モデルルームで空室対策!家具など6つのアイデアで空室期間を1/3に短縮できる
空室対策はいろいろありますが、モデルルームを設置するというと尻込みしてしまいませんか?
その理由は、
- 効果がわからない
- 手間がかかる
- 費用がかかる
といったところでしょうか。
たしかにモデルルームを設置したところで物件に魅力がなければ入居してもらえません。しかし、入居者が同じような物件を複数内見しているような場合には、モデルルームを設置したほうが絶対的に有利になるのです。
今回は「あぱたい」が、なぜモデルルームを設置することが空室対策になるのかを具体的に解説!
さらに、できるだけ手間や費用のかからないモデルルームの設置の仕方もご紹介します。 ちょっとした工夫をして効果的なモデルルームにチャレンジしてみましょう!
目次[非表示]
- 1.モデルルームが空室対策になる6つの理由
- 1.1.理由1:ライバル物件より有利になる
- 1.2.理由2:入居後の生活をイメージさせる
- 1.3.理由3:検討する物件に入れてもらえる
- 1.4.理由4:内見ができなくても入居募集で有利
- 1.5.理由5:仲介業者も案内したくなる
- 1.6.理由6:家賃の下落が緩やかになる
- 2.アパートを満室にする6つのアイデア
- 2.1.【アイデア1】配置する家具は小さ目がベスト!
- 2.2.【アイデア2】カラースキームを意識する!
- 2.3.【アイデア3】部屋の印象をアップさせる置き型照明!
- 2.4.【アイデア4】物件の魅力をPOPでアピール!
- 2.5.【アイデア5】設置した備品をプレゼントする!
- 2.6.【アイデア6】大家さんの心遣いをさりげなくアピール!
- 3.モデルルームをおこなう際の注意点
- 3.1.中古家具などでコストをおさえよう
- 3.2.全室モデルルームにする必要はない
- 3.3.モデルルーム化の作業は効率的に
- 3.4.センスに自信がなければ業者に依頼
- 4.モデルルームは空室期間を1/3にする!
- 4.1.ユーザーニーズを常に意識しよう
- 5.まとめ
- 5.0.1.この記事を読んだ方に人気の記事
モデルルームが空室対策になる6つの理由
もしあなたのアパートに慢性的に複数の空室があるとしたら、モデルルームを設置することは急務。その理由を詳しく解説していきましょう。
理由1:ライバル物件より有利になる
賃貸の検索サイトでライバル物件をみてみると、モデルルームを設置している物件はほとんどないと思いませんか? 実は募集を仲介会社や管理会社に任せっきりにしていると、モデルルームなどの手間のかかる空室対策というのはほとんどやってもらえません。
そのため空室にモデルルームを設置できれば、すぐにライバル物件との差別化ができるというわけなのです。
慢性的な複数の空室を埋めるためには、とにかく入居者からの反響を増やす必要があります。反響とは賃貸の検索サイトからの問い合わせですが、それを増やすためには検索サイト内でライバル物件との差別化が必要です。
理由2:入居後の生活をイメージさせる
空室を見慣れてない人からすると、がらんとした部屋はまったくなにもイメージできないものなのです。 一般の人は、そんなに空室を目にする機会は多くありません。
それだけに、モデルルームを設置して入居後の生活をイメージさせてあげることは、入居者の印象に残るもっとも効果的な方法なのです。 またそれだけではなく、実際に家具や家電が配置されていることで自分の持っている家具や家電が収まるかどうかだいたいの判断ができます。
例えば、仲介業者がはじめてのひとり暮らしをする入居者を空室に連れていき、がらんとした部屋に入って「どうですか? 」と聞いたとします。入居者は十中八九、「どうって言われても……」といった反応をするでしょう。
入居者のちょっとした不安を解決することもモデルルームの大事な役割です。 空室にモデルルームを設置することのもっともかりやすいメリットは、空室に家具や家電を配置したときのイメージを入居者に伝えられることです。
理由3:検討する物件に入れてもらえる
モデルルームの写真をサイトに載せることで入居者からの反響がきたとしても、大切なのはここからです。不動産業者と入居者が選ぶ、内見する物件のリストに入る必要があります。
不動産情報サイト事業者連絡協議会が公表する「不動産情報サイト利用者意識アンケート」では、入居者が不動産業者に問い合わせる物件数の平均数は5.1物件というデータがあります。
画像:「不動産情報サイト利用者意識アンケート」より独自作成
およそ5物件ということになりますが、必ずしも5物件すべて内見するとは限りません。物件のなかにはまだ退去しておらず内見できないものや、オーナーや管理会社と連絡がとれずに内見が手配できないものがあるからです。
ちなみに同アンケートによると、入居者が不動産業者に問い合わせる決め手となった一番の理由は「写真の掲載点数が多いこと」という調査結果も公表されています。
不動産業者に問い合わせる決め手
※「青」は複数回答された項目、「ピンク」は特にポイントになると回答された項目です。
画像引用:「不動産情報サイト利用者意識アンケート」
