空室対策に強い仲介業者の選びかた【ADの裏技と仲介会社を通さない裏技】
アパート経営中の大家さん、今の仲介業者と信頼関係ができていますか? 「このままでは空室がつづいてしまいますよ」と仲介業者に言われるがまま、広告宣伝料(AD)を出してしまっている大家さんもいるのではないでしょうか。
「あぱたい」では本当の意味で力になってくれる仲介業者の選びかたを紹介。これからアパート経営をはじめようとしている人も、空室対策に強い仲介業者に巡り会えるヒントがここにありますよ!
目次[非表示]
- 1.空室対策における仲介業者の役割とは?
- 2.仲介業者に支払う広告宣伝料(AD)の効果的な使いかた
- 2.0.1.ADを効果的に使う裏技
- 2.0.2.ADのメリット
- 2.0.3.ADのデメリット
- 3.4タイプの仲介業者!それぞれのメリットとデメリットは?
- 3.1.タイプ1.一般媒介タイプ
- 3.2.タイプ2.専任媒介
- 3.3.タイプ3.集金管理専任媒介
- 3.4.タイプ4.家賃保証(サブリース)
- 4.空室対策に強い仲介業者5つの特徴
- 4.1.1.物件のエリアに詳しい
- 4.2.2.積極的に集客や募集に力をいれてくれる
- 4.3.3.大家側の要望や依頼に迅速に対応してくれる
- 4.4.4.ホウレンソウがしっかりしている
- 4.5.5.信頼できる業務をおこなっている
- 5.空室が埋まらない!仲介業者を変更する前に……
- 6.新しい空室対策として注目!仲介業者通さない『ウチコミ』サイト
- 7.まとめ
- 7.0.1.この記事を読んだ方に人気の記事
空室対策における仲介業者の役割とは?
仲介業者とは「アパートを貸したい」と思っている大家さんと「アパートを借りたい」と思っている入居者を結びつける「客付け業者」です。
インターネットが普及する前は、直接不動産屋に行って部屋を探してもらうのが主流。ときには何店舗も回り、時間をかけて部屋を探す人もいました。しかし、現在は賃貸ポータルサイトを使って部屋を選ぶ時代となりつつあります。
不動産紹介サイトによっては実際に部屋をみなくても、まるで内見しているような動画が掲載されています。何件も内見をして決める人が減っているのも納得です!
こうみると仲介業者の仕事が減っているような印象ですが、そんなことはありません。仲介業者は、多くの大家さんを以下の仕事で支えています。
仲介業者の主な収入源は「仲介手数料」
仲介業者の報酬は、契約時の仲介手数料。 仲介手数料が仲介業者の主な収入源となります。仲介手数料額は、家主と借主合わせて賃料の1か月分(+消費税)と宅地建物取引業法(以下宅建業法)で決まっており、共益費、管理費は仲介手数料に含まれません。
仲介業者は1件でも多く契約を獲得するため、ニーズに沿った物件を提供したり内見したりと日々奮闘しています。
【仲介業者の業務】
- 物件情報収集
- お客様へ物件提供
- 物件案内
- 契約・重要事項説明
- 更新事務
- 大家さんとの媒介契約
今回は賃貸メインで説明しますが、不動産売買の仲介も同様に仲介手数料があり売買金額によって割合が変わります。
仲介業者に支払う広告宣伝料(AD)の効果的な使いかた
ADとは仲介業者が仲介手数料とは別に大家さんからもらう報酬のことで、募集図面の下方などに「AD100」や「AD1」(100=1=賃料1か月分)と記載されています。 仲介手数料は賃料の1か月分と決まっています。
「媒介依頼者の要請により、広告料金に相当する報酬額については受け取ることができる」という、いわば一種のインセンティブのような内容が宅建業法には存在します。
媒介依頼者の要請がないのに広告料をもらうのは宅建業法違反だから注意してください。
ADを効果的に使う裏技
- 閑散期を狙う
1年を通して7~8月、11~12月が閑散期といわれている時期です。この時期には空室を埋めるためにADを利用して、仲介業者に積極的に営業してもらえるようにします。
- 競合物件が多いエリアで空室がつづいたら狙う
同じような条件の物件が周辺にあると、仲介業者はより報酬が見込める物件を優先的に紹介します。ほかのアパートオーナーがどのくらいのADを設定しているか、周辺物件の情報を再度確認しましょう。
ADのメリット
- 仲介業者が積極的に営業してくれる
- ADの範囲内で初期費用の値引き交渉に対応でき、客付けしやすくなる
仲介手数料以外に報酬がもらえるんだから、営業が積極的になるのは当然の心理です。ADを「報酬」と考えず契約成立のアイテムにする仲介業者もいます。
ADのデメリット
- 早期退去のリスクがある
- エリアによっては1か月分では済まないことも
早期退去を防ぐために短期解約は違約金を設定することもあります。AD2か月はちょっと辛いけど、空室がつづくのはもっと辛いです。
4タイプの仲介業者!それぞれのメリットとデメリットは?
