にもあるように、アパートの大家にとってもこの時期の入居者確保は最優先事項。
なるべく早めに退去後の手続きを済ませてしまわなければ、他の物件に出遅れてしまいます。スピーディに修繕やクリーニングを終わらせてしまいましょう。
しかし、多くの大家も同じように考えていますので、実情としては修繕やクリーニングの手配は遅延しがちです。
先手を打って早めに業者を手配したり、業者とスケジュールを調整しておくとラッシュに巻き込まれずに済むでしょう。 ぎりぎりになってから焦らないように、あらかじめ準備しておくことが肝心です。
まとめ
アパート経営の難しさやリスクを攻略するために必要な14の業務、スキルについて説明してきました。
難しい反面、やりがいも多いアパート経営。その魅力が少しでも伝わっていれば幸いです。
最後にインターネットの知識はお持ちですか? 今入居者に1番人気の設備が無料インターネットサービスです。こちらの記事でくわしく解説しています
>>アパート経営に無料Wi-Fiインターネット【大家の感想付】宅建士が5つのポイントを解説