モデルルームの写真をネット広告に多数掲載すれば、反響が増えることも十分期待できます。 モデルルームを設置して、さらに広告に "即内見可" と掲載しておけば、内見する物件に選ばれる可能性はほぼ100%でしょう。
理由4:内見ができなくても入居募集で有利
前項では内見をする物件のリストに入ることが重要という話をしました。 しかし、繁忙期にはさらに「内見をしなくても退去予定で申込を入れることができる物件」というのがとても重要。繁忙期は物件の争奪戦になるので、退去を待っていたら他の人に取られてしまうからです。
内見しなくても申込が入る部屋と、内見しなくては申込が入らない部屋の違い。それは豊富な物件情報に写真があるかどうかの差です。
モデルルームを一度設置して物件情報に写真が掲載されていることが営業ツールになってくれます。 センスのいいモデルルームの写真があれば、写真をみることで入居後の生活をイメージさせることができるのです。
理由5:仲介業者も案内したくなる
仲介業者が入居者を積極的に案内する物件の条件をご覧ください。
- 広告料が高く利益につながる
- しっかり管理されている
- 原状回復に力を入れている
- オーナーに条件交渉ができる
ベテランの仲介営業ほど、あまり多くの物件を案内しません。案内すれば入居者が決めてくれる安定した "決め物件" を持っているからです。
逆に管理がいき届いていない物件やクリーニング前の汚い物件は、仲介業者が案内することを避ける場合があります。
モデルルームの設置は、入居者を案内してくれる仲介業者に対してもいいアピールになります。仲介業者はシビアなので、案内しても決まらない物件はまず案内しません。逆に入居者が決まりやすい物件は積極的に案内します。
理由6:家賃の下落が緩やかになる
空室が複数出てしまったときは、値下げではなくモデルルームを設置するという前向きな対策を打ちましょう。
費用はかかりますが結果的に賃料維持ができて空室期間が最短で済めば、アパート全体の賃料下落率も緩やかになります。
もちろん経年による家賃の値下がりは仕方ありませんが、空室を埋めるための急激な値下げはアパート経営に悪影響を及ぼします。
急激に値下げすると、まず起こるのが入居者の属性の低下。今までとは違ったタイプの入居者が入ることで、トラブルやクレームが増える可能性があります。その結果、長く住んでくれている優良な入居者の退去につながるという、絵に描いたような悪循環です。
アパートを満室にする6つのアイデア
では、実際にモデルルームを設置するにはどうすればよいのでしょうか? 効果的なモデルルームをつくるにはちょっとした工夫が必要です。簡単なことばかりなので、ぜひ試してみてください。
【アイデア1】配置する家具は小さ目がベスト!
モデルルームに配置する家具は、できるだけコンパクトサイズのものを選びましょう。普通サイズの家具だと部屋が狭く感じてしまうためです。
例えば、ソファは3人掛けでなくふたり掛け、ダイニングテーブルは4人用ではなく2人用を選びます。デザインも大きくて重厚感のあるものではなく、シンプルですっきりとしたものを選びましょう。
【アイデア2】カラースキームを意識する!
壁、床、天井の色を「ベースカラー」とし、主要な家具を「メインカラー」とします。 たいてい壁、天井は白基調のためベースカラーは白、フローリングの色がメインカラーとなることが多いでしょう。そこに「アクセントカラー」として差し色を入れます。
コツはメインカラーを部屋のコンセプトに合う色にすること。そしてアクセントカラーはビビットな色や鮮やかな色、または季節ごとに季節感のある色をつかうなど空間にメリハリを持たせることです。
【アイデア3】部屋の印象をアップさせる置き型照明!
モデルルームは天井に照明を取りつけることが必須ですが、さらに置き型照明を使って部屋の印象をアップさせましょう。 置き型照明の主な働きは次のふたつです。
- 部屋のなかでもっとも強調したい場所に視線を集める。
- 日当たりの悪い部屋に落ち着いた印象を持たせる。
置き型照明のやわらかい光は、部屋に心地よい雰囲気を演出してくれます。かかる費用も1000円からと安いものなのでぜひチャレンジするのがオススメです。
【アイデア4】物件の魅力をPOPでアピール!
モデルルームに設置した家具やその周辺に、POPでメッセージを表示しましょう。これは、内見では気づきにくい部屋の特徴をお知らせするものです。案内した不動産業者へのメッセージにもなります。
〈モデルルームのPOPの例〉
- 「晴れた日は富士山が見えます」と窓にPOPを貼る
- 「防犯性の高いカードキーです」と玄関にPOPを貼る
- 「CATV導入済み、BS・CSチャンネル視聴可能」とテレビ線の差込口にPOPを貼る
【アイデア5】設置した備品をプレゼントする!
空室対策の一環として、前述の置き型照明のように小型で値の張らないモデルルーム備品を入居者にプレゼントするという方法も。
オススメなのは、照明やグリーン、クッションなどです。水回りでつかうような備品は避けたほうがよいです。POPで「入居していただいたかたにプレゼントします! 」と表示しておきましょう。
【アイデア6】大家さんの心遣いをさりげなくアピール!