媒介の種類 |
媒介の違い |
1.一般媒介 |
複数の仲介業者に依頼 |
2.専任媒介 |
ひとつの仲介業者に依頼 |
3.集金管理専任媒介 |
契約に関わるお金の管理を委託 |
4.家賃保証 (サブリース) |
仲介業者が一定の期間、家賃を保証する |
タイプ1.一般媒介タイプ
仲介業者は客付け(入居募集)のみを業務とし、大家さんは物件の募集依頼を複数の仲介業者に依頼できます。 より多くの入居希望者に物件を知ってもらえる、多くの斡旋をしてもらえるのがメリット。
レインズなどの不動産流通標準情報システムに登録義務がないため、一般媒介にしなければいけないほどの理由はありませんが、大家さんからの任意で登録自体は可能です。
【レインズ】とは
不動産流通の活性化と消費者利益の保護・増進を図るため、平成28年1月よりレインズにおいて取引状況の登録制度の導入と売却依頼主専用確認画面の提供を開始します。
レインズとは、Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)の略称で、迅速に取引の相手方の探索を行い、成約可能性を向上させるために構築された宅地建物取引業者間の物件検索システムです。
(中略)
これにより、媒介を依頼した売主の安心・安全を確保し、レインズを通じた取引の相手方の探索の適正化・円滑化を図ることが期待されます。
引用先:国土交通省
レインズの登録することで多くの仲介業者に依頼していると認知されるため、なかには積極的な客付けをしない仲介業者がいる可能性もあります。
タイプ2.専任媒介
客付けのみの業務という点では一般媒介と同じですが、ひとつの仲介業者だけに募集依頼を絞る媒介契約です。レインズの登録義務もあり、募集の反響を定期的に報告する義務もあり。
一般媒介契約よりも双方の距離が近くなるため、仲介業者は大家さんの期待に応えるべく積極的な客付けをしてくれたり、入居率がアップするアドバイスをしてくれたりなど大家さんのメリットにつながります。 また、専任媒介は「専任媒介」と「専属専任媒介」のふたつにわけられます。
【専任媒介と専属専任媒介の違い】 専任媒介は業者に依頼をしても大家自身で入居者を探せますが、専属専任媒介は自分で入居者を探すことは禁止されています。(自己発見取引の禁止の特約) 専属専任媒介のほうが大家さんの行動が制限されますが、入居者を探す予定がない・手間をかけたくないという人にはオススメのタイプです。 |
一般媒介と違ってひとつの仲介業者だけに依頼するから、募集に反応がなければいつまでも空室がつづくデメリットはあります。
タイプ3.集金管理専任媒介
客付けのほかに、家賃や契約に関するお金の管理を業務とした媒介契約です。
委託できる業務は以下のとおり。
- 毎月の家賃管理
- 入居者が家賃滞納をした対応
- 退去時の敷金精算など
最近では数か月の家賃滞納保証請け負いサービスを取り入れる業者も増えています。客付けから管理までひとつの会社でおこなってくれるので、大家さんにとって手間が省ける媒介契約です。 専任タイプでもあるので、管理は満足だけど仲介はちょっと……と感じても契約解除までは悩んでしまうことも。
タイプ4.家賃保証(サブリース)
アパート一棟を不動産会社が借り上げ、空室の有無に関わらず一定期間の家賃保証がある契約です。募集や入居・管理などすべての業務をお任せ。定期的な家賃収入があるので大家さんにとってはメリットが大きいと感じられます。
しかし家賃保証の期間がすぎ、空室状況によっては家賃保証の金額を大幅に下げられるリスクも。リスクを考慮したうえで収支計画を立て、慎重に検討する必要があります。
空室対策に強い仲介業者5つの特徴
空室対策に強い仲介業者の特徴をあげてみました。
- 物件のエリアに詳しい
- 積極的に集客や募集に力をいれてくれる
- 大家側の要望や依頼に迅速に対応してくれる
- ホウレンソウがしっかりしている
- 信頼できる業務をおこなっている
物件に関する知識の多さと、仕事に対する誠実さが決め手になりそうです。
1.物件のエリアに詳しい
物件がある地域の移り変わりに詳しい仲介業者は、周辺の物件状況も周知しているため、空室対策や客付けに有力な情報をたくさん持っている可能性が高いです。
周辺物件の大家さんとの信頼関係を長年築いている、地域密着型仲介業者も多そうです。大家さんへの対応もしっかりしていることが多いです。
2.積極的に集客や募集に力をいれてくれる
依頼した物件情報を、自社サイトや大手賃貸ポータルサイト(アットホームなど)に掲載し、より多くの人の目にとまるよう働きかけてくれる仲介業者は心強いです。
できれば依頼してすぐに掲載してくれる業者だとより安心です。ほかの仲介業者と物件情報の共有をしてくれるかもチェックしましょう!