モデルルームはあくまで空室対策が目的。飾ることにばかり注力するのではなく、入居者が内見に訪れることを意識しておきましょう。
- スリッパを用意する
3人分用意して玄関に並べておきましょう。不動産業者もスリッパを持ってきますが、忘れることもあります。せっかくなのでここぞとばかりふかふかの良質なスリッパを用意しましょう。
- 間取り図面、ボールペン、メジャーを用意する
セットにして玄関に設置しておきましょう。気になる箇所の寸法を測ってメモできるように準備しておくことで、入居者の二度手間を防ぐことができます。
こちらの記事では小物を使った空室対策を詳しく解説しています>>空室対策の工夫!小物や芳香剤など簡単なのに満室になる裏技13選
モデルルームをおこなう際の注意点
モデルルームの設置は空室対策に有効ですが、最初は費用と手間がかかるもの。できるだけ費用と手間を省く方法や、モデルルームを設置する際の注意点をお伝えします。
中古家具などでコストをおさえよう
IKEA、ニトリ、無印良品、Francfrancなど、安くて入居者うけのいいものを活用しましょう。また、大型の家具は中古ショップを利用するのもオススメです。
ここで大事なのは、あくまでコストのバランスを重要視するということ。好きだからといって高級なデザイナーズ家具をそろえたり、コストをかけたくないからといって安物ばかりにしたりでは本末転倒です。
全室モデルルームにする必要はない
基本的に、モデルルームは「もっとも入居が決まりづらい部屋」で実施します。
モデルルームにする部屋の例は下記のような部屋。
- 1階のエントランスから入りやすい部屋
- 2階以上であれば階段に近い部屋
- 日当たりの悪い部屋
- 道路が近くて騒音のある部屋
ちなみに複数の空室がある場合、内見にきたひとはどこがモデルルームなのか迷うこともあります。内見用の鍵をモデルルームの鍵とし、モデルルーム室内にほかの空室の鍵を設置しておくことがオススメです。
モデルルーム化の作業は効率的に
モデルルームを設置するときに一番気をつけなければならないのは、設置作業を効率的におこなうこと。 モデルルームはあくまで空室対策。満室になる見込みがあるならモデルルームを設置せずに手間を省くのも大事です。
モデルルームの設置は3時間以内に終わる量としましょう。
ひとりでできることが理想カニ。[/surfing_voice] しかし、大型家具があるとそうもいかないので、身近な手伝ってくれる人をしっかり確保しておくことが重要です。
センスに自信がなければ業者に依頼
モデルルームを設置したいけどセンスに自信がないというひとには、ホームステージングの業者を利用することからはじめるといいでしょう。業者を利用するとコストはかかりますが、慢性的な空室を解消するには一時的な費用と割り切ってしまうべきです。
また、最初は業者を利用することでモデルルームのコツがわかるというメリットもあります。
〈ホームステージングの特徴〉
メリット |
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デメリット |
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費用の相場 |
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参考リンク |
モデルルームは空室期間を1/3にする!
モデルルームを設置することで、空室期間は約1/3に短縮、家賃は2%と若干ながら上昇しています。 日本ホームステージング協会では、賃貸のアパートマンションにモデルルームとしてホームステージングをおこなった場合の効果について調査をしています。
〈ホームステージングの導入前と導入後の効果比較〉
導入前 |
導入後 |
|
平均空室日数 |
91日間 |
33日間 |
平均家賃 |
67,358円 |
68,691円 |
モデルルームの設置には手間と費用がかかりますが、ここまで効果が出ればその費用回収は容易にできるでしょう。
ユーザーニーズを常に意識しよう
モデルルーム以外にも検討すべき空室対策は以下です。
- 劣化、陳腐化した室内設備の交換
- DKタイプの間取りをLDKタイプなどニーズにあった間取りにリノベーション
- テレビモニター付きインターフォンの設置
- 室内物干しの設置
- 無料インターネットの導入
- 簡易的な宅配ボックスの設置
- 共用部分の特別清掃、放置自転車の整理、ゴミ置き場の整理など
- 更新料、礼金、フリーレントなどのサービス
- ペット飼育可、楽器演奏可などの契約条件の見直し
- 家賃の見直し
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こういった空室対策をおこなったタイミングで、モデルルームを設置することもたいへん効果的です。入居者だけでなく、物件に案内をする不動産業者へのアピールにもなります。
まとめ
モデルルームは費用も手間もかかるのでハードルの高い空室対策です。しかし、空室が慢性化しているような場合はとにかく一度やってみることをオススメします。
入居に効果があるだけでなく、オーナーとしても物件の特徴を再認識できるというメリットがあるからです。 モデルルームを設置するという作業は、入居者がどんな生活をしてどんなニーズを持っているのかを掘り下げて考える作業です。
入居者のニーズをしっかりと把握することは、今後のアパート経営に必ず役に立ってくれるでしょう。空室対策なら無料インターネット設備もかなり人気です。
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