物件掲載のために外観や部屋の撮影をおこないます。魅力的な部屋にみえるよう撮影してくれたり、動画もわかりやすく編集されていたりすると業者に対して信頼度が増しますね。
3.大家側の要望や依頼に迅速に対応してくれる
空室対策のアイデアや提案はもちろん、大家さんの悩みにもしっかり乗ってくれると安心できますよね。
大家さんへのレスポンスが早い、というのも重要です。空室対策アイデイアを多く提案してくれる仲介業者は、それだけたくさんの物件を知っているということに直結します。
4.ホウレンソウがしっかりしている
内見、退去など大家さんが知っておくべき情報を遅滞なく知らせてくれるか、うやむやにせず聞かれたことに対してしっかり応えてくれるかは重要なポイント。 大家さんのなかには不動産業にあまり詳しくない人もいます。
相手によって言葉を選んで話してくれているかどうかは「誠実さ」を見極めるヒントにもなります。
5.信頼できる業務をおこなっている
不動産公正取引協議会によって禁止されているような言葉、例えば「著しく安い」「最上級」「一切欠けるところがない」といった言葉を使用して宣伝している業者は信頼性が低い可能性があります。 募集の際にこういった文言を使用していない業者を選びましょう。
また、釣り物件(契約できない物件)を多く掲載している業者は避けるのがマスト。
ワケあり物件でもないのに相場とかけ離れた安い賃料など、好条件すぎる物件は釣り物件の可能が大です。釣り物件での客集めは宅建業法違反だから絶対ダメです!
大家さんと業者は「人対人」。相手との相性も大事な要素なので実際に店舗を訪問し、担当者と話したり店内の様子を確認したりするのも大事です。
空室が埋まらない!仲介業者を変更する前に……
専任媒介で空室が埋まらず、仲介業者の客付け能力に疑問を感じるのであれば変更は可能です。 しかし、その前に空室対策の見直しをしてからでも遅くはありません。
- 募集方法の確認
大手賃貸ポータルサイトの掲載や、他社への営業活動をしているか詳しく確認。掲載はしていても、他社への営業活動は後手後手の可能性があるので再度依頼してみるのもひとつのやりかた。
- 広告費の確認
広告費の相場を仲介業者に確認し、相場かそれ以上の広告費を払うか検討。客付けしてくれた仲介業者に対してメリットが感じられる報酬配分を意識しましょう。
- 大家営業の許可
専属専任媒介でない限り、大家さんが自ら営業をおこなうのは可能です。他社へのインターネット掲載や大家自ら宣伝活動をしてもいいか許可をもらい、大家さんが他社へ足を運び、物件と大家さん自身の顔を売りましょう。
新しい空室対策として注目!仲介業者通さない『ウチコミ』サイト
画像引用:ウチコミ!
株式会社ウチコミが運営する賃貸ポータルサイトの『ウチコミ!』。仲介業者を間に挟まず、直接大家さんが物件を掲載し、入居者を募集します。登録や掲載は無料で、契約成立時に仲介手数料として家賃1か月分を支払うシステム。
自分で掲載するので物件の魅力を好きなだけアピールできます!直接入居者からの問い合わせがくるから、真のニーズが知れて今後のアパート経営に役立ちます。
【ウチコミ!のサービス内容・メリット】
- 大家さん自身のプロフィールページがあり、入居者に安心感を与えられる
- 自身の物件ページへの閲覧者数がわかる
- プロカメラマンに物件撮影を依頼できる
- 入居者が登録した希望条件に対し、物件のアプローチができる
一般的な賃貸契約だと入居希望者からの問い合わせは、不動産業者を介します。時間のタイムラグで報告が遅くなってしまったり、意思がうまく伝わらなかったりして契約のチャンスを逃がしてしまうことも。
しかし「ウチコミ」は貸したい人と借りたい人が主役。 入居者と直接やり取りができるため、スピーディな契約が可能になります。内見・契約はサイト認定のエージェント(仲介業者)がおこないます。不動産業に詳しくない大家さんでも気軽にはじめられるのではないでしょうか。
詳しくはこちら>>ウチコミ!
まとめ
筆者であるわたし自身、仲介業務をしていた経験があり、これまでさまざまな仲介業者に出会ってきました。同業者からみても誠実さを感じた仲介業者は受け答えがしっかりしていて、説明もわかりやすく端的。仕事もスムーズでした。 よい結果が生まれる空室対策。それは仲介業者との信頼関係の構築からはじまるとわたしは思います。
今回は仲介業者を介さない賃貸経営のサイトも紹介しました。今までとは違った空室対策方法のひとつとして、空室解消のチャンスを広げてみてはいかがでしょうか。 空室対策は仲介業者との信頼関係でうまくいくということをお伝えしました。
大家さん自身がおこなえる空室対策として、無料のインターネットサービスを活用してみませんか?
詳しくはこちらの記事でお伝えします>>アパート経営に無料Wi-Fiインターネット【大家の感想付】宅建士が5つのポイントを解説
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